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辛み大根 牛肉のたたき にんじん楕円皿 芭蕉は辛い大根が好きだったらしい。 武士の大根辛きはなしかな 芭蕉 身にしみて大根辛し秋の風 芭蕉 第二句は「更科紀行」の中の句だから、信州のお蕎麦を食べてのことかもしれない。辛み大根はお蕎麦によく合うといわれている。おろし蕎麦の本場福井県では栽培も品種も増えて、おかげで最近は比較的手に入りやすくなった。少し前までは絡み大根の代表の信州の鼠大根、滋賀県の伊吹大根も、とても希少だった。たまたま手に入った折、 伊吹大根閻浮檀金(エンブダゴン)と風に聞く おるか と作ったことがある。路上の風のなかで、ふとそんな風に聞こえたのだ。仏典中のもっとも貴重な金と間違うのはもちろん大げさだが、当時は本当にめずらしかった。 しかし辛い!本当に辛い!トウガラシの辛さは奥に甘味さえ秘めた熱い辛さだが、辛み大根の辛さはいわば氷の辛さだ。逆に大根臭さは少なく、そんなところも蕎麦通には答えられないのだろう。透明な辛みは肉にもあう。(おるか) 夜毎太る氷柱と辛み大根と おるか 染付水遊び豆鉢 越前産の辛味大根のおろしと細葱、加賀醤油、米酢を染付の豆器に。写真はほぼ実物と同じです。加賀醤油は甘口なのでこの簡単な組み合わせだけで充分おいしいです。 器は、豆皿と違い豆鉢ともいうべきやや深さがあるので手に持って食べやすいです。料理によっては、このことは大事です。 牛肉のたたきのほうは人参の楕円皿に盛りました。赤に赤もいいものです。最初染付の器で撮影したのですが、実際の見え方と違い肉の色がどうしても美味しそうに撮れなかった事もありました。(オットセイ) 2005年12月12日 |
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