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黒米  呉須手草花文碗 垣通し葉形豆皿 ギザギザ豆皿

 加賀平野は早稲地帯です。今年は暑くてカメムシ大発生だそうですが、稲の実りはいいらしい。田んぼの中の道をあるくと、早稲の香りがします。奥の細道にもありました。

    わせの香や分入る右は有ソ海   芭蕉

 この句は黒部を過ぎて富山高岡あたりのころに詠まれていますが、「わせの香」はレトリックだとばかり思っていました。でも、ある日気づいたんです。「これが早稲の香だ!」と。あたり一面に仄かに籠もっているので、かえって意識していなかったのでした。今日は処暑、あんなに暑かった夏もやはりすぎて行きますね。(おるか)

   今朝処暑の土器の底なる籾の痕   おるか

 黒米はとても美味しい。香りがいい。イネ科の草の実って感じの香り。白米もとても美味しいのですが、は品種改良がすすみ野趣はありません。黒米と白米を半々の割合で焚きました。やしゅたっぶりの御飯には塩味が似合います。松の実と塩としらす干。写真左は。研いだ後ざるに取ったところです。あまりに美しいので写真を撮りました。画像をクリックしてお起きが写真をどうぞ。

 古代米と称して、黒米、赤米、緑米、香り米などいろいろありますが、どれも驚くほど香りがよく、とても美味しいです。稲は品種改良され続けています。寒冷地で育つもの、早く育つもの。害虫に強いもの、などなど。味の面では、味噌や醤油に合うように改良されてきたのでしょう。その点、古代米は塩味に良く合います。嬉しいのは、最近人気が増したのが、比較的楽に手に入るようになりました。(オットセイ)

    ◎・・・画像をクリックして大きい写真をどうぞ。

2004年8月23日

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