兼題 本 草の花
◎◎○○○○3 平積の本の凸凹秋日濃し 芽茶
◎◎○○○ 25 本借りにゆくや帰燕に追ひ越され 明美
◎○○○○○21 境内の古本市のきりぎりす 真里子
◎○○○6 草の花搾って飛ばす山羊の乳 柚香
◎○○23 恋の句の辺りに咲いて草の花 九鼠
◎○○29 知つてゐて忘れてもゐて草の花 洗濯機
◎○24 お辞儀してとほる慰霊碑草の花 真里子
○○○ 1 澄む秋の新本芭蕉七部集 九鼠
○○○8 草の花山の水引く外厠 桑
○○5 蟋蟀や糊のにほひの製本屋 桑
○○20 山荘の終ひ掃除や草の花 芽茶
○ 10 草の花所番地を確かめて 芽茶
○13 草の花鬼の踏みゆく遊びかな 柚香
○16 夜よりも朝さびしき草の花 明美
○18 荒物屋豆腐屋お茶屋草の花 おるか
○22 田の光り天を照らして草の花 織女
○ 28 本流の片寄つてをり秋高し 織女
2 一本の竜胆置いて去りし人 柚香
4 洒落本にはさみてありし草の花 おるか
7 散骨の白の鎮もる草の花 九鼠
9 城址の水鳴る小径草の花 桑
11 暁けたれば野の花の野でありにけり 明美
12 鳥獣戯画のみな口あけて草の花 織女
14 草の花電話じゃ伝えきれなくて 洗濯機
17 草の花首縊るなら一階で 洗濯機
19 歩みゆくたびに素直に草の花 真里子
26 本開く空新しきひつぢ田に おるか