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たこやき   赤絵にんじん皿  小皿(中根啓 作)

 烏賊の次は、蛸です。テレビ番組で「たこやき」は「蛸のこりっ、中はとろーり、外はパリッ」の歯ごたえ、舌触りが美味しいとのことでした。賛成です。しかし最後の「外はパリッ」が軽視されがちの気がします。お持ち帰りの場合仕方ないのかもしれませんが、プラスチックの入れ物にギュウギュウになって蒸気とソースで、ぐちゃぐちゃはいただけません。というわけで、ちゃんと皿に盛り、ソースは小皿に、たこ八郎ふうにしました。(オットセイ)

たこやきの外は須夫須夫十二月   おるか

 たこやきは、あの真ん丸い形が好き。寒くなるとことさら熱いたこやきをはふはふ食べるのがたのしいですね。

 「須夫須夫」は古事記の大国主神の物語から。須勢理毘賣(すせりびめ)との結婚の試練に、鳴り鏑(矢)をさがすため、大野に入ったところ火をかけられて出口のないとき、鼠があらわれて 言いました「内は富良富良、外は須夫須夫」。そこで地面を踏みつけると洞になっていて助かるというお話。「其の矢の窒ヘ、其の鼠の子等皆喫ひつ」(矢の窒ヘ子鼠がみな食べていた)というのが可愛い。

 「須夫須夫」はすぼんでいる意ともいいますがぶすぶす火の燃えている音もあるのではないかとおもって。(おるか)

2002・12・2

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