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どんぐり饅頭   染付ぎざぎざ文小皿

柱跡暮れ吹きだまる団栗よ    おるか

 団栗の餡の饅頭です。ブナ科の木の実の総称が団栗です。どの団栗で使ったかは、店の枝折には書いてありませんでした。味は栃の実に似て野趣あふれる風味でした。古代を思いながら、一口サイズのどんぐり饅頭、なかなかたのしい。器は、何度も登場、万能のぎざぎざ小皿です。(オットセイ)

 住んでいる村の入り口に弥生時代の遺跡がありました。岡を廻るように小川の流れる地形は当時とほとんどかわっていなかったそうです。団栗の実のアクを抜く作業などもきっとその水辺でしたことでしょう。長いことこの列島の救荒食物とされてきた栃や団栗などの木の実。二三センチほどの小粒な団栗饅頭のほのかなえぐみがちょっと寂しい。昔の人の苦労をしのぶにはおいしすぎるけれど。
 弥生の住居跡は今は道路工事でつぶされてしまいました。岡の上には落葉松が数本あって、好きな場所だったのですけどね。落葉松は日本特産の針葉樹だそうです。小さなバラの形の落葉松の実の一枝を拾って帰りました。(おるか)

2005年11月28日
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