旬の味と器 冬 2 に戻る

数の子  升目文四方豆皿 赤玉盃

 お節料理の中でも人気が高い数の子。豆皿にちょいと盛って軽く一杯。脇役になりがちな豆皿も実は立派に向付になります。升目と赤玉ともに吉祥文でお正月に似合います。豆皿の一辺は10,2mm。

 下の写真は実物に近い大きさです。器の作りは定規を当てたようにではなく、紋様の線はその形に溶け込むように、そんな気持でつくります。作ったときの指跡をわざわざ残すことはしませんが、それを隠しもしません。絵付けも同様に、太い細い、長い短い、濃い薄い、を使い味わい深く。ときに「さあ手作りでございます」とわざとらしく、ぐにゃぐにゃな形にぐちゃぐちゃな絵付けしたものを見かけますが、それはいただけない。自然観が大事です。

 数の子がいくつあっても決して同じ形はありません。野菜も同じく。海苔巻きや金太郎飴だって切り口は微妙に違うもの。そういう料理や食材に似合うのは手作りの器です。(オットセイ)

2007年1月1日

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