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赤米の赤飯  呉須手しだ文碗

 新米の美味しい時節になりました。今年は台風の被害の多かった去年と違って幸いお米は、豊作のようですね。先日、高野山の山下の天野という盆地に行きました。白洲正子さんが「ここに隠居したい」と書いていらしたおだやかな山間の村落です。山々に抱かれた田んぼの稲が豊かに実っていました。刈り取った稲が道のガードレールに干してあったりのどかなそのものの風景です。その土地に丹生都比売神社があります。弘法様に高野の地をお譲りした神様といわれてますね。おりしも高野山では山王社で月並みのお祭りがおこなわれているところでした。山王社から明神社に向けて神様が御履きになるのでしょうか丹塗りの下駄が置かれていました。

 豊作を祝って。お赤飯です。赤は晴れの色。非日常の色ですね。脳科学の分野でも赤い色の効果は研究されているようです。赤色のトランクスを穿いたボクサーは青色のほうより20%の確率差で勝つそうですし、サッカーでも赤のユニフォームの時のほうが得点率が高いそうです。 お赤飯は色によっても力を与えてくれるんですね。神社仏閣の丹塗りの色もきっと脳に力を与えてくれるんでしょう。丹生都比売さまありがとう、赤米さんありがとう。(おるか)

     山王に丹の下駄揃へ今年米    おるか

 

 先日の「四季の味展」のための新作です。やや小降りの碗。しだの絵ですが、ここまで紋様化されているので、特に春用とすることはないと思います。それは呉須手の器全体にいえると思います。

(オットセイ)

2005年10月17日

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