第19回水族館ネット句会
兼題 「苔の花」「黴」 2003年7月
◎◎○○○○○ 黴匂ふ手斧削りの太柱 桑
◎◎○○○○ 苔の花きのふの雨のにほひとも おるか
◎◎○○○ をさな子の瞼つめたし苔の花 明美
◎◎○○ 仏足石水溜めてをり苔の花 おるか
◎○○○ 苔の花この先つひに獣みち KUMI
◎○○ マツト跳箱黴の香のそこはかとなく 真里子
◎○ 掛軸は玉堂まがひ黴の宿 KUMI
◎○ 水といふ光を湛ふ苔の花 明美
○○○○○ 三界の四隅に増ゆる黴の花 ひみこ
○○○○○ かくれんぼ赤いお堂の黴臭し とびお
○○ 妖精の踏めば咲きつぐ苔の花 KUMI
○○ 最上階真昼を遠く黴チーズ とびお
○○ 母の世の日月冥し苔の花 ひみこ
○○ 水底の鯉の太りて黴の宿 ひみこ
○○ 黴匂ふ田の字の家の土間広し 桑
○○ 黴の香の書架に凭るゝ少女かな 明美
○ きつと今黴は胞子を吐きにけり ふくろう
○ 古寺に篠つく雨と苔の花 こはぎ
○ 苔の花重き図鑑のページ繰る 桑
○ 二十まで黴などくさき生家かな 洗濯機
○ しゃぼん消えまた雨来たる苔の花 こはぎ
爆弾を造れしネット防黴を ふくさん
数ふるは絡みからめる壁の黴 こはぎ
毀たるる瓦の裾の苔の花 真里子
カビもまた家の宝か苦笑い ふくさん
愚かにもバルサミコ酢の黴うれし とびお
今日会ひし人みな猫派黴の花 おるか
拭けないよ黴じゃないんだ髪なんだ 洗濯機
苔の花見つめる心に悪は無く ふくさん
ニッポンの政治家黴びてしまひけり ふくろう
黴うすら先陣を切る別世界 洗濯機
叱りくれし隣人居りし苔の花 真里子
常套と言はるるもなほ黴と古書 ふくろう
まおさんは、選のみ参加
句会の様子は「句会場(BBS)」のログ(809〜832)にあります。