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加賀の千代女全国俳句大会

      

 秋の一日、石川県松任市の千代女全国俳句大会(2004年10月2日、3日)に行ってきました。毎年千代尼の忌九月八日には、千代尼塚(写真中央)の前で追善句会が催され、誰でも参加できるそうです。

 小さな千代尼堂の前の白萩はほとんど散っていました。写真右は堂内。左は遺墨や遺愛の品々を拝観できる「遺芳館」のある聖興寺です。境内向かって左側に千代尼堂があります。

 掛け軸や手紙に残る千代女の字は、ご存知のように優しく流れるようですが、例の「あさがほ」の句に添えられた薄墨の絵には、闊達で思い切りのいい筆捌きがみらえます。身の回りの品々も今は色あせてしまっているけれど、洒落たセンスが伺えて、俳諧を生涯の道として決然と歩んだ美意識の高い女性のイメージが浮かびます。

 松任の駅の前に「あさがほや」の句の井戸が設えてありました。市の花は菊だけど、推奨花が朝顔なんだそうです。舗道にも色鮮やかな朝顔の絵タイルが埋め込まれていますし、夕食を食べたホテルのテーブルクロスまで朝顔が織り込まれていました。こうなったら朝顔市などやるのはいかがでしょう。でも、松任市も市町村連合で来年には白山市になるそうなので、また変わるのかもしれません。時代がかわるなかで、残るのは、以外にもささやかな短い一句の方なのですね。

   まぼろしやほどほどに萩零れをり    おるか

 写真右は松任名物、えん(国構えのなかに員)八のあんころ餅。クリックして中を覗いてくださいね。竹の皮に包まれた親指の頭ほどの素朴なあんころ餅です。餡があますぎないので、一つまた一つとすぐに食べてしまいます。ちょうど千代尼の生きていたころから、ずっと作り続けられているそうです。千代尼も召し上がられたのかなぁ。(おるか)

◎…上段左、下段の画像をクリック!→大きな写真。   2004年10月4日


◎…上段左、下段の画像をクリック!→大きな写真。
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