第115回水族館ネット句会
6月兼題 苔、黴 不如帰
◎◎◎○24 歩かねば消えさうな道苔の花 織女
◎○○16 葉切り傷痛んできたる不如帰 おるか
◎○○17 木挽師の顎よごしけり苔清水 柚香
◎○○22 苔の花畿内に了へる一世かな お軽
◎○1 雨音のしづかなる刻苔の花 真里子
◎○7 青春のビデオテープの黴まみれ 柚香
◎○8 二の腕の肉柔らかく苔の花 おるか
◎○14 ほととぎす年輪密に木曾丸太 九鼠
◎○15 ひさびさの一揆と思ふ不如帰 海渡
○○○○○10 黴光る十七音の定型詩 海渡
○○○○○11 ほととぎす入湯心得六箇条 柚香
○○○3 苔清水人声ののち鳥の声 KUMI
○○○6 黴匂ふ父の形見の広辞苑 KUMI
○○○12 老人の夜の頬杖不如帰 芽茶
○○23 足るを知る媼よく啼く不如帰 九鼠
○○26 素泊りの荷物小さし黴の宿 お軽
○○31 積りつもりて黴の書も紙魚の書も 真里子
○○32 切り株のどれに坐ろう杜鵑 桑
○5 ほととぎす信長公はマント着し お
○9 人類と黴増殖すとめどなく 九鼠
○13 苔むして祈りの山の杉木立 芽茶
○19 捨てられぬシャネルバッグに黴の花 桑
○20 尼寺に山のかぶさるほととぎす 織女
2 写真撮る撮らるゝのはイヤ苔の花 洗濯機
4 御師の宿木暗き庭や苔の花 桑
18 苔の花父の刻みし岩肌に 海渡
21 納得をしかねてゐたり時鳥 真里子
25 問ふべきか問はざるべきか黴擦る 芽茶
27 空気よりわが身は重し苔の花 洗濯機
28 ウチのは耳まで黴びますとパン屋かな 洗濯機
29 山上に吼ゆる夕焼け不如帰 おるか
30 葦原をきて黴の戸に入りけり 織女
33 山の端に夕星著しほととぎす KUMI