第32回水族館ネット句会
葛の花 蓼の花 溝蕎麦 藪からし 山葡萄 2004年8月
◎◎◎○ 葛の花ちひさきものを隠しけり 真里子
◎○○○ 俗名の先生の墓蓼の花 お軽
◎○○ その向かう山薄墨に葛の花 おるか
◎○○ 家系図の終りにわが名藪からし KUMI
◎○○ 大人には聞こえぬ鈴や山葡萄 ふくろう
◎○ 葛咲くやこの道風の通り道 KUMI
◎○ 酒焼けの翁秘蔵の山葡萄 洗濯機
◎ 岩山を雪崩れ色濃き葛の花 桑
○○○○ 溝蕎麦を折りて徐福の墓までを おるか
○○ 少年の日を点々と葛の花 九鼠
○○ 溝蕎麦の花摘み唄へおふぃーりあ 美頬
○○ 溝蕎麦や水は芥を置きざりに KUMI
○○ 故里へ分骨かなひ葛の花 桑
○○ 処女作と届くはがき絵山葡萄 洗濯機
○○ お醤油の濃きは悲しき蓼の花 おるか
○○ 伝へたき空のまさをや山葡萄 真里子
○ 溝蕎麦や父親ゆずりの意地っ張り こはぎ
○ これよりは山姥の道葛の花 お軽
○ 日のあはく射して来たりし葛の花 明美
○ 雲の影つぎつぎ走る蓼の花 明美
○ 葛の花を踏みて行くべき道ひとつ 美頬
○ 子狐も山葡萄色の夜に去る 美頬
○ 葛咲くや万葉秋の相聞歌 九鼠
○ 揺らぎては刻きざみゆく蓼の花 こはぎ
○ わが生家貧乏蔓咲かせをり お軽
○ 隣家より蔓攻めきたる薮からし 桑
風過ぎりため息ひとつ蓼の花 こはぎ
山葡萄ワインとならん今年こそ ふくさん
お互ひに蓼食ふ虫となりにけり ふくろう
葡萄たらざることやよし山葡萄 洗濯機
溝蕎麦の出迎へうけて木曽路かな ふくさん
風語る絵本のねずみ山葡萄 ふくろう
電柱へ這い登りさく葛の花 玲奈
雨戸繰る音やがて止み蓼の花 九鼠
山葡萄記憶のなかの人は美し 明美
葛の花目線を低くすれば見ゆ 真里子
葛の花豪雨災害ものとせず ふくさん
選: 真里子 お軽 おるか KUMI ふくろう 洗濯機 桑 九鼠 明美 ふくさん
句会の様子は、句会場(BBS)のログ(1422〜)にあります。