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   呉須手双鹿文輪花七寸皿

 フィッシュ・アンド・チップスのようなものにしてみました。鱈に塩コショウして粉をつけ揚げたものです。ポテトと共に盛り付けました。それにしてもいつも思うのは、染付の藍色と揚げ物のきつね色や焼き魚などのこげた色はよく似合うなあ、ということです。(オットセイ)

有事なることなほ鱈の身の白さ   おるか

 フィッシュ・アンド・チップスはイギリスのミステリーやハードボイルドによく登場しますね。読んでいるとつくづく二十世紀は戦争の時代だったのだなと思います。アイスランド沖の北の海で鱈戦争などというのもありました。紛争はまだ世界中で続いています。この国でも有事法制などがもんだいになったのは去年のちょうど今ごろでした。

 鶴見俊輔が書いています。

 − 明治国家を作った国語を使って教育勅語に準じてくらし、平成国家にしたがって「有事法制」を受け入れてくらすよりも、千年来の日本語を使って「殺されたくないし、殺したくない」とかんじつつくらしたい。
千年のものさしを持って、人間としてくらしてゆきたい。そういう生き方は現代にもあるはずだ。(グラウンド・ゼロからの出発)−

 「千年のものさしを持つ」素晴らしい言葉ですね。、わたしもそんなふうにくらしたい。千年後もおいしい鱈が食べられますように。(おるか)

2003・2・3

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