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手仕事つれづれ 文房具 1 染付雲鶴文肉池、薄瑠璃片身替り硯、白磁龍月文鎮、染付流水文墨床、染付亀筆架、それに筆と墨。とにかく、墨を磨って、筆を持って、紙を広げて、字でも絵でも落書きでもかいてみてください。忘れていた感覚が呼び起こされます。墨の香、筆の感触、墨の色。良い硯と良い墨、筆、紙、の文房四宝をまずそろえましょう。安いもので練習してからということも考えられないでもないですが、良い道具、と物の感じは、どなたにも分かるもの。こんな文房具で遊んでみませんか?(オットセイ) 文房四宝という言葉も、どうも絶滅危惧語かもしれません。四つの宝とは、ご存知の通り、硯、墨、筆、紙のことです。魯山人が「書の上達方は?」と聞かれて「良い墨、良い紙、云々」と答えたことは、以前にも書きましたが、確かに良い紙に良い墨が滲んで広がってゆくのはそれだけでとても美しい。といっても、私自身、いつもそんなふうにできるわけもありません。毎日筆を持ってはいますが、下書きや練習が多いのでそれこそ広告の裏にまで描いてしまいます。最近さすがに反省して、デザイン画も多少整理して取って置こうと思うようになりました。雪が消えたら福井県の今立町(いまは市町村合併で名前が変わってるかな?)まで、越前和紙を買いに行こうと思います。(おるか) 探梅と書くに硯を替へもして おるか 2006年2月6日 |
文房具 2 硯、墨、墨床
文房四宝の中でも、特別、重く(事実重い)扱われてきたのが硯です。古来、中国の端渓や松花緑石など天然石が珍重されてきました。それらは素晴らしいですが、なかなか手に入らなくなりました。磁器の硯は、ちょっと気分を変えて、遊び心で楽しみたいものかもしれません。 写真の硯の陸は焼く前に滑らかに整えます。海のほうは釉薬をかけています。長いこと使い込んだので、たまにはお休みを上げて、水の中で養硯してやるといいのでしょうが、ついつい便利で使いつづけてしまいます。 西国三十三ヶ所巡礼の第一番札所青岸渡寺に参詣したとき、掌にはいるような那智黒の硯を購いました。石の中のいわゆる眼の部分を磨いたものです。その同じ硯職人さんに、書家の友人は微妙な陸と海の角度を指定して特製硯を注文していました。プロというのは厳密なものだと感心しました。書は全くの素人なので、筆やすずりの抵抗が、わたしには、面白いのです。多少使い勝手が違うと、それまで思ってもいなかった線が現れたりします。それは、道具との出会いといえるかもしれません。それに慣れ、使いこなして行くうちに、それまでと違った自分の表現にみちびいてもらえる気がします。(おるか) 斑野や硯の陸に眼がひとつ おるか
左の丸い硯は20年以上前に作り、使ってきたもの。海の所には釉薬がかかっているために白いまま。使うにつれて味が出てきます。右の紀州松煙の彩煙墨を友達から頂き、それ専用に五つの硯が必要になりこさえたのが薄瑠璃片身替り長四方硯。陶硯(とうけん)のよいところは共蓋のあるところ。硯に蓋があるといいものです。(オットセイ) 2006年2月13日
●…上の画像をクリックして大きな写真をどうぞ。ほぼ実物大です。(17インチ・モニターの場合) |
●…上の軸先、文鎮、肉池の画像をクリックして、ほぼ実物大の写真をどうぞ。(17インチ・モニターの場合) |
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essay-006