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さざえ  呉須手草花文碗

 さざえは春の季語にありますが、海岸で遊ぶ思い出から夏の食べ物のような感じがします。染付のざんぐりした図柄の飯茶碗に、磯の香も食欲を誘います。

 吉岡実の詩に「長いかいがらに長い貝の美体がはいって・・・」(螺旋形)という素晴らしいひとことがありますが、サザエの身はちょっと美とは言いがたい、三半規管のような迷宮状のグロテスクさです。でもそんなグロテスクさも含んでこそ、食べることは命の供宴なのでしょうね。さざえごはん、夏の祝祭の一碗です。(おるか)

さりさりと栄螺わりけり雲の峰   おるか

 加賀の海岸にごく一部ですが、素人がサザエやアワビを捕ることを大目に見てくれるところがあって、よく行ったものです。 まず、捕ったものをその場で割り海水で洗って丸ごと食べる、これが美味い。何故でしょうか、その場合、殻や砂が少々ついても気にならない。 次はうちに持って帰って、刺身、炊き込み御飯、唐揚げのフルコース。(オットセイ)

2002・7・29

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