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庭の桃の花が散りました。桃ははなびらが大きいので、あまり遠くまで、飛んでゆかず、玄関の前や植え込みを埋めて散り敷きます。今年の春も逝きますね。 さくらより桃にしたしき小家哉 蕪村 この句の通り、桃の花はどこか親しみやすく鄙びた風情があります。山里の我が家には、ふさわしいかも。蕪村は桃の花が好きだったのでしょうか、桃の花の句がけっこう多い。万葉集には 春の園紅にほふ桃の花下照る道にいでたつ娘子 大伴家持 など、初々しい乙女のイメージの桃の花の歌が見られます。桜がもてはやされて、桃の花はあまり注目されない昨今ですが、野末に鮮やかに咲いて、なつかしい木です。実も美味しいし。家の桃は、食べた白桃の種を埋めておいたら生えでたんです。そういう木は野生に戻ってしまって実はならないものだそうですが、この木は毎年何個か結実します。酸っぱいけれどかわいいです。 桃の花にじりし脚のなめらかに おるか ●…画像をクリックして大きな写真をどうぞ。 2005年4月25日 |
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