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第三回水族館ネット句会   2002年4月

兼題「花一切」

◎◎◎◎○ 車座に死者いて染井吉野かな    とびお
◎◎○    手につつむ碗の山傷花曇       おるか
◎◎      彗星も桜もどこか川向かふ      風々坊

◎○○    落花浴びいま白髪となるここち    ひみこ
◎○     平凡な夕べとなりぬ花筵        おるか
◎○     子の部屋の一つ灯の入る夕桜    ひみこ
◎      花吹雪やまず二宮金次郎        洗濯機
◎       戦火地に天はおほかたさくらかな  おるか

○○○    花吹雪夜空に神話あるごとく     洗濯機
○○○    呼び捨てに名前呼ばるる夕櫻    ふくろう
○○     Gパンの穴つくろはず桜餅       ぎふう
○○     初花やおのづから身の透きとほる  真里子

○      添ひ寝して降り積む櫻語りけり    ふくろう
○      花埃キスより艶めく観覧車        褄黄
○      花過ぎの空におほきな落し物      真里子
○      葉桜の今朝ハ緑の万愚節        丹仙
○      今朝もはや花一切の米寿かな     ふくさん
○      桜散る羅漢薄目をあけてをり      風々坊
○      花過ぎや父の遺せし未完の書     ぎふう
○     葬列のうしろ落花のひとしきり      KUMI  
○      黒板に字を書く教師山桜         とびお

      花過ぎや世間に遠きわが暮らし     ぎふう
      ハワイから「さくら」放映花も見て     ふくさん
      日の差せば影倚る花の木の下に     青天子
      八重桜蘂と蘂とを縫ひ合はす       青天子 
      花散るや大きな入り日顔の前       ひみこ
      

      桜しべ軽く閉ざせし電子辞書       真里子
      われらはや水死体めく花篝        青天子
      墨色や花描く筆の鎮まれり        丹仙
      風なども花の形で吹きゆけり       風々坊
      一日は雨を見てゐる花見どき       KUMI
      

      エンジンを止めてそれきり落花かな   とびお
      遊撃手ぴくりともせず花の風        褄黄
      うかうかと人魚の夢や花吹雪       洗濯機
      花を撃つ風に情あり雨まじり        褄黄
       ヒトリシズカ歴史を越して今に往く    ふくさん
      散る桜光の道に風の道           ふくろう
      花鳥の花粉まみれのかほをして      KUMI 

 

句会の様子は「句会場(BBS)」のログ、153〜205にあります。