映画



アイ・アム・サム(I am Sam)

監督/脚本:ジェシー・ネルソン
脚本:クリスティン・ジョンソン
出演:ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダコタ・ファニング
公開:二〇〇一年

あらすじ:
 ルーシー・ダイヤモンド・ドーソンは、七歳にして、親元を離れる事となった。ソーシャル・ワーカーの家庭訪問で、父親・サムの養育能力に、疑問符がついたのである。一方の母親は、行きずりのホームレスで、出産後、何処ともなく、姿を消していた。ルーシーの身柄は、児童養護施設へと、収容される。
 サムは、しがないコーヒー店員であったものの、一念発起して、ソーシャル・ワーカーの判断に、不服を申し立てる。とはいえ、それは、勝機に乏しい、訴訟であった。障害のために、サムの知能は、七歳のそれにも、満たなかったのである。それでも、サムは、友人の知的障害者や、外出恐怖症の隣人と共に、ルーシーの親権を、奪還せんとする。

グリーンマイル(The Green Mile)

監督/脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
出演:トム・ハンクス、マイケル・クラーク・ダンカン
公開:一九九九年

あらすじ:
 それは、死刑執行がまだ、電気椅子で行われていた、一九三〇年代の物語である。
 コールド・マウンテン刑務所に、死刑囚として、収監されたジョン・コーフィは、不可思議な能力を、有していた。その手に、触れられた生物は、怪我であろうと、病気であろうと、たちまち、回復するのだ。その上、コーフィの言動は、あまりにも、純真無垢であった。それは、到底、双子の幼女を、強姦・殺害した凶悪犯の、振る舞いではなかった。
 コーフィの特殊能力で、重度の尿道炎を克服した、主任看守のポール・エッジコムは、日を追うごとに、疑念を抱くようになる。ひょっとしたら、コーフィは、無実なのではないか、と。



テレビ・ドラマ



アリー my LOVE(Ally McBeal)

企画/製作総指揮:デイヴィッド・E・ケリー
出演:キャリスタ・フロックハート
放送:一九九七年〜二〇〇二年

あらすじ:
 アリー・マクビールは、新米であるものの、ハーヴァード大学を卒業した、優秀な弁護士である。にもかかわらず、仕事においても、恋愛においても、どういうわけか、理想とは程遠い毎日を、余儀なくされていた。
 そうした折、マクビールは、ケイジ&フィッシュ法律事務所へと、スカウトされる。ケイジ&フィッシュ法律事務所の共同経営者が、偶然にも、学友のリチャード・フィッシュだったのである。
 しかしながら、喜びも束の間、ケイジ&フィッシュ法律事務所には、マクビールの幼馴染にあたる、ビリー・トーマスもまた、所属していた。マクビールとトーマスには、大恋愛の末に、破局せざるを得なかった、苦い過去があった。

地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル(Charlie's Angels)

企画/製作総指揮:レナード・ゴールドバーグ、アーロン・スペリング
出演:ケイト・ジャクソン、ファラ・フォーセット=メジャース、ジャクリン・スミス、シェリル・ラッド、シェリー・ハック、タニア・ロバーツ
放送:一九七六年〜一九八一年

あらすじ:
 サブリナ・ダンカン、ジル・マンロー、ケリー・ギャレットの三人は、チャーリー探偵事務所に所属する、優秀な調査員――チャーリーズ・エンジェルである。かつては、ロサンゼルス市警の警察官であり、共に、警察学校で学んだ、親友の間柄でもある。
 エンジェルへの指示は、事務所の卓上スピーカーで与えられるのが、通例である。所長のチャーリー・タウンゼントは、どういうわけか、人前には、決して、姿を現そうとしない。それに代わって、エンジェルを援護するのは、ジョン・ボスレーの役割である。
 エンジェルの面々は、得意の変装と、格闘術を駆使して、数々の難事件を、解決していく。

備考:
 二〇〇〇年の映画版を、嚆矢として、複数のリメイク版が、制作されている。

ハンニバル(Hannibal)

原作:トマス・ハリス
企画/製作総指揮:ブライアン・フラー
出演:マッツ・ミケルセン、ヒュー・ダンシー
放送:二〇一三年〜二〇一五年

あらすじ:
 ウィル・グレアムは、FBIトレーニング・アカデミーの教官にして、犯罪心理の専門家である。あたかも、時計の針を、巻き戻すかのように、殺人事件の犯行経緯を見立てる。その才能に、注目したのが、ジャック・クロフォード行動科学課長である。グレアムは、通称・“ミネソタのモズ”による連続殺人事件を、捜査する事となる。しかしながら、グレアムは、類稀な共感能力ゆえに、情緒不安定という弱点を、抱えていた。そこで、クロフォードは、補佐役として、精神科医のハンニバル・レクター博士にも、協力を依頼する。
 しかしながら、グレアムも、クロフォードも、その時点においては、知る由もなかった。レクターこそ、長年、FBIを翻弄する“チェサピークの切り裂き魔”だったのである。

ハーシュ・レルム(Harsh Realm)

企画/製作総指揮:クリス・カーター
出演:スコット・ベアストウ
放送:一九九九年〜二〇〇〇年

あらすじ:
 ハーシュ・レルム――それは、米軍の開発した、最高機密のプログラミング・ソフトである。その開発目的は、仮想世界において、兵士の戦闘訓練を、行う事にあった。
 しかしながら、陸軍のオマー・サンティアゴ上級曹長が、ハーシュ・レルムの様相を、一変させる。その戦闘能力で、高得点者となったサンティアゴは、暴力によって、仮想世界を支配してしまったのである。
 独裁者と化したサンティアゴを、打倒すべく、ハーシュ・レルムに送り込まれたのは、やはり、陸軍所属のトーマス・ホッブス少尉であった。とはいえ、ハーシュ・レルムは、ただの戦闘プラグラムではなかった。仮想世界での死は、そのまま、現実世界での死を、意味するものだったのである。

事件記者コルチャック(Kolchak:The Night Stalker)

原作:ジェフ・ライス
出演:ダレン・マクギャビン
放送:一九七四年〜一九七五年

あらすじ:
 カール・コルチャックは、インディペンデント通信社の事件記者である。かつては、ニュー・ヨークで鳴らした、一流記者であったものの、それが、シカゴに流れ着いたのは、もちろん、理由があっての事だった。大衆には、知る権利がある、との信念から、つい、暴走してしまうのである。
 事件の背後に、超常現象の関与が、疑われるとなれば、なおさらである。捜査機関も、報道機関も、体面と常識を盾にして、超常現象の存在を、認めようとしない。その結果、ありのままの事実を、報道せんと欲する、コルチャックばかりが、孤立する羽目になるのだ。
 それでも、コルチャックは、闇夜に蠢く、異形の存在を、白日の元に曝さんと、今日もまた、取材活動を続ける。

備考:
 『魔界記者コルチャック〜ラス・ベガスの吸血鬼〜(The Night Stalker)』、『同〜脳髄液を盗む男〜(The Night Strangler)』という、二作のテレビ映画を、テレビ・シリーズとして、発展させたのが、本作である。
 また、二〇〇五年には、『ナイトストーカー(The Night Stalker)』という、リメイク版のテレビ・シリーズが、製作された。

名探偵モンク(Monk)

企画/製作総指揮:アンディ・ブレックマン
出演:トニー・シャルーブ
放送:二〇〇二年〜二〇〇九年

あらすじ:
 エイドリアン・モンクは、警察に捜査協力する、犯罪コンサルタントである。
 かつてのモンクは、サン・フランシスコ市警の敏腕刑事であった。しかしながら、愛妻のトゥルーディが、何者かに殺害された事で、休職へと追いやられる。心痛のあまり、深刻な強迫性障害に、陥ってしまったのである。雑菌への恐怖から、他者との握手後には、手を清めずにいられない。生活環境の変化に、適応する事ができず、高所恐怖症ゆえに、飛行機の利用すら、一大決心を伴う。
 それでもなお、モンクは、驚異的とも言える、記憶力と推理力で、事件に立ち向かっていく。刑事としての復職、そして、トゥルーディ殺害事件の真相解明が、叶う日を夢見て。

宇宙の法則(Space:Above and Beyond)

企画/製作総指揮:グレン・モーガン、ジェームズ・ウォン
出演:モーガン・ウェイサー、クリステン・クローク、ロドニー・ローランド
放送:一九九五年〜一九九六年

あらすじ:
 西暦二〇六三年、人類は、地球外知的生命体・チグとの戦争に、突入した。
 二十一世紀の宇宙開発は、もはや、太陽系にとどまらなかった。人類は、外宇宙の惑星をも、植民地として、開拓していったのである。しかしながら、チグが、宣戦布告として、植民星の一つを、壊滅させた事で、事態は、一変する。
 チグの奇襲攻撃によって、打撃を被った米軍は、戦闘未経験の新兵をも、兵力として、投入せざるを得なくなる。士官候補生のネイサン・ウェスト中尉もまた、そうした新兵の一人であった。ウェストは、チグの奇襲に巻き込まれて、行方不明となった、最愛の女性・カイリーとの再会に、一縷の希望をつないで、出撃していくのだった。

インベーダー(The Invaders)

企画:ラリー・コーエン
製作総指揮:クィン・マーティン
出演:ロイ・シネス
放送:一九六七年〜一九六八年

あらすじ:
 人類は、すでに、宇宙からの侵略を受けている。地球外知的生命体は、人間に擬態する事で、我々の日常生活に、溶け込んでいるのである。ひょっとしたら、よく知る友人・知人は、その実、人間でないかもしれない。
 そうした事実を、図らずも、突き止めてしまったのが、建築家のデイヴィッド・ヴィンセントである。とはいえ、余人にしてみれば、そう簡単に、受け容れられる事柄ではない。必死の告発は、ことごとく、黙殺されて、ヴィンセントを、孤立無援の窮地へと、追いやっていく。
 それでもなお、ヴィンセントは、地球侵略を阻止すべく、全米各地を奔走する。一方、地球外知的生命体もまた、ヴィンセントを抹殺すべく、暗躍を開始するのだった。

備考:
 一九九五年には、前後編のミニ・シリーズとして、続編が製作された。

X‐ファイル外伝〜ローンガンメン(The Lone Gunmen)

企画/製作総指揮:クリス・カーター
出演:ブルース・ハーウッド、ディーン・ハグランド、トム・ブレイドウッド
放送:二〇〇一年

あらすじ:
 ジョン・フィッツジェラルド・バイヤーズ、リチャード・ラングリー、メルヴィン・フロハイキの三人は、米国政府の不正を初め、決して、明るみに出ない真実を、日々、追究している。その情報収集能力は、FBIのフォックス・モルダー特別捜査官が、頼みにするところでもある。とはいえ、詰めの甘さから、イヴ・アデル・ハーロウを名乗る、正体不明の女性ハッカーに、せっかくの手柄を、横取りされる事も、珍しくない。
 慢性的資金難に喘ぎつつも、志を共にする、ジミー・ボンドを、新たな仲間に得て、バイヤーズらは、今日もまた、ローン・ガンマンという、自費発行の新聞を通じて、正義の在りようを、世に問い続ける。

ツイン・ピークス(Twin Peaks)

企画/製作総指揮:デイヴィッド・リンチ、マーク・フロスト
出演:カイル・マクラクラン、シェリル・リー
放送:一九九〇年〜一九九一年

あらすじ:
 ワシントン州にて、ローラ・パーマーなる、十七歳の少女が、殺害された。現場となったのは、ツイン・ピークスという、別天地の感もある、のどかな田舎町であった。
 捜査を指揮すべく、ツイン・ピークスを訪れた、FBIのデイル・クーパー特別捜査官は、豊かな自然に、感銘を受ける。その一方で、一部の住民にしてみれば、町を取り巻く森林は、邪悪な存在の、住処でもあった。
 捜査を開始した、クーパーの行く手に、立ちはだかったのは、ローラを中心とする、錯綜した人間関係であった。ローラは、学園の女王として、全ての住民に、愛される存在だったのだ。そのローラが、抱えていた秘密に、クーパーは、独自の捜査手法で、挑戦する。

備考:
 一九九二年、映画版・『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間(Twin Peaks:Fire Walk With Me)』が、公開される。また、二〇一七年には、イヴェント・シリーズとして、二十五年ぶりの新作を、放送した。



書籍



白鯨(Moby-Dick; or, The Whale)

作者:ハーマン・メルヴィル
発表:一八五一年

あらすじ:
 イシュメイルは、念願の大海原へと、旅立つ事となった。銛打ちのクイークェグと、同宿した縁で、捕鯨船・ピークォド号への乗船が、叶ったのである。
 ピークォド号の船長・エイハブの目的は、鯨の中でも、モビィ・ディックと渾名される、巨大な白鯨を、捕獲する事にあった。それは、無謀な挑戦であったものの、乗組員の大半は、エイハブの気迫に、感化されてしまう。唯一、一等航海士のスターバックだけは、エイハブを諌めたものの、無駄であった。エイハブにしてみれば、モビィ・ディックは、片足を奪った、憎き仇だったのである。
 あくまで、モビィ・ディックへの復讐に、執念を燃やす、エイハブの指揮で、ピークォド号は、ついに、出航する。

宇宙戦争(The War of the Worlds)

作者:ハーバート・ジョージ・ウェルズ
発表:一八九八年(英国)

あらすじ:
 天文学者のオーグルビーは、未明のイングランド上空において、緑色の流星を観測する。その日のうちに、問題の流星は、首都・ロンドンの南西に位置する、ウォーキングへと落下した。
 流星の正体は、直径・三十メートルにも及ぶ、金属製の円筒であった。それが、地球外文明の産物である事は、疑うべくもなかった。果たして、円筒内から、姿を現したのは、巨大な頭部と、十六本の触手を持つ、未知の生命体であった。
 オーグルビーは、問題の地球外知的生命体と、意思疎通を試みる。しかしながら、詰めかけた野次馬もろとも、緑色の熱線によって、焼き払われてしまう。それは、火星人類による、地球侵略の始まりであった。

備考:
 一九三八年、米国にて、ラジオ・ドラマ化された際には、迫真性に満ちた内容を、事実と誤認したために、百数十万人もの聴取者が、パニックに陥ってしまった、という。