作業日誌2006_9-10                                        植木農家トップにもどる

作業日誌 過去ログ


2006(H18)

10/31(火)晴れ一時曇りゴールテリア

 植木掘り
 秋晴れにはならなかったが今日も暖かい日和となった
 10時と3時のお茶はまだ日陰に入っているので その
 暖かさの度合いは推して知るべしか
 午前中はH1,8mのエレガンテシマを堀上げる 市場
 出荷するものとしては大き過ぎるサイズと今はなって
 しまった 堀上るとH2,0m以上にもなってしまうので
 見た感じが畑に植わっている時と比べてより大きく
 感じてしまう 今の需要は1,2〜1,5mが中心なので
 それ以上の物は価格的にそれほどの差はなくなって
 しまう 春先には1,5m未満だったので 秋の今まで
 に30〜40cm伸びたことになるが 価格が変わらな
 いのなら 大きくなった分だけ堀上げや持ち運びに
 より手間が掛かる事となりマイナスとなってしまう
 午後からはフイリヒイラギを50本ほど堀上げて 夕方にお客さんの家まで配達をする
 ここのお客さんは珍しく景気が良いのだろうか トラックを買い換えて 更に立派なビニールハウスを
 建てた 植溜めには良品が揃っていて充実している
 少し話を伺ったが じっくりと待つタイプらしい 私のようにあくせくとはしていない やはり余裕の
 為せる業のようだが ちょっとした考え方の違い 発想 感覚の違いと言ったもののような気がした
 そして お金のある人間は勢いがあるなあと 今更ながらに感じる 少しパワーを貰って帰ってきた
 右写真は 大実ゴールテリア

 

10/30(月)晴れ

 草取り
 今日も暖かい 朝ちょっと第4圃場に行ったら薮蚊の群れに襲われてしまった 暖かい年は11月に
 入っても蚊は発生するのだが 今年は特に多いような気がする
 台風の発生も今年は少なくて 直接の被害もなくて有難かった 全財産を野ざらしにしているような
 植木屋にはこの台風は不倶戴天の敵のようなものだから その季節が無事に終ったことの安堵の
 気持ちは例えようもない喜びだ
 考えてみれば これまで台風によってどれほど大きな被害が出たか判らない
 大事な枝を折られたり 大きな木が倒されたり ほとんどの葉をむしり取られたり 潮風の影響で
 葉が枯れてしまって廃棄するしかなくなったりと そしてその後遺症が何年も長く続いたりするのが
 植木栽培の被害の特徴としてある
 単年作物ならその年だけの損害で済むわけだが 植木はそれまでに長い年月を掛けて人手間と
 費用を注ぎ込んでいるので 一旦被害に遭うとその損害はどうしても大きくなってしまう
 これまでに数々の自然災害に打ちのめされる状況に陥って その都度泣くに泣けない状態にもなって
 それでも何とか立て直しを図って来れたのは 人間の努力と言うよりは 植木そのものが持っている
 復元力や生命力に引っ張られる形で人間が勇気づけられて再生を果たしてきたとも言えるだろう
 植木は痛めつけられても簡単には枯れない この地上の生命体が皆そうであるように 環境への
 適応力は驚くほど強力にできている
 ただ 商品としての植木となると話がやや違ってきて 少しの傷みだけでも商品価値がなくなる事も
 多いので栽培者は苦労するところだ
 雨風や他の気候による被害と病害虫による被害と さまざまな障害を克服して農産物が商品と
 なって行く過程は本来はドマラチックなものなのだと思える

 

10/29(日)曇り

 ハウス作業他
 昨夜からの雨が朝まで残り 木々が濡れていて畑の作業が困難なのでハウスに入った
 こんな日は朝もゆっくり目で 昼前になってお客さんも来てお茶を飲んだり 午後には運送屋の積込みを
 手伝ったり 合間にカメラを持ち出したり・・ つまりは半分仕事となってしまうのだが それも自営業の
 気ままで嬉しいところなのだ
 やらなければならない事は沢山あって 先延ばししてしまえばそれはそれで済んでしまう事も多くて
 それはそれで後になってマイナスの影響が出るのだが その時は少々目を瞑ってしまえば通り過ぎて
 行ってしまう程度のものとも言えなくはない
 今を遊興に過ごすのはたやすいのだが 努力が必ず実を結ぶのであればこれもたやすい 
 もっとも 何を「実」とするかで納得の度合いも大きく異なることになるのだが・・
 植木は他の農産物と異なって多少は放ったらかしにしておいても何という事はない まして一年のこの
 時期ともなれば虫は付かないし病気も心配いらない 雨もあって畑の状態も良い 例え生育環境が
 少しくらい悪くても急激にどうということもないので 管理は大雑把な面もあるので楽な農産物だ
 逆に 融通が利き過ぎるから 今度は管理する人間が堕落する環境でもある
 今日のような日は解放感の中にも焦燥感がちらと見え隠れするようなむず痒い心持がします

 

10/28(土)晴れ

 草取り
 穏やかな穏やかな秋日和 こんな日もあるんだと感動すら覚える 日頃は暑いだの寒いだの風がどうの
 雨がどうのと天候に文句ばかり言っているが そんな自分が恥ずかしくなるほどの好天となると 素直に
 喜びつつも 今度は何か物足りなさを感じてしまうのは 普段から自然に痛めつけられている農民の反骨心が
 性となっている証拠のようなものだろうか
 ポット苗の草抜きをする 早く取らなければと思いつつも 出荷の忙しさにかまけてついつい後廻しにして
 いたら いつの間にか雑草は大きく育ってしまって これ以上は放置できないところまできてしまった
 今年これで何度目の草取り作業だろうか 植物栽培はほんとうに手間が掛かる
 草も生えずに 天気も今日のような日が一年中なら生産屋も苦労なく楽しいだろうにと思ってしまう
 来週の出荷を休む事にしたので この作業も出来る事になったが 週に一度の出荷の繰り返しでは他の
 作業はほとんど進まない結果となってしまう
 枝物中心の生産の時は4〜5本堀上げればトラック1台分になってしまったので1〜2日で掘り取りは
 済んでしまった 手入れをして市場に運んでも4日もあれば一回の出荷が可能であった
 小物植木中心の今は 枝物も含めて堀上げだけに4日は掛かってしまうので 手入れ積込みで一日が
 必要で 市場が一日で 合計が6日となってしまう 雨が一日でも降れば一週間まるまるが終わってしまう
 春と秋の出荷の最盛期はそんなパターンの繰り返しだ
 今回のように一回出荷を休むと余裕ができて あれこれと細部にも目が届くようになり畑も整う
 人間の方も気持ちの張りがやや緩んで 心も幾分穏やかになる

 

10/27(金)曇り

  真珠の木 ピンク

 植木掘り
 午前中はどんよりした曇り空だったが風もなく気温も高目となった 先日の雨で畑は気持ち良く濡れていて
 スコップもさくさくと小気味良く通る 植木たちは再び生気を取り戻したように見える
 秋の中旬まで頑張っていた百日紅も流石に疲れた様相で この前の大風で葉を大分散らしてしまった
 穏やかな年であればこの百日紅も綺麗な紅葉を見せてくれるのだが どうやら今年は無理なようだ
 ほぼ一日中フイリヒイラギを堀上げる作業をした 一週間前に消毒をしたので虫食いは止まっていたが
 薬を掛ける前に既にやられていた頂部の若芽が痛々しくなって見映えが悪くなってしまった それでも
 成長力旺盛なこの木は他の木が既に固く芽を閉じているのに未だに若芽が伸びている
 堀上げたこの木が最終的に何処へ行くかは知らないが かなりの暖地でもない限りこの秋芽は霜枯れて
 しまうことになる 願わくは鉢植えにでもされて 室内で観賞されることを・・
 午後3時のお茶の時間を過ぎてしばらくすると 周囲は一気に黄昏てくる 秋の夕暮れは慌ただしい
 一日を夢中で働いていると 昨日のことがもう遠い日のように思えて不思議だ 時間が妙に早い
 ゴルフをしていてもケータイを離せないほど不安を抱える時代とは悲しいものがあるが こんな時に限って
 掛かってくる用件はつまらぬものが多い 便利で贅沢な暮らしを追っていると 人間は何処までも解放され
 ない気がするが 贅沢三昧 酒池肉林の狂気の世界も時に人を磨く 「この世は夢よ ただ狂え」と・・
 きっと 対極にあるのではなく 表裏一体かもしれない この3色の真珠の木はどんな世界の物語だろう

 

10/26(木)晴れ

  真珠の木 赤実

 上の写真は昨日の続きで 真珠の木で実の色が赤い品種 これはホームセンターで買ってきたもので
 4号鉢で 実の大きさは1cmほど 価格は1298円だった

 今日は隣部落の人たちとゴルフに行った 穏やかな秋日和で半袖シャツで充分なほどだった
 落葉樹の一部はもう薄い黄色に葉の色を変え始めていて 深まり行く秋を物語っている
 植木の仕事をしているからと言うのではなく ゴルフ場にはさまざまな樹種が植えられていて 既存の森の
 樹木を背景とするように四季折々に楽しめるように植栽されているのが普通で それらを観賞し 自然との
 触れ合いも重要なゴルフの要素のひとつと考えられる
 仲間とのコミュニケーションと自分自身との闘いと 自然への思いやりと仲間への思いやりと・・
 ゴルフは大切な何かをいつも示唆してくれる

 

10/25(水)曇り後晴れ

 真珠の木

 (コケモモ)

 ツツジ科

 ハウス内作業他
 荒れ模様だった昨日の天気で 畑の植木が心配になり 早朝より各圃場を見回った
 思った程は被害はなく 各畑とも小物植木が斜めに倒されている程度だったので 支柱を掛け直したりして
 10時までには家に帰った その後 所用があり街へ出る 午後からはハウスに入って片付けなどの雑用
 をする 午前中は寒かったが 午後は日差しが出て ハウス内は温度が上がった
 今日の市況
 予想どおりに全体として値下がり気味の相場となった 10月も中下旬は相場がだれるのがパターンだ
 今の時代に それでも良く持ちこたえているなあと思えるくらいだ 松は今回1本しか出荷しなかったが
 やはり安値だった 人気樹種は下がっているとは言え 落ち幅は少ない そして 意外なものが売れている
 のも特徴だ 別に珍しいものではなく 昔からの品種だが極端に生産が少なくなっているものだ それらが
 数種類あった 安値で安定してしまったのが ヒイラギナンテン カンツバキ ヒオトメサザンカ などだ
 昨年から上昇していて この10月の初めまで好調を維持していたコニファーのエレガンテシマが下降線を
 描いている これなどはちょっと意味不明で少し心配なところだ そんなに出荷量が多いとも思えないし
 エメラルドの方は順調のようだから・・ ブルーヘブンは問題なく高値だった

 

10/24(火)雨

 雨で仕事は休み
 午前中は野暮用で出かける 午後はちょっとハウスに入っただけで 後は完全休養となった
 2日続きの雨で 畑は充分過ぎるほど潤った 半月以上の乾きも たった一度の雨で解消してしまうの
 だから自然は凄いことをやる ただ 雨は良かったが台風並みの大風も吹いたから自然は無情でもある
 明日はすべての畑の植木の状態を見て回らなければならなくなった
 今日からケータイの番号ポータビリティー制度が始まったニュースが賑やかだ
 これまでは電話会社を替えたくても 番号まで変わってしまってはとの躊躇いがあったが これからは
 心置きなく・・ と言いたいが どうもそう単純な話ではなさそうだ
 私のケータイはドコモのF社のもの 自宅周辺にいるとほとんど電話が掛かってこない 後で誰彼に
 お前はケータイを持ち歩かないのか とか 電源が入っていなかったろうと言われる
 通話できても途中で聞こえなくなったり切れたりするのがしょっちゅうで その都度掛け直さねばならない
 この現象は自宅周辺だけのごく狭い範囲の事で 直線距離で100mもない作業場ではまったく問題がない
 ドコモでも他社製のものなら多少は良いようだが私のはどうしようもない
 この際だから 電話会社を替えようかと近所の人に世間話のついでに話したら よくよく考えた方が良いよ
 と言われた これまでの長年の各種割引や無料通話分などのサービスが受けられなくなる事を計算
 すると 仮に他社の料金の安さに惹かれて替えたとしても それほどの差はないのではないかと言う
 ソフトバンクが新料金を打ち出した この先まだまだ変わるかも知れない もう少し待って見よう

 

10/23(月)雨

 植木市場に行く
 昨夜からの雨が続いて 一時は強く降る 市場に着くまではずっと小雨状態だった
 うまい事に市場に着いた時には霧雨くらいで 合羽を着ないでも作業が出来るくらいであった
 先行組みの千葉の仲間も合羽を着ないで作業している
 彼らはいつも早い 午前2時頃には家を出て来るらしい まだ暗いうちにこちらに着き 夜明けを待って
 荷降ろしを始めるようだ
 こちらは彼らより1時間遅れで家を出て ちょうど夜明けに着く恰好となり 着いたと同時に作業を始める
 すべての作業を終えて 彼らが帰るのは9時頃だ こちらは10時半頃にいつもなってしまう これは
 積んでいる植木の量による 小物植木をぎっしりと詰め込んであるのでどうしても手間がかかるので
 この時間差となる
 彼らの時間だとお昼までにはほぼ家に帰ってしまうが 地元のあるトンカツ屋さんでいつも昼食を食べて
 から帰るらしい それを楽しみにしているらしいのだ
 そこは最近出来たトンカツ屋さんでとても旨いらしく 御飯がお替り自由 キャベツも食べ放題だそうだ
 流石に馬力のある人たちだなあと思う こちらはソバ中心の昼飯だからエネルギーの質が違うようだ
 人を雇い入れる時 飯をどれだけ食えるかで選んだと昔の話にある 合理的な選考方法だと思う
 これだと私などは不採用になること請け合いだ もっとも 最近は何事も省エネが価値判断の重要性を
 大きく占めているから 私にも幾分かのチャンスはあるのだろうが 人間最後はやはり体力勝負だ
 昼食に何を食べるか そしてそれを楽しみとしている そんな小さな幸せ それだけが非日常なのだ
 日々の変化のない日常のなかで ちょっとした事に感じる幸福 それは下々の者の特権だ
 農業をやっている者はほとんどは家と田畑の往復で単純な日々を送っている ハウスで野菜を栽培して
 いるある人がよく言っていた 植木屋さんは遠くに出かけられるから良いなあと・・
 遊山でもないし 遠くへ出かけても良い事は何もないのだけれど 家から離れればその日は非日常と
 言うことなのだろう 気持ちの中にはきっと小さな高揚がある事を感じている
 それにしても 一度家を離れても 早く家に帰りたいとの思いはどういうことだろう ずっと前から楽しみに
 していた旅行に行っても 帰ってくるとやっぱり自分の家が一番だと思える事と同じだろうか
 さて 荷降しも半ばを過ぎる頃 再び雨が降り出してしまい 結局は合羽を着込む事になってしまった
 そして作業が終る頃 また雨は止んだ 帰路は間欠ワイパー程度の雨 そして 蕎麦を食べた

 

10/22(日)曇り

 植木掘り 積込み
 朝は少し肌寒さを感じる 雲の動きも慌ただしくなって 天気は確実に下り坂に入ったようだ
 畑が何となく冴えない 植木に生気が感じられない 冬に向って徐々に冷たくなって行くこの季節は
 植木も完全に動きを止める頃だが そのためではなく 一本一本の木を見る分にはこれと言った変化は
 ないのだが 全体としておかしい
 やはり 水分不足が畑全体をくすんで見せているようだ もう半月以上雨がない 畑土は真夏と同じに
 乾いてしまっている 気温が低い分 水掛もしないで助かっているが 蒸散作用が少ないからと言っても
 植木には厳しい状態には違いない
 今日は市議会議員選挙の日で 朝イチで仕事に出る前に投票に行って来た
 合併前に80%以上あった投票率も 今日は60%台に落ちているらしい 最後まで盛り上がりの少ない
 選挙だったから それが数字に表れているようだ 皆選挙に関心がないのだろうか
 投票はしたようなものの 実は私もあまり関心がない選挙だった 特別な争点もないし 期待の大きい
 候補者もいない 合併後の市長選挙も無投票で決着がついてしまったし 活力がない田舎を象徴して
 いる出来事のように思う
 政治が変わらなければ 行政はなかなか変わらない だからと言って そこに甘えてしまっては
 いけないのだと若い職員と話したことがある
 一人一人はそれなりに頑張っているようだが 一生懸命やっていればそれで済むならたやすい話なの
 だが ・・
 ヒイラギナンテンとツバキを堀上げて明日の出荷の積込みをする つるべ落としの秋の陽は もう
 5時を過ぎると暗くなる

 

10/21(土)晴れ

 AM イチゴノキの出荷準備 PM 植木掘り他
 秋の清々しさがやって来た これまでは気温が高めだったが やっと秋本来の心地良い陽気になった
 作業していても快適な気温で空気が澄んでいる 後は雨を待つばかりだ
 午前中に急な頼まれもので12ケース分のイチゴノキを準備する イチゴノキは実の付いたものを
 出荷しているが 実が沢山付いている良品はほぼ終わってしまっていた 実付が少ないものでも良い
 との事で 急遽の出荷となった 実が少ないので価格は安く設定している
 午後からは市場出荷の黒松と枝付けの寒椿を堀上げる
 週末ともなると 作業場の前のコンビニには他県ナンバーの車が多い 埼玉 東京 神奈川・・
 九十九里海岸沿いをドライブするとこの町がある 何の変哲もない単に途中通過の地点だが 抜け道
 にでもなっているのだろうか・・ 成田へ30分 東金へ30分の地点になる 東京方面に向う有料道路の
 最短アクセスは15分ほどの位置になる 銚子までは海岸沿いを走って40分くらいだ
 その銚子の手前に東洋のドーバーと言われる屏風ヶ浦がある
 九十九里海岸一帯はサーフィンのメッカで 若者たちが四季を問わず訪れている
 いつだったか 銚子へ行った帰りに車窓から見たのだが この屏風ヶ浦の堤防に4〜5人の若者が沖を
 見つめて立っていた サーファー達だろう まだ海から上がっていない仲間を見ているのだろうか
 夕日はもうかなり低くなっていて 少し間隔を置きながら並んだ彼らは不動の姿勢で海の方を向いている
 どうという風景でもないのだが 自分には妙に印象に残る光景であった
 彼らが話し込んでいたりじゃれ合っていたのなら何の興味も湧かない場景だったに違いない
 走る車から それも少しはなれた地点からだから 実際のところは分からない しかし 確かに彼らは
 無言だった ただ黙って沖を見つめていた そう見えた 彼らの視線の先には何があるのだろう
 「青春」 そんな甘酸っぱい言葉を象徴しているような情景に思えてしまったからだろうか
 この屏風ヶ浦の西端が飯岡灯台のある刑部岬で ここから望む太平洋は雄大の言葉そのものだ
 この明媚な風景に魅せられての魔力の意味もあるのだろうか ここを最期の地と思い定める人も
 時々いるようだ
 高校の同級生にI君がいる 彼もその一人となった 30代前半だった
 彼は高校時代 仲の良かった同級生の男女5〜6人とこの刑部岬に遊びに来た事があるらしい
 その時に一緒だった今は北九州に住んでいるK子が 何故か私にそこへ行って来て欲しいと言う
 何故俺に? 家が近いから? 意味の解らぬままのある日に 菊の花を持って訪れた
 断崖絶壁の所々に防護柵を越えるようにして 人が入り込めるような跡があった
 眼下には胸のすくような大海が日に照らされてどこまでも続き やがて空と一体になっていた

 

10/20(金)曇り

 AM 植木掘り PM 消毒他
 午前中は サザンカ カンツバキ ブルーヘブンを堀上げる 今日は曇って涼しい
 午後は消毒作業をする 秋芽に害虫が付いて気になっていたので 食害に遭っているものを中心に
 薬剤を散布した
 普段の年なら必ず松葉に毛虫が付くのだが 今年はそれが見られない変な年だし 10月のこの時期に
 消毒をした経験も少ない
 ヒイラギ類や夏に刈り込んで新芽が出ていたモチノキは虫にやられて葉が茶色に変色したものも
 少なくなかった ツバキ サザンカにもハマキムシがいくらか付いていた
 2時間半をかけて各畑を回って1000リットルを散布
 水曜日の市況を書きます
 クロマツとアカマツ共に安値だった 枝付けの寒椿は思わぬ高値だった エレガンテシマはこれまで
 高値を維持していたが 先週辺りから下がりだして今回も安かった その分 エメラルドが高くなっていて
 興味ある現象となっている
 サザンカはオオミゴロモがまずまずと言ったところだが ヒオトメ シボリエガオ など安値は相変わらず
 アズマシボリは高値であった フイリヒイラギ クリスマスホーリーは下がっている ツバキも安値
 バカ相場だったのがロビラキで いつもの価格より50%増しだった ロウヤ柿はまずまず売れている
 アロニアも少し安いとは感じるが まあこんなものかと言った感じ 全体の金額としては今ひとつ納得の
 できるものとはならなかった

 

10/19(木)晴れ

 植木掘り
 今年は秋の爽やかなイメージがない 空気がどろんとしている 今日も蒸暑さがあって汗ばむ
 このところ雨がないので畑が乾いてしまって 土が固くなって植木が堀り難い これだけで作業効率は
 15%ほど落ちていると思う それは一日の堀上げた植木の数量が如実に物語っている
 夏場と違って植木へのダメージはそれほど心配いらないが 小物植木の堀上げには体力も神経も
 普段より多く要求される
 いつもの10月より気温が高いせいだろうか ここへ来て虫が付き始めた ヒイラギ類やマキの若芽が
 喰害に遭っている 秋口に気温が低かったので いつものこの時期の害虫の発生がなかったので
 今年はもう消毒の必要はないと高を括っていたのだが・・
 ヒイラギ類は食べ始められたら進捗は早い ここ数日が勝負だろう
 どうするか? 出荷は待ったなしだし 全面散布とすれば月曜は雨の予報が出ている とりあえず
 現在虫の付いているものだけ薬剤散布するか それとも・・諦めるか
 実は 今この時期に調子良く伸びている若芽は固まりきらないうちに寒い季節に突入してしまって
 霜でやられてしまうのがほとんどなのだ これは既定の事実のようなものなのだ
 つまり 虫に喰われようが霜でやられようが結果は似たようなものになってしまうのだけれど・・
 それでも消毒にこだわるには幾つかの理由がありそうだが それを書くのは今日はやめておこう
 ヒイラギ マキ モチノキ 毎年これらが霜で傷んでしまうケースが多い
 気温が高くて水分も養分も過不足なく与えられると 植物は良い気になっていつまでも枝葉を伸ばし
 続けているが やがてそのしっぺ返しに遭う事になる

 

10/18(水)曇り一時はれ

 植木掘り
 10時過ぎまでは晴れていたが その後は曇りの天気となった
 朝イチで第4圃場のエレガンテシマを掘り始めたが 薮蚊が大量に出て敢え無く撤退した
 この畑の隣の空地に古タイヤが何万本も積み上げられていて 5月中旬〜11月始め頃までは薮蚊が
 発生して毎年悩みの種となっている 畑を消毒すると1〜2日はいなくなるのだが直にまた発生する
 今日は防虫ネットのついた帽子を持参していなかったので やむなく第1圃場へ移って同じ樹種を
 堀上げた こちらには蚊はまったくいない
 この薮蚊は毎日出ると言うのではなくて 気温や湿度や風も関係しているらしくまるで出ない時もある
 今日の午前中は風も弱く蒸暑かったから大量発生となったようだ
 そんな陽気だったから 午前中の作業は汗ばんだ この時期になっても今年は気温が高目に推移
 しているようだ
 エメラルド クリスマスホーリー フイリヒイラギ などを掘り上げる

  ヒメマサキ ゴールドコーン

 上の左写真はヒメマサキで 左が金 右が銀 苗木を植えて一年半 来年の秋に出荷の予定のもの
 右写真は コニファーのゴールドコーン 7月にポット苗を定植したもの
 散歩の途中だろうか 60代後半の男性が声を掛けてきた この植木は何という名前ですか?
 こちらは何ですか? 見知らぬ人で こちらも忙しいからほどほどに応対をしていたが どうやら
 都会からこの町の海岸の近くに移り住んできた人のようだ
 フイリマサキが欲しいのだそうだ 何でも いろいろな植木を植えてみたがほとんどが海風の影響で
 傷んでしまったのだそうだ そこで 潮風に強い樹種を探しているとの事で この木は〜ですか?と
 なったようだ
 以前は別荘地として海岸近くの土地が開発されていたが 最近は不動産屋さんも手持ち無沙汰の
 気配だ それでも このような人がぽつぽつといて こちらが畑で仕事をしていると声を掛けてくる
 時には植木を買ってくれる人もいるが 大抵は苗木程度のものを何本かで 相手をしていると面倒
 くさくなる せっかくこの町に来てくれたのだから 売らないとも言えないので適当に相手をしているが
 小売商売をしている余裕はないので申し訳ないとは思いつつ深入りは避けている 植木屋さんなら
 この町には「佃煮にするほど」いるので困る事はないはずだ でも ちょっと冷たかったかなあ・・
 フイリマサキが欲しいなら 生産者を紹介してあげても良さそうだが 必要量が数本だったら その
 植木屋さんにも面倒を掛けるかもしれないし・・
 こんな時は小売屋さんや造園屋さんなら上手く対応してくれるかもしれない これがきっかけで
 高額な植木や庭造りに話が進むかもしれない
 それじゃあ 造園屋さんを紹介すれば良いかと言うと・・ まずそれも現実的とは言えない
 皆忙しくしているし この手の話に乗ってくれる商売人はほとんどいないだろうと思う これが実際だ
 植木の売店に行けば対応してくれるだろうし ホームセンターでも売っているし やはりそれは
 需要の内容によってそれに合った供給の形態があるはずだと思う
 それにしても・・ 後味の悪さは残る 自分がもう少し心身ともに余裕があったらなあと・
 「どうもおじゃましました」 とその人は去っていった

 

10/17(火)晴れ

 いちごの木の出荷準備
 少し風が出たが今日も晴れ 春の騒がしさに比べて 秋の晴れは落ちつきがあって良い
 気温が低くなったので 晴れが続いても畑はそれほど乾かなくなったが もう10日以上の晴れだから
 そろそろ一雨欲しくなってきた
 唯 雨が降らなければ仕事は計画的に順調に進むから気持ちにも余裕が生まれる そんな今日は
 いちごの木の出荷準備をする 今日のはある市場からの注文で大手の量販店向けのものだが
 価格は厳しいし規格もシビアだ 数量を買ってくれるお客さんは得てしてそのようなものだが 以前から
 お世話になっているので こちらも充分気を使っていて ついついサービスをしてしまう 私は商売人
 タイプではなく 交渉事は苦手な方で面倒くさがり屋なので どうしても甘くなるきらいがある
 そんなこんなで出たとこ勝負の仕事ばかりしてきたが まあ何とか大損をしない程度にやって来られた
 私は欲が深いから大儲けをしないと気が済まない 大儲け出来ないくらいなら小儲けなんて興味が
 ないから算盤は弾かない 頭の中だけで数えてばかりだから しばしば計算違いをしているようだ
 いちごの木の出荷も今日の作業で今年の分はほぼ終えた
 夜 久しぶりにホームセンターを覘きに行った 園芸コーナーには時節柄サザンカが多かったが
 売れるのかな? サザンカ ツバキはチャドクガの問題もあって敬遠されがちな昨今だが やはり
 この季節のサザンカは風情があって良い 日本の秋の風物詩だし 日本人の心に馴染む花木だと
 思う ♪さざんか さざんか 咲いた道〜
 市場価格は一時の最安値を脱していて そこそこの値段には回復して来ているのだが まだまだ
 生産者としては納得のいく価格とは言えない段階だ

 

10/16(月)晴れ

 植木市場へ行く
 別に必要はないのだけれど 家のトラックにはカーナビがついていて市場の行き帰りにはスイッチを
 入れている いつも同じコースなので道案内などは無用なのだが 適当に通過地点をインプットして
 おくと ナビは勝手に検索して道を決める
 勝手知ったるこちらは最短距離を走るが ナビは主要道路に導こうとして再三コースを変えるよう
 指示してくる まったく出来の悪い機械だ 臨機応変が利かない
 細かく通過地点を設定すれば問題はないんだろうが この安物のナビは5ヵ所しか設定できない
 130kmを走る時 5ヵ所では大まかな道どりは掴めても近くを併走する道やショートカットに対応する
 にはとても無理がある
 指示コースから外れると慌てて再検索を掛けて追いかけてくる それでもかまわずどんどん逆らって
 進んでいくと ナビも厭きれたように後からついてくる
 何のことはない こちらが道案内をしているようなものだ
 出来の悪いのは安物のせいなのだろうか 6,5インチ画面で39800円は確かに安物の部類だ
 普通安いものでも7万円くらいはするし ちょっとしたものは10万円以上だし 20万円クラスも
 お店にはずらっと並んでいる これだけ何故か39800円 ナビなど買う気はサラサラなかったが
 この値段には思わずよろめいてしまった CDを聞くわけではないし TVも視る気はしない
 ラジオが何より好きで最高の情報源だから 当てにならないカーナビはピエロの役目くらいしか
 果たしてはいない
 これでは知らない道を行くときに本当に役に立つのだろうか不安が残る 地図帳が最も確実で
 分かり易いような気がするがどうだろうか
 九州に行ったとして 下手をすると千葉へ帰るのに新潟を回ってからでないと帰れないような状況に
 なり兼ねないと言ったら大袈裟か
 確かに現在地の正確さには驚かされる GPSの威力が分かるが あまり正確なカーナビでは
 デートの時など わざと道を間違えた振りをして変なところに行けなくなってしまうから不便な事も
 あるかもしれない 「ここは何処? 私は誰?」 なんて陳腐な芝居も打てなくなった

 

10/15(日)曇り

 枝物の手入れ 積込み 他
 堀上げてあった松を手入れする 秋の松は枯葉を抜くのが一苦労だ 毎年毎年枯葉は出る
 透かし手入れと揉み上げを掛ければこんなに枯れ葉が積もる事はないが そんなに手間を掛けては
 生産者は採算が合わないので普通はやらない かなり高額なものにそれは限られるだろう
 手先だけの作業をしていると肌寒くなったので この秋始めてジャンバーを羽織る 積込み作業になると
 今度は暑く感じてそれを脱ぐ 今はそんな気候だ
 作業場にいると選挙カーが時々廻ってくる 市議会議員の選挙が始まった 定員24名に対して
 立候補者は25名のようだ 典型的な田舎の選挙に今回もなった 一人だけ落とすことにそれほどの
 意味はないと思うが それも民主主義の避けられない建前のひとつなのだろう しかし 誰が落ちるか
 ではなく 選挙することによって立候補者の政策や政治意欲を高め 有権者には政治参加による
 自治意識の向上や市政や議会への理解と監視の精神を啓蒙する意味に於いての意義は小さくない
 民主主義のお祭りと言った表現があったと思うが 確かに以前は地域を上げて地元候補を応援し
 選挙戦も人海戦術で激しかった 飲み食いあり 買収あり・・・
 このごろは法律の規制が厳しくなったこともあり 選挙もずっと地味になった 選挙応援も地域ぐるみは
 ほとんどなくなってお祭り意識は雲散霧消した
 大都市の街中でババンバンバンバリバリバンと機関銃でも撃っているかのような激しい音が鳴り響いて
 止まない メイン道路は車と人波に埋もれて身動きも出来そうにない 人々の嬌声とスピーカーの
 大音量とババンバンバンバリバリバンと爆竹を派手に鳴らして火花と煙が立ち登る
 台湾のホテルから下を覗くと 夜だと言うのに戦争でも始まったかのような喧騒に目を見張った
 これが選挙だと言う説明を受けるまでは何事が発生したのかと怪訝な思いでいた いや すごかった

 

10/14(土)晴れ

 いちごの木の出荷準備
 秋晴れで気温も平年並みとなった 軽作業だったため気温のほど良さを感じる今日の一日だった
 高貴に甘く薫るモクセイも終りました あの香りには早春の梅とはまた違った優雅さがあります
 「観梅は一人で行くのが良い」と言った人がいましたが モクセイは何でしょう・・
 気温がぐっと下がるこれからの時期は紅葉の季節となります 「山装う」の俳句の季語もあります
 色とりどりの木の葉が人々の目を楽しませてくれます 鼻から目へ 季節は移ることになります
 晩秋ともなれば枯葉が枝を離れます その微かな音に寂寥を 初冬にはその落ち葉がかさこそと
 風に舞う音に無常を感じるかもしれません 季節の移り変わりと共に人間の感覚も鼻から目へ
 そして耳へと移って行きます
 味覚の秋とも言います 秋は人間の五感が最も敏感になる季節かもしれません
 人が恋しくなるのも秋の特徴のひとつ これは五感の中の触感? マツタケは食感・・・ おいおい^^;
 何やら話が逸れて 変な方向に行ってしまいそうで恐いです これが私の第六感です おそまつ

 

10/13(金)薄晴れ

 AM 植木掘り PM いちごの木の出荷準備
 今日は急に冷たい空気に変わった 北東の風も入って涼しく 昨日までが嘘のような気候となった
 身体もぐっと楽になって快調だ こうなると今度は寒い日もあって それはそれでまた文句を言うのだろう
 植木市場について昨日の続きのようになりますが
 市場には沢山の人が沢山の植木を出荷しますので時々(と言うよりしばしば)間違いが出ます
 時には出荷した品物が行方不明になる事もあります 間違いで一番多いのがやはり価格です
 セリ士がいて セリ落とした価格を記帳する係りがいます 更にセリ落とした植木に買参人の番号が
 書かれた荷札をつける係りがいます 大体4〜5人が1グループとなって競りをします
 これが4組も5組も一緒になって競りを進めますから時には間違いも起こります 競り落としして行く
 スピードも速いですから すぐ傍で見ていてもよくよく慣れないと何がいくらで売れたのかが分かりません
 ですからセリ士の言葉を聞き取って記帳する係りも大変です 周囲の騒音の中 樹種や価格や本数や
 落札者の番号を記入しなければならないので時にはミスる事もあるでしょう
 一桁間違った値段が送られてくることもたまにはあります 例えば 10万円で競り落とされた植木が
 1万円の表示できます 流石に これなどは市場側に照会すると直に判ります
 小物植木も単価で競ります 実際は1500円だったものが仕切書には500円で来たりします
 頭の「1」が抜けていたりしますから油断なりません
 出荷者の問い合わせに 市場側は買参人に確認するのですが 正直なお客さんだけとは限りません
 逆に 正しい価格より高い値段で送られてくることも中にはあります そんな時はお客さんから
 クレームがついて 今度は市場の方で出荷者に訂正が入ります
 何れにしても 実際に競り市の現場に立ち会っていないのですから何ともしようがない訳です
 明らかに間違いではないかと思える価格の時でなければいちいちの照会ははばかれます
 大量の植木が空き間もなく置かれているような状態なので たまには目残しされてしまう事もあります
 こんな時は次回の競りに回されてしまいます 逆に こちらが出荷登録を忘れて 札をつけて来なかっ
 たりする時もあります 沢山の種類を出荷して 置き場所も方々に分散したときなどは ついうっかり
 する事もあります 競りの事前に気か付いて連絡をすれば対処してくれるのですが 登録札のない
 植木は残されてしまいます つい先日もそれがありました
 その他 本数の間違いもありますし 今はコンピューター管理なので流石になくなりましたが 他人の
 植木の分までこちらに入っていたりした時もありました いろんな事があるものです

 

10/12(木)晴れ

 植木掘り
 10月中旬とも思えないジリリと照りつける太陽 真夏との違いは何だろう 湿度が大きく違うくらいか
 汗を流しながら植木を掘る 気温が高いと体力も消耗する 日陰に入って冷たいものを口にすると
 生き返った心地がする 10月中旬にこんなに暑いのはあまり経験がない
 今日は枝物を堀上げる モチノキ クロマツ アカマツ カンツバキ
 寒椿は簡単な枝付け風にしてあり 高さは2〜2,5mほどのものを2本堀上げた
 さて 昨日の市況を書きます
 大市の次のセリ市という事情もあるのでしょうか 全体的に価格は下がっています 出荷量は少なめで
 あったはずですが お客さんの出足も悪かったのかもしれません
 そんな中でも 良く売れていたのはロウヤ柿 炉開き エメラルド などでした
 安値となったのは プリペット(斑入りイボタ) サザンカ ツバキ ヒイラギ類などで これまで高値を維持
 していたエレガンテシマも流石に息切れしてしまいました
 セリ市全体の市況がどうだったのかは分かりません 自分の出荷品だけはFaxで送られてくるので
 確認できるのですが 他の人が出荷した同じような品物が同じような値段とは限らないのがセリ市です
 それでも 「一事が万事」 といいます 自分の植木の価格がやはり全体を象徴していると見て間違いは
 なさそうです
 全体の市況はインターネットで見る事が出来ます この市場のホームページにアクセスしてその日の
 全出荷品の競り落とされた価格が表示されているページを見る事が出来ます
 これには会社側からの許可が必要でIDとパスワードを発行してもらいます
 それでも 価格が分かっても その品物の大きさや品質の良否が分からないのであまり意味はありません
 あくまでも参考程度です 枝物などは尚更判断材料となりません
 出荷者個別のページもあり 自分のを閲覧できますが これも意味なしです 何故なら Faxで送られて
 来る方が早いからです 

 

10/11(水)晴れ後曇り

 植木掘り
 冗談ではなく夏の陽気が戻ってきてしまった感じだ 気温は一ヶ月前に返ってしまった
 昨日より更に暑くなり 大汗をかく そして今日は薮蚊も大量にまとわりついて不快な終日であった
 サザンカ 秋咲きツバキ などを堀上げる

  

 左写真は ヤマブドウ 中は 紅花エゴノキ 右は 紅花イチゴノキ です
 サッカー 日本VSインドの後半が始まります 今日は手抜きで失礼します

 

10/10(火)晴れ

 植木掘り
 じんわりと汗が滲み出る 風もないので仕事をしているとかなり暑く感じる
 空には秋の青空が広がって 昨日今日と気温が高くて夏の延長を想わせるが 流石に朝夕は時に
 肌寒さを感じることもあり 季節が確実に進んでいる事を実感する
 初秋に伸びた新芽に一時は虫も付き始めたが 今はほとんど止まっている 消毒をする機会を
 うかがっていたが これならその必要もないかもしれない 9月の中旬が消毒のタイミングだったが
 出荷を最優先に作業をしているのでチャンスを逸していたのだ
 この季節になってもコニファーはまだ伸びている 毎週の出荷は大きいものから順に堀上げているが
 一週間経つと残してあったものが先週と同じ大きさになっているのが分かる 数センチは育っている
 沢山ある本数の中から同じくらいの高さを揃えて掘るが いちいち尺棒で測っているわけではなく
 いつも自分の目の高さが基準となる これを1,5mとしてプラスマイナス数十センチは分かり易い
 植木の太さ(幹周)を測る基準は地上1,2mの高さの位置で計測する これを「目通り」と言うが
 実際の人間の目の高さではなく胸の位置くらいだ ここも目安となる
 自分が立って片手を真直ぐ上げると指の先端が2mの高さになる これでまたプラマイすればいい
 葉張りなら 両腕を左右に広げると自分の身長になるから1,7〜1,8mくらいとなる
  灌木の高さなら 手のひらをいっぱいに広げると親指と小指の先端の間が20cmだからこれで測る
 両手なら40cmになるので幹周を測る時にも役立つ
 植木屋は皆さん同じことをやっていると想うがどうでしょう もっとも 公共緑化樹を扱うプロの材料屋
 さんは 高さも太さも葉張りもひと目で判断してしまうから私から見ても感心ものだ
 花木などは花の大きさを問われることもある これなどはどうやって測るか?
 {答え} 自分のハナの下の長さ

 

10/9(月)晴れ

 植木市場に行く
 晴れて夏のように気温が上がった 湿度が低いから仕事をしていても不快な思いはない
 世の中は3連休で車の通行量も少ないから道路が混まなくて助かる
 先週この市場に来たときは雨だったので作業も大変だったが やはり晴れた日は良い 屋外の仕事は
 青空が似合っている 今日は久々に富士山も見えて感動ものだった
 帰路はづっとエアコンを小さく効かせて走った
 安倍総理が今日は韓国を訪れた そのタイミングを計るかのように北朝鮮が核実験
 隣国とは厄介なものであるらしい それは隣の家同士の関係と基本的には同じなのだろうと思う
 仲が良くても悪くてもそれぞれが節度のある付き合い方をして行くのが良いのだろう
 先日の読売新聞のアジア7ヶ国の国民の意識調査で 韓国人が日本を「信頼できる国」と考えているのは
 10%だった 他のアジアの国々から比較して異常な低さだ
 日頃の情勢から推量してもこのような結果は予測が出来るが 私は10%でもあれば結構なのではないか
 と思う 10%は決して少ない数字とは思はない
 「私たちは日本が羨ましくてしょうがない」とは この日誌でも以前書いた韓国のガイドさんの言葉である
 日本憎しの感情と心の奥底で日本への羨望の意識が交じり合う
 晴れた秋空にはコスモスがよく似合う コスモスには宇宙の意味もある
 < コスモス共に咲かせ隣家と憎みあふ  川島彷徨子 >

 

10/8(日)晴れ

 AM 積込み PM いちごの木の出荷準備
 久しぶりに朝からよく晴れたが 北西の強い風が夜まで吹き続けて 作業がやり難かった
 先日の大量の雨の影響で畑の上層は普段と変わりないものの 少し掘り下げるとじめじめとする
 結局枝物の堀上げは出来ないで終わった エレガンテシマを30本ほど掘ってから積込み作業をする
 一昨日の大荒れ天気で 畑の植木は種類により傷みが出た 葉が傷んだり斜めに倒されたりした木が
 少なくない 幹が細い割には枝葉の繁った樹形のものがやはり弱い
 忙しくてまだ全体を把握していないが 一見ではそれほど大きな被害はないようだが風の被害は後から
 じわじわと効いてくるから油断できない
 安倍総理が訪中した つまらない意地の張合いは思わぬ弊害も生むから どこかで気持ちの転換も
 必要になる 小泉前総理の言行も決してマイナスではなかったと思うが・
 経済成長に突っ走る中国の行方が その強権的体制故に不気味だ そこがインドなどと違うところ
 二十数年前 中国の自転車通勤の風景を広州で見た事がある
 テレビ映像などで見て凄いなあとは思っていたが 実際に見てその迫力に圧倒された 見ている自分の
 方に とてつもなく大きな集団がわあっと襲いかかって来るような感覚だった その凄まじい民衆の
 エネルギーが中国という国を象徴しているかのように見えた
 広州ではある小学校を視察したのだが 子供たちの授業を参観した後 先生方と話し合いをした
 和やかな雰囲気で意見交換などをしたが 私が「子供たちには日本の事をどのように教えていますか」
 と質問をしたら 会話がぴたりと止まってしまって 通訳を交えて何やらひそひそと相談を始めてしまった
 ややあって 「日本については地理や文化を教えています」と公式の答えが返ってきた^^

 

10/7(土)曇り後晴れ

 いちごの木の出荷準備
 昨日までの二日間で大量の雨が降った 畑は水浸しでとても作業の出来る状態ではない もう少し
 植木を掘らなければならないが これでは到底無理なのでハウスでいちごの木の出荷準備をする
 今日は軽作業だったわけだが 昨日と一昨日の後半と雨で仕事を休んだから 少しは体力の回復に
 役立ったろうか 植木掘りが続いているから体の疲労も溜まっているとは思うが 私は仕事をしていて
 疲れるということがほとんどない 仕事が続くと精神的には確かに弱音の出る事はあるが 身体の
 疲れは一晩寝ると次の日の作業にはまったく問題はないし 寝不足で不調ではあっても動き始めて
 しまえば忘れてしまうほどだ
 「踊る大捜査線」というテレビドラマがあった 先年亡くなった いかりや長介さん扮する和久老刑事が
 主人公の青島刑事に言う台詞がある 「疲れるほど仕事すんじゃねえぞ」 その言葉が忘れがたい
 当初は直感的な抵抗感も反発心もあった 公務員だから言える言葉じゃないのか・・ 納税者として
 の自分の毎日とを比較しての感情である
 それでも よく考えて見ればこの言葉の方が正しいのではないかと思えるようになった
 自分の身を擦り減らしてまで働かねば食えないような今の日本社会なら その方が少し変なのでは
 ないかと考えられなくもない 個人の能力の問題もあるかも知れないが・・
 人はその境遇や立場によって物事に対する感覚があまりに違う事に愕然とさせられるときもある
 疲れるほど仕事をした事のない私だけれど こんなに仕事をしなくても充分食べて行けるのだけれど
 これはもう・・ 欲得などという生易しいものではなく きっと業のようなものなのだろうと思っている

 

10/6(金)雨

 雨で休み
 雨強く 風強く 大荒れの終日だった 昨夜からの雨はこれでもかといったほど降った 夜になった今でも
 風雨は衰えを見せない ふたつある南海上の台風はいづれも大きく逸れるようで心配はなくなったが・・
 千葉県は今でも全国一の植木の生産県だ ピーク時から見れば その生産面積も出荷額も大きく減少
 したが 事情は他の都府県も同じだろうと思う
 植木産地は千葉県全域に点在しているが その中心は東金市と八日市場市(現 匝瑳市)に代表される
 東金は宅地化が進み東京や千葉市のベッドタウンとして人口が増えている事もあり 植木栽培は
 少なくなって 造園業や植木の販売に力を入れる人が多くなっている
 八日市場は千葉市からも離れていることもあって純生産地としての状況は変わっていないが やはり
 栽培面積は大幅に減っている
 千葉県は植木の生産県であると同時に消費県でもあり 東京圏という大消費地を抱えて恵まれた環境
 立地にある 温暖で水利事情も良いから多種類の植木の栽培が可能である事も好条件である
 昔から植木の四大産地として全国に名を馳せていたのは 埼玉県の安行地方 愛知県の稲沢地方
 兵庫県の宝塚地方 福岡県の久留米 田主丸地方である
 田主丸地方はよく分からないが 他の地方は都市化が進んでしまって とても植木などを栽培しては
 いられなくなってしまった地域も多いのではないかと思う
 以前は東京でも郊外に出ると結構植木を作っているところがあった そしてそれらが開発の波を受けて
 栃木県や茨城県や千葉県に植木の栽培地を求めて進出して来た事もあった
 神奈川県にも藤沢市の用田地方を中心とした古くからの植木産地があって 今でも沢山の植木屋さんが
 頑張っていると思うが ここも都市化が進んでいるはずで 純生産地ではなくなっている
 こう見て見ると 千葉は県内に産地が散らばっている事もあり立地条件も良く まだまだ生産地としての
 余力がありそうだ
 稲沢に対して三重県の鈴鹿地方も千葉と同じく産地として条件が整っている 三重サツキはブランド
 として全国的に知られてそのシェアも圧倒的だ サツキ御殿も有名な話として伝わった
 宝塚に対して和歌山の存在もあるし 九州では鹿児島 宮崎 熊本もある
 このように全国には植木の産地が結構あって その歴史は大都市の周辺に隆盛を見て 都市部の発展
 とともに次第に郊外に移ってきたことがわかる
 全国各地の植木産地を視察して歩いていた頃は何処も好景気に湧いていて威勢が良かった
 戦後の経済成長と歩調を合わせるかのように発展してきた植木業界も バブル経済の崩壊と共に
 急激な需要減に見舞われ 最もしわ寄せの大きかった業種のひとつとして未だに低迷している



10/5(木)曇り後雨

 AM 植木掘り PM 雨で休み
 天気予報は朝から雨を予測していた事もあって 今日は一日ダメだろうと思っていたが 一触即発の
 空模様ながら辛うじて雨は思いとどまっている
 降るまでは仕事を進めておこうと畑に向ったが直にぽつぽつと始まってしまった
 それでも 雨は疎らで濡れるほどの事はない 炉開き椿と斑入りチャイニーズホーリーなどを堀上げた
 まっ黒な雲が時折り足早に通過する 本降りになるのは時間の問題だ 10時のお茶もそこそこに
 作業に掛かる
 それにしても天気の悪い日が続く 台風もあって週末までこんな陽気は治まらないようだ
 11時近くになって本降りの様相を呈してきたので 最早これまでと作業を中断して帰宅する
 それでも半日近くは儲けた格好になって満足のゆくものであったし 仕事を休める雨もまた嬉しい
 午後からはゆっくり身体を休めたかったが中々そうも行かないのが辛い身分で いろいろと雑用やら
 何やらで 仕事をしているよりも疲れるのがいつものパターンで 今日もその例に漏れずだった
 昨日の市況を少々お知らせ
 先週よりは全体的に相場が落ちている サザンカ プリペット ヒイラギ類が下がった コニファーと
 ロウヤ柿はまずまず安定している 炉開きは高値であった イチゴノキは8寸鉢の大きいサイズを
 出荷しているが先週よりはやや高かった
 枝物の赤松は芝付きで0.7mあり 中の上といったクラスだが これは今の枝物の全体的な相場から
 見るとまずまずと言ったところに落ち着いた

 

10/4(水)曇り

 植木掘り
 曇り空で時折り小雨がぱらつく 今日も湿度が高くやや不快
 薮蚊も多くて一時は苦労する
 曇りと雨が今日で6日目で この先もこの傾向が続くみたいだ
 10時までイチゴノキの出荷準備をする その後は畑に出て
 小物植木のコニファーとサザンカを掘る
 今日は植木組合のゴルフコンペがある日だが 幸いに雨に
 ならずに良かったのではないか
 久しぶりのゴルフだから参加したかったが 秋の植木出荷の
 最盛期であり とてもその余裕がないのでやむなく断念した
 ゴルフは8月21日に行って それ以来は縁がなかった
 お天気相手の商売なので 雨にでも続かれると仕事の計画が大きく狂ってしまうので たった一日の
 予定でも前もっての予約は難しい この時期 週に一度の出荷は欠かせないし お客さんの都合で
 いつ注文が入るか分からない 生産はどの時期に何をどれだけ出荷するかを計算して栽培しているし
 季節の花物や実物はその期間しか販売の機会がないので その時になると一日がものを言う
 農業や季節商売をしている業界の人にはよく理解出来ると思うが そう言えば 寅さんも同じだったな
 寅さんは今頃何処を旅しているのだろうか 「相変わらずお前はバカか」と言って笑ってくれるような
 気がするが 葛飾柴又にはもう二度と戻らないのですね
 私は旅行はとても無理なので たまにはゴルフをしたいとつくづく思う お天気が続くようになって 出荷も
 先が見えるようになったらと考えている 今月下旬辺りになるだろうか
 右写真は フェイジョアの果実

 

10/3(火)曇り

 植木掘り
 この時期としては気温が高めで 曇り空ながら汗を流す陽気となった
 昨夜ややまとまった量の雨があり 畑の作業道路には水溜りが幾つも残っていた 畑はこのところの雨で
 充分に潤っていて良好な状態にある 一時は乾いていて植木の成長も止まっていたが再び秋芽が動き
 だしたようだ コニファーなどは一週間の成長が目に見えて確かだ
 サザンカはオオミゴロモが開き始めた 椿は初嵐がまず咲く キンモクセイは今が盛りとなっている
 垣根用樹としてフイリマサキの人気が出てきたようだ 古くからある品種で金や銀の斑入りのものがあり
 更に内斑と外斑の別がある 葉っぱ一面に小さな斑を散らしたような柄もある
 マサキには蔓状に伸びる種類もあり 小さな葉が密生して丸くなる姫マサキもある このヒメマサキも
 金銀の斑入りがあり我家でも栽培している ガーデニング材として使われるようだ
 フイリマサキについてはよく問い合わせがある 家にはないので近所の生産者を紹介しているのだが
 5〜6年ほど前には作って見ようかと考えた事がある アメリカでこの品種が人気となっていて 日本でも
 再評価されてきたのか一部で生産が始まっていた
 普通のマサキは公共緑化樹として使われるのでそのイメージが抜け切れなく 唯それの斑入りだからと
 言って売れるものだろうかと・・ そしてマサキは虫が付き易いのも大きな欠点としてある
 確かにフイリマサキは綺麗だ 春の芽吹きから初秋くらいまでの鮮やかな葉色はインパクトが強い
 あの時にやっておけば良かったかなと今になって思うが 何もかもは無理がありヒメマサキは順調に
 売れているので それだけでも良かったかなと割り切っているが 時流に乗らない植木の安値が続く昨今
 一度は目をつけた樹種がむざむざと他人の利益にまわるのを指をくわえての傍観は辛いものがある
 これから始めてはどうか まだ間に合うとは思うが人気の移ろいの激しい時代だし 情報の広まりも
 早いから大きな収穫は期待できない やはりあの時が成否の分かれ目だったのだろう

 

10/2(月)雨後曇り

 植木市場に行く
 家を出る時からずっと小雨が降り続いていて 市場に着いても同じ調子で降っている
 覚悟はしてきたものの雨合羽を着る時はほんとに情けない気持ちになる まだ気温が低くないので
 そんなに辛いと言うのではないが 仕事とは言え些かの抵抗感がいつものように湧き起こる
 作業の間は止む事はなかったが 皮肉にも仕事が終わると同時に雨も降り止んだ 10時過ぎだった
 植木の競り市場も今回は大市との振れ込みである しかし 出荷量は普段より幾分多い程度に
 見受けられた 水曜日が競り日だから明日にはかなりの量になるのかもしれない
 市場の人が言うには モクセイが高値だと言う 出荷が少ないらしい 昨年までずっと安値が続いて
 いたので俄かには信じがたいが これだけ相場が上がらなければ生産量も激減して当然だから
 いつかは反発するだろうとの予測はしていたが それにしてもやっとここに来てかの思いもある
 何年も前に挿し木をして生産をした事がある その時点では高値ではなかったが この苗が育って
 販売できる頃は値段も上がっているだろうとの期待でいたが それは一昨年で販売が終ったが
 とうとう安値を脱し得ないうちに売り終わってしまった つまり見通しを完全に誤ってしまったのだ
 そんな事があったから 今日の情報には幾分かの感慨があった その後も続けて生産していたら
 ここで当たりが出た訳だから少しばかりの悔いは残るのだが それにしても早くて3年 普通で5年
 長いものだと10年先でないとお金にならない仕事なんて計画も見通しもあったものではない
 帰路は明るい曇り空で 街路樹のハナミズキが暗っぽい紅色に早くも染まっていた イチョウも半数
 くらいは黄色味を帯びるようになっている 気の早い桜はもう完全な裸木となってしまった

 

10/1(日)曇り

 今日は大安吉日 ご近所のお宅のお嬢さんが結婚して その披露宴にお招きいただいた
 銚子市の結婚式場に送迎バスで部落の皆さんと行った そのバスの車窓から携帯電話のカメラで
 撮った風車の写真が↓です

   

 銚子周辺は海に突き出た地形をしているので どの方向からも強い風が通り抜ける それが風力発電に
 好条件のようで写真のような風車が何十基も建設されている
 高さが65mの鉄塔に直径70,5mの円を描く羽根が3枚付けられている 風車はドイツ製だそうだ
 発電能力など詳しい事を知りたい人はネットで検索して見て下さい
 すぐ近くを通ると結構大きくて迫力があってびっくりします 近くの民家などは音がうるさいのだそうだ
 周辺のテレビの映りも悪いらしく問題になっているようです

 

9/30(土)曇り

 積込み他
 どろっとした曇り空で湿度が高く少し汗ばむ
 昨日堀上げたアカマツを手入れして 午前中に積込み作業を行なう 総数で350本ほどになる
 午後からはイチゴノキの出荷準備をする 実も色づき始めて花も少し咲きだした イチゴノキは早生種と
 晩生種があり 遅いものだと11月中旬なって色づくものもあり 花は2月頃まで咲き続けるものもある
 今の出荷の中心は紅花種でこれが一番色づきが早い 紅花と言ってもほぼピンクで紅の濃いものは
 まだ出ていない 日当たりが悪いと色づかないで白花と大差がなくなってしまう 中にはピンクでも
 かなり濃いものもあって一定しない ハウスの中は混み合っているので日当たりが今ひとつなのが残念だ
 販売に当って 私はこれを紅花種として出荷していない ラベルは紅花種のものを使うが同じイチゴノキと
 して出している 問屋さんや小売の人がどのように名づけて販売するかは分からない
 インターネットでもほとんどのサイトが紅花種として売っているようだ 間違いではないとしても誤解を
 避けるためには一言注意書きも必要ではないかと考える もっとも 紅花種にしても ただ日当たりさえ
 よければ紅くなるかと言えば必ずしもそうではなく 木の個性によって濃いもの薄いものさまざまだ
 その年の気候にもよるかもしれないし 肥料や管理の仕方で多少の違いが出るかもしれない
 白花種も大葉のものと小葉のものとあり その中間的なものもある 小葉の方が花は美しいようだ
 ただ この小葉の方が実付きは悪いし実も小さい
 イチゴノキは実の色づきと共に花が咲きだすので 赤い実と白い花のコントラストは素晴らしい 逆に
 紅花種は花も実も同系色となってしまうので 白花と比較するとややインパクトに欠ける ただ 花だけを
 比べればやはり紅花の方が綺麗だし 注文も紅花が多い

 

9/29(金)曇り

 植木掘り
 曇り空で北東の風が強い 気温も低くやっと暑さからは開放されたようだ
 午前中にサザンカ チャイニーズホーリー ヒメマサキ を堀上げる 午後からはアカマツを掘る
 秋は樹木の種子を採取する季節でもある 植木は種を蒔いて殖やしたり挿し木や接木して殖やしたりするが
 この種子で殖やす方法が一番簡単で数量も多く確保できる これからリキュウバイ マキ アロニア などを
 採取するが 今年はリキュウバイの実生りが悪くて少量しか確保出来そうにない この利休梅は種が落下して
 自然に生えてくるが 除草剤を掛けてしまうので知らず知らずのうちに草と一緒に枯らしてしまう事が多い
 アロニアは真っ先に野鳥に盗られてしまうので余程注意をしていないと後の祭りとなる 彼らはあれだけの
 量をひと朝でたいらげるから恐ろしい よく熟して美味しくなるのを見計らっているようだ もう大分色づいて
 きているので鳥たちとの勝負が待っている
 槙はもう少量だが採取した なるべく小葉でよく密集する木を選んで採っているが いざ生えて見るとまるで
 違ったものである事が多い 実生は当てにならない見本のようなものだ
 以前 椿や山茶花の種を蒔いて 新種や変わり花が出ないかと何年も挑戦したのだがまるでダメだった
 確率的には気の遠くなるほどの低さなのだろう
 種を採取すると言ってもほんの少量づつだ 多品種少量生産なので毎年少しづつの量の苗木を育てては
 販売しそれを繰り返している
 子供の頃は槙の実を友人と集めて苗木屋さんによく売りに行ったものだ それをお小遣いとしていた
 松の種子はまつかさ(松ぼっくり)から採るが これは今でも植木畑にもらいに来る人がいる やはり苗木屋
 さんに売るためだろう 今は年配者のアルバイトとなっているようだ
 チャイニーズホーリー(クリスマスホーリー)の種などは蒔いても似て非なるものが生えてくる 原種に近い
 ものになってしまうのだろうか 種は色んな顔を持っているから面白いと言えば面白い

 

9/28(木)晴れ

 植木掘り
 綺麗な秋空が広がった よく澄んだ青空だ 力仕事でもなければ快適な陽気だが植木を掘っていると
 暑くて汗を流した 昨日の雨で畑は充分に湿ったようだ 土が幾分粘ついてスコップにこびりつく
 火曜水曜と中途半端な仕事しか出来なかったので 今日は目一杯の働きをした どんどん日が短く
 なっているのでついつい気持ちも慌ただしくなる
 エメラルド フイリヒイラギ ロビラキ マダムブライト などを堀上げる

 上の3枚の写真は 昨日の夕方ホームセンターで買ってきた山野草の寄せ植え 鉢は石で中と右が溶岩
 ユキノシタの品種で 左が紫葉人字草 中が御所車 右が七変化 竜の髭のような細葉は黄金石菖
 大きさは縦も横も10cmほどで 価格は1鉢980円だった 山野草ブームはまだ続いているのだろうか
 それにしても素朴で可愛くて落ち着きもあって品もある アイデアだなあ

  この商品の製作元は ここ かもしれません

 

9/27(水)曇り一時雨

 植木掘り他
 今日も朝から雨の予報だったが曇り空でどんよりしている これからまた降るのだと言うが 今が
 降っていなければ仕事に出る以外は選択肢がないのがこの時期の状況で 小口の依頼を捌きながら
 週イチの市場出荷に合わせて植木を堀上げねばならない
 この日曜にはご近所に婚礼があり披露宴に招待を受けているので お天気次第では日程が窮屈に
 なりつつある
 コニファーを堀上げていると 今日は湿度が高いらしくて 雨ではなく汗で大濡れになってしまった
 昨日からの雨で畑の乾きは大分解消しつつあるが 完全な状態に戻るにはもう一段の降りが必要だ
 その雨もちょうど10時に降り出したので作業を中断して帰宅した 結局 今日の収穫は僅かだった
 午後2時頃になって雨は止んだが 雨滴で葉が濡れていて仕事にならず 中途半端な時間なので
 雑仕事を少しこなして 夕方にハウス内を消毒した
 笑い話をひとつ 安倍内閣が昨日発足した 朝のテレビニュースで 安倍総理の出身地の下関の
 市民へのインタビューで ある女性が「下関はフグしか出ていなかったので総理大臣も出て良かった」
 とのたまっていた^^ フグは偉大なり^^;
 今日の市況を書いておきます
 造形樹を除く小物植木は全体的に高値傾向だった 黄金葉のサニーフォスターはこれまでの最高値
 ロウヤガキ セイヨウニンジンボク ユーレタイド ロビラキ なども高値が続いている
 コニファーは安定してしっかりとした値段となっている サザンカでもアズマシボリは良好だし プリペット
 フイリヒイラギ ヒメマサキもこれまで通りの値段で安定している
 サザンカのオオミゴロモとヒイラギナンテンがやや不満の残る価格となった 枝物は最低ラインを
 またまた更新したかの様相で 厭きれるを通り越して諦めの心境だ

 

9/26(火)曇り後雨

 AM 植木掘り PM 雨で休み
 朝からの雨を予想していたが遅れているようだ いつ降りだしても可笑しくない空模様だったので
 畑に出るのを躊躇っていたが 少しでも先へ仕事を進めておきたいと考えて植木を掘ることとした
 まとまった量の雨は9月1日以来降っていないので 畑はついにからからの乾燥状態になってしまった
 今回の出荷の植木の堀上げは水を掛けてからにしようと思っていたが 予報では雨量も多いと言って
 いたので それに期待していたが遅れてしまっては仕方がない 雨を前に水を掛けるのも悔しいので
 特に根の良いものを選んで堀上げる事にした フイリヒイラギとサザンカのオオミゴロモを掘った
 フイリヒイラギは秋芽を数センチ伸ばした状態で止まってしまっている 順調に雨が来ていればもう
 かなりの成長を期待できたのだが残念だ 他の木も似たような状況となっている
 結局 雨が降り始めたのは11時頃になってからで ほぼ半日分の仕事が出来たので満足であった
 夕方まで小雨が続いたが雨量はまだそれほどではなく これから今夜と明日の午前中いっぱいは
 降る予報となっているので願いをかけて待っている
 午後からは買物に街へ出た

 

9/25(月)晴れ時々曇り

 植木市場に行く
 晴れて作業も順調に進み 普段よりやや早めに市場での出荷作業を終了できた
 いつもの事ながら町内の顔見知りの出荷者が6〜7人いて賑やかだ その中には生産者だけではなく
 商売として植木生産者から買い上げてきて出荷しているものもいる(これを「山上げ」などと呼んだりして
 いる) 他の市場から仕入れてきてこの市場に出荷する者もいたり それらを複合していたり様々だ
 千葉の出荷者も多いが 地元埼玉の安行辺りからの出荷が多い この市場は元々は浦和市が発祥で
 植木の産地の安行とは密接な関係がある ここ加須市に移転してからは安行地方の生産者は片道
 1時間を掛けて来なければならなくなった 以前なら10分ほどで着いたからその差は大きい
 10年ほど前は近くの農家の方が耕運機で運んでいた風景も見られた 軽トラでの出荷も多かったが
 加須市へ移ってからは流石に軽トラは少なくなった
 他県の出荷では栃木県が多い 鹿沼市を中心とした植木産地が近いので サツキ ツツジ シャラなどが
 多く出荷される 茨城県も植木生産地として隣接していて様々な植木が出荷される 私の知る限りは
 一業者だが神奈川県からも出荷があって この業者の植木は特徴があってひと目でそれと分かる
 その他 群馬県からはシャクナゲなどが多く出荷される
 このように関東一円からの出荷があり 更に「運び屋」と呼ばれる業者が愛知県や九州方面の植木を
 出荷するのでバラエティーに富んだ樹種が市場に並んでいる

 

9/24(日)晴れ後曇り

 積込み 水掛
 今日も北東のやや強い風が吹く 台風は遠くにあっても影響するものだと その凄いエネルギーを
 今更ながらに感じさせる 「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通りにやっと暑さからは開放された思いだ
 堀上げてある造形樹を簡単に手入れして積込み 午後からは畑に水を掛ける
 先日のニュースでマリナーズのイチロー選手が6年連続の200本安打を達成したと報じたが
 それについてのイチローのコメントが興味深かった この連続記録にはイチローもプレッシャーを
 感じていたようで これを今年もクリア出来た事を心からほっとした様子だった
 「僕も実はいっぱいいっぱいのところでやっているんですよ」と安堵した笑顔で語っていた
 天才の称号を欲しいままにしているようなイチロー選手だが そこはやはり人の子として不安や
 心配の本音が表れていて あのイチローにしてもこれかと こちらとしてもちょっとほっとするような
 言葉であった
 天才とは1%の才能と99%の努力である(トーマス・エジソン) との名言もある イチロー選手は
 名実共に天才だが その裏での並外れた努力は見え難いが きっと常人には考えも及ばない程の
 精神的な圧力がかかっているのだろうと思う 私は「天災」と呼ばれているが圧力も何も感じていない
 それでもこのところ精神的にやや不調で 自分自身の不甲斐なさに嫌気をさしている
 そんな中でのイチローの言葉に救われる思いがあったけど 努力が何よりも嫌いな私はこれ以上は
 望むべくもない 俺もいっぱいいっぱいだなあ・・ と凡人が天才と同レベルで見ていて自ら失笑

 

9/23(土)曇り後晴れ

 台風14号の遠い影響なのだろうか東の風がやや強い この台風は日本の東の海上を遠く離れて
 通過するようなので安心している こんな強力なものがまともに来られたら植木はひとたまりもない
 毎年この時期になると 南海上に台風が発生したと聞くといつもひやひやしている
 今日の作業は10時まで除草剤を散布して帰宅した 近所のお宅で法事があり列席する
 夕方はいつもより早めに鉢物の水掛を済ませて 同じ喪服を着て今度は同業者のお宅の通夜に行く

 

9/22(金)曇り

 AM 根回し他 PM 除草剤散布
 曇り空で暑くはなかったが何処か冴えない陽気だった 先日の雨はほんの小降りだったので畑の
 乾きは続いている 地表は湿っているところも少なくないがまだまだ水不足の解消には至っていない
 そんな中 午前中はあるものの根回し作業をした 幹の周囲をスコップで突き刺すだけの簡単な仕事だ
 「あるもの」とは ここでは書けない秘密の植木だ 秘密と言っても別に珍しいものではないが この時季に
 根回しを掛けるのがミソと言うことで秘密な訳だ^^
 午後からは除草剤の散布をした 水不足で小さな草は少ないが大きな草が目立っている 秋芽の若い
 葉の一部には虫も付き始めたので消毒も考えないといけないし 出荷時期のこれらの作業は頭が痛い

    

 上の写真の左はフイリスダジイ 右写真はツルマサキ

 

9/21(木)曇り後晴れ

 植木掘り
 幾分気温が下がって心身ともに救われる思いがする 今日は枝物を掘ったので身体も比較的楽で
 余裕を持って仕事が出来た 今はすっかり色褪せてしまった枝物だけど 植木屋としての自分の原点が
 そこにあるのは疑いようがない
 植木の造形職人として出立して 植木と言えばマキやマツの造形樹しか頭にないような生き方しかして
 来なかったから 枝物の生産を事実上ストップさせてからは自分が何者かが半分は分からなくなった
 毎日毎日小物植木を相手にしていると農民である自分を実感する 植木栽培農家なのだと・・
 自分を植木屋なんぞと言ってはいるが 野菜やお米を作っているのと何にも違わないことが分かる
 小さな苗木のような植木でも同じ植木には相違ないが 何と言うか 枝物はやはり枝物なのだ
 値段の違いとか品格の違いとかそんな事ではなく 同じ植木でもまるで別物のような気がする
 同じ道を歩んできた植木職人さんも多いが 今の状況に寂しさを覚える人は少なくないはずだ
 一時期に比べ 畑には枝物が本当に少なくなった 良品から売れて行くので残るものは見栄えが
 落ちる植木が多くなって見る影もない
 売上げは小物植木の方が上がるし採算的にもずっと有利だが やり甲斐とか面白味では比較しようが
 ないほど枝物に軍配が上がる それでも時代の波には抗しようがない
 最近は自分が半分は植木屋ではないと思うようになった
 さて 昨日の市況を書いておくと
 先週の高値から一転して全体として安値となった 安値とは言っても先週と比べるからであって
 これが「今」を表していて それが普通の値段と肝に銘じて生産にあたらなければと思う
 そんな中でも ロウヤ柿 フイリスダジイ サニーフォスター などは高値と言っても良いほどであった
 コニファーもこれまでに比べて安定して良好だ オリーブも良いしフイリヒイラギもまずまずだった
 値段が下がったのは プリペット ロビラキ フイリチャイニーズホーリー マダムブライト ヒメマサキ
 ヒイラギナンテン ハツアラシなどだったが セリ市場なので高値も安値も当てにならない事も多く
 もうこの頃は一喜一憂する必要はないと考えている
 枝物は相変わらずの安値だが これはもう折り込み済みで諦めの境地となっている

 

9/20(水)晴れ

 植木掘り
 昨日より更に気温は上がって日差しの厳しい終日となった 流石に日陰に入ると風も涼しく感じるが
 昼頃には少しバテ気味になった 鉢物の乾きもこの頃は少なくなっていたが 今日は目一杯乾いた
 午前中にコニファー類を 午後からは山茶花を掘る 夏の間にコニファーは大きく伸びた サザンカは
 沢山の蕾が膨らんで その開花の日の遠からんことを思わせる
 秒読み段階に入ったのがモクセイで 気品ある香りが今年も待ち遠しい 一年のサイクルは変わらずに
 巡って来るけど たった一週間ほどの花の命が儚い
 今はまだセイヨウニンジンボクの青い花が残っているのとサルスベリが最後の意地を見せている
 花の少ない時期だが これからは秋咲きのツバキも徐々に開いてくる 透明感のある秋の空と何故か
 慎み深く咲く秋の花と 日が短くなって行く季節の移ろいを感じながら一日が終る
 「美しい国」って何だろう 今この時期に唐突に思えてしまう 勝ち組と負け組みの色分けがはっきり
 して 格差拡大社会の到来となった 格差が出るのはやむを得ないとしても それが既得権益によって
 自助努力なしにもたらされたものはどうするのか
 花植木業界の今は瀕死の瀬戸際にある その中でも格差はあるし益々拡がって行く様相だ
 貧しくても良いから「美しい国」になろうと言ってくれるのなら解る それなりの覚悟を胸に秘めるから・・
 しわ寄せはいつも弱者を襲うから貧しくて良い訳がないが そこのところをしっかりと社会が受け止める
 体制が整えられるなら格差社会も自己責任も当然の話となる 格差と言っても経済的な事だけでは
 なく その人が持つ知性や個性や特技などが大きく評価される世の中であって欲しいし 収入の多寡が
 判断基準では美しい国になれまい その人の人間性が最高の価値判断とされるあたりまえのことが
 社会の基盤として揺るぎないものでありたい そんな事は言うまでもないし 今でもそれは漠然とだが
 共通の認識としての基底となってはいる 唯 それが今あまりにも力を失っているのは 社会の軟弱化が
 進行し強固な精神規範を喪失したことにより 若い人たちへの説得力を持ち得なくなったからだろうか
 美しい心を持つ人が住む国 金持ちだとか貧乏だとかは大した問題ではないと思える豊かな心の
 日本であれば良いと思う

 

9/19(火)晴れ後曇り

 植木掘り
 朝から温度計は29℃にもなっていた 久々に真夏が帰ってきた 9月は夏と秋の狭間でぶれる
 そんな訳で午前中の植木掘りは汗を流したが 午後からは曇って少しほっとした
 今日は小物植木を掘る プリペット ヒメマサキ ロビラキ フイリヒイラギ サニーフォスター ハツアラシ
 時計を見ると あら今日もこんな時間になってしまった 毎日この日誌を夜遅くに書いているので
 半分眠っていて 自分でも何を書いているのか分からない事が多い 読み直して見ると恥ずかしい
 で 今日は何を書くつもりだったかを忘れてしまった 幾つか候補があったはずなのに・・
 で 17日の日誌で紹介した近所の造形樹専門の植木農家の話の補足を少々書くことにした
 このお宅には 槙も松も沢山あるが これらはすべて先代が30〜40年前に苗木を植えてここまで育てて
 来たものだ それだけの年月を経て 今日やっと日の目を見るようになった
 それまでに畑で育てていたのだから 恐ろしい事にその間はその畑は無収入だったことになる
 まあ 何とか時代にまにあった格好だが それが売れるという保証は何ひとつなかったわけだから
 言わば博打のようなもので心細いことこの上ない
 普通はこんな見通しの立たない事はしないのだが 本人も確たる自信があってそうした訳ではなく
 次の時代への継承に望みを託してのものだったろう その先代の恩恵を受けているのが今の家族で
 そのご主人がまた次世代へ期待を掛けての取り組みを試みる
 が その「次世代」があやしくなりつつあるようだ 何処も同じ秋の空と言ったところか

 

9/18(月)雨後曇り

 植木市場に行く
 往路は断続的な雨だったが 市場に着く頃には間断なく雨は落ちていた 台風13号の遠い影響なの
 だろうか 時折激しい勢いで雨が降りかかる
 雨合羽を着ての作業だが 雨は避けられても内側からの蒸れで汗を掻き 結局は濡れてしまう事になる
 外から濡れるか中から濡れるかの違いだけで 気温の高い時期の雨の作業は完全防水のゴムびきの
 合羽の場合は避けられない宿命だ
 雨の日の野外仕事はやはりどこか無理がある 自然の摂理に馴染まないからだろうか
 合羽を着るのは嫌なものだが それでも一度着てしまってやらなければならない事をしていると 人間は
 次第に慣れてくるもので それが普通の事でもあるかのように違和感さえ覚えなくなる
 これが自宅にいて 急ぎの用件でもない限り合羽を着て仕事をする事はまずないだろうと思う
 市場に植木を並べ終えて 出荷手続きを済ます10時頃になってやっと雨は小康状態となった 一番悪い
 空模様の時に作業をしていた事になってしまった それでも 一仕事をやりとげた満足感のようなものは
 湧いてくる
 復路にある大きな団地の中で商業施設が集中しているところがある 通り沿いの一角の店を取り囲む
 ようにして行列が出来ている場所があった 吉野屋だった 今日一日だけの限定で牛丼が復活すると
 のニュースがあったがそれだった 一日分100万食だそうだ 小さな子供や超高齢者を除いて百人に
 一人が食べた事になるが そんなに大勢の人が食べるのかな
 2年何ヶ月振りとか言っていたが好きな人には懐かしい味だったろうか 私は何度か食べた事はあるが
 安くて早くて味もまあまあだったがそれだけの事で いつも何か落ち着かないものがあった
 腹に詰め込んで空腹を満たす動物本来の食欲というものからすれば何の抵抗感もないのだが 食文化
 に通じる人の手を経たという他者との繋がりと自然の恵みとを感じさせるものがない 殺風景なのだ
 これはファーストフード全般に言えることで 何も吉野屋に限った事ではないが
 市場からの帰りはいつも何処かで昼食を取るのだが店は決まっていない 最近はトラックで入れる店が
 少なくなっていて苦労する 私は古い感じの蕎麦屋などが好きだが そんな店は旧市街にある事が多く
 街道筋には洒落たレストランとかラーメン屋とかFF店ばかり多くなって興ざめだ

 

9/17(日)曇り後小雨

 積込み他
 市場出荷のために堀上げてある枝物を手入れする マキ マツ モチノキの3本なのだが この内マキは
 夏芽が揃っていてほとんど手入れの必要がない モチノキも少しトビ枝を抜いて葉先を揃える程度で
 簡単に済ます事が出来る
 問題はマツで 秋季の出荷では枯葉を除去するのに一苦労する 松の枯葉は自然には落ちにくいので
 どうしても人間の手を必要とする 枝を間引きながらの枯葉取りなら楽な面もあるが 市場に出す松は
 小枝も最大限ついているのでこの作業に時間を費やすことになってしまう
 形の小さい松なので大した事はないのだが これが少し大きめの木だったりしたら大変な労力となって
 しまう 近所に松を沢山栽培している人がいるが 堀上げて来てからの手入れが半端じゃない
 一日に1本しか仕上がらないと言っていた 松は手を掛けた分だけは美しくなるもので この人の植木の
 手入れの良さには定評があり 市場でも高い評価を得ている
 最近は松を筆頭に造形樹の価格が思わしくないのだが この人の植木ばかりは値崩れがしていない
 この植木屋さんは枝物植木を専門に作っていて 槙 松 ツゲ キャラ などどれも一級品揃いだ
 手間を惜しまないからこそ出来る方法で  コスト削減を優先して短期で手間隙の掛からない植木栽培が
 至上命題となりつつある今日 その逆を行くような彼の選択は 品物の良否で価格差が激しい実態を
 見事に捕らえて成功している どんな逆境でも生きて行く道はあるものとの見本みたいなものだ

 

9/16(土)曇り一時晴れ

 植木掘り
 マキ マツ モチノキを堀上げる 畑の上辺は湿っているがバックホーで少し掘り下げるともうぱさぱさ
 した土になってしまう 槙は苗木などに水を掛ける時についでにやっているのでよく湿っていた
 このところの天気は良いのか悪いのか分からないような日々だ 曇っても雨が降らず 降っても極めて
 少量だったり 降るかと思えば晴れ間が出たり・・ 台風は嫌だが雨だけ来いと虫のいい期待感
 畑で仕事をしていると10時と3時のお茶の時間に隣の養豚場で働く外国人がいつも缶ジュースや
 缶茶を持って来てくれる
 顔の色が黒っぽいから東南アジア系の人だろうか 歳は20代末から30代初めくらいか ニコニコして
 とても良い笑顔だ 言葉はあまり通じないが ひと言ふた言あれば人間は心が通じる
 この養豚場の社長はまだ若いがなかなかの人物のようだ 周辺の農家の人たちとのトラブルを避けよう
 との意図だろうか細かい気配りを見せている 時には豚肉を持参してきたり 先日はお中元をくれたりと
 何かと低姿勢だ もっとも こちらも頂きっ放しとはいかないので同等の価値のものをお返ししている
 従業員に対しての教育も良いのだろう 働いている人たちも礼儀をわきまえていて柔らかい
 以前ここでは肉牛の飼育がおこなわれていたのだが その農場主は管理が行き届かず 何かしらの
 トラブルが発生していて こちらにも迷惑となっていた それでも 田舎の事でもありなるべくなら穏便に
 処理するのが世渡りの経験則からくる答えのようなものとしていた
 今度はきっと何か問題でもあれば直ちに対処してくれるのではないかと思っている

 

9/15(金)晴れ一時曇り

 植木掘り
 晴れたが北東の涼しい風がやや強く吹き 植木を掘っていても暑くはなかった 秋の乾いた空気が
 全体を覆っているのか 夏はすっかりその姿を消したような気候となった
 秋咲きのツバキの初嵐と炉開き そして ヒイラギ類を3種類掘る 炉開きはもう花を開き始めている
 この品種は早い年は8月には開花を始めて10月いっぱいくらいは咲いている

   

 上の左写真は フイリミズキ 右写真は ネムノキのサマーチョコレート 今年はちょっと色が薄かった
 昨日の日誌の続きのようになるが 千葉に限らず首都圏の植木屋さんは立地条件に恵まれている
 大消費地に近いので それだけ植木も売れるし仕事も多い 我々植木生産者だけではなく 造園業者や
 管理植木屋さんにとって好条件の土地柄だ 植木屋さんであればどんな形態であっても食べていける
 この地方にも生産者を始めとして 植木問屋さん 個人邸を専門として手入れや庭造りをする植木屋さん
 公共工事を手掛ける造園業者さん その中間的な植木屋さん 更にそれらの下請けをする植木屋さん
 ゴルフ場やマンション植栽など民間会社と深い結びつきを持つ植木屋さんなどいろいろいる
 つまり 植木屋としての一応の技術があれば誰でも食べていけるくらいの仕事がこの東京を中心とした
 関東の首都圏にはある 畑で汗を流すのが好きではない人は街場へ手入れに出かける 細かい
 手入れ仕事が苦手な人はスコップを持つ作業現場で働く 高い賃金を求める人は東京やその近辺まで
 通う事になるし 朝寝坊が得意な人は近場の住宅の手入れや植木生産業者の植木を扱ったりする
 さまざまな形の植木屋があって それぞれが連携し合って仕事をこなしている 皆さん結構忙しく働いて
 いるようなので 仕事自体は充分出ているようだ
 不景気だ何だと騒ぎは大きいようだが 衣食住の住のほんの隅っこに位置していて しかも直接の生活
 必需品ではない植木と言うひと昔前なら贅沢品に属する業種ですらこれだけの人が動いているのだから
 まだまだ日本経済も捨てたものではないなと思えば思える
 それでも 植木屋はつぶしが利かないと言われるくらいだから 他に仕事がなく安い賃金でも我慢して
 この商売に張り付いているのが実態だろうか 安手間だからより働かねばと言うのはよく理解できる話
 なのだが・・

 

9/14(木)小雨後曇り

 AM 休み PM 植木掘り
 天気は昨日とまったく同じパターンだった ぐずぐず天候が続いても降雨量はさほどでもなく 畑の
 湿り具合はほんの少しづつ下がっている程度で まだまだ水不足の状態にある
 朝方に散髪に行く 家から直線距離にして150mだが 小雨が降っていたので軽トラで行った
 理髪店も今は予約制なので お天気任せのこちらとしては少々不便となった 天気の良い日に髪の毛
 などかまっていられないので今日のような日を待っている 電話をすると9時からの分が空いているとの
 事だったのでお願いした
 いろいろなお客さんが来るこの商売は情報も多く集まる 情報と言っても世間話に近いものに過ぎないが
 地域の出来事をよく耳にするのだろう そんな話をあれこれと聞くはめになる 何処の誰兵衛がどうのと
 言うお決まりのパターンだが 私はこんなのをあまり喜ぶ方ではないが多少は役立つ事もある
 こうして一時間半を情報収集に努めて料金が4200円だ
 お客さんが一日に4人来ると16800円となり 経費がほとんど掛からないから結構な利益率となる
 月火と連休を取っていて よく趣味の釣りに出かける身分が羨ましい 同じ鋏を動かしていてもこの差は
 何処から来るのだと考えてもしょうがないことを考える
 近くにパーマ屋さんもある 今は美容室と言うのだろうか ここのご主人はタクシーの運転手なのだが
 二人合わせての稼ぎは大きいようだ 先ごろ立派な家を新築した 奥さんは腕が良いそうで お客さんが
 いっぱいだ 体ひとつで稼げる商売が一番良いように思う
 植木屋だって体ひとつなのは同じだが それは手入れ職人や庭師さんの事で 軽トラ一台で商売をして
 いる街場の植木屋さんも多いが その方々なら仕事がありさえすれば稼ぎは悪くないはずだ
 千葉市周辺から東京近郊にかけては植木屋の日当は20000円くらいにはなるようだ
 これに比べて農家は家族全員で働いて勤め人一人の稼ぎしかないと昔から言われている

 

9/13(水)小雨

 AM 休み PM 植木掘り
 明け方から小雨が断続的な降り方をしていて午前中は休みとしたが 霧雨状の時間が多くて中々
 まとまった量の雨が降ってはくれない 他の地方は降っているようだが当地だけ嫌われているようだ
 忙しくなった時期なので 午後からは怪しい空模様を押して畑に出た
 昨日今日の慰め程度の少雨は畑の表面を数センチ潤したに過ぎなかった 新芽の伸びている木の
 場所はそれだけ水分を吸い上げているのだろうカラカラ状態であった
 コニファーのエレガンテシマとエメラルドを堀上げるが 午後5時前には雨もやや密度を増して
 着衣も濡れてきてしまったので作業を終了した
 さて このところの原油高の影響が大きく報道されているが 花卉植木業界にもそのシワ寄せが徐々に
 浸透しつつある 植木資材も石油製品が多く 販売業者からは値上げの通知も届き始めた
 各花市場への出荷品を集配する運送会社4社からも続々と運賃値上げの通知書が送られてきた
 ガソリンや軽油の価格上昇で運輸関係も厳しい状況が続いているようで 言い訳やらお詫びやら
 どれも似たり寄ったりの文面であった 中には 花卉業界が長期低迷する折りに誠に恐縮ですが・・ と
 言わずもがなの事を書いてあり思わず苦笑を誘われた
 そんな長期低迷する市場の今日の市況が届いた
 全般的に高値となっている 小物植木はほとんどの種類が良かった 特に高かったのは オリーブ
 ミモザアカシア ロビラキ プリペット など
 ヒイラギ類やコニファー類もこれまでよりは高値だったようだ 他の小物も悪くはない
 造形樹は安値であったが 今回出荷したものは良品とは言えないものだったので 枝物全体としての
 市況を推し量るには無理がありそうだ
 天候が悪かったので 割合お客さんは多かったのではないか 逆に出荷量が少なかったから
 売り手市場となったのかもしれない まさか 景気が良くなったから植木が売れ始めたなんて
 よもやそんな事はないと思うが・・

 

9/12(火)曇り時々小雨

 植木市場へ行く
 まばらな雨が断続的に降っていたが 合羽を着用しなくても済む程度のものだったので良かった
 それでも流石に地下足袋という訳にはいかずにゴム製の足袋を履いた
 9月になってから2度目の市場開催となるが 出荷量はまだ少ない 今日出荷に来ていたのは千葉の
 顔見知りが多くて ほとんどが市内の植木屋さんたちだった 一人だけ久しぶりに隣市の同年齢の
 仲間に会う事ができた 実に20数年ぶりだろうか
 以前 関西地方に槙を運んでいた頃によく顔を合わせていたものだが その後 私の方は植木生産に
 力を入れた事もあって遠隔地への植木の流通商売から足を洗っていて 彼とも音信不通となっていた
 彼は今でも関西方面へ植木を運んでいて十輪の大型トラックに乗っていた 以前にも書いたと思うが
 4tトラックでは東名名神などの高速道路で捕まってしまうのだ 重量オーバーや制限外積載違反で
 警察に検挙される確率が高く 高速道路を利用して植木を輸送する業者は今ではほとんどが大型の
 トラックを使っている 私の頃はみんな4tトラックだったので時々は捕まったものだ
 千葉県の植木屋さんは北海道から沖縄まで 植木が売れるところなら日本中何処へでも出かけたから
 その伝統が未だに続いていて遠近の植木消費地で千葉の植木が出荷されないところはないほどだった
 その販路が急速に萎んだのはやはりバブル経済の崩壊後だった
 消費地での植木需要が激減し植木市場も急激に衰退して行った 各地の小規模の市場はお客さんも
 減り市況も思わしくなくなり規模の縮小や廃業するところも多くなってきた
 関東地方でも事情は同じで 沢山あった植木市場も撤退したり花卉業務に専念したり 存続はしていても
 鳴かず飛ばず状態のところも少なくない
 そんな植木流通市場の状況なので植木問屋さんや造園業者さんの買い手は植木が多く出荷される
 大手の植木市場に流れている そうなると植木出荷者もお客さんが多く集まる大手市場への出荷を
 始めるという そんな構図が出来つつある
 旧知の彼もそんな流れの中で最近になってこの市場へ出荷を始めた このように 以前はこの市場に
 見向きもしなかった人々が顔を見せる事が多くなった

 

9/11(月)曇り晴れ曇り

 AM 積込み PM 水掛
 連日の蒸暑さもやっと峠を越えたようで 今日は北東の涼しい風が吹いて気持ちも落ち着く気候となった
 空行く雲の形もすでに秋の雲のようだが どうにも雨が降らない 朝には黒い雲が北の方角から流れて
 来ていたのだが昼前には晴れてしまった
 午前中は市場出荷の植木を積み込む作業をする 市場への出荷は4ヶ月ぶりとなる
 午後からは畑の植木に水を掛ける 同じ春に植えた苗木でも育ちの良い樹種悪い樹種 乾きに強い
 ものや弱いものとさまざまだが やはり適地適作なのか その土地の気候や土質に合った樹種が元気で
 育っているようだ 気候条件が特に厳しい年がある そんな時でもその土地本来の植生に根ざした植物
 はよく耐えて悪環境にも負けないようだ
 植木栽培も本当なら適地適作であるべきだが 時代の流れというものがそれを妨げているようだ 時流に
 乗ってそれに流されるのもある程度はやむを得ない事だが あまり無理をするのも自然に反する事になり
 期待通りの結果は得られないのではないかと思う
 少しづつ微調整を繰り返しながらも自然植生に近い樹種を主力とした生産をしたいと考えている

 

9/10(日)晴れ

 水掛
 嫌になるくらいの蒸暑さが続く ちょっとした作業でも汗がだらだら 何もしなくても汗がだらだら
 午後からは風が出たから幾分良かったが 夜になると風もなくなり蒸暑さもこの夏一番となった
 水掛を再開する 他の地域は降っているようだが 関東地方はあまり降っていないようだ 特にこの辺は
 9月1日に降ってからはまとまった雨はない 太陽の力は衰えたとは言え まだまだ暑さが続いているので
 一週間も降らないでいると植木にも影響が出てくる 秋芽が伸びている種類も多いからそれだけ水分も
 必要とされている時期なのだ そして今水分を補給してやるとその秋芽の伸びが更に良くなる
 「人は見かけによらない」話 昨日の続き
 シンガポール旅行の折 友人とある土産物屋に入った ほとんどのお客が日本人という大手のお店で
 あった 無事に買物を済ませ店の外に出てホテルに帰るタクシーを拾おうとした そこには一人の男が
 立っていて タクシーかと訊くので そうだと答えると 早速彼は往来の激しい道路を走ってくるタクシーを
 呼び込もうとした どうやらこの土産物屋の関係者らしい アルバイトかもしれない しかし 一流の店の
 人間にしては身なりが悪い 百姓おやじ風のあか抜けない着衣にビーチサンダル履きで 髪の毛も
 ばらばらで貧相で 一見してだらしなさそうな格好なのだ 年齢は30代半ばくらいだろうか
 猛烈な勢いで車が行き来する中で タクシーも何台も通り過ぎるがどの車も停まってはくれない
 いづれの車もお客を乗せていて 空車がなかなかないようだ
 彼はガードレールを股に挟んで上体を車道側に傾けてタクシーを呼び続ける 日本ではタクシーを
 捉まえる時は腕を上げるが こちらでは腕を斜め下に突き出すようなポーズをする
 待っている時間と言うのは長く感じるものだが それでも10分近くは過ぎたかもしれない
 彼は腕をぶるぶる震わせるようにして一生懸命にタクシーを呼び続けている 私はこれは少々多めに
 チップを渡さなければならないだろうとそれをポケットに用意した
 やがて一台のタクシーが彼の前に停まった 彼はドアを開けて我々を促す 私は乗り込む前にさっと
 小さな動作で失礼のないようにそっと彼にチップを渡そうとした が しかし彼は受け取りを拒否したのだ
 私は面食らった 明らかにチップと分かって拒んだのだ 日本風の建前で一度は断るではなく 毅然として
 そんなもの歯牙にもかけないといったようすなのだ
 店側から指示されているのだろうか そんなに教育が届いているのならもう少しまともな格好でいるの
 ではないか 周囲には誰もいないし 店の中からもまるで見える位置ではない
 外国でチップを断られた経験はなかったし 外見で判断して先入観を持った自分を恥じた
 某US国人の媚を売るような大仰な喜びようがある トイレの中まで番人がいてチップを取る
 某隣国の高級ホテルには No tipping is our pride と書かれていたが誰一人拒まなかった

 

9/9(土)晴れ時々曇り

 草取り他
 八月はこんなに蒸暑い日はなかった 九月は気温が高いのは普通だが 徐々に空気が乾いてくるのが
 例年だから 今年はどうしたことだろう 今日も真夏より嫌気がさすほど蒸暑かった
 ひと雨来てくれればいくらかは涼しい方向に気候も舵を取るかも知れない この先も 曇り空ではあっても
 はっきりとした雨マークは出ていない 出荷時期に入り 畑の乾きがひとつの懸念材料としていつも
 頭の中にくすぶっている 土が乾いていると掘り取り難いし 堀上げた植木にも良い影響は与えない

   

 左上の写真は月桂樹の実 右上の写真はクロガネモチ
 花木や実生り木と違って 一般の樹木はその花も実も地味なものが多い それでもよく見ると
 それぞれに味わい深いものだ ゲッケイジュも写真で見るとこのように愛らしい実が付いている
 でも実際はあまり目立たないので気にも留められないのが普通のようだ 一見では風体がパッと
 しない人でも話してみると以外や以外 お主何者だと問いたくなるような人物も少なくない(つづく)

 

9/8(金)曇り

 草取り
 ポット苗木の草取り作業をする よくもまあ雑草は生える事よ 取っても取っても何処かから草の種は
 飛んで来るようだ 石川五右衛門じゃないが「・・浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種・・」と雑草は
 尽きそうにない
 昨日よりも更に湿度が高くなって蒸し暑くなった ポットの小さな草を摘む指先だけの軽作業で 植木を
 掘るような力仕事でもないのに ただじっとしているだけで汗がだらだらだらだら流れて不快な一日だった
 昨日も汗だくであったが 今日のような日に植木を掘っていたらさぞかし辛い思いをしたに違いない
 今朝は疲れもあったろうが腰が不調であったのでこの軽作業に今日はしたのだったが それでも
 このような汗でずぶ濡れになったのだから力仕事ではどうしようもなかったに違いない

 

9/7(木)晴れ一時曇り

 小物植木掘り
 仕事に出ようとした朝方 勢いよく雨が降ってきた これは・・ と期待を抱かせたのは束の間で
 10分もしないうちに止んでしまった 期待は失望に変わった
 そして やって来たのはこの夏一番の蒸暑さで少し動くと汗がどっと湧き出る感じの蒸し風呂地獄だ
 気温はそれほど高いとも思われないが とにかくむしむしして風もない
 水分の摂取もこの夏一番か あまりに飲み過ぎて水腹となって少し痛くなってしまった
 堀上げてきた植木を作業場に下ろしていると お隣のお爺さんが通りがかりにひと声掛けてくれる
 「今日は涼しくて良いでしょう」と ?? ^^; この感覚の違いは何ぞやと一瞬唖然としたが
 もう仕事から遠ざかって久しい人から見ると・・ そんなものなんだろうかとやや納得するしかない
 何が嫌いかと言って 私はこの時期の植木掘りほど厭なものはない 今日のような日はもう本当に
 体力を消耗するからだ 今日一日で5年くらい寿命が短くなった気がする
 午前中にエメラルドとエレガンテシマを掘る 午後からはヒメマサキとプリペットとロウヤ柿を掘る

 

9/6(水)曇り時々小雨

 雑用
 朝から雲行きが怪しい 予報も下り坂のようだ 今日は植木掘りを見合わせた 2mのツバキを2本
 堀上げて近所の問屋さんに届けただけで 後は細々とした雑用を片付ける
 やり残していた挿し木をしたりポット苗の草を取ったり機械ものをちょっと整備したり・・ 少しやっては
 空模様を確認したりで 落ち着きのない終日を過ごしてしまった
 畑はまだまだ水分不足なので 降るならまとめて降って欲しいところだが 時折ザッと来てはすぐに止んで
 しまう これでは腰を入れてひとつの作業をする事は難しい
 昨日の暑さからは一転して涼しい気候になったから くるくる変わる陽気に体調も狂いがちになる これは
 寝不足の影響もあるのだろう 夏の間は堕落して過ごしていたので まだ本気モードに心身ともに移行
 しきれていないようだ
 睡眠時間さえしっかり取れていれば私の場合 少々の過労であっても充分に対処できる自信はある
 たしかに 疲れてくると腰が傷みだしたり手指の腱鞘炎などの職業病はあるのだが 実年齢はともかく
 気持ちはいつも20代だし アタマの中は35才だ まだまだ若い未熟者です
 体格体力があるほうではないのだが 何とかここまでやってきた 医者のお世話にはまだ一度もなった
 ことがない(歯医者は何度か) 丈夫かと問われれば決して丈夫な方ではないと思うが 無理をしてでも
 頑張っていると身体の方が自然についてくる感じなのだ
 朝目覚めて どうにも体が動かない時がある 今日こそは一日寝てしまおうと思っても そうは出来兼ねる
 可哀想な身の上の私は意地でも這い起きる 喉を通らない朝飯も無理に詰め込んで地下足袋を履く
 重い足どりで畑に出ると心配そうな植木たちの視線が一斉にこちらに集まる そして彼らの息吹が私の
 全身を覆う時 みるみる私の身体にエネルギーが満ちてくるのだ
 良く出来た話でしょ^^ でもまともに聞かないで下さい このごろ嘘も平気で言えるようになりました^^;
 正直 それでも何とか頑張れるのだからそれほど悪い体ではないらしい そんな体に生まれた自分を
 つくづく有り難く思うし それならばこの境遇も天与のものとして遮二無二働き続けようか

 

9/5(火)晴れ

 市場出荷の植木掘り
 晴れて気温が高くなった 30度を越しているのかもしれない この辺りの気温は東京よりもいつも数度
 低いのが特徴となっている 風も今日は南ではなく涼しい北東風が吹いていたから 気温が高い割りには
 不快さはなかった それでも力仕事には厳しい陽気で 当然汗も沢山流した 日陰が天国のように思えて
 この木陰で憩う一服のひと時は 冷房の効いた部屋など問題にならないほどの柔らかさのある安らぎを
 もたらしてくれる
 その木陰がいつからか減りだして 最近は畑によってはほとんど姿を消しつつある
 強い日差しを遮って大きな日陰を作ってくれる高木が数えるほどしかなくなってしまったからだ
 大物造形樹やタブノキやマテバシイなどを多く生産していた頃は畑の何処ででもすぐに日陰に入る事が
 出来たのだが 小物植木へ栽培をシフトしてからは年々日陰を提供してくれる大径木は減っていった
 今では長さ100mある畑でもお茶の時などに適当な木陰を見つけるのに苦労するほどになった
 畑一面に頼りないほどの小さな植木が並んでいる その影も小さい 
 フイリヒイラギ オウゴンイボタ サニーフォレスト フイリチャイニーズホーリー マダムブライト を掘る

 

9/4(月)曇り一時晴れ

 市場出荷の植木掘り
 曇り空で東よりの風だったので救われる思いがした 今日から秋の市場出荷に向けての植木掘りが
 始まった 照られるとまだまだ暑いこの時期なので 植木を掘る作業は辛いものがある
 一年のうち この9月が一番憂鬱な期間だ 曇っていても身体を動かせば汗をかく それでも今日の
 作業は枝物堀りなので 力仕事は機械がやってくれるから重労働ではない これが小物掘りになると
 次から次と切れ目がない作業となって身体にはかえって堪える
 先日にあれだけの量の雨があったのに 畑はまだまだ水不足の状態であった 実際に掘って見るまでは
 ちょうど良い湿り具合と考えていたが 乾いている部分も少なからずあった
 今日掘り上げた植木は アカマツとクロマツ各1本 ヒイラギ モチノキ モッコクの5本だ
 久しぶりに本格的な植木掘りとなって 疲れたと言うほどではないが 今夜は睡魔の訪れが早い
 夏の間は手入れが続いて 身体も横着をしていたからすっかり鈍ってしまったようだ これから暫くは
 出荷がメインの作業となるので気合を入れなおして臨ぞまねばならない
 そうと決まれば神経もぴりっと張り詰めて 肉体もしゃきっとしてくる

 

9/3(日)晴れ

    

 左写真は春に植えた山茶花の苗木 順調に育っている 草を取った後の様子です
 右写真はポット苗木圃場 来年春に畑に定植する予定のもの
 こうして写真をアップするのもひやひやしている いつ上限の10mbに達するか正確なところは分から
 ないからだ ftpの容量計算ではこれくらいの頻度で写真を載せ続けても今年いっぱいは充分に持つ
 だけの残量があるはずなのだが・・
 データ容量をけちりにけちんでいるので どのページの写真も小さくて不明確で恐縮しているのだが
 それにしてもよくここまで持ったものだと自分でも驚いている 内容の軽いページなので データ量も
 軽いのではないかと密かに苦笑している
 当初は10ページも出来ればそれで良いだろうと考えていたのだが 以外や以外 もう50ページを
 越えている 容量を食ってしまうのは画像がほとんどで テキストだけなら途方もなく大量の情報を
 載せる事ができることになる 逆に写真などちょっと鮮明で大きなものを載せるとたちどころに残量を
 減らしてしまうので アップする時にはよくよく注意をするようにしている

 モチノキの手入れ
 晴れて暑くなった 昨日と同じような天気ながら気温は高かった 今日は汗をかいて日陰が恋しい
 それでも 朝夕は目に見えて涼しくなっていて 鉢物などは今日のような晴れでも幾分乾きが鈍く
 なったようである それだけ太陽の力も衰えた事を示している 9月いっぱい暑い年もあるから
 今年のような気候は外で働く人間にとって本当にありがたい
 モチノキの刈り込み手入れも今日で終了した スコップを手にする季節がいよいよだ

 

9/2(土)晴れ

 モチノキの手入れ
 綺麗に晴れ上がった 北の高気圧に覆われて 涼しい空気が入ってきているのだそうだ
 いつもなら残暑の厳しい頃なのだが 今年はあまり元気のない夏だった事を象徴するかのように
 秋晴れを想わせるようなからりとした気候となった
 昨日あれだけの量の雨が降ったので 畑はちょうど良い頃合に湿っていた これでこの先いつでも
 植木の掘り取りが出来るようになった 市場出荷の開始も間近い
 夏の間にやっておきたかった作業の幾つかを積み残してしまっている いづれも細々としてものだが
 もう間に合わないものや これから折りを見て少しづつ処理すれば何とかなるものなど様々だ
 何を優先すべきかは考える事もないほど明確なので 順位の高い所から処理してきたら これだけが
 残ったという事で 仕事量と労力がつり合わなかっただけの単純な結果だと言えようか
 もう少し頑張れば・・の常套句も罪なほどに これ以上は頑張りようがないと開き直るだけなのだ
 それでも 順調と言えばこれ以上の順調がないほど順調に作業が進んだ事は天候が安定してた事や
 身の回りの生活も順調だったことを意味している しかしながら やり残した仕事の影響の大きさを
 考えると忸怩たる思いがないでもないが 後の事はもう欲でしかないと断言して納得しよう

 

9/1(金)雨

 雨で休み
 昨夜の予報よりは悪い方向に天候が向っている どんよりと曇って時折ぽつぽつとしている
 近所の農家から稲藁をもらう事になっていて 一昨日刈った稲藁を昨日の午後に反転させて
 陽に乾かして置いたのを 今日の午後に収容するつもりでいたが この天気である
 朝食後に急いで田圃に向った 雨が降りだす前に収納しなければならないが 今日半日乾かす
 つもりでいた分 乾燥が甘いし まだ朝露に濡れて湿っていた
 このまま束ねて小屋に積んで置くと 湿気があるので熱を持つと腐りが早くなってしまって長持ち
 しなくなるのだ このまま放置して雨に濡れてしまっても 何日か乾かせばまた収容できるのだが
 この先上手い具合に晴れが続くとは断言できない どうするか もうまっ黒な雲が近づいている
 迷った挙句 持ち帰る事にした 面積にして500u 量にすると1.5tのトラックに軽く一台分となる
 これだけあると数年分は賄える 昔に比べて 植木屋が使う稲藁はずいぶんと少なくなった
 以前は植木の根巻きも全部がこの藁を使っていた 移植をした時に木を保護するためにも幹に
 巻き着せたし 畑に敷き藁をして防草の役割や土の乾燥を防ぐ意味合いで使用したりした
 稲藁を腐らせて肥料化したり防寒資材としての用途もあったが それらは次第に他の専用資材が
 取って替わり 稲藁を必要とする事が極めて少なくなった
 9時過ぎには無事にトラックに積み終わって家に持ち帰ったが 暫くすると雨は本降りとなって
 一時は激しさを増し 結局は午後の4時まで降り続いた
 田圃には30cmも水が溜まってしまったので もし収容していなかったら使い物にならなくなって
 いたかもしれないので 結果として持ち帰って正解だった事になる
 少し湿気の残っていた藁は晴れた日に束のままでも良いからもう一度日差しに晒そうと思う
 今日の作業はこれだけで後は休みとなり 心身ともにリフレッシュができた
 この雨で畑も救われたし 稲刈り時期の農家の方には申し訳ないが 本当に有難い雨であった

 

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