第十回水族館ネット句会　　　２００２年１１月

兼題　｢紅葉」､三句出句､五句選

◎◎◎○○○○　銀杏黄葉日当たる石に坐りけり　　　ひみこ
◎◎○○　　　　　　踵から奈落へ桜紅葉かな　　　　　　　しま
◎○○○○○　　　踏み出して紅葉の風となりにけり　　ふくろう
◎○○　　　　　　　「掛け継ぎ」の小さき看板草紅葉 　　真里子
◎○○　　　　　　　　裏山といふ親しさや初紅葉　　　　　しま

◎○　　　　　　　　　紅葉山漆びかりに雨上がる　　　　　ひみこ
◎○　　　　　　　　　黄落や今朝の気圧の縞模様　　　　 とびお
◎○　　　　　　　　　焦土遠し紅葉しているこの国の　　　玲奈

○○○○○　　　　卓袱台が家のどこかに冬紅葉 　　　おるか
○○○○○　　　　酒の香のふはりと甘き紅葉かな　　　しま
○○○○　　　　　　賜りし紅葉のさとの手漉き和紙　　　ふくろう

○○　　　　　　　　こんな日も緋鯉ははだか山粧ふ　　　とびお
○○　　　　　　　　船溜り紅葉明りをよそにして 　　　　　真里子
○○　　　　　　　　追伸とさくら紅葉に記さうか　　　　　　真里子
○○　　　　　　　　いつの日かお山へ還る紅葉して　　　とびお

○　　　　　　　　　　霧霽れて紅葉の山となりにけり　　　明美
○　　　　　　　　　　紅葉ひたと打つ優柔不断の顔 　　　玲奈
○　　　　　　　　　　谿もみぢ葉裏を濡らす水明かり　　　明美
○　　　　　　　　　　空き瓶にうすき残り香紅葉冷　　　　 ひみこ

　　　　　　　　　　眠りよりさめれば一面紅葉かな　　　　　玲奈
　　　　　　　　　　あかあかと日に照らされし木々の葉よ　ふくさん
　　　　　　　　　　松もまた「紅葉」なるか虫の害 　　　　　ふくさん
　　　　　　　　　　その声に世界砕けて夕紅葉　　　　　　おるか
　　　　　　　　　　照紅葉男坂ゆく女たち　　　　　　　　　　ＫＵＭＩ
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　トンネルは紅葉の山に吸はれけり　　　ＫＵＭＩ
　　　　　　　　　　木洩日のつめたき樹海蔦紅葉　　　　　ＫＵＭＩ
　　　　　　　　　　桜紅葉の抽斗にナイフは眠り　　　　　　おるか
　　　　　　　　　　宇宙より紅葉列島見おろす日 　　　　　ふくろう
　　　　　　　　　　紅葉を観ず「またコウヨウ」と友は去り　ふくさん

　　　　　　　　　　托鉢の笠かたむくや草紅葉 　　　　　　洗濯機
　　　　　　　　　　瀧を抱きいよいよ冷ゆる紅葉山　　　　明美
　　　　　　　　　　紅葉早や半すぎたり風あらは　　　　　洗濯機
　　　　　　　　　　紅葉山に昼日さしけり磨ガラス　　　　洗濯機

句会の様子は｢句会場（ＢＢＳ）」のログにあります。（４７７からです）