兼題 後の月 刃
◎◎◎2 浦道の軒揃ひたる十三夜 織女
◎◎○○詫び状が蔵の中より後の月 桑
◎○○○○15 刃先より滴る梨のしづくかな 明美
◎○○○○28 船上に螺旋階段後の月 織女
◎○○○32 銀紙の小太刀長刀十三夜 洗濯機
◎○○13 芝居小屋はねし人声十三夜 柚香
◎○7 秋澄めり刃を入るる花手折る花 真里子
◎○17 繊月に切つ先二つ雁渡し 九鼠
○○○10 秋澄むや草刈鎌のよく切れて 芽茶
○○○12 野に育つ一樹ありけり十三夜 お軽
○○○6 小春日や女庭師の腰に鉈 KUMI
○○ 4 後の月嘗ての駅舎この辺り 真里子
○○11 憎むべき人いまは無し刃物研ぐ お軽
○○20 露盤はや曇りて来る後の月 おるか
○○22 月光に刃物ずらりと刃物市 お軽
○○33 扉の奥の重源座像後の月 九鼠
○○愛弟子のやうに金星十三夜 九鼠
○ 3 濡れてゐるやうな森見え後の月 明美
○ 9 鉈篭に木の香焚き火に良き日なり おるか
○21 飴を切る包丁捌きも爽やかに 芽茶
○田の畦のゆるぶ稲刈り鎌並べ 織女
○25 松手入鋏の音の空へ消ゆ KUMI
○26 山犬のひそむ奥宮後の月 桑
○29 秋燈ペーパーナイフやや重く 真里子
1 露寒や果物に刃をすべらせて 明美
14 常ならぬ隣家の留守や後の月 洗濯機
16 足元に水の香立ちぬ十三夜 柚香
18 店仕舞する町を抜け後の月 芽茶
19 後の月竹槍さへも涙かな 洗濯機
23 十三夜仁王の眼光らばや KUMI
27 後の月白き指置き売る少女 おるか
30 すさまじや昼なほ暗き自刃の間 柚香
31 朝に剪る滅紫の道草熟る 桑