第21回水族館ネット句会
兼題は、「当季食材、料理」 2003年9月
◎◎○ 敢然と道あやまるやふかし芋 洗濯機
◎○○○○ 秋茄子の花の小振りを数へけり 桑
◎○○○ 新米を炊いてはじまる月曜日 KUMI
◎○○○ 往来を見てゐる主新豆腐 真里子
◎○○○ 飛騨の宿酒一合と衣被 ひみこ
◎○○○ 穴多きチーズにほふや寝待月 おるか
◎○ 秋鯖に塩ふる吾子に背を向けて 明美
◎○ 秋茄子を揉むこの水の容易さよ とびお
◎○ 梨剥くやなほ夕映えの明るさに おるか
◎○ 葡萄喰む月のひかりを喰むごとく 明美
◎ 酢に漬けてほのと紅さす新生姜 ひみこ
○○○○○○ 水に放ちて土の香の新ごぼう KUMI
○○○ 手にあまる梨をそろそろむいている 玲奈
○○ 穴惑ひあんぱんの臍などどうか おるか
○○ 新秋刀一匹買うてゆく男 とびお
○○ 栗飯をほっこり炊いて鄙育ち 桑
○○ 昔語りに椎の実の爆ぜる音 真里子
○○ 愚かなる人間に生れ鰯焼く 明美
○○ すこ料理母の自慢はこれ一つ ふくさん
○ 物見高き人に候しめじ茸 玲奈
○ 山住やキノコのパスタ杉木箸 洗濯機
○ 新走売り子に同じ訛かな 高原まお
○ これだけは譲れぬと婆芋を煮る ひみこ
○ 秋茄子を食わせぬ嫁を持たずあり 玲奈
○ 葡萄園南フランス産の嫁 洗濯機
俎板になほすこやかな秋茄子 とびお
しみじみと茗荷の花に語りかけ 桑
マツタケの香りひとつを連れ帰り ふくさん
零余子飯ほくほくと食み山の詩 真里子
火かげんも季節を移しきのこ汁 こはぎ
秋の日にほんわりふくらむパンの生地 こはぎ
新豆腐賽の目となる掌 高原まお
過ぎし日の木々の香りよマスカット こはぎ
父母の訪ね来し日の走り蕎麦 高原まお
みちのくのもてなしまづは腹子飯 KUMI
オードブル秋の大祭思案どこ ふくさん
句会の様子は「句会場(BBS)」のログ(884〜)にあります。