兼題 蛍 文房具
◎◎◎17 ほうたるの息人の息森の息 九鼠
◎○○○21 この浦の頼朝贔屓草ほたる 織女
◎○○ 3 青インク滲む卯の花腐しかな 九鼠
◎○○28 ほうたるに真昼わたくしには深夜 お軽
◎○9 消しゴムで消してしまつた夏休み お軽
◎○25 画用紙をはみ出す写生雲の峰 KUMI
◎10 田水沸く肉池の口に朱のにじみ おるか
○○○○11 どの年も母が教へし初螢 洗濯機
○○○24 折れやすきシャープペンシル梅雨深む KUMI
○○○29 夏至の夜の鉛筆方程式を解く 芽茶
○○ 2 文鎮のごとき流木梅雨の浜 織女
○○6 ぞっくりとペンの立ちたる暑さかな 柚香
○○14 小びと来て蛍袋の中に入る KUMI
○○15 筆筒に筆ぎゅう詰めの薄暑かな おるか
○○22 町老いぬはぐれ螢のゆきどころ 洗濯機
○4 亡き人の数ともちがふ蛍かな お軽
○8 クレヨンの青の減りたる梅雨入かな 芽茶
○16 蛍狩水の匂ひを持ち帰る 柚香
○18 螢火や点の痛さと滅の重さ 洗濯機
○19 水滴に孔雀の声の涼しかり 織女
○20 文鎮の青き翳生みけふ立夏 柚香
○26 指先を昇る蛍や闇匂ふ 芽茶
1 ほうたる螢いにしへの人の恋 真里子
5 蛍狩りを誘われ家族総立ちに 桑
7 かの世この世みんなまぼろしほうたるこい 九鼠
12 蛍狩る人に紛れてしまひけり おるか
13 Gペンと大学ノート麦こがし 真里子
23 梅雨じめりペン持つ五指のこわばりぬ 桑
27 青簾薄き埃のインク瓶 真里子
30 ヘン立てに紅筆を挿し七変化 桑