旬の味と器 春 1 に戻る

筍 蕨 山蕗  木の芽染付双鹿文七寸皿

 「美味かった!」とまず報告。山菜は全て新鮮で自分で採って来たものです。海苔巻一口ごとに木の芽を一葉(複葉)のせて食べました。山蕗は伽羅蕗に、筍と蕨それぞれの歯ごたえも良く、山の香です。(オットセイ)

石激る垂水のうえの早蕨の萌え出づる春になりにけるかも  志貴皇子

 と万葉集にもうたわれた蕨。野菜もお米も品種改良がすすんでいますが、山菜は万葉の時代とかわらず野や山に季節をしらせてくれます。
 
 蕨といえば思い出すのは史記の列伝に「孤竹君の二子なり」といわれた伯夷、叔齋。竹のごとく節を曲げず蕨を採って暮らした(そして餓死した)と隠逸の人の嚆矢とされていますね。でも本当は伯夷は嵩山の岳神だそうです。ともあれ山に入って蕨や山菜を採っていると、気持がしずまります。人の形は採集にはなかなか便利だなぁとおもったりします。(おるか)

早蕨や翠微に折れば水あふれ   おるか

2003・4・21

旬の味と器 春 1 に戻る

sp-0209