旬の味と器 冬 1 に戻る

水羊羹(でっち羊羹)

 さて、何故この季節に水羊羹?と思いでしょうね。越前では冬に炬燵で食べるのです。大晦日や、お正月になくてはならないもののひとつなんです。ほとんど寒天でさっぱりとして、黒砂糖風味。つるりつるりといくらでも食べられる、止められない食感、味です。

 水羊羹についてはリンク集にもある「ラピュタ」の「越前府中 水羊かん紀行」に詳しいです。うちではいつも、近所だった「水屋」のでした。以前の豆腐屋みたいに、町ごとに菓子屋があって、それぞれの水羊羹をつくっていました。塗りの箱に流して作ります。それを各家庭が何枚もこの時期に集中して買うのですから、菓子屋は大忙し。水羊羹専用の塗りの箱も山のようにありました。懐かしい光景です。現在は、紙の箱でしかも大きさも半分、大量に作っているところが増えました。とはいえまだまだ小さい店の個性が残っていて嬉しいです。

 今度の写真にあるような、上手の皿に、二切れ、なんて食べ方はしません。その点は、真実を映していなくて、申し訳ないです。(オットセイ)

さまざまのもの行き交へる炬燵かな   おるか

2003・12・29

旬の味と器 冬 1 に戻る

w-0205