作業日誌  2005_3-4                                         トップにもどる

作業日誌 過去ログ


2005(H17)

4/30(土)晴れ

 苗木圃場作り
 今年の気候は何だろうと思わせる 昨日あれだけ暑かった陽気が 今日は一転して
 爽やかな終日であった 涼しい風も吹いて湿度も低く 絵に描いたような春の仕事日和である
 (行楽日和と言わないところがいい^^) こんな日の畑での作業は気分もいい 行楽も良いが
 それはそれ ひとはひとである 
 昨日に続いて第4圃場での作業となった コニファー等を移植して新地を広げる 結構な面積を
 確保できたので これでほぼ春の苗木の植え付けは見通しがついた
 午後から急にイチゴノキとサザンカのオオミゴロモの注文が入って対応する 何れも十数本程の
 量なので簡単に済んだ 小口の注文は毎日のようにあるのだが まとまったものは久しくない
 ここらでドカンと大物の1,2本も売れればと首を長くして待っているのだが海路の便り今だなし
 夕方お客さんが植木を取りに来て立ち話 お茶は出さない 鉢物に水を掛けねば・・・
 それでも話し好きのこのお客さんは中々帰ろうとはしない こっちも調子に乗って話しを合わせ
 ていると時間ばかり過ぎる 早く帰れとも言えず(^^)困ったものだ
 それでも ひととの会話と言うのは情報がいろいろ詰まっていて役に立つ 今この業界はあまり
 良い話しはないのだが それでもひとそれぞれに頑張っている様子が窺い知れる

 

4/29(金)晴れ

 苗木圃場作り
 これはもう夏の暑さ 木陰に入らねば一服もままならない
 今年になって初めてお茶以外の飲み物を発泡スチロール箱に簡易保冷剤と共に詰めた
 作業途中に喉を潤すためのもので 10時と3時のお茶だけではとてももたない
 第4圃場に苗木を植えるための圃場を作る とびとびに残っている植木を他の場所に
 移植したり 出荷用に根巻きしたりして 苗木を定植するための場所を確保する
 モチノキは若い葉を沢山広げている この暑気の中 掘り上げられて強い日差しに晒されると
 若葉はたちまちぐったりと萎れてくる 昼時に家に帰るとすぐに水をたっぷり掛ける すると
 1時間もしないうちに葉はしゃっきりと立ち上がる
 赤土が4tダンプで2台入った これを整地した上に均等に敷き詰める 植木を掘れば
 その分 どうしても畑は低くなる それを補整するためと 土を若返らせる意味合いをこめて
 新しい土を入れ込むのである この辺は砂土だが 赤土を混ぜ込む事によって水持ちを
 良くする効用もあるし 掘り上げた植木の根鉢も軽くなるといった長所にもなる
 赤土を敷いた上に 今度は牛糞堆肥を薄く撒いてゆく こうして下地を作ってからバックホー
 で天地返しをかける こうすると砂土と赤土と堆肥がうまく混ざり込むことになる
 この後は先日も書いたように耕転した場所をバックホーで踏み固めて 更に管理機で
 ロータリー掛けをする これで一丁上がりと言う事になる
 この強い照りで 昼休みも夕方も鉢物の水掛で忙しい 植替えたばかりの苗は水を切らす
 訳にはいかない こう陽気がよくなってくると 畑の除草も植木の消毒も日程的に迫ってくる
 出荷が一段落しても仕事が切れる事はない 生き物扱いは手抜きができない
 世の中は連休に入ったようだ そう言えば 隣のご主人が今日は家にいたから 何だと
 思ったものだった 曜日や祝日の感覚が薄いものだから世間の動向には疎くなる
 人によっては10連休もありだとか 私には考えられない数字である こちらにもたまには
 連休もあるのだが それがいつかはお天気次第となる 三日続きの雨というのも時には
 ある でもそれはうんざりである 天気が良いのに休んでいると 今度は勿体なくて
 そわそわ落ち着かず微かな罪悪感まで湧いて・・・これはもう完全な仕事中毒の症状か?

 

4/28(木)晴れ

 苗木植え
 よく晴れたが暑いほどの気温 方々で30℃を越えたと言う 西の風が強い 春の強風は
 嫌なものである 
 第1圃場にポット苗木を定植する ヒイラギ類(斑入りチャイニーズホーリー マダムブライト
 サニーフォレスト) スカイペンシル他

 

4/27(水)晴れ

 苗木植え他
 昨日あれだけ荒れた天候が嘘のような穏やかな春日和となった
 第2圃場で昨日に続き苗木を定植する作業をした サザンカ フイリヒイラギ他を
 植えつけた 昨日の雨で土は十分湿っているので苗木植えには最適な状態である
 それにしても 今年は雨が定期的に降ってくれるので有難い 春先から平均的に
 週に一回のペースで降っているので 移植したり根回しした植木の水掛が省けて
 とても助かっている

 

4/26(火)雨後曇り後雨

 苗木植え他
 今日は散々な天気になってしまった 昨夜からの雨が続いて 朝の内は小雨がまだ
 残ってしまい 畑には出られず 午前中は挿し木苗のポット移植を行なった
 ハウスの中で箱挿しの苗のほとんどが新芽を伸ばし始めてしまった こうなると移植後の
 ケアが面倒になる 暫くは半日陰の場所で水の管理をしっかりやらなければならない
 ハウスの中がベストだが 場所的に余裕がない
 まだ沢山の苗木が移植を待っているので 先が思いやられる 畑に植えてしまおうかとも
 考えるが 小さい苗木は雑草の恰好の餌食である それに畑では水を思うように掛けて
 やれない 今までに何度も失敗してきた事である 植えるときはしっかりした管理を
 心がけるつもりでも いざその時となれば思うに任せない状況になるのは必至である
 午後からは第2圃場への苗木の定植作業 クリスマスホーリー ツバキ他の苗木を
 植えつける 
 午後4時過ぎになって 急速に黒い雲が襲来して 土砂降り状態となってしまった
 一時は強風も伴って大嵐となった 着衣も大分濡れてしまったので急いで帰宅して
 風呂を浴びたのでした

 

4/25(月)曇り後雨後晴れ

 第1圃場 苗木定植圃場作り他アメリカ白花万作
 朝一番で いちごの木の出荷準備をする 5ケースほどである
 その後 バックホーと運搬車をトラックに積んで第1圃場に行き
 苗木を植えるための圃場作りをする 運搬車で堆肥を運び
 スコップで薄く撒き散らす それをバックホーで耕転してゆく
 更に 耕転した後をバックホーを走らせて軽く踏みつける
 これは 耕転で柔らかくなり過ぎた土を少し締めるための
 作業である これをやらないと 柔らか過ぎる土では植木の
 根が走ってしまって(伸び過ぎる)早く荒れてしまう結果と
 なってしまう 他の農作物であれば何も問題はないのだが
 根を掘り取らなければならない宿命の植木と言う特殊な作物
 では重要な工程なのだ
 この後 仕上げとして管理機を使ってロータリー耕転をする
 これで苗木を定植する畑の完成となった
 天候が思わしくなく 11時過ぎにぽつぽつ降り始めた雨は次第にその数を増して
 本降りの様相を呈し始めた 機械類を畑に放置したまま急いで帰宅する羽目になった
 雨は一時的で 午後からは好転する方向になって再び畑に出たが どうせならもう少し
 降って欲しいところであった バクッホーで耕転していても土が乾き気味である事が
 よく分かる 言葉どおりの邪魔雨であった
 今日の写真は アメリカ白花万作です 今年も満開の時期を迎えました
 清楚で可愛らしい花です 私の好きな花木のひとつです

 

4/24(日)晴れ

 親戚の庭の植え込み
 朝7時過ぎに家を出て1時間15分ほど車で走って親戚の家に行った 私のいとこが昨年に
 新築した家である 高台にあって南側が低地で田圃と畑が200m幅で広がり その先が
 再び小高くなっている森で農家などが点在する 低地の中央を左右に小川が流れる とても
 素敵なロケーションである しかも 駅まで1kmほどの近さである
 家の外観は薄茶色の和洋折衷建築である 敷地面積は100坪 約330uで 建物面積は
 1,2階合わせて40坪だそうだ 因みに 土地と建物を合わせての取得価格は3000万円で
 うん十年のローンだそうである 子供2人もまだ小さいからお父さんはも〜た〜いへん
 大型住宅団地の外れに位置するのだが 駅周辺は開発が進み大規模店舗が幾つも出来ていて
 環境も良いし利便性も申し分ない
 敷地がゆったりだから庭も広く取れている 大きめの木も植えられるのだが 肝心の○がない^^
 そんな訳で 今回は庭の南東部分のみの植栽である
 昨年の11月に頼まれていたのだが 植栽の適期を過ぎていたし 春先はこちらが忙しいしと
 言うことで今頃になってしまった
 シンボルツリーはハナミズキのピンクの花のものを使った 今が満開である 主木としては
 チャボヒバの自然玉作り風のものを植えた 洋風の家にも良く合う
 玄関へのアプローチ沿いにコニファーを多用した 玄関東側の日当たりにやや難がある場所に
 モチノキ モッコク カクレミノなどの和風的な種類を植えて見た ツツジが綺麗な時期なので
 根じめに多く使った その他 ザクロ モクセイ 梅花ウツギ キングサリなど花ものを何本も
 植えて明るい感じにした 南側のフェンス沿いにレッドロビンを100本以上植えた その他にも
 小物植木 潅木類 草物を使ってそれなりの庭風になった 細かいところは後でいとこが近くの
 園芸センターで自分の好みの植物や砂利や小石や添景物を買って仕上げる事になった
 予算の関係で今回は小さな木だけである ハナミズキもチャボヒバも2人で持ち運び出来る
 サイズである それでも1,5tのトラックにいっぱい積み込んだから結構な本数になる 垣根用の
 ラカンマキとモクセイを含めて100本近くになる(レッドロビンを除く)
 さて そろそろ結論であるが これだけの材料を持って行って2人で植込み作業をして予算は
 100000円である(涙)おいおい! 最初に聞いたときはびっくらこいた いくらやり様とは言え
 この金額で庭など出来やしない 俺に100万円も預けて見ろ 立派な庭を作って見せるからと
 言える相手ではない まだ若いし これからローンの返済がずっしりと肩に重くのしかかる
 いとこだから こちらも余りみすぼらしい植木を植えるわけにはいかないから 出血大々サービス
 である これだけのもの 他人の造園屋さんに頼んだら この予算の2倍3倍取られるだろうから
 いつかは仇を取ってやらねばと今は考えている 彼が出世するのはいつの事だろうか その時は
 沢山ご馳走になろう その日が楽しみである 特上のうな重がいいな 肝汁も付けてもらおう^^

 

4/23(土)晴れ

 サザンカの根回し 小物植木掘り他
 今日も天気が良い この時期の日差しは思いのほか強いので鉢物はよく乾く 水掛が
 大変なのだ 水曜日の雨は量が少なかったので 畑にとってはもう少し欲しかった
 第1圃場のサザンカの根回しをする サザンカも少し新芽が動き出した 木々はこれまで
 枝葉を伸ばす準備を着々と進めて来たから ここで根を切られる事は相当のダメージに
 相違ない 傷むかな 2、3月にやっておけば心配もない事ではあるが なかなかである
 春先は忙しすぎるから 今度から秋10、11月頃に根回ししてみよう
 午後から注文のコニファーとツバキを6本掘る その後 親戚の家に植込む小物植木を掘る
 モッコク モチノキ ヒイラギ他10種類を1〜2本づつ掘り 下草類も少し用意して 夕方に
 それらを積み込む 明日は植え込み仕事となった
 この作業日誌はいつも夜遅くになっての更新である 毎日ありきたりの事しか書けないでいる
 多くの人が見てくれているようで感謝の念と共に 申し訳ない気持ちが交錯する
 こんな毒にも薬にもならないものしか書けない自分が情けなくなってくるが これを見て下さる
 皆さんは何を期待して来てくれるのだろう
 自己満足のために始めたものだが そうも言ってられなくなってきた これが5人くらいの
 お客さんだったら気楽に好き放題やってればいいのだが ついつい見る側の人々を想像して
 何を書いたら良いのかと考えてしまう 考えたからと言って書けはしないのだが 自分自身
 嫌気が差してくることがる ネット上の公開という制約もあるし 知人も見ているし 匿名では
 あっても あまりズバリとは書き難い お休みしている雑記帳も気がかりだ
 この作業日誌をどんな形にするか 少しばかりの迷いもある 他のサイトを見ると 複数の
 書き物ページを有しているところでも 時間の経過と共にどちらかに偏る傾向が見られる
 ジャンル分けがはっきりしていないとどっちつかずに陥るは必至のようだ
 見て下さる皆さん 何を期待してますか? ん!期待などしていないから早く寝ろ・・ってか^^)

 

4/22(金)晴れ一時曇り

 第1圃場 小物植木の根回し
 このところ気温は低目 遅れていた移植や根回しには良いタイミングである
 この時期の気温差は激しい時が多々ある 冬に逆戻りかと思えば 初夏並みの陽気に
 なったりで戸惑う事しばしばである 今日は北東の風が強くて不快な思いをする
 フイリヒイラギ エメラルド イチゴノキの根回し作業をする フイリヒイラギはまだ根は
 荒れていない スコップを突き刺してもほとんど根を切る感触がないほどである
 イチゴノキは昨年の春に植えたものなので尚更である 
 根回しは植木を移植するための準備であったり 木を若返らせたり 枝葉をこじんまりと
 締める(詰める)目的で行なう 通常は根が荒れてきて木が繁り過ぎたりしてから行なうのが
 普通である しかしこれは木に強い負担をかける結果となる 商品でなければそれも良い
 木をつくるため 丈夫な木にするための「虐め」として有効だが 売り物である以上はなるべく
 傷まず順調に伸びてくれるに越した事はない 過保護で軟弱な木であってもすくすく伸びて
 いた方が元気に見えるから売り目もよい 顔が良い方がモテるのと同じ道理なのだ^^)
 <花も実も根があればこそ>と言う 本当は根の方が大事なのだが それとどお折り合いを
 つけるかが商売上のコスト感覚と植木屋としてのプライド意識のせめぎあいが常にある

 

4/21(木)晴れ

 第1圃場 フイリヒイラギの移植他
 良く晴れた 東の風が少し冷たい フイリヒイラギの間引き移植をする 0,8〜1,0Hの物で
 この春に大きい物を売った後の残り物である これをすぐ隣地のアザレアを処分した後に
 列植する アザレアは昨夏と今年の冬に傷んでしまって販売品には適せず廃棄する 約
 500本を掘り上げして積み上げて置いた ツツジ類は根ががっしりしているので 枯らすにも
 大変である そうとう長期間放置しないと枯れてくれない 時折の雨で命を繋いでしまう
 この地方は土質がツツジ類には基本的には合わない オオムラサキ系統の丈夫なものなら
 栽培できるが 種類物などは生育が極めて良くない このアザレアはポット栽培していた物で
 売れ残ったものを もったいないとの理由で地植えにしておいたものだが 結局はこの様な
 状況となってしまった マータイさんの「もったいない」も良く分かるのだが・・・^^
 ここのフイリヒイラギは根が良いので 移植してもほとんど傷みはないだろう 根を切られても
 伸びた若芽がしっかりと立っている
 ヤナギの挿し木苗を少し植えて 水をたっぷり掛けて今日の作業は終了する
 このヤナギは昨年の冬に挿し木した物で 2月に堀上げて活け込んであったものである
 ヤナギの種類は沢山挿し木したのだが 売行きが思わしくなく ほとんど廃棄処分の運命と
 なってしまった ヤナギ類は繁殖も容易で育ちが早く 売れてくれれば採算が良いのだが
 簡単に出来るものは価格も安い ときたま需給が逼迫すると高値もあるのだが

 

4/20(水)曇り後雨

 AM エメラルドの移植 PM 苗木のポット植え他
 雨が迫っているようだが 予報ではこの地方は午後からとの事なので畑に出る
 第1圃場のエメラルドを第4圃場に移植する 高さ0,6mほどのものを1本置きに間引く
 ここに植えてまる2年だから根は良い 根鉢はほとんど崩れない これなら今年中に
 ある程度は育ってくれるだろう 2年後の販売を見込む
 午後からも雨は降る気配は少ない しかし雨を予想して今朝 散髪屋さんを予約して
 いたので行かざるを得ない 近所のこの散髪屋さんは夜営業しないので困ったものだ
 天気の良い日におめかしになんぞ行ってられないから いつもボサボサ頭である
 この前は一月の末に行ったのを記憶している 髭を剃りながら少し眠った こんな時は
 一気に疲れが出る 昼寝は気持ちの良いものである事を再認識する
 散髪を終えて3時頃に畑に出た 頼まれていたツバキを掘り終わる頃にやっと雨が
 降りだした 4時を過ぎていた 家に帰って夕方まで挿し木苗のポット植え作業

 

4/19(火)晴れ

 斑入りヒイラギの根回し他
 午前中はドロンとした不快な温さで 湿気を伴った夏の気候のようだった
 午後からは南東の風も出て爽やかさが戻った
 第3圃場のフイリヒイラギの根回し作業をした この春に出荷していた物の残った物
 である 高さは0,6〜1,2くらいの大きさだ 新芽が出始めたので少し心配 思いっきり
 水を掛けた 嫌と言うほど これでもかと言うほど^^)
 昔から良い植木屋ほど水を多く使うと言うじゃありませんか
 好天が続いたので 畑はやや乾燥気味である 明日は午後に雨になる予報だが
 どうだろうか 週一で降ってくれると本当に有難い 期待したいところだ
 午後からモクセイとラカンマキの垣根用を計50本掘り上げた これは私のいとこが
 家を新築して その庭に植えるもの その他の庭木も何本か掘る

 

4/18(月)晴れ一時曇り

 アカマツ掘り サザンカ根回し紅花ニワウメ
 今日は気温が低目 昨日のような暖かい日を体感すると
 この気温が寒く感じてしまうが 平年より少し低い程度
 このくらいの方が仕事はやり易い 
 アカマツを掘り上げる作業から今日は始まった 自然系の
 模様木である 高さは5mほど 葉張り2mのひょろっとした
 感じで風情のある木である 一ヶ月前にお客さんの注文を
 受けていたが 出荷は今頃になってしまった
 マツはみどりが伸び始めてきた こうなると 本来は移植に
 適さない 出来るだけ寒い時期の方が確実である
 一般には 一年中いつの季節でも移植に耐えるのが
 「植木」としての定義だが 現実はそんなに根のしっかりした
 ものだけとは限らない やはり適期にそれぞれの管理作業をした方が自然の理に
 適っているのは言うまでもない事である
 10時までにアカマツの掘り取り作業は終わり その後 第2圃場のサザンカ(オオミゴロモ)の
 根回し作業をする これももう少し早い時期の作業がベストだが まだ芽は動いていないので
 ぎりぎりセーフと言ったところだ 秋の出荷を見込んだ作業のひとつである
 今日は友人の植木屋がマキの木を掘りに来た 昨日のM氏の話しを聞かせたら彼も
 喜んでいた 実はM氏は以前何度かゴルフを一緒にした人である 今の状況が状況で
 あるだけに 流石に誘って見る勇気は出なかった^^。
 右写真は 紅花のニワウメ。花後に実が付き食べられる。チャイナチェリーの紅花版と
 言ったところだが こちらは主に観賞の意味合いが強い

 

4/17(日)晴れ

 エメラルドの移植
 風弱く暖かな春日和 この地では既に田植えも始まっている それは年々早まっている
 日本の田圃の風景は美しい 何故か心が癒される景観でもある 稲作文化を継承してきた
 祖先の血が今も確実に受け継がれている証拠であろうか
 エメラルドの60cmほどの苗木を間引き移植する このエメラルドはこれからの季節 夏を
 通してずっと成長し続ける 今はちょうど良い間隔に収まっているが 秋までには隣どおしの
 枝が交わってしまう 日光が十分当らないとすぐに枯れ込んでしまう性質なので この時期に
 移植しておかなければならない 「この時期に」と書いたがもう 少し遅い
 午後から第4圃場にお客さんがモチノキの株立ちを掘りに来ていたので 3時のお茶を一緒に
 飲んだ このお客さんとは久し振りである 町内の植木屋さんなのだが 隣市からこの町の
 植木屋に婿入りしてきた人である 真面目な人なのだが 数年前 出来心で道を外してしまい
 家を追い出されてしまった恰好になった アパートで一人暮らしをして 知合いの造園会社で
 働いていたようだ それが 昨年の暮れ辺りに やっとお許しが出たのか再び自宅に帰ったと
 聞いてはいたのだが会った事はなかった そんな先日 ふらりと畑にやって来て人懐こい笑顔
 を振りまいた その事に触れた訳ではないが 懐かしい思いで話しが盛り上がった
 そして モチノキの株立ちを2本買ってくれたのであった
 一時は完全に縁も切れたと思っていたが 元の鞘に収まって まずは一安心であった^^
 そう言えば 以前よりどことなく落ち着きがあって安堵感も漂って幸福そうな良い顔をしていた

 

4/16(土)晴れ後曇り

 苗木植え他
 少し気温が下がった 北東の風がやや冷たい それでも力仕事だとカッターシャツ1枚で
 十分なのだが 少し休んでいると寒くなる この季節は寒暖の差が激しい
 今日の作業は 先日苗木屋さんから買ってきたエレガンテシマのポット苗木を定植した
 畝幅70cm株間60cmほどである 高さはそれほどなかったが がっしりした良い苗木で
 あったから直に伸びて行くだろうと思う 苗木を植えるというのは気分が良いものである
 黄金イボタの間引き移植もした 1,2mほどに育ってしまって 売り頃なのだが 何せ根が悪い
 この木は成長が極めて早いので その分 根が荒れることになる 初秋の出荷を見込んでの
 移植と根回しをかけた
 後は少し残っていたザクロを根回しする ザクロはもう真赤な芽を出し始めた この新芽が
 綺麗である 「紅一点」の言葉は この木に由来するそうだ

 

4/15(金)晴れ

 埼玉の植木市場に行く
 注文品の配達があったので 少し早いが来週のセリ市の出荷品も積んで 今日埼玉まで
 行ってきた 市場にはまだ前回出荷された植木が大分残っていた お客さんがまだ引き取りに
 来ていない植木である 
 今日は市場も閑散としている 出荷のために来ていた車は5〜6台である それと集荷の
 車が何台かといったところである 明日土曜日に出荷する人が多いので金曜の今日は
 広いスペースの場内が余計に広く感じる
 一方 花市場の方は今日がセリ日なので買参人の車でごったがえし 活況を呈している
 暖かい春の日和で ぼんやりと立っているだけでも汗を掻きそうな陽気だ 春の野は草が
 青々として鮮やかである レッドロビンの瑞々し真赤な新芽が伸びて鮮烈だ
 この前の日曜に満開だった桜はかなり散ってしまったが それでもまだまだ鑑賞に堪える位に
 残っていた 歩道には花びらの吹き溜まりも見える
 風にはらはら舞い落ちる花と 前の車が巻き上げる花びらで文字通りの花吹雪の様相だ
 桜に寄せる感傷は20代の頃の方が強かった様に思う 花を見て 若いのに この桜を
 後何回みられるだろうか などと思ったりしたものだった それが今は 花より団子とはなった

 

4/14(木)晴れ

 小物植木掘り他
 天候がしばらくぐずつき模様だったので 今日の好天は本当に気分が良い 青空の下の
 畑仕事は実に素晴らしいものである 気温が高かったので少し汗が出たが 真夏と違って
 湿度が低いので爽やか系の汗?である
 午前中に 注文を受けていたイチゴノキを掘り上げる作業をした 高さ3mほどのもの
 本掛け根巻きだが バックホーが使えず 手掘り作業である 根が良いから比較的簡単に
 掘る事が出来る 砂地はスコップがよく通るので根さえ良ければ植木掘りは楽である
 ただ重いのが難点である だからクレーンを使う 小さな木なので人間の手でも持ち上げ
 られるのだが横着をするのが昨今は当たり前になった その影響で力も弱くなった 植木屋も
 軟弱になったものである 
 午後から サルスベリ ロウヤ柿他の小物植木を掘りあげる
 夕方 ポット苗木屋さんに注文しておいたエレガンテシマの苗木を取りに行く
 今年はこのエレガンテシマの苗木がよく売れるのだそうだ 市場でも品不足が続いているので
 高値で取引されている 皆さん正直である^^)
 そう言う我家でも滅多に買わない苗木をこうして買うのだから 私も正直者ということになる^^)
 高さ40cmの苗が250円(税別)である これを畑に植えて3年後の販売となる

 

4/13(水)雨後曇り

 小物植木掘り他
 今朝も雨である 弱ってしまいます ポット用の土もなくなってしまって苗木植えも出来ない
 10時まで家の雑用などしていると 空が徐々に明るくなり始めて雨も止んできた
 お茶もそこそこに 今日の昼までの約束のコニファーを掘りに畑に出た 雨が止まなければ
 合羽を着て作業しなければならなかった
 このお客さんはいつも急な注文である(それも少量^^)。今日はブルーヘブンH1,5を10本で
 ある 昨夜になってTELで連絡があって 明日の昼までにとのこと 天気予報も思わしくないので
 嫌な予感がしたのだが 案の定 朝から雨 受けなければ良かったと 後悔先に立たず
 ついつい欲張ってしまう私には自業自得の言葉がよく似合う 「自業自得」を手元の辞書でひく
 (仏教で)すべての不結果は 以前に自分が行なった良くない行為の報いに基づくとする考え方
 と書いてあった 字面だけ見ると 自らの仕事を通じて自分を発見し成長すると読めなくもない
 もちろん「業」は現在の「仕事」の意味ではないから 再び「業」を辞書でひく (仏教で)現在の
 環境を決定し 未来の運命を定めるものとしての 善悪の行為(狭義では悪い行為を指す)と
 出てきた つまらないとこで横道にそれてしまった
 午後からは市場出荷用のコニファー他を掘り上げた 4時半を過ぎる頃より再びの雨で
 家に帰ってハウス内のイチゴノキの出荷準備をする

 

4/12(火)雨後曇り後雨

 AM 挿し木苗のポット植え PM 3時までコニファー掘り
 天候がぐずつき模様で困ってしまう 「降りみ降らずみ定めなき・・」今日の天気である
 金曜日までに間に合わせなければならない仕事があって気が気ではない 一週間後の予定が
 お客さんの都合で早まってしまって どうにもならない お客様は神様だから こちらとしても
 出来る限りの対応はしたいが この悪天候では流石に辛い まあ 明日何とかなるだろう
 午前中は降ったり止んだりで 畑に出られず 挿し木苗をポット上げする作業をした 白花万作
 とホーリー  午後から畑に出てエレガンテシマを40本ほど掘り上げたところで再び雨が
 降りだしてしまって 泣く泣く家に帰った 3時過ぎだった 天気予報はピタリと当ったが
 こんな時は当って欲しくない お茶をしてからハウス内の仕事を5時半」まで

 

4/11(月)雨

 朝八時前には雨が降り出してしまった 今日の雨は折込済みなので そして畑も乾いて
 きたので ちょうど良いタイミングではある そうは言っても休んでもいられない
 挿し木苗のポット移植を車庫の庇を使って作業する 今日は気温も低くて また冬に逆戻り
 してしまったような感じだった
 9時半頃お客さんが来てお茶になった あれこれ喋くって 気が付いたら11時である
 ろくな仕事も出来ずに午前中は終わってしまった それでも このお客さんは枝物を3本
 買っていってくれたから上客である(いずれも安物だが^^)
 昼休みにPCをかまっていたら もう1時半である それから馬力をかけてひと仕事
 3時の一服をしているところに 今度は同業者が寄り込んで来た また あれこれ話しを
 いているうちに4時になってしまった 早く帰れとも言えないし・・・(^^; こればかりは
 しょうがない もっとも こんな日は休みなのが普通であるから 相手も気がねなく話し込む
 のである まあ こっちも半分遊び仕事のようなものだから それでいいのである
 仕事をしたい気持ちと遊びたい気持ちと 半々なのであるこんな日は
 いい加減な気持ちもなければ馬鹿馬鹿しくてやってられない(ところもある)
 その後 5時半までで仕事は切り上げた 家の中は暖かい

 

4/10(日)曇り後晴れ

 埼玉の植木市場に行く
 市場は今回は少し出荷量が減ったような気がする 前回が大市との振れ込みだったので
 出荷のピークとなったのかもしれない そう言えば いつも見慣れた顔が今日は見えない
 出荷量が減ったと言っても それでもかなりの量が出ている 時期的にツツジも多くなった
 落葉樹も芽吹きが始まって 最後の追い込みに入った
 午前中は曇ったが気温は高かった 岐路のルート沿いは何処も桜が満開である
 花曇りの空は青空よりも風情があって良い 午後からは風が強まって ハラハラと道に
 舞い落ちる光景も寂寥の感ありでしみじみとしたものがある
 あらためて花見などに行ける環境でもなし こんな時が唯一の機会なのだ
 そんな不自由な状況の反映か 以前自宅周辺に桜の苗木を植えたことがあった
 居ながらにして花見が出来るように 自宅の庭とそれに隣接する畑の合計2000uほどの
 周囲に数十本のソメイヨシノを植えたのであった 苗木は順調に育ち 花の数も年々増加し
 10年を過ぎる頃には一人前の桜木として花を楽しませてくれるものになった
 しかし 木が大きく育つにつれ周囲に影を作ってしまったり 他の植木に触れたりし また
 建物の屋根に掛かったりと 何かと不都合が出てきてしまった 他所の人は花の時期になると
 褒めてくれたりもしたが 花の時期以外は何の取り得もない樹木である 結局 あの独特の
 風情を惜しみながらも伐採することになった
 <青々たる春の柳 御園に植うることなかれ> それと同じで 桜を庭に植えるなかれとは
 昔からの格言ではあった

 

4/9(土)晴れシャクナゲツツジ

 AM 積込み PM 根回し他
 晴れて気温も上がったようだが 湿度は低いらしく爽やかな
 陽気である 落葉樹も急激に芽を伸ばし始めた
 午前中は掘り上げてあった2本のアカマツに手入れをかけて
 市場出荷の積込み作業をする フイリウツギやフサスグリ等の
 ポット物を含めると 今回もかなりの本数になる ツバキの
 出荷が終わったので その分コニファーや白花まんさく等を
 多く出荷する事になる 花の咲く時期に合わせて順次花木の
 出荷の種類が変わってくる事になる訳だ
 午後からはお客さんに頼まれていたブルーヘブンを少量掘り
 その後 ニワザクラの根回し作業をする このニワザクラは
 既に花が咲き始めて 葉も出し始めた 成長が早い木なので
 1年で根が荒れてしまう 昨年春に苗木を植えたものなのに
 今年売れ残ったものを来春売るために もう根回しをかけなければならない
 暖かくなってくると 畑は雑草が目立つようになる 除草剤散布も視野に入れて
 春はやるべき作業が多すぎて気持ちまでもが忙しない
 ああ 暇が恋しい 一度 暇過ぎて退屈で退屈で死にそうになって見たいものだ
 暇でお金があったら何をしようと考えても それは自分には現実離れしていて
 何も思い浮かばない 私の場合 お金はそんなにいらないだろうと思う
 欲しい物もそんなにないし お小遣いの10億円もあれば十分である^^; 今手元に
 5億円はあるのだが・・・誰かあと5億円貸しておくれ ある時払いの何とかで(^^)
 右写真はシャクナゲツツジという物らしい 近年アメリカから来たものだそうで
 その名の通りシャクナゲとツツジを掛け合わせた物だと言う これは同業者から
 1本貰った物である 鮮やかな紫が目に沁みる 葉も薄紫だ 枝はやや疎ら

 

4/8(金)晴れ

 エメラルドの移植と根回し
 今日も暖かい 東京の桜は満開だそうだが 銚子では昨日やっと開花したとのニュース
 この辺は桜がほとんどない 海岸沿いだから桜は育ち難いのが理由である 家里の中に
 ぽろぽろとあるのだがほとんど目立たない だから今が何分咲きだかよく分からない
 毎日 家と畑との往復だけだから世の中の動きは視覚としてあまり入ってこない 残念〜!
 今日は第1圃場のエメラルドを移植する作業だった H1,0〜H1,2のもので苗木を定植して
 2年が経過したものである これを1本置きに間引いて移植する ちょうど半数を移植する事に
 なる 残した物はスコップを突き刺して根回しする これらは来年の春以降に販売の予定だが
 移植が少し遅れてしまったので 今年中の生育が心配である せいぜい3月の中旬くらいまで
 なら順調に育ってくれるのだが 暖かくなってからの移植にはコニファーは弱い
 この先も コニファーの移植根回しが待っている 早くてもまた一週間先になってしまうか
 こんなに急激に暖かくなってしまうのは予想外であった

 

4/7(木)曇り後晴れ

 マツの堀上げ他
 強風が吹き荒れた一日 南西の生ぬるい烈風が大量の塵を撒き散らして不快な終日だった
 全身埃まみれになって何とか夕方まで頑張った
 午前中は市場出荷の赤松の小さいのを2本掘りあげる その内の1本はバックホーが入れない
 場所だったので手掘りとなってしまった
 小さな植木でもバックホーで掘り慣れてしまうと いざ手掘りとなると億劫なものである
 バックホーがまだなかった時代はどんな大きな木でも人間がスコップで掘るのは当然であった
 一度楽を経験してしまうと人間というものは、それが普通であるとの認識を固定化させてしまう
 ものらしい 
 午後からは近所の植木問屋さんから注文を受けた黒松を1本掘り上げて配達した。この黒松は
 我家でも上等な部類に入る 高さ2,5m 葉張り4m 芝付き幹径0,8m 幹に細かい曲がりが
 入った盆栽を大きくした感じのマツである 5〜6年前からいろいろなお客さんから引き合いが
 あったのだが なかなか商談が成立しない縁遠い木だった
 最近のお客さんは安物は買ってくれなくなった 多少値が張っても良品を選ぶ 当然だと思う
 今の時代 わざわざ手の掛かるマツを植えようとする人が 直に飽きてしまうような平凡な安物を
 庭に植えるとは思えない そんな訳で 良い物から売れて行くから 畑は駄物ばかり多くなって
 良い物は本当に少なくなった
 昨日の市況 高値の物と安値の物との差が激しい コニファーは全体として良かったが
 大小の差によっての値段の開きが少なかった つまり、大きくても小さくても値段はあまり
 変わらないと言う事 一番の需要帯は1,2H〜1,5Hくらいで 1,8Hや2,0Hになると売れ筋からは
 外れてしまうことになる フェイジョア ロウヤ柿は高値 安かったのは黄金コデマリと斑入り
 ヒイラギなどであった 一才ニワザクラ(チャイナチェリー)や白花万作はまずまずと言ったと
 ころか 枝物は赤松 黒松とも最低限で こんなところかなと言った値段であった

 

4/6(水)晴れ

 小物植木掘り
 今日は昨日に増して気温が上がった 山梨の一部では30℃を越えた所があったそうだ
 私の住むこの地方は このような陽気の時は 関東各地に比して一番気温が低い
 これは銚子を突端にして 千葉県東部地方が太平洋に突き出したような恰好になって
 いる事に起因するようだ 海洋性気候と言うのだろうか 関東各地に比べて 夏は涼しく
 冬は暖かい ということになる(少しだけですけれど)
 そんな気候の土地柄で 海があり平野でだだっ広く自然災害も少なくのんびりした田舎だが
 都会の人は良いと思うかもしれないが 住んでいる私は唯々退屈なだけである
 若い頃は何度東京に出ようかと思った事か 都会の一人暮らしに憧れていました
 友人の多くは都会に行ってしまいましたから 一人田舎に残されたような気分でした
 ここから東京は近いですから いつでもすぐに行けるのですが 住むのと遊びに行くのでは
 似て否なるもの 刺激の乏しい田舎暮らしは血気盛んな若者には余りにも惨めに思えました
 夜中に急に思い立って 友人と車で東京に行った事がありました
 少し前 ローリング族と言うのが話題になりました 深夜若者が首都高速の環状線をレースの
 ように車を飛ばすのですが 何の事はない それよりずっと以前にやっていた事になります
 もっとも そんなに飛ばす訳ではなかったし 第一 トラックでした(歳がわかる^^)
 何の目的も何の意味もなく 唯首都高速を一周して来るだけというアホな事が出来るのも
 若かった事と時代というものなのでしょうか(今日はちょっと老人くさくなってしまいましたが
 明治生まれの私ですから当然老人なのですが・・・ってウソつけ^^)
 今日掘り上げた植木 コニファー フイリヒイラギ フェイジョア ロウヤ柿 ポートワイン他
 夕方 ハウス内の消毒 使用薬剤 カルホス乳剤 ベルクート水和剤 1000倍希釈液

 

4/5(火)晴れ

 コニファー他堀上げ
 今朝は久し振りに冷え込んだ 苗木を植え込んだポットの表面に霜柱が浮かんでいた
 畑のモクセイの新芽は大丈夫だったろうか 毎年の事である モクセイの芽は早い
 この新芽が出始めると 決まって遅霜が降りる そして伸び始めた芽を枯らしてしまう
 そんな朝の寒さも 時間の経過と共に解消し 気温はぐんぐん上昇した
 半月も先の陽気だそうで 少し汗も出た それでもまだ序の口で 桜の後は一気に初夏の陽気に
 なる事もあるから季節というのは油断ならない 
 それにしても春本番と言えども 今日は暖か過ぎたが 近所の植木屋さんのご主人が半袖の
 下着姿で仕事をしていたのには驚いた
 今日はコニファー類の堀上げ エレガンテシマ エメラルド ウエストモント グレイオール等と
 サルスベリのカントリーレッドを掘り上げた
 夕方 お客さんが来てアカマツの写真を撮って行った 昨日はクロマツのお客さんだった
 この他にも数軒の引き合いがあり 季節的に植木の動きはピークを向えつつある

 

4/4(月)雨後晴れ

 AM 休み PM 挿し木苗のポット移植
 昨夜からの雨が午前中いっぱい続いてしまいました 午前中は買物に出たりと いつものパターン
 このところ一週間に一度のペースで雨なのでタイムリーだ 畑が乾き始めた頃に降るのでとても
 助かっている これがなければ移植物や根回し物に水掛をしなければならないので それを思うと
 感謝の念まで湧いてくる 植物は水が命 私は水には敏感である こんなに水にこだわる私は
 異常なのだろうか 雨が続くときもある それでも砂土である当地は数日もすれば最良の状態に
 戻ってしまう だから根腐れの心配は皆無である 雨よふれふれ・・・ってオイオイ
 雨が降れば心置きなく休める 植物を育てる仕事は次から次へとやらなければいけない事が
 出てきて切がない 天気の良い日に休んではいられない だから雨が降らない限りほとんど
 休日はない 因果な商売である
 以前 山口百恵さんが 朝目覚めて雨が降っていると気持ちが安らぐというような事を言っていた
 その人となりが偲ばれる感性だが 私のは唯横着したいだけの理由なのだから没個性

 

4/3(日)晴れ

 植木市場に行く
 日曜日は車の交通量が少ないので走り易い 特に大型トラックはほとんど走っていないので
 運転も気が楽である 目的地までの所要時間は2時間40分ほどである 早朝の時間帯に
 走るのでこの時間で着く事ができるが 復路は交通量も増えて30分以上余計にかかってしまう
 帰途の処々に桜の木も多いが 今年は大分遅れてやっと数輪と言ったところだ 来週末は
 満開の風情に違いない 
 植木市場は今回が大セリ市との前振れもあって 出荷量は更に多くなった 九州からの
 古木のクロマツも入っている その他 アカマツ ゴヨウマツ マキなどの大物造形樹がずらりと
 並んでいる 小形でも形の良い枝物も目立つ 出荷者も今度は気合が入っているのだろう

 

4/2(土)曇り

 AM 積込み PM コニファーの根回し
 午前中に2本のマツの手入れを済ませて市場出荷の植木を積み込む 今回はツバキの出荷が
 一段落したので その分コニファーの量が多い ニワザクラや白花万作などの花物も時期的に
 多くなった コニファーなどは積込みは楽である 積み重ねても傷みがないのでどんどん山に
 積んでいく 一方 花物は蕾を大切にするので荒っぽくは積み込めない なるべく上の方に
 積むようにする 小物植木も種類によって形状によって積み易いもの 積み難いもの様々である
 それでも 多少荒っぽく無理やりに積んだとしても 他の物品と違って植木は融通が利くから案外
 傷みが少ないものである
 午後から第1圃場のコニファーの根回し作業をする 

 ミモザアカシア  出荷

 

4/1(金)晴れ

 コニファーの移植
 よく晴れたが午前中は北風が強く吹いた それでも寒さを感じさせる風ではなかった やはり
 春である 午後からはその風も東に変わった 
 第1圃場のコニファーの移植作業をした コルムナリス スターダスト アルミゴールドの三種類
 樹高はそれぞれ1mほどのものである 列植されているものを1本置きに抜掘りにして移植したの
 だが 残った半数は後日に根回しをかける
 もっと早くやりたかったのだが一ヶ月ほど遅れてしまった コニファーは強健種が多いので
 適期に移植すれば 傷みも少なく もうその年からぐんぐん伸びてしまう
 これが暖かくなってからの移植だと木が疲れてしまって思うようには育ってくれない
 今日のは危うくセーフとなるか この後もコニファーの移植や根回し作業が待っているから
 少し心配なところである 今年の冬季は作業の配分を間違えてしまったようだ プロとして情けない
 情けないと言えば 先程 エクセルで記している3月分の作業日誌を誤ってふっとばしてしまった
 まるまる一か月分の貴重な記録を一瞬にして失ってしまった訳である これだからバーチャルの
 世界は恐い 紙とエンピツのアナログの現実感こそ信頼に足るものであるとしみじみ思う
 これまでも幾つも大切なデータを消失してしまった事か
 二度と手中に出来ないものほど惜しまれるものはない 私の人生もこればかりだった気がする^^。

 

3/31(木)晴れ

 市場出荷の植木掘り
 弥生三月も終わる今日 穏やかな春の日和となった 普段は天気に文句ばかり言っているが
 今日ばかりは何の問題もない こんな日は一年の内に何日あるのだろうか
 午前中に小物植木をあれこれ少量づつ堀上げて 午後からは枝物を掘り上げた クロマツと
 アカマツを各1本づつだが 今回はちょっと気張って中級品を出荷する事とした 後生大事に
 とっておいても手入れの苦労もばかにならない 先行きの見込みもはっきりしない現状では
 辛抱も限界・・・と言ったほどでもないが 潮時と言うものも大切なものである
 秋田県で雪山遭難があったようだ 60〜70歳代の43人が道に迷い山中で一夜を明かしたが
 全員無事で下山をされたようで 何よりであった
 雪山遭難で思い出すのが 井上靖の小説「氷壁」である 私はこの小説が好きで これまでに
 何度読み返したことだろうか ずっと昔にNHKでテレビドラマ化されたこともあった
 主人公の魚津役が原田芳雄氏だったと記憶している 恰好よかったなあ 憧れたものです
 驚いた事に この「氷壁」を愛読書だと言っていたのは テレビタレントのデーブスペクタ氏である
 アメリカ人である彼が何故と思った 意外である 
 この小説が元かどうか知らないが 20代の頃はよく山へ行ったものだ 重いテントを担いで
 夏山を汗ダラで登った 何が良くてあんな馬鹿な事をしたのか 今ではとても考えられない
 ある日の午後 山に追い返されて 涸沢のテントでしょんぼりしていた 穂高の山々に背を向けて
 ずっと 蝶ケ岳や常念岳の方向を見つめていた 穂高の山容に比べて 何と穏やかな山並みだろう
 赤茶けた山肌と抜けるような青空が眩しかった

 

3/30(水)晴れ

 小物植木掘り
 西風が強かったがよく晴れた終日 植木の仕事なら何をするにも最適の季節となったが
 今は市場出荷に全力投球で他の管理作業に手が廻らない状況である
 これは毎年の事で折り込み済みだが 一刻も早い処理が望まれて気が気ではない
 一年中目一杯の作業を要求されて この仕事には農閑期と言うものがない
 仕事に切れ目が生じないように年間の管理作業の連携を調整しているので当然と言えば
 当然の話しである 一応これでも効率を最大限追い求めているので 結果として人間が
 楽を出来ない仕組みを自ら作り出してしまっている 体を動かすより能のない吾身かな
 今日はフイリヒイラギ 一才ニワザクラ ニワザクラ(八重) 黄金コデマリの堀上げ。
 夕方 市場よりFAXが入る
 先週の相場から比べたら全体的にはこんなものだろうと言った相場展開であった
 悪天候にみまわれた先週の相場を引きずってしまうのではとの懸念もあったが それなりの
 ものはそれなりの値段となった コニファーはまずまず その中でもエレガンテシマはひとり
 気を吐いた 枝物は安値を見越して安物を出荷したので不満を述べる筋もない
 ツバキと白花マンサクがやや安値 フェイジョア ニワザクラは良 ロウヤ柿 斑入り柊は
 まずまずと言ったところ

 

3/29(火)曇り

 小物植木掘り
 予報に反してどんよりと曇ってしまったが風が弱く寒さは感じない やはり春なのである
 市場出荷と注文品のコニファーを掘る エレガンテシマ エメラルド コルムナリス
 今年は雨が順調に降る このところ週イチのペースで降っているが これが誠に都合が良い
 畑にとって つまり植木にとって恵みの雨であるし 働く人間にとっても休息の時を与えられる
 このように定期的に雨が降るのは本当に珍しい現象である 自然は短期的に見れば必ず
 偏るのが普通である 降らない時は長い間降らないし 降る時は続けて降ったり・・・
 降らないときは人間が水を撒かなければならない これは大変な作業である 雨が降るのを
 基本的な前提として作物を作っている農業なれば この前提が狂った時が一切のシナリオの
 破綻となる シナリオの狂いを矯正するために人間が水を撒く訳だが所詮は対症療法である
 自然の力をありがたく感じて毎日の作業を続けている

 

3/28(月)雨

 挿し木苗のポット移植
 朝から小雨模様で畑には出られず 作業小屋で ハウスにある挿し木苗をポットに移植する
 サルスベリ ザクロ 白花マンサクなどの落葉樹を移植 サルやザクロはもう芽が動き初めて
 赤く小さな芽が節々に鮮やかだ
 ここまでくると 出来るだけ早い時期に移植を終わらせたい この先 気温がぐっと上がると
 芽吹きが一気に進む そうなると移植の傷みや生育に障害が出ないとも限らない 今が最高の
 季節である しかし こんな雨の日でもなければ この作業は出来ない 畑の管理仕事を優先して
 しまうから なかなか進まないのである
 畑の植木も移植 根回し等が待っている 出荷が最優先だから これもままならない
 植物相手の仕事は季節との つまり時間との戦いでもある 気持ちばかりが焦る

 

3/27(日)晴れ

 植木市場に行く
 市場の出荷植木は更に増えているようだ 種類も豊富になった 
 最盛期だけに 荷受のために事務所に行くと 7〜8人の出荷者が既に順番待ちをしていた
 PCで荷受登録をするのだが 女性事務員が一人で対応していて苦労しているようだ
 今日は他のスタッフが全員休みと言う事で応援も頼めない状況との事 この事務の女性は
 バイトで入って まだ一年も経過しておらず不慣れである 機械の操作も遅いのだが決定的な
 弱点は植木の種類が分からない事である 荷受用のソフトには樹種名があり 更に品種名が
 登録されている それらの中から出荷者が書いた荷受伝票の樹木名を当てはめてゆくのだが
 出荷者が品種名のチェロキーと書いたとする これはハナミズキの代表的な種類だが 植木や
 園芸関係者ならほとんど知っているが一般の人には無理がある 個々に何の種類かを確認
 しながらの打込み作業なのでとても時間がかかってしまう結果となる
 あまりもたつくので 待っている人達がいらついて不満を述べたり批判めいたりする言葉を
 口にするものだから この女性がとうとう泣きだしてしまうと言うパプニングになってしまった
 この女性は決して若いとは言えない 17歳のお子さんがいると言っていたので それなりの
 年齢なのだろう それなのに本気で泣き出すとは 些か滑稽でもあった 他の人もこの女性を
 強く責めるような口調ではなかっただけに余計可笑しみが湧いた 涙をぼろぼろ流していたのは
 自分への不甲斐なさの表れでもあったのだろうか
 少しばかりの救いは この女性は涙を流してはいたが そんなに深刻な様子がなかった事だ
 だから こちらとしても ややあきれた感じもあって どこかユーモラスな風景であった
 結局 私の荷受が終了したのは一時間以上経過してからになってしまった
 帰り道の沿道の桜は蕾も大きく膨らんで 数日中に開花するのではないかと思われた

 

3/26(土)晴れ

 AM 植木積込み PM 小物植木の根回し
 穏やかな春の一日となった 昨日あれだけ強風だっただけに 今日がより一層暖かな春日和に
 感じられる 今年は桜も遅いが こんな日が続けば あっという間に咲きだすのではないか
 午前中 掘り上げてあるクロマツとアカマツの手入れを簡単に済ませて 市場出荷の積込み作業を
 した 今回は少し積み込む量は多目となった 時期的に花物の出荷が急がれるので必然と量が
 多くなる 花物は蕾が膨らみ始めると一気呵成である それと 今が出荷のピークであり 春季に
 売り出す計画をしていた物の残量を調整しつつ出荷を続けているのでそのようになってくるのが
 例年の事なのだ
 午後からは第3圃場の利休梅と一才ニワザクラの根回し作業をする 何れも もう芽を吹き出して
 来ている 遅くなってしまったが いつも紺屋の白袴を地でいく有様だ
 コニファー類の移植も根回しも まだ終わっていない その他の植木も移植根回しが待っている
 出荷が一段落するのは来月半ば以後だから それまでは合間を見ながらぼちぼちである

 

3/25(金)晴れ

 小物植木掘り
 真青な空が広がった 気温は少し低目である 昨夜遅くから強風が吹き荒れて それは
 今日一日中続いた 西方向からの乾いた強烈なものだった
 風は嫌なものである 春は風の季節と言うが これからの時季は時折これに悩まされる
 市場出荷のツバキ 斑入りヒイラギなどを掘る 椿はもうすぐ花の盛りを迎える
 フクリン一休は今既に満開 菱唐糸(下写真左)は1〜2輪咲き出した 月の輪(下写真右)は
 今にも咲き出しそうな勢いである

 菱唐糸(ヒシカライト)  月の輪

 

3/24(木)曇り一時晴れ

 黒松掘り
 一昨日午後から昨夜までの雨量はかなりまとまったものだった。畑によっては幾分
 渇き気味な所もあったので その点では良かったのだが 今日植木を掘って見ると
 土が水分を含み過ぎてしまって 土にしまりがない 少し掘り難い
 町内の問屋さんに納める黒松を2本掘る 何れも高さ2mくらいで 1本は差し枝のある
 いわゆる流枝(なげし)造りである もう1本は真木(しんぎ)と呼んでいるもので これは
 差し枝のない幹の曲がりや枝の変化を観賞するものである
 背が低い割りに幹は太く 2本とも古木である 我家では上物の部類である
 その内の1本は私が最も気に入っている松で幹の曲がりも味のあるものである
 枝振りも見事で 言わば自然が作り出した傑作のようなものだ この木は20年近く前に
 県内のあるところから原木で買ってきたものである 野菜を作っている農家の畑の風除けに
 なっていたもので トラクター耕運時の邪魔になっていたらしく 幹や枝を何度となく
 切り込まれていたらしい つまり 自然と人間の手によって虐められて育ってきたので
 人間で言えば労苦と忍耐を内に秘めて どことなく渋い風格と何事にも動じない重量感を
 洒落たいでたちに包み隠して飄々とした粋を感じさせる姿である
 良い形の植木は本当に少なくなった 一度手放せば もう二度と同じようなものは手に
 入らないから お金に代えたらそれはもう今日まで手を掛けてきた思い入れもすべてが
 無に帰すに等しい お金は尊いが何と無機質なことか
 私の家にも良いものはなくなった ぽつぽつ売りさばいてここまで来たわけだ
 これで食べているのだから売り惜しむ事は出来ないし 自分か育てた植木がどこかのお宅の
 庭に植えられれば その方が植木にも自分のためにも嬉しいものである
 本当に良い形の木が少なくなったのは 私の家ばかりではなく 植木屋さんのほとんどが
 そうである 事情は同じである それだけ良い植木に仕上げるのは時間と手間が掛かる
 と言う証拠である。良い原木があって 長い年月と人間の手間を十分に掛けて初めて
 美しい形の植木に仕上がる もうひとつ大事なのは愛情だ と言ったらキザっぽいか

 

3/23(水)曇り後雨

 挿し木苗のポット植え
 朝から霧雨が断続的に降りかかり 畑の作業はやり難いのでハウス内の挿し木苗を
 ビニールポットに移植する作業をした 樹種は斑入りのウツギとその他のもの少々
 午前中は目一杯作業出来たのだが 午後からは叔母夫婦が墓参りに来たり 植木仲間が
 お茶を飲みに来たり そして借金を払いに行ったり^^;と何だかんだで仕事は少しだけ
 今日は予定が狂ってしまった これからは雨でもほとんど休みが取れない状態となる
 やるべき事が多過ぎる 生産と販売の両立はなかなかに成し難い
 今日の市況 全面安の相場展開になってしまった 天候が崩れてしまったのが大きく影響
 したのかもしれない 花植木の市場は天候に敏感である
 高値のものはほとんどなし 全体として2〜3割は下がってしまった これまでは比較的
 良好な相場が続いていたが 今回はその反動もあるのかもしれない
 エレガンテシマとエメラルドは何とか持ち堪えたが 他のコニファーは安値 ツバキは
 ボクハン 胡蝶ワビスケなどを除いて安値 枝物もこれまでの最低 その他の物も
 若干安値と言ったところか とりたてて喜ぶべき材料が見つからない状況だった
 こうなると 市況は一気には回復しないから 来週が心配なところだ 市況が悪くても
 この時期は出荷量は減らないから 買い手市場的な様相を呈することが予想される

 

3/22(火)曇り後雨

 市場出荷の小物植木掘り
 一才ニワザクラ(チャイナチェリー) 白花万作 ロウヤ柿を掘る
 白花万作はフォザギラとか言う種族らしい アメリカから来た物のようだ 
 モンテコーラとかマヨールとかの品種名で呼ばれている
 これは7〜8年前 埼玉の業者から苗木を100本ほど買って栽培し始めたのだが 現在でも
 その時のものが挿し木のための母樹となって20本ほど残っている 成長は極めて遅く
 大きい物でも1,5mの高さでしかない 株立ち状に育っている 名前は白花万作として流通
 しつつあるが 日本の万作の花とはまったく違い 丸いブラシ状になる 美しい花である
 今 販売しているのはH4〜50cmW40cm位の大きさで挿し木から4年経過したものである
 今日は午後2:30過ぎに雨が降り始めて そこで作業は終了となった 普段なら家に帰って
 ハウスに潜るところだが 疲れもあってか早々に地下足袋を脱いだ

 

3/21(月)晴れ

 小物植木掘り
 コニファー類のエレガンテシマ エメラルドグリーン アルミゴールドを掘る 後はオオデマリと
 ツバキを少々
 暖かくなった 春本番を実感する
 仕事の疲れと睡眠不足が祟って この作業日誌に向っても言葉が出て来ない
 こんな日もあります テンションが上がってないと書くのも苦しいものです
 もっとも 愚痴ばかり書いていますから 見る方は厭きれているかもしれませんが
 愚痴は書いても 心は毎日楽しくやっています 基本的にはおきらくに出来ているようです
 それでは 今日はこれで おやすみなさい

 

3/20(日)曇り

 植木市場に出荷に行く
 曇って気温は低目 水道ホースの中は八分どおり凍っていた ここは埼玉県の北部に位置する
 ので 私の住む千葉県東部より4〜5℃低いのではないかと思う
 植木の出荷量は先週からすると更に増えている気配だ 小物類は今月一杯が勝負のような
 気もするので 出荷者も先を争う気持ちに相違ない
 この市場は植木のセリ市が毎週水曜日である 火曜と金曜が鉢物のセリ市で 切花は月曜
 から金曜まで毎日開催される
 今日は日曜だからセリ日までは中二日あるのだが これはなるべく良い場所に植木を置く
 ために早目に出荷すると言うことになります 良い場所とは 人様々でいろいろな考え方が
 ありますが 比較的早い時間帯のセリの方が相場が良い 人目に付き易い場所や周囲の
 植木の置かれ方によって 自分の品物の何を置くかと言った駆け引きみたいなものがあり
 上手に置くか手当り次第に置くかで 相当の開きが出来るのが実際である
 上物が揃っている場所の周辺の方が つられてと言うかセリの流れで相場も高いものである
 逆に 半端な物 等級の落ちるものなどの近くでは セリがだらけてしまって 価格も上がらない
 のは常道である
 もちろん 最高の場所に置いたからと言って 必ずしも良い結果が保証されるものではない
 セリにはタイミングと言うものが大きく左右するので その時その時のセリ人と買参人の
 呼吸にも関わってくる 全体のセリの雰囲気や流れも重要な意味を持つので それら複合的な
 要素が絡まってはじめて値段が形成されるのである それらの集合をおおよそ平均させた物
 が相場となるのである
 今日の帰り道はトラックが少なく 乗用車が多かった 三連休である

 

3/19(土)晴れ

 AM 積込み他 PM 休み
 朝少し冷えたが すぐに暖かくなって春を実感する気候となった
 1,8mのコルムナリスを10本ほど掘って そのあと積込み作業をする
 午後から姉達が墓参りに来て 仕事は休みとなった

 

3/18(金)晴れ後曇り

 ツバキ コニファー掘り他
 今日の午前中は暑かった 風も弱かったので植木堀りには天気が良過ぎた
 昼までに70本ほど堀上げて そのままお客さんのところへ運んだ
 午後からはコニファーの注文が急に入って急いで掘る 少量だから何とかなるが
 2、3日前に言って欲しいと思う こんなのが時々あるのである
 3時過ぎから 昨日掘った松を夕方まで手入れをする
 今朝の事だった 7時前にお客さんから電話があって 売約済みの植木のキャンセルを
 告げられた 大物植木の部類に入るものだったので残念であった 施主さんの都合で
 設計変更になってしまったようだ こんな事もある 植木を売って 実際にお金が入るまでは
 安心出来ないと言う事である それでなくても植木屋の金銭感覚はルーズとの定評があり
 昔ながらのドンブリ勘定が今でも少なくない 売買代金の決済が半年先 一年先というのも
 珍しくない 町内の問屋さんはほとんどこれが多い まあ そのお宅の内容は知りきって
 いるので 確実に代金を貰えれば 植木を買って貰えるだけいいと言う考えでいる生産者も
 多い こんな業界である
 朝にキャンセルなら 今度は受注の知らせが携帯へ連絡が入った 一ヶ月以上も前に
 見積もりを出していたもので もうだめだろうと思っていたものが 今になって決定したのだ
 捨てる神あれば拾う神あり めでたさも中くらいなり・・・である

 

3/17(木)曇り後雨

 市場出荷の枝物掘り
 天気模様が下り坂の様相で どこまで持つか気がかりの中で早めに畑に出た
 黒松と赤松の小さいのを1本づつ掘り上げた 降り出さない内にと夢中で動き回って
 雨が降りだした10時過ぎまでには どうやら終了する事が出来た
 家に帰って お茶を飲むのもそこそこに 農協に行ったり 資材屋さんに根巻き材料を
 買いに行ったりした
 午後からは銀行 買物他 日頃の不義理を解消すべく何軒かのお宅にお邪魔したり
 家の所用をこなしたりと何かと忙しく動き回る 今は車があるから便利で早いが
 例えば 駅までの5kmをゆっくり歩いたらどんな景色が見えるだろうか
 何か特別なものでも見えると思うのは幻想であろうか 多分そうだろうと思う
 非日常への逃避としての誘惑が人の営みが有象無象のものであるとした囚われの
 胸中に忍び入る しかし日常の瑣末こそ根源性を有して見えざるものに近いと
 言えようか

 

3/16(水)晴れ

 市場出荷の小物植木掘り
 南風もそよ吹いて 急激に春本番の装いになった
 植木を掘り上げていると汗ばむほどだ
 ニワザクラ シロバナマンサク リキュウバイなどを掘る
 これらは既に花の蕾を膨らませている 中でも利休梅は
 少し咲き始めたので 今回が最後の出荷となる
 ニワザクラはこの一週間で大きく動いた 来週が出荷の
 ピークとなりそうだ 白花マンサクは4月に入ってからが
 本格的な花のシーズンとなる
 出荷も花のシーズンを踏まえて順序立てておこなう
 椿は今回でほぼ終了する
 今日の市況は 高値のものと安値のものとの差が大きかった エレガンテシマはこれまでに
 ないほど高値であった 逆にエメラルドは下がり気味 椿は種類によって明暗を分けた
 コニファーでもアルミゴールドやスターダストは安値であった これは2mほどの高さがあり
 需要量が少ない規格のためにそうなったと思われる ローソンヒノキのコルムナリスは
 まずまず売れていた 枝物は相変わらずの安値が続いている 白花マンサクは良
 右写真は紺ワビスケ椿

 

3/15(火)晴れ後曇り

 コニファー ツバキ掘り
 今日はこれまでよりは大分暖かい 仕事を進めるに従って一枚二枚と上着を脱いでゆく
 天気予報を見ても この先気温は順調に上がって行くようだ
 寝不足が続いたためか 少し身体がだるい これで気温が高かったらきつかったと思う
 市場出荷と注文を受けていたコニファーを掘る コニファーの中ではエメラルドが一番生産量が
 多い 次にエレガンテシマ そしてその他いろいろとなる 大きい物から順に出荷して 残った
 物を秋に売り出せるように根回しをしなければならない これは寒い時期が良いから早く
 やらなければならない 出荷と管理仕事が重なるからこの時期は気持ちばかりが焦る
 おおよその計画を立てて生産と出荷をするので 市場の値動きに関わらず その年の分は
 その年の内に販売しなくてはならない 植木も野菜と同じ感覚になってきた
 以前だったら 安値の時は出荷を取りやめて次の時期を待ったものである 次まで待てば
 植木もそれだけ育ってそれなりの金額での販売が見込めたからである
 今では逆で 「手頃」な大きさ以上に育ってしまうと かえって安くなってしまう それ故
 生産者は価格云々を言っていられなくなってしまった

 

3/14(月)晴れ

 埼玉の植木市場に行く
 三月の中旬だと言うに 今朝も寒かった 水溜りは氷で覆われていたし 水道も凍りついていた
 周囲を田圃に囲まれたこの新しい園芸市場は冷たい風の集積場の様相である
 遠く北に雪を頂いた日光連山が輝いている 西には富士山も見えるのだが、今日はその
 方向に雲があって見えなかった
 植木の出荷量は週毎に増えて その最大値に近付きつつある 種類も俄かに多くなってきた
 梅の大きな木も目立つ サンシュユは黄色い可憐な花が清々しい アメリカザイフリボク (
 ジュンベリー)はまだ何の動きもないが その独特の幹色でそれと知られる
 コニファーは一時期から見ると種類が考えられない位減っている コニファーはその種類の
 多さが特徴なのだが皮肉な話しである
 4〜5年前のコニファーブームの頃は生産者も沢山の種類を栽培したが 肝心の売行きが
 思わしくなく 次第にその種類を絞って生産するようになった これが現在の市場に反映されて
 いる 出荷量が多い種類は エメラルド エレガンテシマ ヨーロッパゴールド ブルーヘブン等
 の定番物である これは庭木としての利用が前提となっているので この様な限られた種類に
 なっているが 花市場の方ではガーデニング素材として もっと多種類のコニファーが出回って
 いるようだ 沢山の種類があっても庭木として長年観賞するには不向きな種類が多い

 

3/13(日)晴れ一時曇り

 ポット苗木の草取り他
 今日は晴れたが 再び寒くなってしまった 主に手だけを動かす仕事だから特にそう感じるの
 かもしれない 寒暖を繰り返しながら少しづつ季節は移り行くわけだが これが一日毎に
 規則正しく気温が上がって行くとしたらどうだろうか 予定や計画が立て易く 春を待つ心情も
 裏切られる事なく穏やかな心でいられようか その反面 人の喜怒哀楽の心模様はその分
 確実に色あせるに相違ない
 千葉県知事選挙の今日は投票日である 朝 仕事に出る前に近くの小学校の投票所に
 いった 朝早い事もあってか 閑散としていた これが地元の選挙だとかなりの人が来ているの
 だが 予想通りの風景である この知事選挙は全国的にも低投票率で有名である
 確かに知事選と言うのは中途半端で面白味がない 自分に身近だとの意識は持ち難い
 地元議員の選出時は それでも関心度は高くなる だが実際 この選挙は大きな争点でも
 なければどの候補が当選しようと切実な思いは感じられないだろう 選挙と名の付いたものは
 過去一度もパスしたことのない私でもそう思っている それでも選挙にはやはり行く
 これは真面目だとか真剣に社会を考えているだとかの結果ではなく 単なる参加意識として
 自分が社会と繋がっているとの思いの確認としてでもあろうか そんな程度なのだ
 一票などという単なる権利の儚さを知ってしまった現代人には知識層の説く啓蒙たる高邁な
 理屈も 理性では理解しながらも感情としては唯々虚ろに響くだけである
 自分の心情がストレートに社会に反映されないもどかしさが今人々の胸の中にうごめく
 これは確かに一種の甘えであろうし 我慢や忍耐力の低下がもたらす人間性の荒廃現象に
 違いない 人々が民主主義は幻想との思いを感じ始めたのは やはり日本の社会がやや不安定に
 なり始めたからだろうか やがて人々の関心は社会的不公平へと向う 年金問題で社会保険庁の
 背信性を 銀行や医療問題そして公務員 各種の既得権に護られて その上にあぐらをかいている
 ある一定層への微かな羨望を秘めた批判であり怒りである
 新聞 テレビなどのマスメディアに対してもそれは同じである この度のライブドアとフジテレビ
 の争いでも 堀江社長に違和感と多少の反発を覚えながらも 放送局側の主張が権益の
 上に立って都合の良い公共性云々を説く姿に少しばかりの嫌悪感を抱くのもひがみ根性だけ
 とは言えないであろう それにしても 先日 ニッポン放送の社員ほぼ全員が一堂に会して
 ライブドア側の意思に反対抵抗する姿勢を示したのはやや滑稽であった 一般の会社なら
 ともかく 報道を主体とするそれこそ公共性の高い組織である ジャーナリズムの精神が健全で
 あれば社員全員がなどと言う不自然で恥ずかしい姿にはならなかったのではないか
 森本敏氏は世論は感情に過ぎないと言った これには唖然としたが確かに痛い所を突いている
 であれば 今日の選挙も人々の感情の発露でしかない つまり民主主義とは人々の厳粛な
 判断ではなく単なる感情の上に乗った体制に過ぎない事になる 少なからぬ真理がそこにある
 それを認めながらも 民主主義の弱点に幻滅を感じながらも 今現在これに代わるべき制度が
 見つかっていない以上 この体制を引きずるより他はない
 残念ながら 今日私も「感情」で投票して来ました^^;

 

3/12(土)曇り

 ポット苗木の草取り
 今朝方に小雨でもあったのだろうか木々には露がびっしり付いていて これでは植木掘りも
 移植も根回しも出来ないので 第1圃場にあるポット苗木の草取りをする事とした
 冬場にはまったく草取りをしなかったので ポットの中は小さな草で覆われてしまっている
 寒い時期は草丈は大きくならないが その分 根はがっしりとポット内に伸びている それ故
 雑草を引き抜くには指の力が弱くては負けてしまう この作業を一日中やったら流石に
 右手の親指と人差し指が痛くなった もう少し早くやっておくんだったと今日も後悔が先に
 立たない事を自ら実証してしまった 「賢人は他人の失敗に学び凡人は自らの失敗に学ぶ」
 こんな諺を知りながらも 私は何度同じ過ちを繰り返して来た事か 自分が唯の凡人ではなく
 愚人の最たる者であると反省頻りだが それをどこかで肯定もしくは諦観している自分がいて
 進化の芽を自ら摘み取って現況に安住しようとしている 農民なんて元来そういうものなの
 かもしれないが ご先祖様のDNAが見事に私に遺伝している証拠でもあらうか
 夕方 家に帰ると 町内の同業者のお宅が火事に遭ったと知らされた そう言えば 午後2時過に
 防災無線で何やら騒いでいたし 消防車のサイレンも聞こえていた 携帯に連絡もないし
 関係のない所だろうと思っていたが 付き合い自体は深くはないものの古くからの知り合いで
 同じ植木組合の仲間であった 遅ればせながらお見舞いに伺ったが 母屋が全焼していて
 驚いてしまった 主夫婦は茨城県に植木の仕事で出かけていたらしく 連絡を受けて帰宅したら
 この悲惨な状況だったそうだ 原因は留守をしていたお婆さんが天婦羅を揚げていて失火し
 たとの事だった 煙を吸い込んだお婆さんは病院へ搬送されたが幸い大した事はなさそうだと
 話していた それにしても凄まじい現場だった 家の中の物は一切形がなかった

 

3/11(金)曇り後雨

 雨模様で作業は休みとし 午前中に役場に赴き 確定申告書と家族の町県民税の申告書を
 提出してきた 毎度毎度の小額納税でお恥ずかしい限りです ややうつむき加減で
 手続きを済ませて参りましたが たまにはどんとウン百万円も払って 背中をそっくり返らせて
 帰って来たいものだと思います^^
 買物を済ませて昼前に家に帰る頃には本降りの雨となった ちょうど一週間振りの雨で
 体も疲れていたので良い骨休めとなった
 午後からハウス内で挿し木苗のポット移植をする 少ししたら同業者が来て話し込んで
 3時のお茶に家に行ったら 先日心臓手術をした義兄が遊びに来ていたので炬燵に入って
 しまって 結局ろくな仕事は出来ずに終わってしまった
 義兄はその後順調な快復振りで結構散歩などして体を少しづつ動かしているようだ 4月に
 入ったら仕事も始めたいと言って 逆に周囲を心配させている 家族は秋頃までは仕事は
 自重してゆっくり静養して欲しいと願っているようだが そこはやはり一家の主ともなれば
 退院して自宅に帰れば いろいろとやるべき仕事も見えてきてしまうのだろう
 植物相手の仕事だから その季節にその季節なりの管理の手を抜けば どんな結果に
 なるか明々白々として脳裏に刻み込まれているから 肉体とは裏腹に気持ちが先走るの
 だろう 自家業として 農民として 家族を背負う立場として 呑気を装う心の裏側でぴんと
 張詰めた一本の悲壮色を纏った糸が透けて見える

 

3/10(木)曇り後晴れ

 市場出荷の植木掘り
 午前中にアカマツとキャラの造形樹を各一本掘り上げる 午後からはツバキと
 利休梅等を掘り上げる
 本格的な春の需要期を控えて 各種植木の見積もりや引き合いも多くなってきた
 圃場にはカラーのビニール紐で印された植木も散見する 問い合わせも少なからず
 あるが こちらは在庫がない物や生産していない物が多い 見積もりを出しても
 なかなか決まらない事の方が多いからあまり当てにはならない それでも期待が
 抱けると言うのは気分的に楽しいもののようだ
 しかし 公共緑化仕事は少ないようで 先日も畑に問屋さんが来て写真などを
 撮って行ったが 聞くところによると今年は特に仕事が出ていないようだ 見積もりが
 あっても各社が安売り競争でとても商売にならない価格で仕事を取合っている状況だと
 言っていた この問屋さんは例年だと新潟方面にも沢山出荷するのだが 今年は
 昨年の地震の影響でか まるで注文がないそうなのだ いずれ復興事業に付随する
 形で仕事は出てくるだろうと予想されるが当面は厳しい状態が続きそうだと話していた
 町内の問屋さんの中には長年勤めていた社員の半分を解雇した話しも伝わっている
 全国的にもこの業界は明るい話題がない 緑化が付帯する各種の建築土木工事でも
 予算が不足すれば真っ先に削られるのがこの植木造園部門であって 誠に頼りなくも
 悲しい存在なのだ
 緑の効用 緑化の重要性が叫ばれて久しい あの高揚した植樹 緑地保全の熱は
 一体何だったのだろうかと今更ながらに思う
 個人邸の本格的な造園も稀にしか出ないようで 腕の良い庭師もその実力を
 発揮出来ずに消化不良の毎日に違いない

 

3/9(水)晴れ

 椿掘り イチゴノキ出荷準備
 昨日に増して気温が上がって 肌着とスポーツシャツ一枚で十分だった
 今月下旬に出荷予定のツバキを掘り上げた 東北方面向けのものである
 先日も書いたが 比較的早咲きの春ツバキは既に花が咲き始めている
 一方 お客さんの方は今年はまだ雪が多く 置き場所もなく販売体制も出来て
 いないそうだ 下旬まで花が持続しそうにないので ここで堀上げて日陰の
 涼しい場所に保管する事とした これで幾分かは咲き始めを遅くする事は
 可能だが 更に気温が上がれば持ちこたえられるかどうか不安なところである
 午後3時頃に終了し 注文を受けていたいちごの木の準備をする ハウス内から
 選び出すのに手間取ったりお客さんが来たり あれこれしているうちに夕方に
 なってしまい配達に出たのは暗くなってからだった
 夜になって市場からの市況が入った
 小物植木は全体としてよく売れている ツバキも種類を問わずまずまずであった
 リキュウバイもエレガンテシマも良い 安かったと思うのはエメラルドグリーンで
 大小2口の出荷だったが いずれも安値であった もうひとつの安値は赤松で
 2本のものが両方とも安値であった 先週は結構売れていたので期待していたの
 だが少し残念だった 全体として先週より相場は上がっていたから いよいよ
 本格的に動き出したかの感を持つが この後出荷量が急激に増えればこの相場が
 いつまで持つのか判らない 生産者としては決して高値を望むものではないし
 程々の相場展開が持続してくれるのが一番望ましいのだがそこは市場 予測の
 つかないのが相場と言う生き物なのだ

 

3/8(火)晴れ

 コニファー掘り斑入りヒイラギ
 風もほとんどなく植木を掘っていると暑いくらいの陽気となった 
 力仕事にはかえってシンドイ 真冬の気候から一気に4月の
 気温になったりするから自然は気まぐれだ
 寒ければ寒いで 暑ければ暑いで文句たらたらの出来の悪い
 人間の哀れさに無関心を装うように春の青空の下 植木たちの
 視線はいつも上に上に向っているように思う
 少し疲れが出てきたのだろうか 朝は腰の辺りが幾分重い
 それでも小一時間もすると普段の調子に戻って何の違和感も
 なく仕事が出来た 有難い事だ
 ラジオで「三余」の話しをしていた さんよ つまり三つの余り
 意味は 余った時間を有効に利用して読書に勤しめとの箴言で
 すが 疲れた体をゆっくり休めよとの教えと読んでもいいかも・・
 冬が年の余りで 夜が日の余り そして雨が時の余り で 三余と言うのだそうだ
 冬が年の余りとは 農耕が主要な労働であった時代の名残であると思うが
 つい4〜50年前までは同じであったはずである
 田舎の古老からは 昔は冬は仕事がないので日向ぼこの毎日だったとよく
 聞いていた あれでよく食べて行けたものだとの感慨も・・・
 現代では冬だからと言って農民でも休んではいられない 残るは夜と雨
 夜はパソコンに占領されてしまった 雨の日は雨の日でそれを活用して雑用の
 あれこれ・・・ まったく今の時代は時間の経過が速過ぎて 三余を活用できる人は
 稀有の存在になっているはずである
 右写真はフイリヒイラギです 外白斑が美しい

 

3/7(月)晴れ

 植木市場に行く
 今日は暖かくなった 三月だものこんな日もあっていい 
 市場の方は先日の雪がまだいくらか残っていた 融けた雪で植木置き場はじめじめとして
 所々に水溜りも見える たまに降る雪は風情があるが融けた後がいただけない
 昨夜から今朝にかけては相当冷え込んでいたから水を含んだ根鉢は表面が凍りついて
 固くなっていた 市場の水道も完全に凍って水が出なかった
 栃木から来ている生産者の話しだと 昨日は高速道路も通行止めになっていたと言う
 時間が経つにつれ次第に気温が上がって 10時頃には上着を脱いでも暖かいくらいになった
 出荷量は徐々に徐々に増えている セリ当日にはかなりの量になるのではないかと思う

 

3/6(日)曇り

 積込み エレガンテシマの根回し
 朝からどんよりとした空模様だ 昼頃から雨の予報だったがどうやら降らずに済んだが
 気温は上がらず風は冷たく 底冷えのする終日であった もっとも 今朝は雪だったと茨城の
 お客さんが電話で言っていたから こちらはまだ良い方なのだろうと思う
 朝の予報が悪かったので 午前中に積込みを済ませた その後で頼まれていたコニファーを
 掘りに畑に行った 太陽の光がないと畑も寒々しい風景だ さまざまな色や形の木の葉が
 陽光にきらめく季節の到来が待たれる
 親方は何にも教えてくれなかった 親方と言うのは弟子に手取り足取り教えてくれるものだと
 思っていた自分があさはかだった 技は盗んで覚えるものだと言う教えもあるが 学校と同じ
 感覚でいた私は面食らった 親方や兄弟子に就いての下働きで それでも少しづつ少しづつ
 教えてもらった 勿論 体系的にどうの植物学的にどうのと言った教授ではなく その時その時に
 必要な断片的な仕事のやり方としてであった
 ほとんどは雑用で 言いつけられるまま職人たちの間を駆け足で廻っていた
 刈込み仕事は比較的早く覚えたが どうしようもないのが荒木や野木と言う伸び放題のマキや
 マツの枝付けである どこから手を付けて良いやら どの枝が有用でどの枝が不要なのか
 仕上がりのイメージとしても湧いて来ない 考えていないでとにかくやれ とは親方の荒っぽい
 言葉である(続く)

 

3/5(土)曇り一時晴れ

 エレガンテシマの移植
 今日も天気が良くない 午前中は霧雨も時折交えて風が冷たい
 なかなか暖かくならないが この冬は特に厳しい寒さとは思えなかった それは地下足袋を
 履いている足の冷たさでも感じるのだが 今年は防寒用の物でなくても平気であった
 寒い年だと更に靴下を2枚重ねて履くのだが 今年はそんな事はない
 そう言えば 予報ではこの冬は暖冬との予想であった その割には寒い日が多いと感ずるのは
 何故だろうか 東北地方では今年は大雪に見舞われているという この地方向けの植木の
 出荷が遅れている 花木などは花の咲く時期が雪国と暖地ではかなりの時間差があるので
 大雪でその期間が更に広がれば 出荷時までに暖地で育っている花木は花が咲き切ってしまう
 のではないかとの心配もある この分だと 早目に掘り上げて日の射さない涼しい場所に保管
 して置くことも考えなければならない
 朝早く 鉢物のお客さんが来て対応していたら朝食が遅くなってしまい 慌てて掻き込んで
 畑に出た。ぐーたらで宵っ張りの朝寝坊というやつだから 朝はいつも目一杯である
 働き者の近所の方は私が畑に出る頃は既に一仕事終えている きっと早寝早起きを実践
 しているのだろう 私は夜が勿体なくて早く寝るには抵抗がある 時間があれば本も読みたい
 最近はその時間が取れない 買うだけ買って積読だけの本が7〜80冊 いつかは読みたいと
 思っているが無理だろうとの予感がじわりと迫っている パソコンなど始めてしまったからその
 時間を喪失してしまった 本は老後の楽しみに取って置くという選択肢はありや 答えは
 おそらくNOであろう 本を読むのも気力体力が必要だから そしてその効用も若い時が一番
 血肉となるから 読書は基本的に若いうちのものだろうと若くもない私は考える
 読書など植木屋に何の得があるかといえば おそらく何もないといえる つまらぬ事に時間を
 費やさずに もっと実践的なノウハウを学んでおけば もう少しは何とかなっていたのではと
 今更ながらの沸々たる思いを鎮め得ないでいる

 

3/4(金)雨

 雨で休み
 九十九里海岸沿いのこの地方はほとんど雪は降らない
 平均すると雪が降るのは一冬に2〜3度であろうか
 昨夜からの雨は朝になって雪を混じらせて 一時はうっすらと積もり始めた
 しかし それも束の間 やがて雨に消されていった 
 ここから15kmほど内陸(北)に入ると こちらが雨でも雪になる時が多い 今日も積もったに
 相違ない ちょうど成田空港の辺りとなる
 所得税の確定申告のための整理をする テレビを見ながら お茶を啜りながらだと中々集中
 出来なくて 用人も来たりして思うようには進まない それでも今日一日で大体のめぼしが
 ついてきた 後は細かい所を精査して提出書を作成するだけとなった
 一昨年までは それでもこの不景気の中で よく健闘したと思える位の売上高を確保していた
 だが 流石に去年は落ち込んでしまった これは価格の高い大物植木の売行きが落ちて
 しまった事に原因がある このことは単年度だけの特別の状況ではなく 今後とも続くことが
 予想される事態なので申告 いや深刻 ^^;な現実である
 売上高が下がったが その分諸経費も減っている 一番減っているのは資材費なのだが
 資材費とは 植木を育てるため あるいは出荷するために使用する諸々の材料で 根巻きに
 使う紐や麻布 支柱や竹材 プラ鉢やビニール等々多種である 赤土などの栽培土もこの
 資材費として一部計上する
 それほど減っていないのは管理費である 肥料や農薬代がそれに当る つまり 植木が
 売れなくても その管理だけは毎年同じだけ掛かるという事を意味している
 トラック等の車両を維持するための経費も似たように同じだけ掛かる その中でも
 車検や保険税金の費用が大きな比重を占める 自動車はほんとに金食い虫である

 

3/3(木)晴れ後曇り

 市場出荷の植木掘り
 AM アカマツ2本を掘り上げる。バックホーを駆使して幹の周囲を掘って行くのだが
 360度完全に掘るには機械が入り込むスペースがかなり広くないと不可能なのだ。
 そんなところはほとんどない。列植されているところは裏側などは掘削が出来ないので
 人間がスコップで掘らなければならない。それでも大抵の場合は全体の8割くらいは
 機械で掘れるものだ。便利になったものだが、20年以上前は機械がなかったので
 当然全て人間の手で掘っていた訳なのだ。
 その時はそんなものだと思っていたから、特別にきついとか嫌だとは考えなかった。
 機械のお陰で重労働からは大部分開放された訳だが、それでは身体が楽になって
 良かっただろうと言われれば、答えはノーである。
 クレーンが入ってからは30年以上になる。それまでは大きな植木でも5人6人でトラックに
 担ぎ上げた。当然三脚のチェーンブロックも使用した。何れも苦労したものであった。
 人間の手で大物植木を掘ったり担いだりの力仕事はほとんどなくなった。でもしかし、いくら
 時代が進んだからと言って、機械がやってくれるとは言っても、どうやら人間は楽が出来
 ないようになっている様なのだ。
 機械が入れば自然に仕事が進む。今まで一日に1本2本掘り上げてそれで仕事が終わって
 いたものが機械によって倍の数が掘り上がる。力仕事からは解放されても人間はその分
 余計に働かなければならなくなった。手作業の時は時々一服もつける。作業の切れ目も
 あるから一息つける。機械でやれば流れ作業的な要素が多くなるので実労時間は思いの外
 多くなって人間は結果としてより忙しくなる。
 植木屋だけではないであろう。どんな職業であれ似たようなものではないのか。
 機械を買った分、人は余計に働かなければならない。私のように日曜でも働く ^^。
 これが時代の進化なら、それについて行くのも人間の向上心のひとつとして簡単に否定
 出来るものではないし それはそれで重要なファクターである。逆をやれば人間が幸せに
 なれるといった単純な択一論ではないはずである。(分かりきった事を長々と書いて
 まともな高校生くらいのレベルの話しであった。今自己嫌悪で少し落ち込む)
 午後からはツバキと沈丁花を掘り上げた。これで予定のものはほとんど掘り上がった。
 明日は雪になるか。そしたら炬燵の中で確定申告の準備をしよう。

 

3/2(水)晴れ後曇り

 市場出荷の小物植木掘り
 月日の流れはほんとに速いもの。三月になったと思ったら今日はもう二日になった。
 日差しは暖かいものの風は相変わらず冷たい。例年だとこの時期はぽかぽか陽気が
 時々あるものなのだが今年は極端に少ない。
 朝方、植木組合による植木苗木の配布があった。千葉県に原種農場というのがある。
 農業試験場も当然あるのだが、それの姉妹版といったところだろうか。その名の通り様々な
 植物の見本を集めたり県内の農産物種の調査研究をおこなっている。(あ、県の機構改革
 によりこれらは現在名称が変更されている)そこから毎年県内の各植木生産団体に対し
 新種の増殖用の苗木が提供(有料)される。事前に配布される樹種とその本数が示され
 それに基づいて各植木生産団体を通じて個々が希望する樹種と数量を申し込む。
 コニファーやガマズミ類など毎年50種類ほどになろうか。樹種によって配布される数量は
 様々である。数千本単位から中には50本という物まである。勿論県全域での事。
 であるから、人気樹種は県全域から希望が集まるから一人当たりの獲得数量は極めて
 少量となる時もある。事実、今回私が申込んだある樹種は100本の希望に対し割り当て
 られた数は僅か8本であった。0という樹種もあった。コニファーのブルーヘブン苗は
 希望200本に対し70本であった。
 逆にあまり人気のない樹種は希望本数通り配布されることもある。いろいろである。
 一時はこの苗木配布が注目され県内の植木生産者が先を争うように沢山の申込みが
 あって隆盛を極める勢いであった。それが植木の販売が低迷するようになってからは
 急激に需要は減った。そうなると県の方も当然力が入らなくなるようで、毎年目新しい
 樹種は少なくなっていくようだ。時流とはそんなものなのだろう。そんな中で
 新種苗木を求める方もシビアになるから有望樹種に希望が集中するのは避けられない。

 

3/1(火)晴れ

 市場出荷の小物植木掘り
 天気予報も良い方に外れて夕方まで晴れた。日差しは春の強さだが北東の風が冷たい。
 今日から弥生三月。「やよい」の響きはいいですね。心まで軽くなるようで。
 午前中コニファーを掘っていると眠くて身体が幾分だるい。欠伸も出る。
 寝不足であろうか。それでも次第に馬力が掛かると普段のペースにもどってきた。
 気温が低めだから助かる。これでポカポカ陽気だったら続かないのではないか。暑さに
 弱い体質である。一日中植木を掘り続けるのは大変な重労働であり 体に不調があれば
 とてもやっていられない。体力もそうだが気力も同じくらいなければ続かない。
 その原動力は何か。毎回言うようだが、それはやらなければならないという現実。
 つまりそれが仕事だからだ。誰でもどんな仕事でもそれは同じであると思う。
 事情が許すのなら、今の仕事をポンとなげうって楽な道を歩きたいと考えるのは私一人
 だけではあるまい。この仕事によって生かされていることを重々に知りながら、多分
 この仕事しか自分にはない事を十二分に感じながら何故満たされない思いを抱くのか。
 「やりがい」とか「生き甲斐」のような基本的な精神性に根ざすものなのか。
 若いうちならともかくこの年齢になってちと異常なのではないかと我ながら疑問に思って
 しまう今日この頃なのであります。
 10時に一旦家に帰る。住宅設備の仕事をしている友人が来て、風呂のボイラーを
 付け替えてくれている。老朽化したので先日依頼しておいたものである。
 奥さんと二人で来ていて、ちょうど新しいのを据え付けたところであった。
 友人だからすべてお任せである。機種もその機能も価格も事前に何も聞いていない。
 我家の勝手知ったる彼だから何も言う事はない。
 お茶を飲みながら話しをする。結構忙しいそうだ。良い事だ。
 忙しくても、私と違うのは、そんな中でもきちんと休みを取っている事で 私と反対に
 欲のない彼は仕事を無理に求めない。人間として上等な彼なのだ。
 ついでにそちこちの水周りの修理を言い付けて私は再び畑に舞い戻った。
 昼に帰ったら、すっかり工事は終了していてさっき帰ったと言う。仕事は完璧だ。
 我が友ながら優秀な奴だ。請求書を見る。ん・???◎▼×△! ぶったけぇー・・・。
 と言うのはウソで、安過ぎるのだ。これでは彼の今日の日当はゼロであろう。
 定価で16万円ほどのボイラーが98000円である。工事費も請求していない。
 以前、仕入れ価格は6掛けだとか7掛けだとか言っていたから、おそらく原価だけの
 請求に違いない。
 普段親しく付き合っているとは言え、これでは余りにも安い。彼女を紹介してやった訳でも
 ないのになあとバカなことを考えている時ではない。
 ぶったけぇー・・・と言えるほどの請求なら、本当は彼も大したものなのだが、やはりそこは
 我が友なのである。類は友を呼ぶと言う(?)。彼も人が良くて真面目でそして貧乏人である^^。

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