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鱒 (ブラウン・トラウト、山女)

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鉤呑みし鱒のあぎとふ夜も緑   おるか

 今週は「季節の話題」、といっても僕の釣り自慢話です。見てください!!40cmの立派な鱒。手前の小さいのが山女です。鋭い顔と口、尾ひれはその生活ぶりを表して力強く大きい。養殖魚ではこうはなりません。養殖魚は、頭の部分は小さいのに体は大きく、尾ひれは弱弱しく小さい。

 隣りの川で釣りました。私たちが住んでいるところは、三谷といって兄弟のような小さな川が三本平行してそれぞれに、集落があります。で、今日(4月26日)は隣りの川に行ったのです。それはいいとして、このブラウン・トラウトは日本に自然にいる魚ではありません。ちなみに、この鱒はヨーロッパ産でシューベルトの「鱒」はこの魚です。中禅寺湖や芦ノ湖には放流され、さらに自然繁殖していますが。一体なぜ、ここでこれが釣れたのか?これだけ大きいと、針にかかった瞬間は川底の石や、何か流木にかかったのか?といった感じでただどっしりと動かない感じ。で、それが何か釣れたと分かり、さらに、魚体が見えブラウンとわかった時は大変な驚きです。とにかく僕の憬れの魚であり、渓流釣りの僕の最高記録であります。

 うつわ歳時記を始めて以来、山女か岩魚を取り上げたいと思いながら、なかなか釣れませんでした。以前は、例えばうちに客があり、岩魚か山女を食べてもらおうと思えば、99%の確実で釣れたのですけどね。少なくなったものです。川合玉堂の句に「山女えて里にビールのつかひかな」というのがありますが、山女を得る喜びの質が随分変ってしまいました。ビールは、今ならクーラー・ボックスでいくらでも、どこででも、よく冷えたものを飲めますが、肝心の魚は・・・・・。(オットセイ) 

2003/4/28
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