これまでの句会の目次に戻る

第八回水族館ネット句会  2002年9月15日

兼題 「虫一切」、三句出句、五句選

◎◎◎○   剃刀の頬にさらりと月鈴子        おるか
◎◎○     虫の夜や鏡の奥にドアが開く      おるか
◎○○○○  きれぎれの灯りの果ての虫の国    真里子
◎ ○○○   土すこし草すこし持ち虫の声      洗濯機
◎○○     轡虫或日は象のこころざし        真里子
◎        虫の音を聴きわけてゐる眠れねば   KUMI

○○○     いつよりの使はぬ井戸やちちろ虫   ひみこ
○○○     馬追の鳴く終い湯を落としけり     ひみこ
○○○     虫のこゑ暁ければ露となりにけり   明美
○○○     しんしんと人刺さぬ虫すだきをり    おるか

○○      夫と妻別々にいるキリギリス      とびお
○○      缶詰に錆浮く月日竈馬          とびお
○○      昼ともす厨に居れば鉦叩         明美
○○      がちやがちやの鳴くや時計を新しく   真里子

○       水に身を浸すがごとし虫の闇       明美
○        納得をせずに諾ふ虫の夜        KUMI
○        戸袋の闇びっしりと虫のこゑ      ひみこ 
○        湯に手脚伸ばし虫の音数へをり    ふくろう
○        昼の虫為すべき事に目瞑りて      ふくろう

         山道に虫相和して語る哉        ふくさん
         ここにゐるひとつの理由鉦叩       ふくろう
         さみしくはないか真昼の鉦叩       KUMI 
         蟋蟀や聞かせてをりぬ情のこと     洗濯機
         三階に居残りしをり草雲雀        洗濯機
         口だけのお詫びの言葉虫の声     ふくさん 
         拉致疑惑コウロギまでもテレビ見て   ふくさん
         若者を見送ったあとちちろ虫    
   とびお

 

句会の様子は「句会場(BBS)」のログ、399〜439にあります。