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月見うどん

 中秋の名月、こちらではひさしぶりにいい月でした。月の出のころにはうっすらとあった雲も天心にかかるころはすっかりはれて、木々の影が蒼く蒼く地面に 落ちていました。

 とはいえ「月はくまなきばかりを見るものかは」今夜は立待、居待、臥待、更待と欠けていく月を待つ心細さもまた秋の楽しみ、というか、むしろそちらの方がひとしお寂しく秋らしいかもしれません。

立待のおとがひうすきうどんかな   おるか

 器の青呉須というのは、呉須赤絵と同じ作ゆきで浅葱色一色で描いたものです。蘇東坡の赤壁懐古の詩を描いたものなど、名品があります。(おるか)

2002・9・23

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