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雪解川


崩えやすき日は畦にあり雪解川     おるか

 若狭神宮寺から葉書が来ました。お水送りの知らせです。以前うかがった日のことが思い出されます。腰の辺りまである残雪に山門まで一筋の道が切られていました。足許を小川のようにながれる雪解けの水。雪解の響きの中を歩きました。

 お水送りは三月二日、午前中の山八神事から13時修二会錫杖、暗くなってから悔過法、陀達松明、そして大松明が何本も運ばれ参加者も皆手に手に松明をかかげて鵜ノ瀬へと向かい送水神事になります。雪解けの清冽な水は冬の邪気を綺麗に祓ってくれるきがします。

 奈良東大寺の若狭井に水が届くのに、丁度十日かかるわけですね。井戸から白と黒の鵜が飛立ったとつたえられています。修二会は仏教の行事ですが、仏教伝来以前の時代の鵜や烏に勧請(かんじん)し一年の予祝をしたことの名残が揺曳しているのではないかとおもいます。恐ろしく又豊かな雪解け水。水口祭も行われ始める時節です。(おるか)



2004/2/23

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