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小鰯の干物  染付ギザギザ文小皿 越前焼ぐい飲み(日向光作)

 干物というのは賞味期限を延ばすための知恵ですが、これ以上ない新鮮な魚で作るもの。鮮度を封じ込め、旨みを凝縮し、……小鰯の干物が美味しそうだったので、ちょっと炙って冷酒を一杯。小鰯の姿を楽しみ、器もあれこれ考えて、越前の焼きしめのぐい飲みにしました。魚をかじりながら、二三杯と軽く、酔っぱらってはいけません。(オットセイ)

   いつかきっとといひしことごと鰯噛む   おるか

 小鰯の干物を炙る匂いにミケは興奮して、いても立ってもいられない様子です。あまり騒ぐので少しだけやりました。しばらくして見ると頭などかなり残しています。猫でも想像が現実を超えることがあるのでしょうか。子供ころはコーヒーやリキュールの香りにどんな天上的美味だろうと想像をたくましくしたものでした。なんでもすぐ手に入るようになって、面白みが減ったかもしれませんね。珍味もいつでもあると美味しさ半減。かえって普段のなんでもない食べ物のよろしさがしみじみわかる気がします。 ほんの少し食べるのは、なんだか美味しそうですね。(おるか)

2005年8月8日


小鰯  染付ギザギザ文小皿

 初夏の味小鰯。頭と腸を取り、おろした生姜と醤油で煮ただけです。葱の硬い所を鍋に敷き鰯を並べ、崩れやすいので動かさないようにします。小鰯を少し干したり、焼いたりしてから、しっかり煮るのもありますが、初夏のさっぱりした味を生かすためさっと煮ただけにしてみました。生姜の代わりに山椒の香りもきっとあいますね。染付のこざっぱりした小皿は食卓に便利です。写真はほぼ実物大です。(オットセイ)

   小鰯や藍の小皿に銀と紺   おっとせい

2005年7月11日

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