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プリンスメロン  染付大皿

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 芦原メロン、今が旬!スーパーでそう書いてありました。 芦原は加賀から海岸を福井県にはいったあたりです。芦原温泉もありますね。海岸近くの畑はラッキョウが名産で、春には一面紫の花で覆われます。これからはメロン。道沿いに無人販売所や屋台がでます。立派なマスクメロンももちろん取れますがかわいいプリンスメロンは量も値段も手ごろでおいしい。

 砂の中からこんな甘さが生まれるなんて不思議です。それを言ったら、どんな命も不思議なんですけどね。「薔薇の木に薔薇の花咲く/なにごとの不思議なけれど」これって白秋でしたっけ?岡本かの子?ともあれ大いなる不思議が遍満している宇宙を丸ごと肯定して、逆にそれがあたりまえでなにごとの不思議もないと言ってみせているのですね。

 西瓜はその名に西の字があるとおり西域からシルクロードを通ってはるばる中国、日本と渡って来ました。プリンスメロンはいつごろから作られるようになったのでしょう。なかなか丈夫で、種が飛んだ、庭の隅から這い出して、ひょっこり実を付けてくれたりします。天からのプレゼントのよう。感謝しなきゃと思います。シルクロードの国々いまは文明の衝突状態のところが多いけれど、交流の歴史のほうが長いのですよね。いつか行って見たいものです。ハミ瓜食べてみたいなー。

 器は芙蓉手という様式です。深めなので大鉢といってもいい。口縁の輪花や放射状やや細い線で描きこんだ縁の模様が芙蓉の花びらを思わせるというのでしょうね。

 果物でもおにぎりでも大皿に盛ると豊かな気分でたのしいもの。なんでもない食材もパーティー料理にはやがわりします。

     少年のうなじのうぶげメロン割く    おるか

2004年5月31日

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