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冷奴 祥瑞捻文皿

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 本草綱目によると豆腐の発祥は淮南王劉安によるとあります。王様が発明したなんてなんとなく「ほんまかいな」という気がしますが、御当地には発祥の地の石碑もあるとか。日本には、いつ入ったのかはっきりしませんが室町時代には文献があり、江戸時代には庶民のものになったらしい。「酢豆腐」って落語もありますものね。お豆腐の好きな俳人も多い。山頭火もそうですね。肉食をしない僧侶にとって大豆製品は欠かせないものでしょうから当然といえば当然ですが。そのせいかお寺のあるところ、美味しいお豆腐屋さんも多いように思います。

 加賀から「季の花街道」と言う永平寺への近道ができて、途中においしい豆腐屋さんがあります。そう遠くないのでときどきお豆腐や油揚げを買いに行きます。福井県では越前陶芸村からほど近い織田町のお豆腐も美味しい。夏の食卓にはさっぱりした冷奴はかかせません。よくみるとひんやりすべらかでなかなか艶な食べ物です。器は祥瑞の捻子模様を皿いっぱいに描いています。高台も祥瑞風に重厚に削ってあります。なんでもないお豆腐もちょっと晴れがましくみるでしょう?

   冷奴水芸なかなか始まらず   おるか

2005年5月30日

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