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白山 加賀平野より

 北陸の冬は曇り空が多く、白山をはっきりながめられることはすくないのです。この日は加賀温泉駅前のスーパーに行く途中、夕映えにあまりにも美しかったので、写真に撮りました。大汝峰、御前峰、剣ヶ峰の三峰がはっきり見えます。女神の山らしい優雅な姿。信仰のないものでも神秘的な気配にうたれます。

 白山信仰は中世には非常に盛んでしたが、謎が多いようです。白山の女神菊理姫は神威の高い不思議な神様です。最も清らかなものと卑賤とみなされた者を同時に庇護する。白山を廻る村々には、多くの神事能や能面が、守られています。

 写真右下の馬の背のような山は鞍掛山といって白山の遥拝地のひとつです。奈良代の越の大徳といわれた白山信仰の開祖泰澄大師は福井県の人。夢に白山の女神をみてまっすぐ白山まであるいたといわれます。、本地垂迹説の嚆矢ですね。福井県浅水(あそうず)のあたりから直線で結べばこの鞍掛山の辺りも通ったかなと想像します。ふと見上げると寒満月がでていました。

   白山のほうと上げたる寒の月    おるか

 加賀平野よりの白山の姿。撮影は1月23日、陽が沈む直前です。平野部の積雪は全くありません。(オットセイ)

2005年1月24日

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