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もずく  染付ギヤマン写し小付

 加賀産のもずくです。こちらでは「岩もずく」とよんでいます。太めで、しっかりした歯応えで、熱い味噌汁に入れても溶けずにしっかりしています。細めで、柔らかくてどろどろした「もずく」とはだいぶ雰囲気がちがいます。それぞれに名前があるはずだとネットで調べてみましたが、これがよくわからない・・・「もずく」という名前は学名にはないみたいです。通称のほうが分かれば充分ですけどね。

 さて、もずくとしてはもっとも基本的な酢の物にしました。どろどろの細い方なら、ほとんど液体としての盛り付けとなりますが、この岩もずく、なかなかに難しい。ぴんと立つことはありませんが、液体みたいでもない。それで、やや浅い小皿に盛りました。ガラスの器の雰囲気をまねた小付(上)にはもずくと天盛りに茗荷。チェック文菱形皿には胡瓜と蛸を添えました。(オットセイ)

 

   岩水雲はなさぬ小石今朝の秋   おるか

   日日や沈透きてわづか岩水雲   おるか

   岩水雲さみしき色に流れけり   おるか

 もずくは春の季語ですが、加賀の岩水雲はいまからが旬。シャリシャリ涼しい口当たりです。海浜をさすらって食べ物を探した大昔の祖先たちを思います。淋しかったろうか、それとも気楽だったのか。(おるか)

2006年8月7日

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