第36回水族館ネット句会
顔、目、耳、鼻、口、頬、など顔の一部 2004年12月
◎◎◎◎◎ ふくろふに耳を預けて眠りけり 真里子
◎◎ かっと見開く海老蔵の十二月 ムンク
◎◎ 冬林檎食み口中の華やかに 明美
◎○○○○○○ 双眸に白山茶花を溜めてをり 九鼠
◎○○○ 知りたくなりぬ雪虫の目鼻立ち 真里子
◎○○ オリオンの真向ひにある耳の医者 洗濯機
◎ クリスマス窓に映れる顔ゆがみ お軽
○○○ 泣き黒子ひとつ越後の雪女郎 お軽
○○○ 年の暮れ手八丁より口八丁 ムンク
○○○ 真向かふや眉間に響く冬北斗 九鼠
○○ 目の隅を綿虫の影らしきもの おるか
○○ 初雪や両手で頬を包みこみ 山猫
○○ 頬かぶり鼻の大きな男なり お軽
○○ 目礼をして冬霧にすれちがふ 山猫
○○ しぐるるや飴山實あぎとの句 九鼠
○○ 海鼠桶ジゴロの君は口開く マンタ
○○ 寂しさは鼻の冷たさ冬薔薇 明美
○○ 福耳に真珠の飾りクリスマス 桑
○○ 風呂吹に飾り気のなき顔揃ふ 真里子
○○ 霜晴や点眼薬の沁みてきし KUMI
○○ 浪人の鼻のとがりてクリスマス 美頬
○ 口塚は遠からずとか冬至風呂 洗濯機
○ 真夜中の耳鳴りはげし虎落笛 ムンク
○ 木枯や鼻のてっぺんばかり燃え マンタ
○ いつとなく一人片頬灼く冬日 おるか
○ 災いの目に残りたる初氷 ふくさん
○ 舌に振る散薬苦し漱石忌 KUMI
○ 巻繊(けんちん)をちひさな口へお食ひ初め 桑
○ 風呂吹や耳朶のうすきは母ゆづり KUMI
○ 眉あをき雪をんななり手毬抱く 美頬
○ 雪女息もるゝ鼻ふるゝ鼻 洗濯機
目の開かぬ子猫を拾ふ小六月 山猫
ほほ寒く赤いバイクを待つ手紙 ふくさん
恋の色潤目鰯に泣きぼくろ マンタ
星冴えて眉の濃き子の眠り落つ 明美
早朝に鳴る電話に目覚め火事見舞 桑
夏座敷ざしきわらしの目とあひぬ 美頬
天辺やまぶたに透きて冬ざくら おるか
早朝の冬の白鳥雲の海 ふくさん