今月の器   染付水遊び小付

 

 

 山代温泉旅館老舗の「あらや」の本当に美味しい温泉卵に出会い、この器をこさえました。卵一つ分の大きさに合う大きさ、形。ありそうで意外にない大きさで、ちょっとした小鉢にも便利です。これまでの「旬の味と器」では、蚕豆スープ、ひじき、に使いました。(蹴鞠文小付は同じ形の絵違いです)この絵付けは、映画ジュラシックパークの印象的シーンがヒントになりました。自動車の中で感じる何かの気配。なにかの振動でコップの水に波紋が…。(オットセイ)

花冷えの器のままの水の形  オットセイ

 

 陸にはじめて上がった魚の化石が発見されたと聞きました。ティクターリク、腕立て伏せのできる魚だそうです。長い進化の過程の中で陸上を選んだ私達でも、水ぬるむこの時節、水辺が恋しくなりますね。背景の写真は近くの谷川です。澄んだ水が後から後から溢れてくる眺めは限りない慰めのよう。時を忘れて浸って居たくなります。

 濃淡のある染付で、ゆらゆら揺らぐ水の輪をえがいてみました、同じようでそれぞれ違う水の輪。何が飛び込んだのでしょう。(おるか)

2006年4月10日

essay-014