水族館句会12月

兼題 短日 雪

◎◎25 雪沓の底滲みわたる昭和かな  九鼠
◎○○○30 短日の階段長き駅舎かな   真里子
◎○○○ 31 寄す波の下を引く波日短   織女
◎○○12 静けさのやがて雪積む夜となりぬ KUMI
◎○○19 裂きし魚の腸並べおく雪もよひ  織女
◎○8 聞くものがなくなつて雪聞いてゐる  洗濯機
◎○9 位置移す市松人形日短か       お軽
◎○20 雪浮気雪本気雪やみにけり     海渡
◎2 鬣の音竹林に雪の来て         おるか
○○○○○○○13 背負われて太鼓の通る深雪かな 柚香
○○○○21 雪催ひ陸橋にあふ犬と犬     お軽
○○○27 暮早し飛石沿ひに灯さるる     芽茶
○○○28 初雪の街がエスプレッソの向こう  柚香
○○○32 短日の鵯越をゆく男        九鼠
○○14 雪催ひゼリービーンズ一袋     真里子
○ 4 渡岸寺まで雪の話に後部席      おるか
○7 子に持たす筈の包みや日短し     柚香
○23 初雪といふ降りながら消ゆるもの  KUMI
○24 短日の土蔵に欠けしおろく櫛    桑
○26 物忘れ度忘れ哀し日短か      KUMI
○29 短日の卓に大きなマグカツプ    真里子
1 短日のなほ待たさるるライトアップ  芽茶
3 短日を西へ西へと油送船      お軽
5 墓参あと淡雪口にふくめけり    海渡
6 ふるさとの雪とふらしきくずし文字  洗濯機
10 唐突になんてないとか雪の朝    洗濯機
11 雪むしやこの指とまれさびしき日  桑
15 短日や道を戻るに荷の重く     芽茶
16 短日の空に水尾のごときもの    織女
17 短日を言い訳にしていとま乞い   桑
18 淡雪のどの砂粒も踏めば鳴き    おるか
22 少年よ深雪に穿つ尿の穴      九鼠
33 短日やほぐれぬ肩と仲良きことを 海渡