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岩清水   染付小花面取りゆのみ

 夏の日の山道に出会う清水、冷たい流れを手に掬むと自然の清清しさに打たれます。
写真は隣り村の林道のわきの岩清水。右手に「延命観音」が立っています。岩の奥から流れ出て来る水は、あくまで澄んで、カメラで撮りにくいのです。
 家から少し歩いたところにもお地蔵様の清水という湧き水があって、お茶用の水を汲みに行きます。こちらは晴天が続くと水量が減り、雨の後はささ濁るのですが、お茶にはそれくらいの水がいいと聞いたことがあります。先年そこで水を汲んでいた時、スズメバチが飛んできて小石にとまって首を垂れ、水を飲み始めました。蜂も水を飲むのだなーと妙に感心しました。

 山々の恵み、森の木々の恵みの清水がこれからも守られてゆきますようにと祈ります。

最近はスーパーで各地の名水や海のそこの深層水なども売られていますね。ついつい買って試してみます。それほど違いは分りませんが、見知らぬ土地を想像するだけでも楽しい。
 書家の友人と旅行したときその人はあちこちの湧水や川の水を小壜に汲んでは墨を磨っていました。微妙な違いがあるのでしょうね。ともあれ、水は生命です。こころして使わねば、と思います。

空の紺冴えて清水の落ちやまず   おるか

2003・5・11

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