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葛饅頭  染付ギザギザ文小皿

 餡をちょうどいい大きさに丸めておく。葛粉を水に溶かし沈殿しないようにかき混ぜながら暖める。透明になったらOK。コーヒーカップに葛ねりを少し入れて餡を置き、その上から葛練りをかける。冷水に入れてさます。冷たい井戸水がないときは氷水で冷やしたいです。葛のほのかな香りと柔らかな舌触りのためにも餡は甘すぎないよう、量も少なめ、柔らかめにしました。すずしそうでしょう?(オットセイ)

 暑い日が続いています。仕事の途中、お三時に工房の若い人達と隣のおじいちゃんといっしょに、手製の葛饅頭を食べました。葛は熊川葛百パーセントです。縁台に腰掛けるベランダの下はすぐ川です。

 氷水の中の素朴な葛饅頭は水母のよう。ゆらゆらうごいて本当に生きているかのようです。水をこぼして掬うのが涼しい。

 葛は生命力が強いのでしょう。荒れた山全体を覆っているような場所をみかけます。そのやたらな元気を少し分けてもらって、葛饅頭を食べた後は仕事がはかどりました。おじいちゃんは夕方まで川の縁の草刈をしていました。(おるか)

   それぞれに聞く川音や葛饅頭   おるか

2004年7月26日

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