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第二回水族館ネット句会  2002年3月

兼題、「鳥曇り」、当季雑詠

◎◎◎     どの絵馬も叫び疲れて一括り     絵馬 
◎◎〇     墓守の叔父甥弟みな椿        おるか
◎〇〇〇〇  夢のまた夢の中でも野蒜摘む     青天子

◎〇〇     雑踏にゐて人遠し鳥曇        ぎふう
◎○○     三月や日々に整ふ山の音       ひみこ

◎○      ヘリオトロープ首に重たき湿布かな  とびお
◎○      候とをはりし書簡鳥曇        真里子
◎○      傷もなくきのふ失ふ鳥曇       大谷 弘至

◎       牛の背に乗りし牧童鳥雲に      絵馬
◎       奥能登の塩おむすびや鳥曇      おるか
◎       やはらかき土重ねあり竹の秋     真里子

○○      おもてうら背中ばっかり春の夢    洗濯機
○○      鳥曇河口の船に日章旗        KUMI
○○      鳥雲に人骨被ふ皮袋         青天子
○○      鳥曇見知らぬ原に来てゐたり     ぎふう

○       どことなく土間の湿りや桃の花    ひみこ
○       春愁のわれに十指のありにけり    青天子
○       ぼんのくぼに幼女のにほひ鳥曇    おるか
○       露地の犬なぜか恥らふ鳥曇      褄黄

○       いつか見し夢のつづきや花馬酔木   大谷 弘至
○      昔むかし鬼は椿の蜜を吸ふ      風々坊
○      四肢骨は池の端ゆく鳥曇       とびお
○      雌雄化田鼠鶉化雄雌化        大谷 弘至

       墨いれに露たたえたる小さき花穂
       薬草の煮詰めば匂ふ鳥曇
        辛夷忌の風丘を越え時を越え       とびお
        菜の花や童画の猫にヴアイオリン     真里子
        分水嶺よりひとすぢの雪解水
       

        冬服のマネキンのまま目をそらす     洗濯機
        ゴール後羽根得し人よ鳥雲に      ふくろう
        春近し砂曼陀羅の頬を撃つ        絵馬
        鳥曇何処に流れ渡りしか
        生きゐたる果てもふるさと鳥曇り

        連綿と空に輝く鳥曇
        鳥雲に起こりしことを噛み砕く      ふくろう
        鳥曇二つに分けし飛行雲
        食後には薬きちんと鳥曇         ぎふう
        大人にはならぬと十八歳の春
     
         アルバムになに残さざる鳥曇
         残されしものの暮らしや鳥雲に      ふくろう
         鳥曇寝台列車は地を這ふて
         そろそろと初音の後の旅支度

 

参加者: 真里子 青天子 ひみこ  とびお おるか ふくろう 風々坊 洗濯機  KUMI 褄黄 大谷弘至 ぎふう ふくさん

句会の様子は「句会場(BBS)」のログ、71〜148にあります。

■ネット句会としての進行運営がよくなくて作者名なしの句を載せることになって申し訳ありません。(オットセイ)