水族館句会月

兼題  余寒 羽・翼

◎◎2 太白に触れたる木菟の羽の音 九鼠
◎◎7 雀らも翼を使ふ春の雪 織女
◎○3 玉眼の仁王の睨む寺余寒 桑
◎○4 富士壺の岩に犇めく余寒かな 桑
◎○ 6 立春や帽子に白き羽を挿し 芽茶
◎○18 つながるる舟の回りし余寒かな 織女
◎○31 五郎助の羽音去りたる湯呑かな 柚香
◎33 雪とまらずペガサスの肩折れしとか 洗濯機
○○○○16 春の畝翼収めしもの歩く 真里子
○○○5 雪の鷹風切羽を食み残す 九鼠
○○○9 黒楽の茶碗の置かれある余寒 芽茶
○○○14 鎌倉の余寒や布団重き宿 柚香
○○○15 鳥の目も声も好きダウンジャケットも 洗濯機
○○○ 23 物置の軋みて開く余寒かな 芽茶
○○○25 大鷲の翼の翳り流氷期 KUMI
○○20 砂嘴に雨帰雁の羽の打ちまじり おるか
○○ 21 魚の粗一皿残る余寒かな 真里子
○○22 番号札持たされてゐる余寒かな 真里子
○○24 木の芽雨庫裡に羽釜の湯気満ちて KUMI
○る○32 余寒かな魚町鍛冶町紺屋町 お軽
○1 たゆたゆと潮の戻れる余寒かな 織女
○ 13 両眉をそろへて青き余寒かな 海渡
○17 散居村余寒は誰かとかこつもの 洗濯機
8 種はこぶ翼のかたし寒造 海渡
10 若者にまた追ひ越されたる余寒 KUMI
11 献体の男いづこに余寒なほ 九鼠
12 末黒野や親鳥翼ひきずって おるか
19 青銅の龍が水吐く余寒かな 柚香
26 雀の子日向に羽をのばしけり 桑
27 愛に死ぬ無声映画も余寒かな おるか
28 翼休めて春たけなはの夜の天使 お軽
29 パンケーキあたため直す余寒かな 海渡
30 九十の母の佇ちゐる余寒かな お軽