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加賀の秋の菓子  呉須赤絵菓子皿

 ようやく涼しくなって来ました。秋の午後には、お茶とお菓子がほしくなりますね。写真は大聖寺のお菓子「鹿の音」です。甘さもひかえめで、口の中にほんのり融けてゆく秋の日のように、しずかなお菓子です。お皿の見込みは小ぶりな花の絵。牡丹とよびならわしていますが、本当はなんのはなともつかない、昔から伝わる図柄です。

 このあたりの山にはカモシカがいますが、鳴き声はきいたことがありません。ちかごろは山の生き物にも変化がおこっているらしく以前はよく出没した狸や狢はさっぱりと姿を潜め、昔はみかけなかった猿や猪が増えているそうです。温暖化の影響でしょうか。秋草もセイタカアワダチソウばかり目立ちます。かよわいもの、いとおしいものから滅びてゆくような気がするなぁ。(おるか)

菓子のくずぱんとはたいて露けしや   おるか

2002・9・9

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