2002年9月15〜16日 天草キリシタン歴史探訪の旅

02/10/20

天草地図 敬老の日の連休を利用して、熊本県の天草へキリシタンの歴史を訪ねる旅をしてきた。ちょうどこの1週間前の某TV番組で、加藤淳さんが天草の下田温泉をフォッフォッフォッと言いながら訪ねているのをかみさんと見ていて、行ってみようと思ったのがきっかけだった。
 天草はいくつもの島からなるが、主な島は海上橋でつながっているのでクルマで行くことができる。福岡からは高速道路で熊本の先にある松橋ICまで約2時間、そこから一般道(R57かR266)を使うが、天草の中心的な街である本渡市まで80キロ、今回もっとも遠くまでいった大江天主堂のあるところまではさらに40キロあり、往復で約550キロの長距離ドライブとなった。

 初日は午後から福岡を出発したので、天草の手前にある宇土半島の海沿いの旅館に一泊した。旅館のベランダから対岸に島原半島が見えるとのことだが残念ながら天気が悪くて見えず。旅館のすぐ下は海で、海を見ながら温泉に入ることもできた(夜なので星しか見えなかったけど)。
 翌日、朝10時頃旅館を出発し、キリシタン文化に関係の深いところを訪ねてまわった。

天草四郎メモリアルホール(大矢野町、地図の右の赤丸)

天草四郎メモリアルホール 愛の鐘天草四郎メモリアルホールには、天草四郎が江戸幕府と戦うこととなった「天草・島原の乱」について、その背景や、その戦いの様子などを3D映像(メガネ)で回想風に紹介するコーナーや戦いの舞台となった原城の陣中のジオラマの展示、天正使節の訪問の歴史年表を見ることができた。建物を上から見ると十字架のようになっている。建物の外は公園になっていて、天草四郎の像や愛の鐘があるので、見学後にちょっと散歩したりもできる。


 メモリアルホール→(R324、約1時間半)
天草切支丹館(本渡市、地図の真ん中の赤丸)

天草切支丹館 天草切支丹館は市内の中心に程近い「殉教公園」内にある。ここには島原の乱で使用したとされる「陣中旗」として使用されたとされる聖杯や天子が描かれた旗や、「マリア観音像」など禁教の時代に信仰を守るための工夫を施したものや、メダルやロザリオなどの実際に祈りに使用された物品が数多く展示されている。この建物の屋上からは本渡市街地を見渡すことができる。また公園内にはキリスト平和像やキリシタン墓地などもある。

 天草切支丹館→(R266+R389、約1時間)
天草ロザリオ館、大江天主堂(天草町、地図の左の赤丸)

天草ロザリオ館 天草ロザリオ館にはキリスト教伝来の歴史年表とともに、禁教の時代に天井裏などで密かに祈るための「かくれ部屋」のジオラマや、表向き仏式で行う葬式の経を、別室でキリスト教の祈りを使って閉じ込める「経消しの壷」など、当時の信仰の実際の様子を垣間見ることができた。

大江天主堂 天草ロザリオ館から歩いて5分くらいの丘の上にはこの地域のキリシタン信仰の中心となった大江天主堂がある。現在の建物は昭和初期に天草に伝道に来た神父が私財を投じて建てたものとのことで、白を基調にした教会だ。天気がよければ空の青に映えると思う。月曜は閉館とのことで内部を見ることができなかった。


どの博物館もそれぞれキリシタン文化天草四郎がテーマにはなっているが、それぞれ個性ある展示となっていたため、それぞれ訪ねる価値は十分にあった。

ちなみに加藤淳さんが訪ねた「下田温泉」は大江天主堂のある一帯から北へ数十分車で行ったところにあるそうだ。


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