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石垣の塩(78、8g) 上
能登の天火干し塩(85、6g) 左
パハール(パキスタン)岩塩(96、0g) 右

 (括弧の数字)は、100g中の塩化ナトリウムの量です。いわゆる食塩は、(99,99g)で限りなく純粋のNaClですね。つまりこれらは「不純物」がたっぷりというわけです。でもそれが旨味の元というのはよく知られるところ。

  パハール岩塩のおにぎり


 「不純物」がいい味を出すのは、陶芸も同じです。例えば染め付けに使われる呉須(ごす)はコバルトを主にしていますが、他に鉄、マンガン、などがあって初めて深い色合いになります。純粋コバルトではただの青い色で、焼き物に使った場合「浅い色合い」に感じてしまいます。例として碍子(がいし)に書かれた番号の色合いがそれに近いです。

 さて、じゃあ、その純粋でない塩はどんな味かって?おにぎりを作ってみました。美味いんですよ!説明より、良さそうな塩を買ってきて実際に作ってみてください。(オットセイ)  

炎天や塩盛られたる生死の間    おるか    

 生きるのに欠かせない塩。清めの塩、塩の柱となったロトの妻。塩味は味付けの一番基本ですね。単に味覚の問題を超えて、存在の味とも言える深さをもったテーマです。パハール岩塩の塩おにぎりしみじみたべました。(おるか)

2002・7・8

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