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筍の姫皮  織部風皿(服部泰美作 径20センチ) 染付葉形豆皿

 筍の姫皮を糸切りし、面白い姿、面白い食感、一口かめば筍の香りのかき揚げを想像。しかし姿以外は、思い通りにはいかず。あくが抜けすぎたからか、ほとんど衣の味だけ。今度はばらばらにならず剥ける程度にさっと湯でて試しました。結果は、やや竹の香りがわかる程度。それで、最初の試みとは違いますが、姫皮を飾り衣として使って見ました。海老の筍姫皮揚げ。さくっと一口、香りいいですよ、抹茶塩でどうぞ。(オットセイ)

 筍は裏年というのがあって、今年はどうもそれらしく、例年のように見つけられません。それとも最近山奥で増えているという猪に食べられてしまっているのでしょうか。ともあれ、筍は新緑の季節にかかせない美味です。意外なところに人の背丈ほどに伸びて、もう採られる心配も無くなった筍はしてやったりとばかり朝露をまとっています。そんな竹の子というより竹の少年はけっこう毛むくじゃらで猛々しい気配です。筍で思い出すのは蘇東坡の詩です。西湖からの旅「新城道中」に

   西の山間の人家はまさに最も楽しかるべし
   芹を煮筍を焼きて春耕にしょうす

とあります「しょう」は字が出ませんが田畑で働く人にお弁当を届ける意です。美味しそうなお弁当ですね。東坡はお料理もけっこう趣味があり東坡煮という名を普茶料理にのこしています。(おるか)

   たかんなのけもじみたる頭なりけり   おるか

2005年5月2日

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