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雛祭膳   豆皿いろいろ  漆器は佐竹康宏作

 日一日と春の近づくのが感じられるこの頃、少し早めにお雛様をだしました。
写真のお雛様は貝殻を古布で装ったもの。親指の先ほどの大きさです。海苔巻も卵焼きもミニサイズ。春折り紙は四分の一の大きさです。
豆皿にほんの一口づつのお菜を盛って眺めていると、「ちいさきものはみなうつくし」という清少納言の言葉がおもいだされます。
 豪華な雛飾りも妖しさが漂って結構ですが、手作りの素朴なお雛様や草雛もしみじみとしていいものです。小さないとけないものたちの世界をそっと覗き込んだような気持がします。
 蒐集した豆皿のあれこれを、あの皿この皿と色とりどりに使って楽しめるのはこんなときですね。蒐集には特別な喜びがありますが一度に出す機会はなかなかないもの。ぐい呑みのコレクションもお雛様一人一人に供えて差し上げたら、官女も楽士もきっと喜んで、昔の樂を奏でてくれそうです。(おるか)

来世なき明るさにゐてひひなかな   おるか

 2003/2/24

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