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源助大根  呉須赤絵畦道文六寸皿

 「精進料理入門」という本を開くと、風呂吹き大根はともかく基本中の基本。そして上手に炊くことが出来たら、なかなかである。「精進料理は野菜を煮ることに始まりそれに終わる」と、ありました。たしかに大根の臭さをほどほどに押えて美味しさを引き出すには、それなりの手間がかかります。

 源助大根は加賀野菜として最近復活しましたが、一時は青首大根に押されてすっかり影が薄くなっていたものです。その土地その土地の品種は大切にしたいですね。太く短く煮崩れしにくいのが特徴です。

 芥子味噌と庭で取った柚子をそえてふーふー食べると、冬が来たなとしみじみ思います。障子の外を小鳥の声が移ってゆきます。

 皿は畦道をデザインした模様です。いつもの畦道小皿より大きい六寸皿です。なにしろ源輔大根は太いので。(おるか)

   風呂吹きを吹くや狼ゐぬ山へ    おるか

2004年11月22日

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