作業日誌  2005_9-10                                       

作業日誌 過去ログ


2005(H17)

10/31(月)曇り銀月

 植木市場に行く
 急に寒くなった これだから自然は油断がならない
 10月も今日で終わる 11月は以外と穏やかで暖かい日が
 多いものだが こうやって寒暖を繰り返して冬に入って行くの
 だろう
 夜明けも遅くなって 午前5:30を過ぎないと明るさが見えて
 来ない この季節 市場への往路は闇の中である 唯 自動車の
 ライトの照射する範囲だけの世界が浮かび上がるだけ・・
 帰路は一転して 前後左右上下と全視界が開ける
 沿道の落葉樹が幾分か色を変え始めたようだ 桜は色付いた
 ものも多いが その前にこの木は葉っぱの多くを落としている
 銀杏は様々だ 大分黄色味が増したものもあるが まだまだ
 旺盛な青を誇っているものも多い
 利根川の堤防沿いの道を走る この巨大な堤防の草を刈り取る風景が見られる
 大きな機械が斜めになりながら堤防の草を刈って行く 面積が面積である 距離が距離である
 何百kmあるのだろう 気の遠くなるようなスケールの作業である
 刈り取った草の処理も大変なようだ 私の家に赤土を運んでくれる土建屋さんがいるのだが
 彼らも時々この刈り草の運搬の仕事に刈り出されるようだ
 この草の一部は堆肥センターに運ばれて 家畜の糞尿と混合して発酵させる やがて良質な
 有機質肥料に生まれ変わり 農家などに引き取られて行く
 10月最後の写真は サザンカの「銀月」です 純白の花びらが薄く透き通るようだ 秋の夜空に
 澄む月が銀色に輝いているように見える

 

10/30(日)曇り

 AM 山茶花の根回し PM 積込み他
 昨夜は小雨が降っていた 朝には止んでいたが枝葉の露が消えないので 予定していた
 市場出荷の積込みを午後にして 午前中はサザンカの根回し作業をする
 1m弱の小さなもので 苗木を定植して2年である 出荷できるのは再来年の秋にならふか
 ここまで書いて さて何を書こうかと・・・ 適当な話題があったのだがうっかり忘れてしまった
 老年性・・ いや若年性健忘症の現われだろうか
 そうだ「こんばんは」だった メールを書いていて 冒頭の挨拶で「こんばんは」が正しいのか
 「こんばんわ」が正しいのか うっかりしてしまった
 Google検索で その両方をキーワードにしてやって見たら 2460000件が出てきた
 検索結果のトップ画面で見つけたサイトが→ http://www.tt.rim.or.jp/~rudyard/hirago006.html
 ウェブサイトの中では両方がごっちゃに使われているようだ もちろん正解は・・・
 いや つまらない話題だった あしたはもっとまともな話題を見つけよう 眠いから今日はこれで・・

 

10/29(土)曇り

 AM 小物植木掘り PM 雑用
 午後からは雨の予報が出ていたので午前中に馬力をかけて予定の数量を堀上げて これで
 出荷する植木は全て揃った 曇っている割りには今日も気温が高い 気温が高いものだから
 今年は害虫も遅くまで活動している フイリヒイラギやツバキの一部が食害に遭って茶色に
 変色している もう直に寒さも来るだろうと高を括って消毒もしないでいる
 ツバキ サザンカの花も例年より遅れているようだ それでも 木々の葉は微妙に変化して
 秋から冬に向けての様相を着実に見せている 斑入り葉のものは その鮮やかさも衰退して
 くすんだ色へと変わった コニファーもそれぞれの特徴的色合も輝きを失いつつある
 ロウヤ柿もやっと色づき始めたところだ チャイニーズホーリーは相変わらず真青だ
 カマツカは既に実が赤を通り越してやや黒味が出てきた レッドアロニアは今が盛りの赤
 今日はそれらを出荷する準備の作業だった
 昼に庭の柿を数十個収穫した たわわに実っている 手入れも肥料もやらないので出来は
 良くない 甘みも少ない 皆もあまり食わないから最後は野鳥の餌食となる
 来年は施肥も工夫して甘い柿を作って見たいと思っている 同業者のお宅の柿をご馳走に
 なったことがある その甘さに驚いた 特別な肥料を施しているそうだ

 

10/28(金)晴れ

 植木掘り
 天気と言うのは変われば変わるものだ 一昨日と昨日と ぐずついた空が今日は真青だ
 よく恥ずかしくもなくこんなに変われるものだと感心するやら呆れるやら
 人間の気持ちも対人関係も このように屈託なく気ままに変えられたら楽に生きられようか
 秋晴れは気持ち良いが 気温は一ヶ月も前の高さで 今日は久し振りに汗を流した
 薮蚊の襲来にも遭った まるで夏のようだ もう11月が目前なのに
 午前中は市場出荷のツバキやサザンカを掘る 雨が多いのでスコップにやけに土がこびり付く
 午後からは急遽頼まれた植木を掘る 本鉢に根巻きするのもクレーンを使うのも本当に久々だ
 今まで小物ばかり掘る仕事をしていたから ちょっと新鮮な気持ちだったので張り切り過ぎて
 しまった 暑さもあって少し疲れた 長年鍛えた筋金入りの身体も睡眠不足には勝てないようだ
 昨日の日誌に読売新聞の編集手帳の事を書いたが あら偶然 今日のそれは 昨日↓に書いた
 古歌「振り下ろす太刀の〜・・・」が「きりむすぶ太刀の下こそ地獄なれ 一足ふみ込めそこは極楽」
 となって紹介されているではないか 天下の読売だからそっちが正しいのかもしれないが 私は
 何十年も前に何かで読んだものを書き留めておいたものである もっともこう言うものは長い間に
 いろいろと加工されて勝手に広まるから油断できない 内容は同じだからどっちでも良い事だが・
 古歌には良いものがある 以前にもここに書いたかもしれないが 新渡戸稲造が好きだったと言う
 「見る人のこころごころに任せおきて高根に澄める秋の夜の月」がある
 批判は自由である 誰がどお言おうといちいち気に留めることもない 澄明な精神は泰然として
 孤高を保っている

 

10/27(木)雨後曇り

 AM 雨で休み PM イチゴノキの出荷準備
 目覚めたら雨が勢いよく降っている 予報では朝の内だけと言っていたが止む気配はない
 出荷する植木を掘らねばならないのだが この雨では無理 土曜日も天気が悪そうだし
 来週の市場に合わせるのが大変になりそうだ
 雨の日は家の用事も溜まっているので いろいろと雑用をこなさねばならない ゆっくりして
 いられないのが辛いところ 家事世事に疎い私は仕事以外のそれらが苦手である
 今朝の読売新聞の編集手帳に 山本周五郎の座右の銘として「苦しみつつ なおはたらけ
 安住を求めるな この世は巡礼である」の言葉が紹介されていた スウェーデンの作家の書物の
 一節のようだ 「なおはたらけ」と言われれば いい加減にしてくれとも言いたくなるが その意味する
 ところは分かるような気がする 人間生きている以上楽はそんなにないと言う事だろう
 どうせ避けられない苦しみならば より深く苦しみを受け入れることで光明を見出すか 「振り下ろす
 太刀の下こそ地獄なれ 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」 とそんなところか
 仕事=苦行 それが修行であれば 俺なんざあ毎日行を積んでいるようなもの 天がこの未熟者を
 憐れんで試練を賦してくれているのかな・・ と 良い方に解釈しておこう
 読書週間だそうである 私も最近はほとんど読んでいない 積読状態の本がゴマンとある
 読書が趣味ではなく 本を買うのが趣味の私になっている こんな日はゆっくりと本を読みたいものだ
 インターネットなどやめて 夜は本の虫になろうか そおしろそおしろと虫の音が聞こえる

 

10/26(水)曇り後雨

 小物植木掘り
 天候が下り坂のようだ 秋晴れが続く予報だったがまるで変わってしまった
 気温は下がったが植木掘りには適している いくらでも動けるぞと天下を取った気分
 来週の市場出荷に向けて今日はコニファーを堀上げた エレガンテシマ エメラルド コルムナリス
 前回のセリ市場では大き目のコニファーが安値だったので 今回は1,5m以下の物を出荷する事に
 した これ以上の物は来春に出すことにした
 エレガンテシマは今年の春先に間引きして移植した物で半年しか経っていない それでも夏の間に
 大分育って根も良くなった ほんとに丈夫な木である 今葉色が変わりつつある コニファー類に
 特に変化が多い現象で 季節の変化によりその色を変える これから徐々にレンガ色になっていく
 午後3時頃についに雨が降りだす 小降りだったが濡れると面倒なので帰宅した お茶を飲んでから
 注文の入ったイチゴの木を準備する 夕方には雨は止んでしまった

 

10/25(火)晴れ白玉系のツバキ

 AM ツバキ掘り PM イチゴノキの出荷準備
 それにしても気温が高い 植木を掘っていると汗ばむ
 右写真は白玉系のツバキ 品種名は分かりませんが
 市場に出荷するときは白玉として出しています 今咲いています
 白玉は古い品種で沢山の系列があるようで 一般に白玉として
 流通しているのは園芸品種の本白玉と呼ばれるもので4月頃に
 花を咲かせるものです
 ツバキ サザンカは実生でいろいろな品種が出来るので
 似たような種類が多い 八重咲き種の種を蒔くと その半分の
 四重?くらいの花びらの品種がよく出来る いろいろ種を蒔いても
 ほとんどが使い物にならない 園芸家は良い新種を作出するために交配を繰り返し 飽くなき
 挑戦をしている 化学物質のように混ぜれば直に反応があるわけではない 交配して種を作り
 苗を作り その苗が花を咲かすまで何年もかかる そのほとんどが失敗作になるから 優れた
 品種が出るまでには気が遠くなるほどの努力と年数がかかる

 

10/24(月)晴れ

 小物植木掘り
 秋咲きのツバキとサザンカを掘る 風も弱く力仕事だと暑く感じる 今日はお茶の時間は日陰に
 入った この地方はまだ朝夕でも寒さはない もう少し気温が下がらないと秋の風情はでない
 最近は見事なほどに大物植木の売行きがストップしてしまった 問屋さんや造園屋さんからの
 照会は時折あるのだが 実際の売買はなかなか実現しない 成立しても小さな造形樹で小額の
 ものである 事情はどこも同じようで 生産者の中には今年の販売は諦めて 早々に庭の手入れに
 動き出した人も少なくない 植木を作っている人もそれぞれ一般のお宅の庭を手入れする仕事を
 持っている 副業のようなものなのだが 夏のお盆前とこれから年末に掛けての植木の手入れ時期は
 車で1〜2時間かけてお客さんのところに出向いているようだ
 植木が売れないのであれば この手入れ仕事の方が直接現金収入になるので手堅い
 植木がよく売れて忙しかった頃は この手入れの仕事を手放した植木屋さんも多い 手間取り仕事より
 植木の生産や流通販売の方がずっと儲かって面白味があったからだ
 それが今ここに来て立場は逆転した 地道に庭のお客さんを大事にしていた管理仕事中心の
 植木屋さんが安定している お客さんを手放した植木屋さんは後悔先に立たずの心境だろう
 国道126号線は千葉市から銚子市まで続いている 千葉を横断する主要幹線である
 その国道沿いに植木の一大産地である東金市と八日市場市がある 植木の流通が激しかった頃は
 植木を積んだ車が千葉へ東京へ そして全国へと走る姿が仕切りなしに目撃された
 更に 朝夕には千葉市周辺や東京近郊まで造園屋さんや植木屋さんが庭の手入れ仕事の往復に
 連日走っていた 通称 植木屋街道と当時は呼ばれたものである
 植木を積んだ車も近頃は少なくなったが 庭の手入れに向う植木屋の車は以前と同じように沢山
 走っている これから年末にかけてが手入れの最盛期となる

 

10/23(日)晴れ

 AM 採種他 PM 支柱掛け及び水掛
 今朝はこの秋一番の冷え込みだった もうそんな季節とはなった
 朝の冷え込みを余所に 日中は穏やかな秋日和だった 夕方まで暖かさは続いた
 午前中はリキュウバイ カマツカ ガマズミの種を採った カマツカは一昨年一日違いで野鳥に
 全部持ってかれた苦い経験があった 今年も少し啄み始めた矢先であったので辛うじてセーフ
 リキュウバイは採種が遅くなってしまい木の上部の方しか残っていなかった 殻が割れて大部分が
 落ちてしまったようだ しかし上手い具合に 先日の長雨の恩恵だろうか 木の周囲に落ちた種子が
 沢山発芽して双葉の状態となっていた それを持ち帰り播種箱に植込んだ
 先日にこの辺は除草剤を掛けたのだが その時は生えていなかった 生えていれば薬剤がかかって
 枯れてしまったはずである 除草剤散布後の雨で発芽したものであろう
 このように樹木の種子がこぼれたり 野鳥が運んで来たりした様々な木々の種子が畑には
 芽を出す 放っておけば大きく育つはずだが 年に4〜5回は除草剤を掛けるので その折に
 それらの小さな苗はひとたまりもなくやられてしまう 大きな木の下などで偶然に免れたものだけが
 育つ事になる モッコクやモチノキ ヤツデ ネズミモチなどがよく生えてくる

 紅花イチゴノキ 

 上の左写真は紅花イチゴノキです 果実が綺麗に色づきました 写真のように赤くなった実は
 後4〜5日しか持ちません ですから実際の出荷は実が青いうちに行ないます
 紅花種と言っても 真赤な花ではありません 薄いピンクのものが多いです 日照の関係もあるようで
 よく陽に当てた方が色が濃くなるようです 日陰ではほぼ白花とも思えるくらいになってしまいます
 個体差によって紅の濃淡がでますので 選別して色の濃いものだけを残していくことになります
 唯 紅花種は花だけ見るのなら白花より美しいですが 果実が赤くなると同系色となってややくどい感じが
 してしまいます 個人的には白花の方がコントラスト的には素晴らしいと思います

 

10/22(土)雨後曇り

 イチゴノキの出荷準備他
 朝から小雨が断続的に降った どうも今年の秋は好天が持続しない
 週末がこれでは植木の売行きもぱっとしないのではと心配になる
 イチゴノキの出荷準備をする 午後にお客さんのところに配達に行ってから 花市場向けの
 準備をする 来週の植木市場への出荷は都合で休むので花市場のセリに送る事にした
 イチゴノキは花が咲くのも実が色づくのも早い種類と それらが遅い種類がある
 出荷もそれに合わせて早生種を早く出荷して 晩生種をその後に出荷する 紅花の種類が
 あるが これは早生種になる イチゴノキの実は5月頃には最大果に育つが その後はずっと
 青いままで秋まで来るが この時季になって色づき始める
 緑の球果が薄い黄色をまとい始め 徐々に黄色味がまして やがてオレンジ色となる
 暫くすると鮮やかに赤くなる いちごの木はその色の変化が楽しい
 ずっと長期間枝に付いていた果実も 一旦色づき始めると早い 真赤に熟れたところで
 実は落ちてしまう もう少し長く楽しみたいところだが 一年近くを頑張ってきたので良しとしよう
 春から楽しめる青い実も良いものだし 実が色づき始める頃に同時に咲き始める花は
 この後も長い期間咲くので楽しみは続く 今年も沢山写真を撮ったので数日中にUPします
 先日の植木市場の市況を書いて置くと
 全体としてまずまずの相場であった 秋咲きのツバキが期待通り売れている サザンカも
 まずまずの値段だと思える サザンカはここ4〜5年は捨て相場と言えるほどの安値が
 続いたから それから見れば今の相場は納得せざるを得ない値段である もちろんサザンカも
 品種により安値高値がある コニファーは大きいものが安い 今回出荷した物は1,8mほど
 あったから これはもう売れ筋から外れる 今の売れ筋は1,2〜1,5mほどのものである
 コニファーもブルーアイスなどは出荷量が少ないので高値である

 

10/21(金)晴れ一時曇り風鈴ガマズミ

 サザンカの根回し
 第3圃場のサザンカを根回しする 1.2m以上の物を出荷して 
 残ったそれ以下の物を根回しする 品種はオオミゴロモが主で
 ヒオトメ ユウビ ギンゲツなど
 ここで 根回しについてウンチクを少し
 根回しは植木の移植のために前もって根を切り詰めておくことで
 通常1年くらいを目安にする 太い根の切り口から細根を沢山出させて
 移植しても枯れたり傷んだりしないようにするのが目的である
 移植を前提としない根回しもある
 根回しする事で木の成長を抑制したり 実の生る木だったら実付をよく
 するためだったりする
 古木を若返らせる手段としても使う これは上記のように細根を
 増殖させて養分吸収を旺盛にすることで樹勢の回復を図る これが
 マツの立ち枯れの予防にも役立つ 山のマツが枯れ易いのは
 根が荒れていてマツノザイセンチュウへの抵抗力が弱いからである
 その他にも 木の強剪定をした時にも有効だ 大きく育ってしまった樹木を枝打ちして樹形を
 小さくしたり 時には丸坊主ということもある そんな時は根回しする事で地上部の幹枝葉と
 地下部分の根とのバランスをとる 強剪定を嫌う樹種には特に必要な作業となる
 根回し=根が悪いからする これが通常の考え方だが プロは根が悪くならないうちに
 これをやる 我々植木栽培者は販売(出荷)目標時から逆算して植木の根を作る
 この植木を売るのは3年後か5年後か それを見据えて計画的に根回しや移植を考える
 あまり根が良くない木を根回しすると傷んだり 時には枯れてしまう事もある 枯れなくても
 一度傷んだ木を回復させるには数年かかる これでは商売としては採算が悪い
 そこで 根が悪くならないうちに根回しを掛けることになる 手間はかかるが根が良い方が
 堀上げ根巻き作業がスピーディーだし枝葉もしっかりした物になる
 大きい木などで緊急に移植しなければならない時などは たった一週間の根回しでも
 効果はやらなかった物に比べてその差は大きいものだ

 

10/20(木)晴れ

 AM 除草剤散布 PM ハウス作業
 何日振りだろうか よく晴れた 秋特有の清澄な空気が満ちている
 先日に続いて 残っていた畑に除草剤を散布する 少し風が強かったが他の仕事の都合もあり
 強行する事になった 動噴機の圧力を最低にして掛けているのだが 小物植木の列植された中
 はとても作業がし難い 時には下葉に掛かってしまう事もある 裸地部分を掛けている時などは
 風に乗って思いがけなく遠くまで飛散してしまう事もある それでも植木と言うのは丈夫なもので
 一部の枝葉が多少変色したりしても 全体としての影響はごく小さいものだ 商品価値には何らの
 問題もない 希釈倍率も最低限にしている 草丈の大きな雑草が密生している訳ではないので
 一年草雑草が疎らに生えている程度ではこれで充分である
 殺虫剤なども よく強めにして散布する人がいるが 効果はそんなに違わないのではないか
 規定の倍率で充分だと思っている 強くするよりも散布量を多くしてターゲットに十二分に
 掛かったほうが確実のような気がする

 

10/19(水)曇り

 AM ハウス内作業 PM サザンカの根回し
 今日も雨を覚悟していたが 台風は急速に衰退して千葉県の遥か太平洋沖を通過した
 これまでの長雨で畑に入れそうもないので 午前中は様子見をしてハウスに入った
 外は肌寒く風が強いがビニールハウスの中は適温だ ラジオを聞きながら細々とした雑用を
 する 午後からは畑に出て サザンカのオオミゴロモとツバキの炉開きの根回し作業をする
 秋の陽はつるべ落とし 5時を過ぎるとそろそろ黄昏時となる 仕事の実労は以外と少なくなる
 これからまだまだ日は短くなる もう2ヶ月先まで日が詰まることになる 古老が言っていたが
 毎日米粒ひとつ分づつ日が落ちるのが早くなるのだそうだ 面白い例えだ
 夕方 同じ植木屋の友人が来て 9時頃まで話して行った 自動車保険の更新に来たのだ
 インターネットで保険の更新手続きをすると 何でも2000円ほど安くなるそうで 毎年今頃に
 なると私のところに頼みに来るのだ インターネットくらい自分で始めろ と言っても全然その気に
 ならないようだ 銀行振り込みも私の口座から・・・ う〜ん 抜け目がない この方が安くつく
 セブンイレブンがネット銀行を始めたときに口座を設けたが 今はほとんど利用していない
 他の一般銀行も同様のことをやっていて ある都市銀行は手数料が安い 先日あるところに
 440000円を振り込んだが 手数料は100円だった 数万円振り込んだときも同額だったから
 どうしたんだ 間違っていいるのでは と疑った 7・11だったらソートー取られるはずだ
 7・11は開業して数年か? もう既に黒字になったと先日のニュースで報じられた
 大手都銀も不良債権の処理を了えて とんでもない額の儲けを出しているようだ 銀行はお国に
 政策的に儲けさせてもらっているから美味しい話だなあ 百姓もお世話になっている訳だが
 その内容も額も天文学的な数字ほどの開きがある 100万円一年間預けて利子は何百円
 銀行の貸付利子は5%なら50000円 結果的には庶民から巻き上げていると言う事になる
 銀行が潰れたら その被害は庶民が直接被るからと言うもっともそうな理屈だが どうも納得が
 いかないんだなあ 銀行は確かに重要な役目を果たしているのは分かるが所詮は株式会社
 そして銀行ほどまともな競争をしていない業界もない 利子は一律横並び
 そんなに銀行が大事ならば全部国有にしてしまえ 日本銀行ひとつあれば事は足りる
 日本中 日銀の支店にしてしまっても問題ない すると 郵便局とおんなじだ そうなると
 いずれは民営化となってしまう 今とおんなじだ 今のままでいいじゃないか そうだそうだ^^)

 

10/18(火)雨

 雨で仕事は休み
 この季節に天気がぐずつくのはあまり記憶にない 台風20号と秋雨前線の影響のようだ
 台風はどうやら南海上を通過するようなので 大きな被害の心配はいらないような気がする
 今日は一日中降り続いてしまった 午前中少しハウスに入った他はすることもない
 することが何もなくはないが する気が出ない いざ休みとなると心身ともに緊張の糸がぷっつん
 で、今 夜になって反省頻りだ あーあれやっとけば良かった 買物にも行っとけば良かった
 あれもこれもと今更ながらに後悔する
 でれ〜っとして何も手につかない時間と言うものがあっても良いか こんな時でもないと出来ない
 ことが多いから目一杯動き回るのが本当か
 若いときにはこんな日は家に居た例はない 20代前半のある時期 働き盛りの男が家で夕飯を
 食っているようじゃダメだと 誰かに聞いた事があった そうか・・と単純な私は思った
 それから暫くは自宅で夜御飯は食べなかった 外で仕事仲間と食べたり 友人の家を訪ねては
 そこのお宅でご馳走になったりした 夕方になると決まってやって来るこの若造は 今思えば
 大分ひんしゅくを買っていたに違いない でも それだけ元気があった証拠でもある 懐かしい
 思い出だが 夢も希望も人並みに持っていた頃で それに向けての純真な気持ちの発露でも
 あったのだろう それがどこで狂ってしまったのだろう・・・ 女だなきっと(・・って おいおい^^)

 

10/17(月)雨

 植木市場に行く
 車もほとんど走っていない真っ暗闇の田園地帯の中に 一軒のコンビニだけが煌々と明かりを
 灯している 田舎のコンビニは採算が悪かろうな 客は一人も入っていないようだ
 24時間営業のもたらす不経済で非効率な経営方針が こんな田舎では如何に醜いか 如実に
 物語っているのがこの光景だと思う あんなに多くの蛍光灯が必要なのか 交通量も人通りもない
 深夜も営業する事の必然性は何か 地球温暖化云々の前に 単純にこの電気がもったいない
 確かに 必要とする者にはありがたい存在だ 唯それも利用者の利便性と経済性と社会性が
 整合して初めて成り立つ話だと思うが・・・ 街場なら簡単にクリアしそうな問題も田舎では
 単純過ぎる問題だけにより根源的な難題として常に底流をなしている
 自宅から少し離れた部落外れに我家のトラックの車庫と小さい作業場がある 県道に面した
 その反対側に この6月にコンビニが開店した 日中はそれでもそこそこのお客があるようだ
 車も切れ目なく停まっているようだ 近所の人たちも便利になったので喜んでいる 私はまだ
 利用したことはない 出先などではよく利用するのだが 身近過ぎると返って必要を感じないのは
 ちょっと皮肉なものである
 植木市場に出かける時間は その折によりいろいろだが 今朝は3時頃だった
 車庫から車で出ると真向かいにこのコンビニがある 闇夜の中にギンギラギンに輝いているこの
 別天地には車は一台も停まっていない 人影も見えない 寒々とした光景である

 

10/16(日)曇り一時雨

 AM イチゴノキの出荷準備 PM 積込み他
 昨夜の遅くから降り出した雨は朝には止んでいた 午前中の積込みを予定していたが
 植木が濡れているので午後から積むことにして 午前中はイチゴノキを準備する作業をした
 結果的にはこれが裏目と出た 昼頃から再び雨が降りだしてしまったのだ
 少し様子を見ていたが 止みそうな気配がないので腹を括って合羽を着込んだ
 大した降りではないのだが 木が濡れているので合羽を着なければすぐに作業着は濡れて
 汚れてしまうことになる
 結局 雨は積込み作業が終わった3時半頃に止んだ その後またハウスに入った

 

10/15(土)曇り後晴れ

 除草剤の散布
 まだ小さいからいいやと思って油断している隙に 雑草は確実に大きくなる したたかである
 朝 他の管理仕事に畑に出たのだが 小さな苗が草に覆われているのを発見した
 これはいけないと 急遽予定を変更 家に帰り除草剤を散布する準備を始めたのだった
 これが秋の気候かと訝るほど どろんとした蒸暑い終日になった 一ヶ月も前に戻ったかの
 ような感じがした
 雑草の方は流石は秋で 短期間に育っているとは言っても 夏のように勢いよく繁茂していると
 言うのとは違って どこか控え目ではある したたかと控え目 相反するような言葉でも矛盾
 しないのも秋と言う季節の持つ情趣なのだろうか
 草取りは農作業の中でも重要な管理作業のひとつである 昔は人間の手で抜いたり 鎌で
 刈り取ったりしただろうが 今はほとんどの農家が除草剤を掛けてしまう 
 ある大手の植木栽培業者は この除草剤を嫌って 近所のおばちゃんたちを頼んで草取りを
 していた 広大な面積の圃場をすべて手作業での除草である ひとつの畑を終わらせると
 次の畑 そしてまた次と草をとって行く その光景をよく目撃したものだった
 全体の畑を終了する頃には もう最初に草をとった畑に雑草が繁っている・・・ そんな風だから
 一年中草取りをしているような印象を受けた
 除草剤は本来なら使用しない方が良い 多少なりとも畑にダメージを与えると思うからだ
 土壌中の有用微生物のサイクルを壊してしまうようだ 薬剤の残留も気にかかる
 それらのマイナス作用を補って余りあるほどの自然の回復力の大きさも事実としてはある
 しかし 全部が全部ではないし 本当のところは誰も分からない 結果が出るのはもっとずっと
 後になるのだろう(本当はそれが恐ろしい)
 除草剤を嫌ったこの大手の栽培業者も世代が代わり 10年も前からはおばちゃんたちの
 草をとる姿は見られなくなった

 

10/14(金)晴れ後曇りモチノキの株立ち

 AM 小物植木堀り PM イチゴノキの出荷準備
 昨日の夜までは雨の予報が出ていたが 今朝は上天気
 こんなに気持ち良くハズレる天気予報も珍しい
 気象予報士制度が出来ても どのテレビもどのラジオも全部同じ
 予報をやっている 気象庁の予報を丸写しなら この予報士制度も
 何の意味があるか問われそうだが そこはそれ
 大事な人命財産にも直接関わってくるので ヘタな予報は出せない
 今日は雨になると言うので 昨日は目一杯頑張ったのに・・・
 何か割り切れないものが残る 雨だったら 午前中は何をして
 午後は何をして・・・と 予定もどきも描いていたんだが・・・
 それでも仕事には好都合だった この先も天気はあまり良くなさそうだし 出荷する植木を
 予定分だけは早く片付けてしまいたかったのでちょうど良かったのだ
 小物植木の堀上げは午前中でほぼ終わり 午後からは注文を受けていたイチゴノキの準備を
 する このイチゴノキも実が色づき始めた 花もちらほらと咲きだした 去年の今頃が つい昨日の
 事のように思われて 時間の経過する速度感覚が麻痺してしまったのではと疑いたくもなる
 右写真は 株立ちのモチノキ 大きく見えるが8mくらい

 

10/13(木)晴れ

 小物植木掘り
 今日も秋晴れ 暑くも寒くもなく何をするにも絶好の日和である こんな好条件の気候が
 一年の内 春と秋で何日くらいあるだろうか 意外と少ないのではないだろうか
 サザンカ ツバキ クリスマスホーリーを掘りあげる
 山茶花では 御身衣 緋乙女 東絞り ユーレタイドなど 椿では 白侘助 秋の山 初嵐 西王母など
 これらを数十本単位で掘る 大きさは1,2〜1,5m前後が主だ 最近の市場では1,5m以上の物は
 敬遠されがちだ 大きくても値段は変わらないか 或いは逆に下がってしまう傾向さえある やはり
 手頃とか売れ筋と言うものは前記のクラスの大きさとなっている
 これは 椿 山茶花に限らず コニファー類や垣根用樹についても同様である 何だか年々売れ筋の
 大きさが下がって行く傾向にあるように思えてならない
 潅木類では 寒椿や柊南天なども ちょっと大きくなると売れ筋からは外れてしまうようだ
 因みに 上記ユーレタイドは矮性種で アメリカで品種改良されたようだ 現在出荷しているものは
 0,5〜0,7m程の物である 葉も小さい 普通のサザンカの半分くらいの大きさだ 山茶花としては
 遅咲きで 11月中旬にならないと咲かない 千葉でこれだから東北など寒い地方では咲かずに
 終わってしまうかもしれない(春になってから咲くと聞いた事もあるが)
 ユーレタイドは鮮やかな赤の一重の花びらである このHPの花木のページにも紹介しているが
 今年も咲き出したら この日誌にも写真をアップすることにしましょう
 昨日の市況を書いておく
 全般として少し下がったが まあこんなものだろうと言う感じだった
 山茶花でも ヒオトメは安値 ユーレタイドは好調を維持している オオミゴロモはまずまず
 セイオウボ  アカセイオウボ ハツアラシは高値 コニファーも比較的良かった
 斑入りヒイラギ類とアロニア カンツバキは安値

 

10/12(水)晴れ

 小物植木掘り
 すっきりとした秋晴れになった ひんやりとした東の風が吹き 秋本番を知らせている
 連休中の雨で 見事な花の色と香りを見せていたモクセイも半分は散り落ちて その樹下に
 円形に落花のジュウタンが敷かれた モクセイの花期は短い 一週間ほどの輝きである
 そろそろサザンカの季節だが オオミゴロモがやっと咲きだした他はまだ蕾が小さいようだ
 ツバキでは西王母と初嵐に開花が見られるが その他の秋咲き椿ももう少し先のようだ
 エメラルドやサザンカの小物植木を堀上げる 雨が多かったので土が少し柔らか過ぎて
 やや掘り難い 堀上げには適度に土が締まっている事が好ましい
 小物植木の生産で 一番重要なのは根を良くしておく事だと思う 根が良ければ季節を問わず
 移植や出荷が可能だし 堀取り時の労力も軽減できる 小物生産の弱点は この堀上げ時に
 コストの50%が費やされる事である 従って根の良い物と悪い物との労力の多少は経費面で
 決定的な差となる 更にスコップで掘上げて それを根巻きするには少しばかりの技術がいる
 それらの弱点を一挙に解決しようと言うのが地中ポット栽培である これならば堀上げは
 「バカ」でもできる^^ 根巻きの必要もない 賃金の安いアルバイトでもできる作業となる
 そして根を傷めないので植栽地での活着も良い
 このように地中ポットでの植木栽培は有利な点が多いが その反面もある
 まず 植え付けに手間がかかる事だ 一本一本ポットに土を入れて苗木を植え付けねばならない
 そのポットに入れ込む土も鉢植え用の栽培土を作らねばならない 畑の土でも大丈夫だが
 余程地力のある土であるか又はどんな土でもよく育つ樹種であるかを問われる 当然専用の
 鉢植え土を使用した方が植木の育ちが良いから 効率を考えればやはり土作りは欠かせない
 更に ポットを畑に埋め込んでも 周囲の土とは遮断されているのでポット内の乾きは早い
 畑の土が湿っていても水掛は必須の作業となる 頻繁に水掛が出来ないとなれば潅水設備が
 どうしても必要条件となってくる
 このように一長一短があるのは確かだが 地中ポット植木が徐々に増えている
 やはりこの方が上記のメリットの他 短期間の大量注文にも対応し易い事や 出荷の適期は
 他の作業も多く 最も多忙を極める時期でもあるからである

 

10/11(火)曇り

 ゴルフに行き仕事は休み
 久々に植木組合のゴルフコンペがあったので参加した
 今日も雨模様の予報であったが それに反して明るい曇り空だった 降られるのを覚悟して
 雨合羽に防水スプレーをこれでもかと言うほど掛けて来たのだが それが役立たずに幸いであった
 今日の参加は21名あった 町内に住んで同じ仕事をしていても特別な事がない限りあまり顔を
 合わせない人も結構いて懐かしいほどである
 当然ながら 皆ゴルフが好きな連中である それでもゴルフに溺れている者はいない 普段は
 仕事に熱中して地道に働いている人たちばかりである だから上手な人は稀である たまにしか
 できないゴルフだからこそより楽しい 気心の知れた仲間たちだからこそ更に楽しい いわゆる
 善良な小市民たちの集まりだが 類は友を呼ぶ と言う如く 今日までゴルフを通して親しみを増して
 きた愉快で気の良い友人達なのだ
 楽しい時間というのはほんの束の間だが その余韻は長く心にとどまって幸福感がじわりと滲み出る
 個々の仲間のプライベートは様々だが ゴルフと言う非日常のものがもたらす高揚した陶酔が
 ふわふわとして居心地の良い一体感となって緩やかな絆を生んで いる

 

10/10(月)雨後曇り

 植木市場に行く
 昨夜からの雨がずっと続いている 千葉から埼玉までフロントガラスのワイパーは動き続けた
 市場に着いても止む気配がない やおら雨合羽を着込んでしずしずと荷降ろしを始めた
 これが仕事と言えど 些か辛いものがあるが そこが世の中の良く出来たところで やるしかないと
 言うのがすべてを物語る やらなければ終わらない 家に帰れない 待ったなしだ
 単純でいいねぇ 分かりやすくて 俺はこんなのが大好き ぐずぐず考えたり迷ったり つまらぬ事に
 あれこれ悩まずに目の前の現実に対処するしか道はない
 そんなもんなんだな 行動の中にしか明日というものは見い出せないのかもしれない
 昨日の続きを・・
 圃場に植えられた荒木は早くても数年 中には5〜6年かかる物もあるが充分に小枝を伸ばしてから
 仕立て(枝付け)をすることとなる 造形職人の腕の見せ所だが どんな上手な植木職人が仕立てても
 完成までには4〜5年 少し大きい木になると10年を要する それも毎年手入れを重ねてである
 槙の木の良品が少なくなったと書いたが 千葉の大手の植木屋さんにはまだまだ大きな立派なマキは
 少なくはない しかしそれらは中々買い手はつかない 比較的財力のある植木屋さんだから不景気
 だと言っても安売りはしないし それらの植木が看板のひとつにもなっているからだ だがそれらを
 維持しているのは大変な事だろうと思う
 ここ10年ほどは 原木を畑に植込む生産者はまずいなかった 作っても売れなければ経費倒れに
 なるからである もちろん良い原木がないのも大きな理由のひとつではある
 次は黒松赤松についてそのうち書こうか

 

10/9(日)雨後曇り

 AM 雨で休み PM イチゴノキの出荷準備他
 朝方は音を立てる雨であった 先日までは雨が降らなくて困ったが 一旦降りだすとこちらが
 必要とする以上に降る 上手くいかないものだ 当たり前と言えば当たり前 雨は一週間に一回に
 してくれと それでも言いたい せっかくの連休だと言うに 明日も雨の予報が出ている
 午前中は休みとして家の雑用 午後からは市場に出荷するイチゴの木を準備する
 昨日の続きを書く
 造形樹を仕立てるには その元となる原木がいる 荒木(あらき)とか野木(のぎ)とか言う
 これを苗木から育てるには20〜30年かかるが これでも若木と呼ばれる部類だ
 今時こんな事をしている人は当然いない どう見ても採算が合わない それでも植木ブームの頃は
 どうやら折り合ったようだ 50年100年を経た千葉特産のマキの木の荒木などは 民家の周囲に
 風除けとして植えられていたり 生垣として活用されていたものである その中から植木に転用出来
 そうなものを引き抜いてきた物がほとんどだ それらは当然買ってくるわけだが 何れも重要な役割を
 果たしている樹木だから簡単には売ってもらえない 何度も足を運んで交渉したり高値をつけたりの
 努力が必要となる 狙い目としては 区画整理が決まった古い住宅街(部落)であったり 道路の新設や
 拡幅工事にかかった家森や生垣だったりする
 これらから選び抜いた物は「垣根外し」と呼ばれ 長い年月の風雪や厳しい自然環境に耐えた味の
 ある原木なのだ 人間が畑で苗木から養成した物とは比較にならないほどの風格や銘木としての
 資質を持った荒木なのである
 そういう良品は少ないし 逆に競争相手は多くなる 持ち主との交渉で 生垣の替わりにブロック塀を
 構築するからと言った話もよくあった
 槙の木は千葉県の特産と書いたが 自生地は千葉県でも一部地域だけである 九十九里海岸に
 面した細長く狭い地域に限られる それ故希少価値も高かったのだ
 千葉県以西にも 太平洋側でマキの自生地は幾つもあると思う 静岡県などにミカン畑の周囲に
 風除けとして植えられている 和歌山県にもあると聞くし 九州の鹿児島県には沢山あるはずだ
 槇の木がよく売れていた時代には これらの県から大きな荒木が千葉県に数多く入ってきていた(続く)

 

10/8(土)晴れ後曇り

 草取り及び 積込み
 晴れて暑くなった 午前中はポット苗木の草取りをする まったく雑草ばかりは勢いが良い
 今年は気温が例年より高めだから雑草もよく伸びるのかもしれない 植木の苗木もこんなに
 育って欲しいものだ 畑の草も大きくなってしまった 除草剤の散布も視野に入ってきた
 午後は これまで堀上げてあった植木をトラックに積込んだ 2時間ほどで終了する 小物
 植木だけなので短時間で済む 造形樹(枝物)は積まない このところ売れ行き不振である
 こちらとすれば売りたいのだが・・  在庫として置けば毎年の手入れやその他の管理で
 手間や経費がかかるので 仕上がった物から順番に売って出たいのが本音なのだ
 しかし 売るに売れない 造形樹は何年もの間 経費を注ぎ込んでしまっているので安値と
 なれば赤字も覚悟しなければならない 市況の思わしくない今日ではよほど見切りをつけた
 品物でもないと出荷する気にはなれない そんな状況なので市場は上物の出荷が極端に
 少ない 駄物ばかりである 市場側は良品を持って来いと言う 持って行っても当然ながら
 保証はないから誰もそんな口車には乗る者はない そんな訳もあって造形樹は安値が
 続いているのだ 様々な安値の原因があったとしても 結局は需要の落ち込みの激しさが
 最大の理由である それに尽きると言っていい
 良品を持って来い と言われても 実は生産地にも良品が少なくなってしまっているのだ
 上級品と言うのは そんなに簡単には出来ない そもそも良い原木がないのだから(続く)

 

10/7(金)曇り後晴れ斑入りヤブコウジ

 小物植木掘り
 時折小雨もぱらつく午前中の天候だった
 一昨日 昨日と降った雨で 畑は少し水分過多気味である
 掘取り作業が幾分やり難い スコップに土がへばりついて
 一本掘る毎に土を落とさねばならないから厄介だ
 この先も天気が悪そうだから馬力をかける 黒い雲が次々に
 やってきて小雨をこぼす こんな天気の割りには蒸暑くて
 薮蚊が寄って来て不快な思いをする
 しかし 午後からは そんな天候も一転して 急激に晴れてきた
 ラジオの天気情報によると 三連休は良い方向に予報が
 変わってきたようだ 仕事にも時間の余裕ができるし 何と言っても 連休中は好天であって欲しい
 植木の売行きにも大きく関わってくるからだ 運動会シーズンでもあるし 各種のイベントが開催
 される時期である 休日が荒天となると 植木関係はまったくと言っていい程不調となる それが
 花や植木の市場に大きく響いてくる
 いつか 花市場の関係者が言っていたが セリの時にも雨が降りだすと 途端に値崩れが始まる
 そうだ それだけ園芸物の売行きと天候とは相関関係が密である
 秋咲きのツバキ(初嵐 秋の山 太郎冠者) ヒメマサキ 斑入りチャイニーズホリーなどを掘る
 今日の写真は 斑入りのヤブコウジです ほぼ一年中カラフルで鮮やかです 今のところ病気や
 害虫はつかないようですが 残念ながら実は生らないようです

 

10/6(木)雨後曇り

 AM イチゴノキの出荷準備 PM 植木掘り
 例年より秋雨の季節が遅れたのだろうか 今頃になってぐずついた天候が続く
 今日も朝から雨で畑には出られそうもないのでハウスに入った
 雨は昨日充分降ったので もう暫くは必要ないのだが そんな人間の都合にはお構いなく
 自然は容赦がない 暇な時期にはゆっくり休むのも楽しいが 出荷時季に雨が続くと予定が
 狂って余計に気忙しくなる
 午前中は市場に出荷するイチゴノキを準備する 一服の時間に友人が来たのでゆっくりと
 お茶をすする ゴルフのお誘いの話だった そう言えば 先月はゴルフに行かなかった
 幾つか誘われたが 忙しさにかまけて行けなかった 毎週のように市場に出荷していると
 天候のこともあり 早くから予定を立ててのゴルフは中々腰が上がらない
 近々植木組合のコンペがあり それには参加しなければならないので 友人とのゴルフは
 少しお預けとなりそうだ 来月になれば幾分時間的な余裕は出来そうだから それまでは
 脇目も振らずに植木を掘り続ける事になりそうだ
 午後からは雨も止み 勢いをつけて畑に飛び出した 何せこの先も天候が良くないらしい
 畑の植木はまだ葉が濡れていた すぐにこちらの着衣も濡れてしまった
 コニファーのエメラルドとエレガンテシマを堀上げた

 

10/5(水)雨

 AM イチゴノキの出荷準備 PM 休み
 待望の雨となった 朝起きて 雨の音がする時は幸せだ 心身が開放された気分になる
 午前中はイチゴノキの出荷準備をする ハウスの出入りをするも 小降りの雨なので
 ほとんど濡れる事はない 遊び半分程度の作業なので ゆったり気分である 10時のお茶も
 一味違って美味しい
 昼前にお客さんがイチゴノキを取りに来る この方は話好きで 一度捕まったら2時間 3時間
 当たり前なのだが 今日はどうしたことかお茶も飲まずにすぐに帰った 何でも役所の方が
 来るらしく 時計を気にして慌てていた どうせ雨だし こちらも腹を括ってお相手しようと考えて
 いたが 拍子抜けだった 実はこの人の話は面白い 植木以外にもいろいろな事をやっていて
 活動も幅広い 付き合っている人達がいわゆる一流の人々なので情報も色々持っている
 私はたまにこの方のお宅にお邪魔して話しを伺っている なかなか為になるのだ
 いろんな事に手を出しているから失敗も多い この人への評価ははっきり二分する この方の
 話をすべて鵜呑みにするのではないが 合理性があって興味深い内容が多い
 人間性も洒脱で明るくて どこか憎めないところがある 私の評価値は67%である(微妙^^)
 午後からはちょっと買物に出たり その他雑用を少し
 夕方 FAXで今日の市況が入った
 この悪天候なので安値かなと思っていたが 全般的に良好な相場展開であった
 秋咲きのツバキ類が良く売れている コニファーもまずまず その他の小物も良く健闘した
 大市との触れ込みだったので お客さんが多かったのかもしれない それにこの雨で 仕事が
 休みの植木屋さんが遊びがてらに来ていた事も予想される

 

10/4(火)曇り

 小物植木掘り
 雨が降るかなと期待したが 朝ぱらっとしただけで終わった もう10日近く降雨がないので
 畑はかなり乾いてしまった 骨休めを兼ねて降って欲しかったが空振りに終わった
 週に一度は降らせたい 植木のためにも人間のためにも
 土が乾いているので硬くて掘り難い 10%くらい作業効率は落ちていると思う これは仕事量
 であって 人間の疲労度はその倍くらいの数値になるのではないか
 サザンカを中心に小物植木を堀上げた 緋乙女 絞り笑顔 オオミゴロモ ユーレタイド
 寒椿 チャイニーズホーリー オタフクナンテン

 

10/3(月)晴れ後曇り

 植木市場へ行く
 今日は気温も下がって作業も大分楽になった いよいよ本格的な秋の始動か
 植木市場も出荷量が急激に増えた 今回は大市との触れ込みなので特別かもしれないが
 セリ日当日までには この広い会場がほぼ満杯になってしまうのではないかと思わせる
 季節物ではやはりサザンカが目に付く そしてモクセイ 実生りものは柿やカマツカや
 クロガネモチなどがめだっている
 枝物は九州から来たクロマツを始め 千葉のマキ キャラ アカマツなどが定番として並ぶ
 数量的には多かったが これはと言ったものはなかったように思う ここが春の大市との
 違いであろうか もっとも あと2日あるので これからまだ上物が搬入されるかもしれない

 

10/2(日)晴れ

 AM 積込み作業他 PM ポット苗の草取り
 昨日に益して暑くなった 10月としては各地とも記録的な気温だったようだ この辺りも
 30℃になった やはりこの暑さは残暑だったようだ
 午前中はクロマツを1本手入れしてから積込み作業をした 午後からは第1圃場のポット苗の
 草取りをする ちょっと見ない間に雑草は大きく育ってしまった
 日が短くなってしまったものだから 何かと気忙しい 真っ暗になるまで今日も動き回った
 イチゴノキの花市場への出荷とお客さんへ渡す準備をしたり 地中ポットものに水を掛けたりで
 慌ただしい一日であった この暑さの影響もあってか 流石の私も少しバテ気味

 

10/1(土)晴れ

 ハウス内作業
 今日もよく晴れて これは秋日和なのか残暑なのか・・ 30℃を越えた地方もあるらしい
 昨日に続いてイチゴノキの支柱掛けやハウス内の整理をする こんな小さなハウスでも
 仕事は結構あるものだ ハウス内は目いっぱい詰め込んであるのでやや飽和状態なのだが
 少し出荷しては空いた場所に混んでいるところのポットを間引いて移動している 遣り繰りを
 上手くしないと溢れ出てしまうのでローテーションには気を使う
 先日の植木市場の市況を書いておこう
 全体として値段はやや下がり気味 これまで好調のエレガンテシマも少し下がった
 モクセイ ツバキのアキノヤマ 斑入りヒイラギも安かった まずまずとしてはエメラルド ラカンマキ
 オオミゴロモ プリペットなど 好調を維持したのはユーレタイド ヒメマサキ ロビラキなど
 先日 市場でSさんとお会いした この方は愛知県や三重県の植木市場から植木を仕入れて
 この市場に出荷している いわばブローカー 植木の運び屋さんだ 地元の方だが こんな商売を
 している人も結構いる 植木ブームの頃は全国を股にかけての商いをしていた人も少なくなかった
 その土地土地で植木の種類によって価格に高低がある 埼玉で高値の物が名古屋では安値
 だったり その逆もある こちらで安い物を仕入れてそちらで売り あちらで安い物を仕入れて
 高値のこちらで売る その価格差を商売にして生計を立てている植木商人である
 Sさんは4tトラックを2台所有し 息子さんと二人でこの仕事をしていた そのSさんがその日は
 一人で愛知から仕入れてきた植木を降ろしていた 私はむこうの情報などをよくSさんから
 伺ったりしていた 今日も話を聞こうと挨拶ながら 今日は一人ですか 息子さんは?と声をかけた
 そしたら Sさんは意外な事を言った 息子はこの商売をやめたよ ぼそりと言った
 驚きと少しばかりのショックもあったが 私は平静を装った それはSさんの方が複雑な思いを
 胸中に抱いているに違いないからだ
 情報が瞬時に世界を駆け巡る時代である 国内各地の植木の価格の情報などは わざわざ
 調べなくても自然に入ってくる 地域間の価格差は依然として存在しつつも Sさんの利ザヤ稼ぎの
 商売は今の時代にそぐわなくなった デフレの収束がつかない今日では尚更である
 息子はまだ30代  転職するなら今のうちだからな と話していた 少し寂しげなその話し振りに
 時代の変遷と諸行の無常を思わずにはいられない

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9/30(金)晴れ台湾ツバキ

 ハウス内作業
 九月も今日で終わりとなった 流石にこの時期ともなると 天気が良くても
 ビニールハウスの中で作業していてもそんなに暑くはない
 朝方 イチゴノキの出荷が少しあったので そのついでに支柱掛けの
 仕事を続けて行なった
 13,5cmのポットに入っている苗で この春に植えたものである 夏の間に
 伸びて枝が曲がってしまったものや 幹が根元から斜めに倒れている物を
 矯正するための支柱掛けだ この作業ひとつをとっても この植物が
 如何に手が掛かるかが分かる
 支柱は被覆された針金の40〜60cmの長さの物を使う これと枝幹を
 ビニールタイで結ぶ 苗の曲がり具合により2ヵ所3ヶ所を留める
 苗が育って混み合っているものを間引いて 別のハウスに移動させながら
 の作業となる 1トレーに12ポット入っている物を8ポットに減らす
 イチゴノキは花序を伸ばしている 早いものはもうぽつぽつ咲き始めて
 いるものもある 来月半ばにもなれば満開の時期を迎える この満開が一ヶ月続く
 果実も色づき始めたものもある 
 今日の写真はタイワンツバキです その名が示す通り 台湾が原産地なのだろうと思いますが
 確認はしていません 秋咲きで今咲き始めた 日本のツバキより葉が大きく光沢が鮮やかだ
 花は中輪で綺麗と言うほどではない
 4〜5年前の出初めは高値であったが 今はそれほど人気もなく安くなってしまった
 従って増殖もしていない 当時 千葉県の原種農場から苗の配布があったものです

 

9/29(木)晴れ

 植木掘り
 晴れて北東よりの風が少し強い ひんやりした風だ
 仕事をしていても暑くも寒くもない そんな季節となった 一年のうちでも この様な期間は
 春秋の一時期だけである
 黄金イボタ ラカンマキ オタフクナンテンを午前中に掘る 午後からは クロマツ1本とモッコクを
 堀上げる これで市場出荷の荷造りは終了した 計3日間の作業であった 大体いつもこれ位の
 日数がかかる これで後は枝物を手入れして車に積込んで約1日近くかかる そして市場に行く
 のが1日で 合計5日となる 雨がなければ 一週間のうち残るは2日だ 春秋の出荷時期は
 いつもこのようなペースとなる 空いた日に圃場内の様々な仕事をする事となるが さて明日は
 何をするか 明日になって見ないと分からないのが私流 いい加減なものだ これで何とか
 やって行けるのが農家の良いところ 企業だったら即倒産だ そのかわり農家はボロ儲けはない
 儲けは作物が元気に育っているのを見られるくらいかな そんなもんなんだが 考えようによっては
 贅沢な職業である 植物が成長する様は嬉しいものだ これで高く売れたら尚嬉しい^^

 

9/28(水)曇り後晴れ

 小物植木掘り
 ユーレタイド ヒメマサキ セイオウボ アキノヤマ ハツアラシ 等を掘る
 そろそろ サザンカや秋咲きツバキの時期である 今日畑に西王母が咲き始めたのを確認
 して それを堀上げた 例年より少し遅めの開花だ 初嵐もひとつだけだが咲いていた この
 種類も早咲きである いつも言うようだが 秋のツバキは良い 園芸品種の多くは3〜4月に
 花を咲かせるものがほとんどで この時季の華麗な花姿もそれなりに素晴らしいが ツバキの
 本来の特徴である侘び寂に通じる風情を感じさせるのは 秋から冬にかけて咲くものである
 春のツバキが花を短期間に一斉に咲かせるのに対して 秋冬のそれは ひとつまたひとつと
 少しづつ長期間咲き続ける
 ツバキは椿 木偏に春と書くのがツバキで 春の代表的な花木との印象が強いが これは
 現代の春ではなく 正月を初春などと呼ぶように 昔の春の意味合いである だから基本的に
 ツバキは藪椿に代表されるような晩秋から早春にかけて咲く種類が本来の姿である
 茶花として使われるのも この時期のツバキだ 春の派手なものは使われない
 秋冬咲きのものは大抵が一重咲きである その中でもワビスケと呼ばれる花の小さな種類が
 茶花として人気があるようだ 侘助椿にもいろいろ品種があるが その頂点をなすものは
 シロワビスケ椿だろう 気品という点で これに勝るものはないと思う ま 好みの問題ですが・
 西王母も初嵐も古い種類である セイオウボはピンク ハツアラシは白の花だ 何れも一重
 初嵐は白玉系の代表のような品種 白玉系の椿は多い(本白玉と呼ばれる種類は春咲き)
 これから様々なツバキが畑に咲く 楽しみである

 

9/27(火)曇り

 小物植木掘り
 どんよりした曇り空がどこまでも続いた 最高気温も22〜3℃まで下がって 仕事は以前とは
 比べものにならないくらい楽に感じる 畑の土も先日の雨でちょうど良い湿り具合である
 来週の市場出荷に向けて また植木を掘り始めた 出荷時期にはいつもこのパターンを
 繰り返す 毎週毎週同じ事をしていると単純な作業体系に思えてくる 20代の若い頃は
 毎日毎日植木を掘るこの仕事が退屈で退屈でしようがなかった
 感覚が麻痺したのだろうか 今はあまり感じなくなってしまった 諦念というものかもしれない
 組織に属して仕事をしている人の心情は分からないが 同じような内容の仕事が続く日々に
 何を感じて働いているのだろう・・ こんな事を思うのも目的意識や夢といったものの欠如に
 やはり由来するのだろうか 今更とも思うし 一方ではいくつになっても夢に向って毎日を
 生きていたいとも思う 現役でいると言うことはそう言う事だし 定年のない仕事であれば
 尚更それは重要な意味を持つのだろう
 今日の収穫 エレガンテシマ エメラルド オオミゴロモ ヒオトメ 合計約100本

 

9/26(月)晴れ

 埼玉の園芸市場に行く
 昨日は大荒れの天候で積込み作業が出来なかったので 今日は朝5時に起きて これまでに
 堀上げてあった植木を積込んだ 朝食後8時少し前には家を出発して植木市場へ向った
 普段だと夜が明けきれないうちにほぼ走ってしまうのだが 今日は明るい太陽の下を走るので
 少し違和感がある 走行する車も格段に多いので いつもより20分ほど余計に時間を喰った
 11時過ぎに市場に着き 直に荷降ろしをする
 千葉は昨日あれだけ雨が降ったのだが こちらは土曜日は降ったが昨日は降らなかったと
 言う おそらく千葉だけ荒れたのだろう ぬかるみを覚悟していたが面食らった
 市場は回を追う毎に出荷量が増えている これから10月いっぱいはこの状態が続く事になる
 荷降しが終わり受付を済ますと午後3時になっていた 市場に来ても いつもそうだがゆっくりは
 していられない 今日は特に出掛けが遅かったので そそくさと市場を後にした
 本来なら他所の人が出荷した植木をゆっくり見て廻りたい これは勉強になる どの地方の
 生産者が どんな樹種を どのような栽培方法で作っているのか 一応は頭に入れて置きたい
 他の地方の出荷者との語らいも良い 市場には情報が豊富に集まって来るからだ
 帰途の道のりは順調だった 渋滞ヶ所もなくスムーズに走れた 予定より早く着きそうだし
 家に帰って夕食も可能だが 朝家を出る時に 夕食は途中で食べて帰るからと言ってあったので
 家に帰っても俺の食うメシはなさそうだ そんな訳で 家まであと15分のところまで戻って
 食堂に入った 天婦羅蕎麦を食べた 蕎麦汁をすするための木製のスプーンが入っている
 俺はこれが苦手だ 汁はどんぶりから直接すすった方が良い でももう入って来ているので
 仕方なく使うが この木の匙を見る度に小学生の時に眼の検査の時 これで片目を塞いで
 視力表を覗いた記憶が甦ってしまうのだ(^^)

 

9/25(日)雨後曇り

 AM 雨で休み PM イチゴノキの出荷準備
 台風17号が房総半島沖を北東方向に通過して行った この影響で午前中は強風と雨で
 当然仕事は出来なかった 幸い暴風域には入らず 台風の進行方向の左側に当ったので
 大きな影響もなく 風雨に因る被害はほとんどなかった
 雨は降り過ぎるでもなく 乾いた畑にはちょうど良い量だったと言える 結果的に この台風は
 恵みの雨をもたらした有益なものだった 時にはこんは事もある 台風には痛い思いを
 させられ続けてきたから 今日のようなのはかなり稀なケースである
 午前中は親戚が一組と仕事のお客さんが一人来て その応対で終わった
 午後も引き続き強い風が吹き続けたが 雨はぴたりと止んで天候は回復の方向に素早く
 動いているようだ
 雨が降っていると労働意欲も削がれるが 一旦止むと仕事の虫が頭をもたげて 家の中には
 居られない習性が身体を自然に動かす
 外は強風でもハウスの中は別世界だ 午後はイチゴノキの出荷準備をする
 土曜日曜と悪天候にやられてしまったから植木の売行きが少し心配になる 秋の彼岸の
 連休中の販売を見込んで植木を仕入れた小売売店業者やホームセンターはどうだったろうか
 植木や園芸品の売行きは天候の良否に大きく左右されるから少なからず気掛かりとなる

 

9/24(土)雨

 雨で仕事は休み
 待望の雨が朝から断続的に降った 秋雨前線が台風17号の影響を受けたようだ
 このところ曇り空が続いたが雨はなかった 今日の雨で乾ききった畑も大分潤ったのでは
 ないかと思う 明日に掛けてまだ降るようなので この乾燥状態を一挙に解決して欲しいと
 願っている
 家の縁側からそぼ降る雨に濡れる庭を見ている 木々はこの雨で生気を取り戻したかの
 ように濃い緑を輝かせている 槙の木はいっそう鮮やかに濡れて 庭の中で確たる存在感を
 誇示している 雨の滴を受けて枝葉をしならせるのも風情ならば この槙の木のように寸分の
 変化もなくすっくと立ち尽くす力強さも庭木の魅力のひとつである いつの季節の雨もいい
 久々に休みとなって 心身ともにどっと疲れが出た それでも午前中は買物に出たり諸々の
 雑用を片付けたりで休息とはいかなかった しかし午後からは甥っ子が遊びに来たりして
 ごろごろ家の中で過ごした

   セアノサス マリーサイモンの花(5月)

 上写真はセアノサスのマリーサイモン 花とその実の写真 どちらも現況のものではなく
 初夏のものです 適当な写真がなかったので今日はこれでお茶を濁しておきます
 サザンカやツバキが咲きましたらアップします

 

9/23(金)曇り一時晴れ

 植木掘り
 曇りがちな日々が続く 晴れてはいなくても蒸暑く  例によって汗で濡れてしまう 昼には
 着替えなければならないほどだった
 モクセイ ラカンマキ クリスマスホーリー ヒメマサキ他を掘る
 モクセイの出荷もこれで最後だ 畑に残っていたもので販売に耐えるものを堀上げた
 何年前に苗木を植えたものだろうか その後は苗を植え付けていないから モクセイの生産も
 これで終了となる
 5年6年 それ以上だろうか モクセイの価格が下がって 栽培しても採算が取れなくなった
 とても良い花木なので残念である 決して生産が過剰で安くなったと言う訳ではないようだ
 需要が極端に少なくなったと言う事なのだと思う
 消費者は古くからの定番であり どこにでもあるこの樹木に関心が薄れたからだろうか
 目新しくなければ面白くも可笑しくもないのかも知れない
 小粒の小さな花を枝々にびっしりつけて黄金色に輝く姿が間もなく見られる その何とも言えぬ
 清々しく幸福感さえ感じさせる香りが 爽やかな秋風に漂う季節となる

 

9/22(木)曇り一時晴れ

 植木掘り
 曇りベースの終日 午前中はやや蒸暑かった
 土が乾ききっているので 水を掛けてから掘るので一工程多い作業になった
 プリペット 秋の山 エメラルドを掘り上げる
 午後からは 問屋さんに渡すクロマツを手入れをして堀上げた
 手入れと言っても本格的なものではない 枯葉を抜いてざっと枝振りを調整するだけである
 それでも 今の季節は枯葉を取り除くだけでも大変である 秋季の松の出荷はこれがあるので
 時間がかかって苦労する しかし手を加えた後は見違えるようにすっきりする
 配達は他の仕事が終わってからの夕方に もう暗くなってから出かけた
 町内なので10分も走れば着く 誰もいないかなと思ったが 作業場では外灯をつけて3人の
 職人さんがまだ仕事をしていた 私が着くとすぐに荷降ろしを手伝ってくれた 流石プロは
 手際が良い 男4人で色気はないが これだけ揃えばどんな仕事でも出来るなと思わせる
 問屋さんも秋の植木の移動期を迎えて忙しくなってきたようだ

 

9/21(水)曇り一時晴れ

 小物植木掘り
 数日前の暑さから比べれば 昨日今日はかなり涼しくなったようだ
 今日は曇ったので これまでの植木掘りから見れば結構作業はやり易くなった
 それでも汗は出るし まだ厳しい気温には違いない
 畑の土が乾いて固くなっている スコップが突き刺し難くなって 掘り取りには力が要る
 先日 水掛をした場所でも既に乾ききって跡形もない 伸びていた秋芽も止まってしまったようだ
 ひと雨欲しいが この先暫くはまとまった雨は期待できないようだ また水を掛けねばならないか
 台風17号が日本列島に影響しそうな情勢だ こうなったら台風でも頼むしかないかと危険な
 願望がよぎる あわよくば台風が遠くを通過して 雨だけこちらに・・・などと都合の良い事を
 想像したりする
 今日堀上げた樹種は エレガンテシマ エメラルド オオミゴロモ ユーレタイド
 今日の市況は エメラルドが少し下がった 出荷量が増え出したのだろうか それとも今までが
 良過ぎたのか ヒイラギナンテン サザンカが下がり気味 秋咲き椿の炉開きが引き続き
 高値であった ホーリー類はこれまでと同じ(安値安定) イチゴノキ エレガンテシマ ブルー
 アイスはまずまずの値段

 

9/20(火)曇り

 消毒作業をする
 久し振りの消毒となった 前回は8月1日だったから 50日振りである
 ヒイラギ類やツバキの秋芽にハマキムシが目立つようになったので散布する事にした
 この時季 カイガラムシも付き始める マツカレハはまだほとんど見られない
 今日は昨日までの残暑から開放されて 曇っていて涼しい やや風が強かったが
 消毒作業には適した日和だった
 散布機が古い(20年物)ので調子が悪い 途中から噴出量が急に減ってしまって
 時間ばかり喰ってしまった この機械 何度か修理に出して 何とか持ち堪えて来たが
 いよいよヤバくなってきたのだろうか
 全面散布の消毒も今年はこれで最後だ 部分消毒は小さい方の動噴機で対応できる
 今すぐの出費にはならなくて済みそうだ 来年様子を見て考える事としよう
 使用薬剤 ダーズバン乳剤 1000倍希釈液 3500ℓ

 

9/19(月)晴れ

 植木市場へ行く
 残暑が今日も厳しい 市場に祝日などは関係ない 曜日によって市場は動いている
 今日も沢山の花屋さんが仕入れに来ていた 今日月曜は切花のセリ日である
 この市場の場合は 月曜から金曜まで毎日切花のセリが行なわれる
 火曜日と金曜日に鉢物のセリが開催される 植木は週に一回水曜日がその日である
 切花のセリは朝7時には始まる 拡声器でアナウンスされるので 数百メートル離れた植木の
 セリ場にもよく聞こえる 東京の花屋さんも多いと思う 高速道路で仕入れにやって来るのだろうか
 花屋さんも朝早くから大変である
 鉢物の日には 千葉の私の住む地方の売店を持っている植木屋さんも仕入れに来る人も
 珍しくない 片道3時間をかけてくるのだから大変である このように おそらく関東一円から
 業者が集まって来るのだろう
 この市場の場合 植木の仕入れのお客さんは東北地方の植木造園業者が多い 北海道からも
 来ている 遠隔地からわざわざ来るには やはりそれなりの訳がある それは市場規模の大きさが
 第一の理由であろうか この市場は全国でも屈指の大市場である 関東地方では多分トップで
 あろうと思う ここに来れば出荷量も多いし種類も豊富だから大抵のものは揃ってしまう
 例えば造園屋さんの場合 植木だけでなく 他の様々な造園用資材も販売しているので ここだけで
 間に合ってしまうのだ 切花も鉢花も同じなのだろうと思う
 大市場とは言っても 会社の経営自体は大変のようだ この市場もこの地に移転して4年目だが
 土地取得も合わせ40億円の費用がかかったとされる 金利も含め借入金の返済も半端では
 ないのは明らかだ
 花も植木も需要は低迷している 取扱量は伸びても販売額は逆に落ちている現状である
 この市場に限らず 花植木市場はどこも同じような状況がある 市場同士の合併も盛んだ

 

9/18(日)晴れ

 積込み 草取り他
 直射日光はまだきつい 風が弱いものだから忙しなく動いていると汗が滲み出る
 毎年の事ながら この月はシンドイ思いをする
 朝のうちに斑入り青木を20本堀上げてお客さんのところへ運ぶ その後 市場出荷の
 積込み作業をする 午後の一服の後 ポット苗木の草取り またまた草が生えてしまった
 放置すれば直に大きくなって手がつけられなくなる 除草剤は使えないから手で取るしかない
 小さなポット苗をひとつずつひとつずつ取ってゆく 中々捗らない 千手観音がつくづく羨ましい
   私は「ず」と「づ」の使い分けが出来ない 「続く」は「つづく」と打って変換するのだが
   PCを買った時は 「つずく」と打って出なかったので ワープロソフトに文句をいいながら
   「つずく」を辞書登録したことがあった 今これを書いていて「ひとつずつ」は「ひとつづつ」
   なのか 「つくづく」なのか 「つくずく」なのかわからない 「つくずく」悩んでいる(アホ^^)

 

9/17(土)はれセイヨウニンジンボク

 AM イチゴノキ出荷準備 PM 水掛
 今日も晴れた ラジオでは爽やかな秋晴れ・・ などと話しているが
 屋外で働く身には未だ気温は高過ぎる
 午前中はイチゴノキの出荷準備をする 昨日の午後になって
 注文を受けたもので慌ただしい 運送業者が集荷に来るので
 待ったなしだ この集荷の時間帯がまた不規則で 午前中に
 来る時もあれば午後の時もある 従って早い時間に合わせる
 ように荷造りをする事となる
 10時過ぎに作業は終了する その後コニファーを掘りに畑に
 出る エレガンテシマとブルーヘブンを十数本堀上げて
 そのままお客さんのお宅に届けに行った
 午後からは昨日に続いての水掛作業だ 真夏ならば砂が焼けていて
 掛けた水が弾かれてしまうのだが 今は割合すんなりと沁み込んで行く
 水量も少なくて済むし時間も節約できる
 しかし このまま雨が降らなければ 来週の市場出荷の植木掘りは前もって水を掛けてから
 掘らなければならないかもしれない 乾いている状態で掘り上げると植木が傷み易いから
 である 余分な手間隙がかかる事となるが 乾燥した土は掘り難いので こうした方が
 掘り取りの作業性は上がる事になる
 今日の写真はセイヨウニンジンボクです 7月からずっと咲き続けています
 クマツヅラ科の落葉低木 最近になって人気が出てきたようです

 

9/16(金)晴れ

 水掛
 すっきりと晴れ上がった これはもう秋空なのか 湿度が低いのか暑さは感じなかった
 もっとも 今日は植木掘りではなく水掛をしたので感覚としては掴み難い
 台風騒動の後は雨が降っていない 完全な晴れベースになってしまった
 週間予報を見ても この先一週間は傘マークは出ていない
 圃場はからから状態のところが少なくない 秋芽が伸びている樹種も多いので ここで水分が
 不足すると成長も止まってしまう それらの木にも水を掛けたいが 圃場全てに水を掛けるのは
 困難だ 移植してまだ本格的に根が張り出していないものや根回しした植木だけを掛けるのが
 やっとである
 「泣いて馬謖を斬る」の言葉がある 居た堪れない程の情景が浮かぶが 水を欲している植木を
 見ても同じ思いを抱くに変わりはない 植物は声を上げないから余計に始末に悪いのだ
 喉が乾いたー 暑くて死にそーだ・・などとわめくならば バカヤローもう少し我慢しろ などと
 発破をかけたり出来るのだが ただ無言でじっと耐えていられたのではこっちも忍びない
 それでも今は真夏ではないので植物も凌ぎ易いはずだ こちらも差し迫ったものは感じない
 夕方になると気温も急激に下がって 季節は本格的な秋へぐっと傾斜しようとしている

 

9/15(木)曇り

 小物植木掘り
 今日は仕事がやり易かった 曇り空で北東の涼しい風も強めに吹いて快適だ 力仕事でも
 何の苦労もない 汗も出ないし疲れも少ない 炎天下からクーラーの効いた部屋に入ったようだ
 こんな気候になれば体調も回復してばりばり仕事が出来る 意欲も湧いて元気が出る
 エレガンテシマ イチゴノキ 炉開き モクセイ 黄金ラカンマキを堀上げる
 畑が乾いて植木が掘り難い 雨は暫く期待出来そうもない 明日は水を掛けずばなるまいか
 昨日の市況 コニファーのエレガンテシマが春の高値を維持している 生産量が少なくなって
 いるのだろう エメラルドグリーンも昨年よりはずっと良い これはまだ出荷量が少ない関係で
 そうなっているのかもしれない もう1、2回様子を見ないと何とも言えない
 ヒイラギ類では五色ヒイラギ(マダムブライト)が高い サニーフォレストはやや安値 この種類は
 有望種として生産も殖やしているので少し心配なところ まだ一般に馴染みがないので紆余曲折は
 仕方のないところだが 斑入りヒイラギ(ヌマヒイラギ)は少し安い クリスマスホーリーはそこそこ
 モクセイ ヒイラギナンテンは予想通り安かった 予想以上に高かったのは秋咲きツバキの
 炉開き で予想値より5割ほど高い イチゴノキ ヒメマサキはまずまず 枝物の赤松と黒松は
 想像通りの安値だった 全体としてまずまずの相場展開だった 先週と同じような状況だったが
 来週からは出荷量もぐんと増えて本格的な秋の植木取引のシーズンとなる 値段も大きく動いて
 くることが予想される

 

9/14(水)晴れ

 小物植木掘り
 エメラルド オオミゴロモ クリスマスホーリー他を掘りあげる
 頭の調子がおかしい(えっ! 生まれつきだろうって?) それもありだがそうではない 今になって
 熱中症でもなし やはり睡眠不足かな(働き過ぎだって?) それもありだが どうも夜更かしが
 過ぎるようだ 時々は早く寝るのだが体内時計の働きで いつもの時間にならないと眠りに落ちない
 体質的に7〜8時間寝ないと頭がぼんやりとするタイプ 睡眠さえしっかり足りていれば俺の場合
 少々の無理は何でもない よし今日から早寝励行だ
 インターネットを始めてから睡眠時間が極端に減った テレビは見なくなったが 本も読めなく
 なってしまった 昼は仕事一筋 夜は夜でヤボ用もある 一日が26時間であって欲しい
 畑も乾いてきたし 骨休めのためにも ここらでひと雨降ってもらいたい 今日の暑さも尋常では
 なかったから頭も変になる それにしてもよくもっているなこの身体 忙しくしているからこそ
 気の張りもあって続いているのかも 疲労感以外はとりたてて問題はない 酷使している割には
 大きな故障のない身体に感謝の他ない(この日誌の更新が途絶えたら ああこいつもとうとう
 だめになったかと思って下さい^^)
 今は毎日仕事で頑張っている私だが 昔は遊び人だった
 旅行にもよく行ったものだ 九州には3回 北海道だって2回行っている 海外旅行にも10回は
 行っていると思う これは成田空港まで30分の距離だから 国内旅行するのに東京まで2時間
 近くかけて出て 飛行機や新幹線に乗るよりずっと効率的だからである 海外の方が費用も安い
 20代の頃はホントによく遊びに出かけた 30代は悪いアソビもした
 今そのつけがまわって仕事に追われる日々を送っていると言う訳 因果応報 悪因悪果である
 家を離れられない事情もあるが 特段旅行がしたいとも思わない 遊びに行きたいとも思わない
 特別欲しい物とてなし お金もそんなに欲しいとも思はない(少し欲しい^^)それでも幸せなアタシ

 

9/13(火)晴れ

 小物植木掘り
 暑い 真夏のような力強い太陽ではないのだが 暑い ぼろぼろ汗を流す終日だった
 植木を堀上げるには根気がいる ただスコップを土に突き刺せばよいと言うものではない
 根巻きをしなければならないので根鉢を崩さないように堀上げねばならない
 用心して時々剪定鋏で太目の根を切りながらスコップで掘り進める 根は幹の周囲の八方に
 平均して伸びているわけではない 何れかの方向に不均衡に伸びているものも少なくない
 根が多い方を大きく あまりない方を小さくして根鉢の形を決める 結果として根鉢の形が
 歪(いびつ)になることもある 幹を中心とした丸い根鉢が理想だが 一本一本の木に個性が
 あるのでそうもいかない 根がどちらの方向にどれ位の割合で走っているかを見極めるのが
 プロの仕事でもある 樹種によって掘り難い木があり 場所によって掘り難い木もある
 工業製品とは異なるややこしさが自然の特徴だ
 神経を使うと言うほどではないが 植木を掘るには根気と忍耐と少しばかりの技術が必要だ
 仕事と言うのは何でも同じだろうが それにしてもこの暑さでは体力と精神の激しい消耗戦が
 展開される事となる
 真夏のうちは昼休みも充分取るのだが 日脚が短くなった今は人並みに1時まで休んでは
 いられない 昼食が終わると 1時までの間に何かの仕事をする 私の場合は10分時間が
 あれば何かしらすることである 細々としたものではあるが大事な作業をいつも積み残して
 メインの作業を優先しているので ちょっとした隙間の時間でもおろそかに出来ないのだ
 一日中目一杯の時間を使う 神経も休まる時がなさそうだが ストレスとしてはあまりない
 基本的には自分で自分を忙しくしているだけなのだから^^  何でそんなに働くか?
 理由その1 仕事が好きだから 理由その2 お金がないからやるしかない 理由その3
 貧乏性で働いていないと不安である 理由その4 遊んでいると誰かに睨まれているようで
 恐いから 理由その5 植木が畑で俺を待っているから ・・・ 

 

9/12(月)晴れ

 植木市場へ行く
 今日も暑かった 朝早くに家を出てくるものだから 眠いし疲れるし・・・
 家に帰って夕方4時半まで寝てしまった

 

9/11(日)晴れ後夕立

 小物植木掘り 積込み
 仕事に出る前に朝一番で衆議院選挙の投票に行った いつも投票にはこの時間に行くのだが
 いつもより人出?が多いようであった(投票率が上がるのかな)
 午前中はコニファーのエメラルドグリーンや斑入りアオキのサルフレアとピクチュラータを掘る
 少し動くと汗が止め処なく流れる感じで 全身濡れネズミとなった 早く涼しくなって欲しいものだ
 午後からは植木の積込みをする
 3時半頃より北の空に真っ黒な雲が出て 次第にこちらに近づいてきた
 積込み作業が終了した直後の4時過ぎに雷雨となって 一時激しく降った

 

9/10(土)曇り後晴れ

 植木掘り 法事
 朝方は曇っていたが風がなく 植木を掘っていると汗が止まらない
 近所の植木屋さんに頼まれていたコニファー(エレガンテシマ ブルーヘブン)を掘りあげる
 10時過ぎに終了して帰宅する 11時に部落内のお宅の法事でお寺に行く
 このお寺の境内に樹齢600年と推定される梛(ナギ)の木がある 高さ10,5m 目通り径
 3,7mもある 大分傷んでいて 中は空洞が広がっている それでもまだ元気である
 
               ナギ
 
 梛は槙の木と同じ科で お寺や神社によく植えられていると言う この木は町指定の天然記念物で
 植木組合が防風ネットを張ったり傷口を療養したり枝に支柱を施したりの延命処置をした事もある
 別名「弁慶のちからシバ」と言ったりもするらしい これは葉がとても丈夫で両手で引っ張っても
 切れないほどの強さがある事から来ている 子供の時はこれで遊んだものだ
 宴会場で食事をして午後3時前には帰宅する ビールを飲んじまったもので夕方まで寝てしまった

 

9/9(金)曇りクリスマスホーリー

 植木掘り
 雨が降るかなと思わせるほどのどんより空が広がった
 風も北東で気温も低目だった
 昨日とは比べものにならないほど仕事がやり易い
 午前中は赤松と黒松を各1本掘り上げる
 この赤松を昨日の問屋さんに再び配達する
 今日のは高さが2mくらいの小さな木だが幹模様が素晴らしい
 昨日のも良く曲がった幹で枝振りも良かった
 不景気の今は植木が安値の時代である
 出来るなら これらの木は売らないで取って置きたい
 良い木なら在庫しておいても いつかは良い買い手がついて
 高値での販売が見込めるからだ それでも 長年の付合いの問屋さんに見込まれれば
 否とも言えない 
 「相場で別れろ」の格言がある お客さんとの価格の交渉の事なのだが 自分が売りたくないと
 思っている植木でも お客さんが買いたいと言えば 商売である以上売らないとは言えない
 そんな時は 価格をうんと高く提示してお客さんの諦めを誘うのだ
 物価がどんどん上昇していた時代の話である ただ置いておけば値上がりしたものだ
 今の時代では そんなに高い値段を言えば笑われる 「時価」としての売買とならざるを得ない
 このような時代だから 悪い物を早く処分して 良品だけを残したいのだが・・・辛いとこだなあ
 午後から小物植木を掘る マダムブライト サニーフォレスト イチゴノキ
 今日の写真はクリスマスホーリー(チャイニーズホーリー) 真赤になるのは11月中旬から

  

9/8(木)晴れ

 植木掘り
 厳しい残暑の一日だった 朝仕事に出る前に寒暖計(懐かしい言葉 今は温度計?)を見たら
 既に30度になっていた 先が思いやられた
 午前中はクリスマスホーリー 黄金イボタ サニーフォレストなどの小物植木を掘る
 日差しが強力なので時々木陰に入る 冷たいお茶などを口に運ぶ
 真夏のボッとした暑さではないが非情な照付けのように思える ただ風はもう秋のもので
 日陰にくつろげば天国に近いと思えるほどだ
 午後から赤松の枝物を2本堀上げた 夕方6時過ぎになってから このうちの1本を問屋さんの
 お宅まで配達する 日が駆足で短くなって もうこの時間で車のライトを点灯する
 問屋さんの集積場へ行ったら そこの息子さんが待っていてくれた 今日中に届ける約束に
 なっていたので心配していたようだ 暗い中 荷降ろしを手伝ってくれた
 田舎でも夕方は家路に急ぐ車が多くなる 少し慌ただし気なこの時間が何故か私は好きだ
 仕事が終わって 後は家に帰るだけと言う解放感もあるのかも知れない
 車の流れに乗り 対向車とすれちがい 街を行き交う人も 道端の家々の人々も それぞれの
 生活が垣間見えて 自分もその中の一人である事に安堵するとともに妙な高揚感さえ湧く
 人それぞれに生活があって ドラマにならぬドラマがあって毎日を生きている いろいろあっても
 帰る家があると言うのは幸せなことだと思える うう 少し感傷的になってしまった

 

9/7(水)晴れ後曇り

 小物植木掘り
 九州に上陸した台風は その後日本海を進んで北海道の方向へ進んでいる
 こちら千葉は台風に一番遠く離れていて 朝から晴れた 風も普段の日より幾分強いが
 台風を意識するほどのことはなかった ただやはり蒸暑い
 次の市場出荷に向けて植木を掘る モクセイ 姫マサキ フイリヒイラギ 他
 これから先 秋の植木流通時期に入る 植木問屋さんのストック場にも堀上げた植木が
 並び出した この地域は植木の産地であり それの流通を業とする問屋さんも多い
 これらは主に公共緑化樹木や民間の規模の大きい植栽向けの樹木を扱う
 生産者もそれらの用途に合った樹木を生産する人と 私のところのように個人庭園向けの
 植木を生産する者とに分かれる 同じように造園業者も公共的な植栽がメインのところと
 個人庭の庭造りが中心業務のところに分かれる
 植木市場での買い手は この個人庭を作っている造園屋さんとそれらの樹木を仕入れて
 やはり造園屋さん向けに販売している流通業者が半々くらいである しかしそれらは
 きれいに二分している訳ではなく 相互に補完したり干渉し合っている
 植木生産者もそれは同じで緑化樹と庭木を両方作っている人も少なくない
 つまり 一口に植木屋と言っても本当に様々だ 最近は植木生産者も花市場向けの園芸用の
 鉢物植木を作っている者も増えてきた 公共緑化工事の減少や個人邸の本格的な造園が
 なくなってきて それらの用途の植木の需要も少なくなったのが要因として大きい
 園芸用の花や観葉植物を栽培してきた生産者もそれは同じで コニファーや花木を取り入れて
 いるところも多い こうなると植木栽培業者との競合する部分も出てくる 少ないパイをめぐって
 市場の争奪戦となる なかなか厳しい 植木生産者も何を作ったら良いのかと いつも思案の
 深みの中から抜け出せないでいる

 

9/6(火)曇り時々雨

 植木市場へ行く
 秋季の出荷の開始である
 市場に着く少し前から 雨が降り出してしまった 秋一番から雨合羽のお世話になるなんて
 何だか情けない 気持ちの良い気候であって欲しいものだ
 合羽を着るのが何でこんなに抵抗感があるのだろうと ふと思う 少し動き難いだけで 雨に
 濡れないで済むのだから逆に快適ではないのか
 まあ それは「理屈」であって現実の状況を表してはいない
 仕事がやり難いとか疲れるとかは確かにあるが 肉体的な不自由より精神的に労働意欲が
 低下するのが本当の理由であろうか (動物が)雨の日に合羽を着て仕事するなんて本来は
 不自然な事なのだろう
 お陰で 雨には濡れないで済んだが 身体が蒸れて内側から汗で完全にずぶ濡れになって
 しまった 替着を持ってくるのを忘れてしまった 近くに衣料品の店はないかと車で街まで
 行く事になった 10分もいかないところに商店街がある コ○カ も ワー○マン もある
 ところが それらは10時にならないと開店しない 今は9時半だ 30分も待っていられない
 もう一度市場に戻っての作業が残っている
 作業シャツが売っていそうなお店を何軒か回っているうちにケー○ーD2があり 既に開いて
 いるではないか やったー とばかりに上半身裸のままで飛び込んだ レジのおばさん??!
 訳を話すと快く対応してくれた 980円の作業シャツを買った 2ヶ所のレジのおばさんが
 にこやかに ありがとう ありがとう と口々に言ってくれた その場でシャツを着て店を出た

 

9/5(月)曇り後雨

 台風14号の遠い影響で天候は確実に悪化の方向に流れている
 こんどのは強くて大型のようだ 九州を直撃する様相が濃い 九州は植木の一大産地だから
 その被害が心配される 鹿児島 宮崎 熊本 福岡 それぞれに産地を形成している
 それらから関東地方へも大量の植木が運び込まれる 大径木から潅木まで様々な種類の
 植木が生産されている 品質も良い 更には千葉県で生産される植木と競合する樹種もあるが
 価格の面でも九州産に軍配が上がる 遠隔地であるための運送経費のハンデを差し引いても
 そうだから かの地の植木生産者が如何に優秀であるかが分かる
 台風被害のニュースには植木畑のことなどの報告はまずないから 一般の方々が関心を寄せる
 ことはない しかし必ずと言っていいほど被害は出る 大変な事態なのだ
 例えば ただ単に台風が来たら一般の会社で働くサラリーマンも給料が下がるとしたらどうだろう
 実際そういう事なのだ 自然災害なので被害の保証もなければ憤懣のやり場もない
 植木栽培者は唯々被害の小さからんことを祈るのみとなる
 今日は午前中に市場出荷の植木をトラックに積込んだ 午後からは断続的な雨となって
 ハウスの中で雑仕事 4時頃になってからハウス内消毒  使用薬剤 カルホス ベルクート

 

9/4(日)曇り一時雨

 イチゴノキの出荷準備
 曇り空ながら蒸暑い ハウスの中へ入ったり出たりと忙しいから汗も出る 昨日ほどでは
 ないが喉の乾きは相当のもの
 ハウスの中から8号と7号のイチゴノキを選び出して作業小屋へ運ぶ そこで枯れ葉を取ったり
 枝振りを調整したり名刺ラベルを付けたりする 両手に1本づつ下げて そこの往復がけっこう
 大変だったりする プラ鉢物なので重いことはないが 選び出すのも一苦労なのだ
 午後2時過ぎまでかかって100本を仕上げた これらはどうやら九州まで行くらしい
 鉢物の出荷準備が終わって後は昨日掘り上げた松の手入れをした これからの時季は枯葉の
 除去に時間がかかることになる 松はほんとに手が掛かる それでも手を掛ければ掛ける程に
 マツは美しくなる 直立した細い緑の葉の一枝一枝が奏でるハーモニーは曲がりくねった幹を
 主旋律に複雑に干渉し合って全体の姿としてシンフォニーが完成する 時に幹は荒々しく
 繊細な葉は常に柔らかく 固く尖った芽は真天を向く 凛とした気高さは松なればこその風情だ

 

9/3(土)晴れ

 市場出荷の植木掘り
 朝から風がなくて じっとりとした暑さ 少し動くと大量の汗が出る 汗で全身びしょ濡れ状態に
 なってしまった 植木を少し掘っては木陰に入って水分を補給する 体力の消耗が激しい
 毎年この時期はこうなることが多い 夏の名残りの太陽が恨めしい 夏はやはり若者たちの
 季節として相応しい 老いらくの身にはジンとこたえます(おっと まだ35でした^^)
 午前中は小物植木掘り ヒイラギ類3種類と そのヒイラギとは全く違う種類のヒイラギナンテンを
 掘り上げた(ヒラギナンテンを知らない人には何の事だか分からない)
 先日の雨で畑は最良の湿り加減だったが 今日あたりはもう土が固めになっていた 晴れが
 4〜5日続くとこうなってしまう まだ乾いた状況ではないが ここらでひと雨欲しいところ
 午後からはアカマツとクロマツを各1本掘り上げる バックホーで360度周囲を掘れる木を
 選んだ この暑さなので スコップで掘る事を極力少なくしたいための方策だ
 それでも枝物掘りの方が小物掘りよりはずっと楽だ 土を掘り上げるのも植木を車に積込むのも
 重労働はみんな機械がやってくれるので人間は細かい作業の担当となる もっとも人間が
 機械を使っているのか 機械に人間が使われているのかよくよく考えないといけない
 人間はとんでもないアホなことを何の疑いもなく平気でやっている時がある 周囲と同じ事を
 していると妙に安心感があって居心地が良い 何の疑念も反省も湧かなくなってくる
 皆と同じ事をしていてもダメ まったく反対の事をしてもダメ その中間をやれば良いとも
 言えない どうすれば良いか分からない 分からないから流れに任す 流れに身を委ねれば
 ふわふわと夢見心地 夢から醒めるのが少し恐い

 

9/2(金)晴れ

 休み
 今日は家の行事があって仕事はお休み 夕方鉢物に水を掛けただけで終わった
 親戚関係二十数人が集まった
 こんな中でも この私が一番年少なのだから恐れ入る 田舎の縁故関係の付き合いも
 形骸化が著しい もっとも そこの家に年寄りが居れば それを中心とした親戚付合いが
 比重として大きいからそうなって当然なのだが
 今日は下に写真を載せます 斑入りの常緑低木なのですが 名前が分かりません
 4〜5年前 結婚式の披露宴に出席した時に テーブルの活け花にあった枝を2本持ち帰り
 挿し木したものです 葉の大きさはツツジくらい 見かけよりは寒さに強いようです
 葉が少しよれています 枝は黒いです どなたかご存知でしたら教えて下さい

 

 

9/1(木)晴れ

 AM 雑用 PM 植木掘り
 晴れて残暑が厳しい 風が弱いのが辛い
 午前中は10時半に散髪屋さんを予約してあったので それまでの間に挿し木をした
 プリペット他数種類を少量づつ挿した 秋芽が伸びている種類が多い その若葉を狙って
 ハマキムシが付き出した 消毒もしなければと思う 前回の消毒は8月1日だったから
 ちょうど一ヶ月が経ったことになる マツケムシも付く頃だ
 仕事の都合と天候の具合を見計らっていると消毒作業に適した日は少ないものだ
 台風14号も気掛かりだ 沖縄の方向に進んでいるが ぐっと向きを変えるかも知れない
 そうこうしている間も害虫は大事な新芽を食べ続けている 気が気ではない
 午後からは斑入りの青木とイチゴノキを掘り上げる

 

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