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加賀小坂蓮根   染付双鹿文七寸皿

日暮るや泥大切に蓮根掘り   おるか

 加賀小坂蓮根は、金沢市小坂地区で生産され、鍬掘りされます。たいていの場合は、水を吹き付ける水掘りです。泥が付いたままの出荷が鮮度を保ちます。人参の場合は泥どころか薄皮まで剥がされて出荷されます。加賀蓮根は、粘りとしゃきしゃき感を兼ね備え味がとてもよい。

 加賀小坂蓮根の一品。蓮根とトウガラシの辛味はとてもあいます。かなり辛味の強いカイエン・ペッパーと、辛味はゼロでむしろ甘味のあるパプリカで風味をつけて揚げました。

 香辛料でで風味をつけたい。しかし香辛料が焦げてはただ不味いだけ。種に香辛料を付けてその上に天麩羅の衣、というのも考えました。衣はごく軽く付けたいので、それではやはり香辛料に火が通り過ぎる。

 衣に香辛料を入れて、さらにかき混ぜてみました。粘りが出るということで、天麩羅だったらしてはいけないことですよね。フリッターからヒントを得ました。

 写真を見ての通り、衣は極薄いながら。しっかり付いていて、香辛料も焦げていないのがわかると思います。しかも、あくまでもフリッターではなくほとんど天麩羅に近いですから、かりっともしています。

 ご飯によし、ビールに良しの一品。もっと大きな写真もどうぞ。皿は、何度も登場の呉須手の七寸皿で、日常の器として出番多いです。(オットセイ)

2005年11月7日

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