作業日誌  2005_1-2                                         トップにもどる

作業日誌 過去ログ


2005(H17)

2/28(月)晴れ

 埼玉の植木市場に行く
 昨日までと比べるとかなり暖かくなったが、これで平年並みの
 気温だという。市場の水溜りには薄氷が出来ている。
 先週から見ると出荷量は格段に増えている。時節柄、落葉樹が
 中心で、花木類はまだ目立たない。マンサクが少しと沈丁花
 早咲きのツバキそしてサンシュユの蕾の膨らみが大きい。
 トラックから植木を降ろしていると、知ったる顔の人々が何人も
 行き交う。この市場には私の近隣の人達も出荷していて同部落
 と隣部落を合わせただけでも4人いた。普段はほとんど顔を合わ
 せない隣町の親戚もいて、地元では会わないのにどうしてこんな
 遠くに来て度々会うんだと苦笑い。
 右写真はツバキの胡蝶侘助。今盛りを向えつつある。
 二月も今日で終わり。三月の声を聞くとあらためて忙しなく
 感じてしまう。月日の流れは本当に速い。
 親方の事、だいぶ間が空いてしまいました。いい加減な私です。
 また少しづつ書きます。


 

2/27(日)晴れ

 AM 第1圃場 コニファーの移植 PM 積込み
 気温は低めだがよく晴れた一日であった。午前中は昨日から続いてのエレガンテシマの
 移植作業をした。午後からは市場出荷の植木の積込み作業をする。堀上げてあった赤松を
 簡単に調整手入れしをした。幹の掃除と枝の下げ角度のバランスをとった。
 積込みはこの2本の赤松をトラックの最後尾にまず積む。その後から小物植木を積む。
 小物植木はピラミッド状に積んでゆくのだがトラックの既存の荷枠のみだと数量的にかなり
 限定されてしまうのでコンパネを横にして立て掛けて積み上げる。これだと通常の1,5倍は
 積む事が出来る。このコンパネを左右2枚づつ合計4枚使用する。
 枝物植木(造形樹)などは嵩張る割りには重量は軽い。従って枝物だけを満載したとしても
 見た目より重量は大した事がない。反対に小物植木を満載したらこれは結構な重さとなる。
 個々は小さくても根鉢がぎっしりと詰まって積載されるため密度が高くなるためである。
 ましてこの地方の土質は砂地なので重みが増すことになる。実際には赤土がかなりの割合で
 混入しているのだが、それでも赤土(関東ローム)だけの根鉢と比較したら1,5倍の重さが
 あると思う。それでもダンプカーのように土砂を隙間なく積み込むのとは違うので重いと
 言っても車がのろのろとしか走れないわけではない。植木はその特質上、満載したとしても
 空間が多いのである。
 H2Aロケットの7号機が昨日打上げに成功した。テレビで見るのを楽しみにしていたが
 結局どこのテレビ局も生中継はしなかった。どうしてだろう。予定された時間より1時間以上
 遅れたにしても冷たい対応である。前触れ報道は多々あった。前の6号機が失敗に終わり
 1年3ヶ月振りの打上げである事。大事な気象衛星の投入である事。今回失敗すれば日本の
 宇宙開発事業の根幹にひびが入りかねない事など、重要な意味を持った打上げである。
 ロケット打上げはダイナミックなものだ。まだまだ未開な部分を残した技術であり失敗しても
 驚くに値しない位の技術やシステムであると言う。その緊張感がたまらない。
 一昨日のテレビニュースで、関係者が近くの三つの神社に成功の祈願に行った事を報じて
 いた。最先端科学技術の粋を集めたようなロケットと、神仏に祈ることのギャップが少し
 ユーモラスに感じたが、いくら人事を尽くしたとしても最後はそれらを超越した何かにすがる
 しかない人間の性が素直に表れていて、哀れと言うより人間が人間である事の自然さに
 少しほっとしたものを感じたのであった。
 もっとも、最高責任者である立川理事長は「神頼みはしない。人事を尽くした人々に失礼だ」
 と機構の職員やメーカーの技術者を信頼していると言ったと今日の新聞に出ていた。
 それはそれでひとつの当然の見識だと思う。

 

2/26(土)晴れ後曇り

 第1圃場 コニファーの移植
 午前中はよく晴れていたが午後からは曇ってしまい気温も低くなった。暖かくなりそうで
 中々ならない。春は足踏み状態と言ったところか。
 エレガンテシマの1mほどに育った苗木を間引き移植した。これは列植してある苗木を
 1本置きに堀上げて別の場所に移動するもので、残った半分は根回しをかけてこの場で
 育てる。エレガンテシマは成長の早い木である。小苗を植えて2年、密植してあったので
 上にばかり伸びてしまっている。葉張りは20cmほどである。もっとも、昨夏に隣同士の
 枝がくっついてしまったので強い刈り込みを掛けた事もあって高さの割りには葉張りが
 少ないのである。この樹種は日光が十分差し込まないと中枝が枯れ込むので周囲の
 枝葉が込み合わないように注意しなければならない。
 こうして移植したり根回しした木は来年春以降の販売を見込んでいる。

 

2/25(金)曇り

 AM 休み PM 挿し木苗のポット移植準備他
 昨夜の雨は今朝までには止んでいた。今回もまとまった量が降った。
 どんよりと曇り空で、畑も水分が多くて作業がし難いので、午前中は作業を休んで確定申告の
 準備をする。普段からこまめにまとめておけば楽なのに一から始めると大変な作業となる。
 農協に行ったり銀行に行ったりもしなければならない。諸経費の項目別の仕分けも面倒な
 ものである。領収書の金額も業務用と自家用の割合で違ってくる。例えば、電話代や車の
 維持経費(油代、車検代)なども自家消費分を差し引かなくてはならない。売上げや仕入れは
 単純なものだから何と言う事はないが、現金出納に口座出入、在庫に減価償却などいろいろ
 洗い出しているうちに面倒くさくなり、来月の15日までに終わらせればいいのだからと
 ついつい飽きっぽい自分に戻ってしまってパソコンのスイッチを入れてしまうのだった。
 3日間小物植木掘りが続いたので疲れも残って、今日はタイムリーな休みだが、目的の
 ものに飽きてしまっては仕方がない。午後からは挿し木苗をポットに移植するための準備を
 することにした。畑にストックしてあるポット用の配合土を軽トラで作業場に運び入れたり
 ポット苗を置く場所を片付けたりと細々とした作業である。
 それにしても、家の中にいると時間の経過が早く感じる。事務作業などは結果が瞭然としては
 見えないから充実感も湧かない。それに比べると現場作業は誰の目にも判然としている。

 

2/24(木)曇り

 市場出荷の植木掘り他
 昨日春一番が吹いたと思ったら、今日はまた真冬の気温に戻ってしまった。お天気は
 一筋縄ではいかない。
 午前中はアカマツとクロマツ各1本を掘り上げた。午後からは注文のコニファーを掘って
 その後リキュウバイを20本ほど掘り上げて今日の仕事は終了した。これでほぼ市場用の
 植木は掘り上がった。明日雨になっても余裕を持って休みに出来る。雨だったら
 確定申告を一挙に進めてしまおうか。夜に少しづつまとめているのだが、気の多い私は
 あれもこれもで中々進まない。切羽詰まらないと何事も先延ばししてしまい馬力が出ない。
 毎年この時期は憂鬱である。自営業者などの多くは同じ思いをしているのではなかろうか。
 一旦エンジンが掛かると私の場合は早い。集中力は人並み以上と思っている。学生時代
 テストはいつも一夜漬けだった。それでも人並みの点数は盗っていたから山勘が働く方
 なのだろうと思う。
 それにしても何でこんなに追詰められなければやる気がでないのだろう。
 毎日忙しく働いているのは、もしかして神様仏様のご加護なのかもしれない。どうしようも
 ないぐーたら人間を飢え死にから護ってくれているのだきっと。私がお金がないのは
 神様仏様の御蔭なのである。神様仏様はやはりありがたい。
 毎日お金が欲しい欲しいと思っている貧乏人のご同輩、神仏に感謝致そうではないか、ん!

 

2/23(水)晴れ一時曇り

 市場出荷の小物掘り
 ツバキ ジンチョウゲ オタフクナンテンを掘る。
 強い南西の風が終日吹き荒れた。春一番と言う麗らかな響きとは異なって
 砂埃が吹きつける凄まじいまでの烈風であった。
 畑の中ほどで比較的風を避けられる場所を選んで植木を掘る。少し背の高い木だと
 幹の周りを掘っている最中に風に煽られて根鉢を壊されてしまうので注意が肝要である。
 気温が高いので汗ばむほどであったが、これが寒風であったら今日は仕事にならなかったに
 違いない。春は風の季節である。風はどちらの方向から吹いても嫌なものだが
 軽い東風なら風流でもあるからコチらは良としようか。
 春一番が吹いて、これからは名実共に早春の季節である。
 今日の市況は、全体としてまずまずの出来であった。コニファーは前回までは安値と
 聞いていたが、高値まではいかないがそこそこの値段がついた。
 ツバキも名の通った種類物は高値、それ以外もまあまあの値段。利休梅も予想通りの
 価格であった。安値の物として、オタフクナンテン フイリヒイラギ ヤナギなどである。
 斑入り柊は昨秋から安値が続いている。寒さに比較的弱いので、それ故の相場展開なの
 だろうか。少し気になるところである。昨年までは高値を維持していたので、我家でも
 力を入れている植木のひとつである。生産量も多い。
 枝物のアカマツも以前より回復して、最低限ではあるがこれなら何とか・・との相場であった。

 

2/22(火)晴れ

 市場出荷の小物掘り
 コニファーとツバキを掘る。コニファーはエレガンテシマとエメラルドの2種類。
 ツバキは胡蝶ワビスケ、玉の浦、紅小町他。
 今日は暖かくなった。明日はもっと気温は上がって、春一番が吹くことになると言う。
 夕方、義兄を病院に見舞う。丁度夕食中で、お粥が不味いのどうのと悪態をつくほど
 元気な様子であった。心臓手術なのに何でお粥?と思ったが、義兄の場合は胃の方から
 も血管を引っぱって来て、それをバイバスとしているからそうなるのだそうだ。納得。
 切開した胸部はまったく違和感がないそうで、今日は病院内を1kmも歩いたと言っていた。
 とは言うものの、声がかすれて弱々しい。何のかの言ってもこれだけの手術なのだから
 ダメージはあるのだろうと言ったら義兄は、話し相手もいないから黙っているとこうなる
 らしいんだとあくまでも強気である。
 明日に最終的な検査があり、それで問題がなければ数日中に退院となるようだ。病院は
 満員状態で、今は寒いからもう少し置いてくれと頼んでもだめだったそうだ。優しい看護師
 さんに世話をやかれて名残惜しいのだろうか。ああ、俺も入院したい。
 聞くところによると、執刀医はまだ30歳だったそうだ。テレビでライブドアの堀江社長を
 見て、私より2年先輩だと言っていたと言う。そう、東大の先輩と言う事なのだろう。
 今でも、東大と言えば何か特別な響きが漂うが、私が「トウダイ」と聞いて反射的に絵が
 浮かぶのは、銚子の犬吠埼の「灯台」である。(アホか^^)

 

2/21(月)晴れイチゴノキ 2月

 植木市場に行く
 昨年の11月上旬以来だから、3ヶ月半振りの市場である。
 土曜日の雨で砕石砂利の敷いてある植木置き場は
 排水の悪い場所にプールが出来ている。その他も
 ぬかるんでいて状態が悪い。植木を並べた後で再び水を
 掛けるものだから地面が乾く暇がない。ゴム引きの
 地下足袋を履いての作業となった。その足も今朝の寒さで
 少し痺れた。
 出荷量は昨年並みと思われる。先週のセリ日は冷たい
 雨で、先々週は雪にやられて、何れも安値市況だったようだ。
 この冬は雪が多いため北国のお客さんの出足が悪いと
 市場の方が言っていた。
 この植木市場は東北方面のお客さんが多いので、その動向が市況に大きく影響する。
 一方、出荷の方は年々早まる傾向にある。これは何と言っても3月4月の最盛期に
 出荷が集中し、出荷者同士の競合が激しくなるので、少しでも分散させたいとの思いがある。
 それと、早い時期の方が比較的安定した相場展開がこれまでは続いていたためである。
 今年はどうなるか。今の時代 何でもそうだが、過去のデータでは予測のつかない物事の
 流れや動きが普通のこととしてある。過去の経験だけで未来を推し量るには無理がありそうだ。
 今日の写真はイチゴノキの現在の実の様子です。これは大きい方の部類です。
 4月になるとかなり大きく育って、販売し易くなります。

 

2/20(日)曇り一時晴れ

 AM マツの手入れ ヤナギ出荷準備 PM 積込み
 薄曇の空模様だったが気温は上がった。今年の冬は寒かったのか暖かかったのか
 判断に迷うところがある。寒い日は寒く、暖かい日は暖かいというメリハリのある日が
 多かったと言うところだろうか。
 いよいよ市場出荷が始まる。戦闘開始である。これが始まると他の仕事はあまり出来なく
 なって、毎日のように植木掘りが続く事になる。何せ一年の売上高の三分の二がこの季節に
 集中するので忙しい訳だ。
 昨日の話しの続き。私の植木の師匠、つまり親方の事だが、年齢はまだ60代前半で
 当然まだ現役なのだが、仕事は息子さんが中心になっていて、本人は手助け程度だと言って
 いるがまだまだやる気十分な体力気力である。
 先代の下での修行やいろいろな植木屋さん造園屋さんでの修行の後独立して弟子を
 とって植木職人として活躍するも、一を聞いて十を知るような人だから当然に山気もあって
 植木の売買の仕事をするようになった。造形樹木を仕立てる仕事は一年中はないので
 そのことも要因のひとつではあるが、その人間性に因るところが大であると思う。
 時あたかも経済成長の真っ只中で植木の需要も年々鰻登りの情勢であった。
 当時、若くして既に植木造りにかけては右に出る者がいないほどで、名人の名を欲しいままに
 していた時期である。
 目論見どおり植木の商売は儲かった。職人として日当何がしかで働いているよりは
 比較できないほど実入りは良かったはずである。
 そんな時期である。私が親方に弟子入りしたのは。 (眠くなったので続きは明日)

 

2/19(土)雨

 AM イチゴノキの出荷準備 PM 買物他
 雨が多い。今日も終日降って夜のこの時間にもまだ止まない。昨夜からなので24時間
 降りっぱなしということになる。明日は畑の作業は無理かもしれない。
 午前中イチゴノキの出荷準備をする。今日のは市場からの注文なのだが、昨日の夕方に
 なって依頼されたもの。今日の雨でちょうど良かった。ハウスと作業小屋の仕事なので
 濡れる事はない。8寸鉢のものだから花屋さん関係の物ではないと思う。このところ
 ガーデン用途の注文もぽちぽち出てきた。来週は2,5m物が10本ほど出るのだが
 こちらはどうやら公共的な植栽らしい。これは畑に植えてあるので本鉢根巻きで出荷する。
 忙しくて堀上げが期日に間に合わないと言ったら、お客さんの方で掘り取ってくれることに
 なり助かった。もっともこれは先日の約束で、最低一週間の余裕を見て納品日を伝えて
 欲しいと話してあったので先方も了承してくれたのであった。
 昼前に姉夫婦が来て、それで作業は終了する。午後、彼等が帰ってから街に出て買物や
 所用をこなす。
 夕方前に親方の家に息子さんに用事があって伺ったら、久しぶりに親方がいて炬燵に
 もぐり込んで話に花が咲いた。時々お宅にはお邪魔するのだが、滅多に家にいない方
 なので中々顔を合わす機会がない。今日は雨なのでテレビで競馬中継を見ていた。
 競馬が好き。競輪だって競艇だって、競の字の付くものは何でも好きなようだ。
 以前はパチンコにもよく通った。花札だって大得意・・・^^ (眠くなったので続きは明日)

 

2/18(金)曇り

 AM マツの堀上げ PM イチゴノキ出荷準備
 また寒くなってしまった。三寒四温とは今頃の季節の事だったろうか。
 寒いと言っても力仕事をしている時は何の事はない。かえって仕事が捗って良い。
 午前中は市場出荷のアカマツの小さいのを2本掘った。先日降った雨の量が多かったので
 少し深く掘り下げるとジメジメとしてくる。砂地ゆえ排水性は良いのだが地下水位が高いので
 大雨があると5〜60cm掘り下げただけで水が湧きだすといった状態になる時もある。
 だからこの辺の大物植木の根は深根性のマツであっても下根は刺さない。従って根鉢は
 比較的平べったい形となるのが特徴である。作業性が良い反面、極端なときは下根が
 全く出ていない事もあり、根鉢の下部が崩れ落ちてしまうこともあるので細心の注意を
 要する時もある。
 根鉢の下部(底)が崩れると綺麗な根巻き姿にならないので商品価値も下がって見えて
 しまうので避けたいところだ。もっとも、根鉢の形が多少歪になるだけで、根さえ良ければ
 移植後の根の活着には問題はないので、その点は心配ない。
 午後からはイチゴノキの出荷準備をする。このところ季節を問わずぽろぽろと注文がある。
 4月にならないと実が観賞に耐えるほど大きくならないので、1〜3月は本来この樹木の
 販売には不適な期間である。以前は特殊樹木の部類であったこの樹種も、ここ数年で
 大分認知度も上がり売行きも好調である。花も実も葉も綺麗なのだが、何と言っても長期間
 観賞できる点が素晴らしい。秋にクライマックスが訪れる。花が咲くと同時に実が色づき
 赤い実と白い花のコントラストが見事。
 ただ、正直言うと、管理が少し難しい。覚えてしまえば何と言う事もないのだが、一般の
 方々には難しい部類に入ると思う。私も十数年これに関わってきたが、もう少し課題が
 残っている。商売となると採算性は良くない。今の値段くらいなら何とかなるが、いずれ
 生産が増えて価格が下がればたちまちアウトになってしまうのは確実。
 この辺りの植木屋さんも何人も栽培にチャレンジしたのだが、ほとんど止めてしまった。
 明治時代には日本に入ってきていたと言うから、それがメジャーたり得なかったのは
 この育て方のややこしさの為かもしれない。
 園芸好きのみなさん、是非挑戦して見て下さい。ちょこっとだけアドバイス出来るかも・・

 

2/17(木)晴れ後曇り

 市場出荷の小物掘り
 昨夜に止んだ雨が今朝になって又少し降出してしまった。すぐに止んだが植木は濡れて
 しまって仕事にならない。少し様子見をして、9時頃になってから畑に出た。
 今日はオタフクナンテン ヒイラギナンテン ツバキ 等を掘り上げた。
 昨日ゆっくり休んだのが良かったのか、風邪は何処かに飛んで行ってしまった。私の体は
 何処までも安上がりに出来ているようだ。神は二物を与えずと言うから、アタマのほうは
 我慢しなければならないと素直に思えるのだ。感謝! アタマの良い人はそれなりに
 高邁な悩みを有するようだ。私などから見れば、贅沢な悩みだなあと思える事でも
 わざわざ深く掘り下げてまで悩まなければ気が済まないようだ。
 本当に人はいろいろだと思う。でも、どちらが良いとかの問題ではないんですね、きっと。
 結果的に悩む事が生き甲斐になっていたりもして、複雑でもあり滑稽でもあったり・・・。
 夕方、植木組合員のお宅の通夜に行った。その足で仲間と夕飯だ何だと出かけてしまい
 帰宅は遅くなってしまった。夜は夜でやるべき事もあるのだが一日伸ばしになっていて
 気が気ではない。身体が二つ、いや三つくらい欲しい欲の深い私。身体が三つあったら
 悩みも三倍あるんだぞってか・・  今の自分ならそれでもいいような気がするが三倍の
 意味が、個数の三倍なら何の事はないが、個々が三倍の大きさなら堪忍を頂きたい。

 

2/16(水)雨

 雨で仕事は休み
 昨日病院から帰って、風呂にも入らず夕飯も食べずに寝たが、頭は痛いは鼻水は出るは
 くしゃみ鼻詰まりで、完全な風邪ひきとなってしまった。今日は雨で風邪の体を休めるには
 良かったが、仕事の方が心配だ。来週の市場に間に合うかどうか、この先の天候は
 あまり良くない。
 風邪などここ何年もひいた事がなかったのだが、睡眠不足が影響したか。仕事で疲れるなど
 滅多にないから、他には考えられない。もっとも体力の低下が要因とすればそれもありかなと
 思うが、私の場合は睡眠さえ足りていれば何とかなる方だから心配はあまりない。
 自慢ではないが、体力はない方だから無理は利かない。無理が利かないから疲れたら
 直に症状が表れるから、その対策も早く取れる。だから大事には至らない、と自分では
 思っている。それとストレスがないのがいい。基本的にノー天気なのだろう。心配事も
 なくはないのだが、その時はその時、何とかなると思っている。それと、私は何事も逃げるを
 身上にしている。嫌な事は何事からも逃げる。
 本当は逃げてはいけないらしいのだが、弱い私は一生懸命に逃げて行きます。
 でもね、最後は開き直って腹を決めます。もう遅いってこともありますが・・・ それでここまで
 来てしまったのですが。まだ若い皆さんは逃げないでね・・って勝手に思っています。
 昨日手術を受けた義兄は経過も良く術後の傷みもなかったそうだ。今更ながらに医術の
 進歩の大きさに感嘆させられる。

 

2/15(火)晴れ

 休み
 穏やかで暖かい日和となった。休んでいるのがもったいない。
 でも、こればかりは浮世の義理とか世間との付き合いとかではなく、人間として純粋な
 思いとしての行為である。
 今日は義兄の心臓手術の日である。
 8時半にはオペ室に入るというので7時過ぎには家を出て旭中央病院に向った。
 義兄はいつものように元気で調子がいい。手術への不安はないのだろうか。
 心筋梗塞で、心臓から出ている3本の冠動脈がいずれも詰まってしまったために
 バイパス手術をするのである。
 昔は不治の病と言われた心臓病も今は医師に言わせると「簡単ですよ」という事に
 なるらしいのだが、一時も休む事なく動き続ける最重要な臓器である。本人はもとより
 家族や親戚の心配は尋常ではない。
 医師は絶対の自信を持っているらしく殊更に手術の安全と必要性を説くのだそうだ。
 入退院を繰り返しつつ二ヶ月を経過して幾分やつれた表情の中にも軽口をたたきながら
 義兄は手術室に入って行った。
 我々は手術室の近くの控室で静かに待つしかなくなった。
 事前の説明によると実質の手術時間は4時間、前後1時間づつの準備やケアがあり
 手術室にいる時間は計6時間になると言う。
 私たちが出来ることはその間何もない。何もないから家族が買ってきた飲食物の数々を
 ひたすら平らげることに精を出していた。おまけに昼食時に病院に隣接するお店に行き
 まあ時間もたっぷりある事だしとビールの一杯もと言う事になった。オイオイ・・との思いも
 あったが、変に自粛してもそれが手術の成否に影響を与える訳でもない。それも又好しと
 流れに乗るタイプの私はついつい手を挙げるのだった。
 午後の時間は長かった。控室のソファーにもたれて唯々眠る事に勤めた。喰って寝て
 とてもいい身分の時間を過ごした。
 午後3時頃になって、義兄は手術室を出てICUに移った。
 担当医が家族や親戚に経過を説明してくれた。手術のビデオを見せられながら
 あれこれ説明を受けたがよくは解らない。心臓から出ている3本の冠動脈のすべてに
 バイパスをつけたそうで何れもうまく機能したと言う事だ。後は脳の方に障害が出ない限り
 心配ないと言うので一同ほっと一安心。ICUで義兄は何本もの管に繋がれていて、まだ
 麻酔が醒めないまま眠っていた。
 午後6時頃にならないと麻酔は醒めないとの事で、家族を残して我々は一旦帰る事とした。
 夕方前に家に帰ったのだが、どうも体の調子が悪い。どうやら本格的に風邪をひいて
 しまったようだ。すぐに布団にもぐり込んでしまった。

 

2/14(月)晴れ

 市場出荷の小物植木掘りサルスベリの種子殻
 久しぶりに朝から夕方までよく晴れた。
 今日は気温も上がって、植木を掘っていると体も温まり
 ポロシャツ姿で十分な陽気であった。厳しい寒さもいよいよ
 峠を越して、寒暖を繰り返しながらも春への一筋の道が
 見えて来た。
 先日、植木仲間の家に北海道の業者さんが来たそうで
 ここ千葉の暖かさに驚いていたそうだ。
 別世界に来たようだと表現していたそうだから、やはり
 あまりの状況の格差に戸惑ったのであろうと思う。
 今年は雪が多くて北国の皆さんは大変だと思います。
 雪のない関東地方でも北部と南部ではかなり違うもので
 埼玉の方がこちらに来られると、千葉は空気が柔からいと
 言われることがある。
 こんな好天の日は特にその思いを強くするが、西から北東にかけての風が吹けば
 状況も一変してしまう。乾いた冷たい風が身を切るほどの寒さとなる。家の中も身体も
 防寒が中途半端なので特にそう感じるのだと思う。
 それでも雪がないだけ良い。真冬でも土が凍る事は滅多にないから、いつでも植木を
 掘り上げることが出来るので仕事への支障は全くないのは有難い。
 一年の四分の一を雪で覆われる地方の植木屋さんは冬場はどうしているのだろう。
 春が来るのも遅いだろうし・・・でもその分、秋まではこちらの人々の倍も一生懸命に
 働くのだろうか。それとも仕事が上手だから儲けも多いということだろうか。
 今日から市場出荷の植木を掘り始めた。この先雨も多そうだから早目の対応と
 いうところだ。コニファーとツバキとリキュウバイを掘った。
 右写真はサルスベリの種子殻。種はとっくに落ちてしまったが、これはこれで風情が
 あってまた美しいものである。

 

2/13(日)曇り

 畑の整理
 朝ちらほらと小雪が舞った。直に止んだが夕方までどんより空が続いた。
 挿し木も一段落した。後は少し時間をおいてから第2段をする。
 今日は春の出荷を前に畑の整理をする。傷んでしまった木や売れる見込みが低い木を
 掘り起こす。こうして空いた場所に再び苗木を植えることになる。
 出荷が始まる前にコニファーの移植や根回しをしたいが手が廻らない。この分では
 同時進行になりそうだ。ツバキも花が咲き始めてしまった。来週からは堀上げをしなければ
 ならない。
 日曜ともなると車もぐっと少なくなる。田舎の事だから普段もそんなに多くはないが
 それにしても静かで寂しすぎる光景である。
 そんな中、今日は久々に鉄砲打ちがやって来た。狩猟期間は明後日で終了するので
 今日の日曜が事実上の最終日となる。有終の美を飾りにやって来たのだろう。隣の畑で
 バンバカやっている。作業しているこちらの頭上に鉛の玉がパラパラと落ちる。
 もう慣れっこなので何とも思わない。梯子に乗っている時などは少し気味悪いが今は
 地上作業なのでどうと言う事もない。彼らが行ってしまうと再び静寂がやって来る。
 野に人影はほとんど見えない。今は農閑期だから当然そうなのだが、昨今は農繁期でも
 その期間は極めて短くて人声はあまり聞こえないことが多い。
 農村はどうなってしまうのだろう。我が部落でも専業農家は3軒だけになってしまった。

 

2/12(土)晴れ後曇り

 挿し木
 今日は落葉樹の挿し木をする。ヤナギ類とフサスグリ等
 ネコヤナギ(紅七変化)は13,5cmのポットに直接挿し木して、他のものは箱挿しと地挿し
 にする。フサスグリはトロ箱を利用して挿し木する。
 キングサリを久しぶりに挿して見た。何年か前に沢山作ったのだが売行きが芳しくなく
 結局全部廃棄してしまったことがあった。
 それが昨年植木市場では品薄もあり高値がついていた。園芸店では珍しくもなく普通に
 売られているが庭木用のものは少ないらしく出荷が少ない。
 成長の早い樹木でもあり、売れるとなったら直に生産が始まりたちまち供給過剰になること
 必至だが、黙って見過ごすのも癪である。欲にかけては右に出る者も少ない私だから
 やらないと言う選択肢はない。人様に儲けられてしまっては業腹の極みである。
 とは言いつつも少量でやめておいた。箱に200本ほどである。
 こんな事はこれまでも度々あった。当初は沢山生産しても少し売行きが悪いと、これは
 ダメだと思ってやめてしまう。すると暫くして売れ出してくるといったパターンである。
 これとは違って、循環型というのもある。
 千葉県の特産樹種であるマテバシイやクスノキやタブノキ等の緑化樹には昔から売れる
 周期のようなものがあって、それに上手く当てはまった時が高値で売れるのである。
 逆に外すと酷いことになる。ずっと以前、2〜3mに育ったマテバシイを数万本処分した事が
 あった。当時はまだバックホーなどなかった時代だから、それら全てをスコップで掘起こして
 焼却しなければならなかった。売れるとなれば皆が同じ事をやるからこうなるのだが
 数量的にはともかく、同じ事がその後も続いている。クスノキやタブノキも同様である。
 今はそれらの樹種の大きい物が過剰となっていて、小さいもの(C30cm以下)は逆に
 不足している。

 

2/11(金)曇り一時晴れ

 挿し木
 今日も午前中は寒かった。久しぶりに地下足袋を通して足がじんじんと痛んだ。
 それでも風が弱い分助かった。挿し木は重労働ではないので寒い日には似合わない作業の
 のひとつである。
 昨日に続いてコニファー類の挿し木をする。
 コニファーの特徴はまず何と言っても葉色の多彩さである。緑や黄色は元より、青系統の
 種類が沢山あること。これは他の樹木ではあまりない。金色や銀色、赤、茶、橙色、紫色
 それらの中間色や微妙に変化した色あいのものなど多種多様である。それらがまた
 季節によって葉色を変化させるのがもうひとつの特徴で興味の尽きないところでもある。
 今日までに定着してきた種類は病虫害にも強く成長も早いので、生産段階に於いても
 作り易く効率も良い。ガーデニングブームともあいまって園芸樹木の中心の位置を占める
 ほどの勢いを見せているのも周知の事実である。
 生産者としてもコニファーの消費が伸びてくれるのが一番いい。育てるに手間がかからず
 短期間で出荷できれば言う事はない。
 しかし、そうは問屋も卸さない、と言うのも事実である。それが昨日の日誌の内容である。
 夕方、仕事仲間のお宅の通夜に行く。その後 同業者たちと食事に行き帰宅も遅くなって
 しまった。夜は雑用も多いのだが一日延ばしにしているものも少なくない。
 昼も夜もする事が沢山あって、ありがたいこと、ありがたいこと・・・

 

2/10(木)晴れ後曇り

 挿し木
 午前中ポカポカ陽気 午後は底冷えの様相を呈した。
 コニファー類の挿し木をする。樹種は十数種類である。畑の簡易挿し木床とハウス内に
 種類によって分けて挿し木をする。ハウス内は箱挿しである
 以前はコニファーの種類を沢山集めた。高い苗木も買った。しかし、そのほとんどは
 気候的に合わなかったり病気が入り易かったり繁殖が難しかったり作っても売れなかったり
 色々あって、今ではこの位の種類に落ち着きつつある。
 その中にも、数量的には売れるが価格が安かったり、価格はほどほどに売れるが成長が
 遅かったりと、なかなか思うようには行かないものである。
 コニファーはまだまだ新しい樹種が出てきそうで楽しみもあるが、浮き沈みが激しいのも
 特徴的で、今は第4次のコニファーブームとも言われているほどで、そのサイクルも短い。
 ここまで来てやっとある一定の地歩を築いたかに見える。
 コニファー栽培業者も一時は全国的に広まり、結果として騒ぎが大きい割りには需要は
 伸びずに価格が暴落して、その後コニファー栽培から撤退する業者も多かった。
 コニファーは種類が多い割りには販売数量が多く見込める樹種は少ない。生産効率の
 面から見ても同様で、従って実際の生産はその数少ない樹種に集中してしまうのは
 理の当然となるのである。
 今年挿し木したものが販売出来るようになるのは4〜5年先である。
 その時に植木は、コニファーの位置は、種類は、市場規模はどの位になっているのか
 誰にも見当がつかない。

 

2/9(水)晴れ後曇り

 ゴルフに行き仕事は休み
 植木組合のゴルフコンペに参加した。風も弱く温かな天候で正にゴルフ日和だった。
 昨日が雨で、二日続きの仕事休みになってしまったが、この後5月まではゴルフの
 チャンスはないだろうから、これは良しとする。市場出荷が始まれば出歩く機会は
 まずない。春は畑の仕事と出荷が重なって「寸暇を惜しむ」の言葉の如くとなる。
 昨年11月以来の久しぶりの組合のコンペだったが、やはり気のおけない仲間たちの
 集いは楽しいものがある。ただ緊張感に欠けるのが難点で、おいおいと言いたくなる時も
 しばしばで、これでは流石のゴルフの歴史と伝統、格式も精神もお手上げである。
 いくらルールやエチケット、紳士のスポーツ云々と高邁な思想を述べても
 ○○に真珠、○○に小判とは言わないまでも、何か別世界の物語の気配さえ漂って
 唯々笑ってしまうより他はない。
 それで良いのだろうと思う。人はその棲む世界によって様々である。その世界には
 その世界なりの価値観や約束事があり暗黙のうちに認め合って統制している。
 正論を吐く奴にロクな者はいないと言う。四角四面な理想論は脆いものである。
 物事はなるようにしかならない。極大事なところで間違っていなければ、後はどちらに
 転んでも世の中大差はないように感じられてくるのだ。
 夜、テレビでW杯サッカー予選の対北朝鮮戦を観る。なかなか面白い試合であった。
 普段Jリーグの試合など全く観ないのだが、日本代表の国際戦だけは欠かさずに
 観る。サッカーは特にその国の威信を背負って立つ意識が強くて誰でもナショナリズムを
 否応なく刺激させられるのである。
 集団で体と体をぶつけ合うスポーツである。これ以上のものならば戦争しかあるまい。
 間に15分の休憩を挟んで前後45分間づつ動き回る。想像以上にタフなスポーツだ。
 これを見ると、野球の試合などはダラダラとして、かったるくて見ていられない。
 自らを卑下し自虐思想を固有のものとして堅持する日本人もこの日ばかりは
 何の疑いもなく無自覚のうちに愛国主義者となり同胞の活躍に胸を熱くするのである。
 少なくない数の日本人が今これに熱狂する。
 それは戦後日本が、行き過ぎたある方向への反作用としての潮流として今大きく
 揺り戻そうとしている。その振幅の過剰さを今から懸念する向きもあるが、それは
 まだまだ杞憂と言った範囲のものであると私は思っている。
 スポーツで活躍する日本人が増えた。若い彼らに日本人の卑屈さは見えない。
 むしろ日本人であることの誇りが前面に見えて頼もしい。
 日本もすてたものじゃあないさと、日頃の若者の言行を苦々しく思っているオヤジも
 こんな日ばかりはこの国の将来に微かな光明を見い出す思いがして嬉しい。
 えっ・・・ 日本人だ、何人だと言っているほうが古いだって? ううーん そうかも・・

 

2/8(火)雨

 雨で仕事は休みスイセン
 断続的な小雨が夕方まで続いた。雨量は少なかったが
 しばらく乾燥した天候が続いたのでちょうど良かった。
 骨休めもできて貴重な一日。午前中は私的な外出で
 午後は家でゆっくり・・・も出来なかった。色々と用人も来て
 おまけに夕方前には風邪引きの友人まで来ておやつの
 菓子パンや肉蕎麦、デザートの苺まで食い荒らしていった。
 俺はこの肉蕎麦に入っている肉の脂身は好きじゃあないん
 だよなあ、とか何とか言いながら鼻をzu-zu-させながら
 無くて七癖のひとつの拳骨で目をグリグリさせる仕草を
 披露していると、自宅から夕食コールがあって、家に帰って
 メシでも喰うかと言って帰って行った。
 今日の写真は庭に咲いていた水仙の花。
 信如が美登利の家の門にそっと挿して行った水仙はきっと
 もっと素朴なものであったろう。

 

2/7(月)晴れ後曇り

 第4圃場 畑の整理
 今が気楽な時期をいい事に 毎日夜更かしの連続になってしまっている。
 ときたま 早く床についても その時間にならないと眠くならないものだ。 早くこの状況を
 元に戻して健全な日常生活を とガラにもなく考えている。 この日誌も3行5行に収めて
 初期の頃のように簡潔に具体的な作業日誌とするか。 それ以外は 一年近く休んでいる
 雑記帳に少し書こうかとも思っている。 思っているが・・・
 この日誌は 当然公開を前提として書いている。 虚飾 創作 改ざん 編集 推敲 して
 でたらめ日誌の完成と相成るわけだが、本物の作業日誌は別に記していて、これは
 エクセルで書いている。
 たった1行である。これが本物の日誌であり このHPに書けない重要で最高機密扱いの
 有力情報が山の様に書いてある。(見たい人はメールを・・・有料・・高いですよ〜^^)
 エクセル本来の機能などほとんど活用できないでいるが この農作業日誌の使い方は
 農業関係の何かの本で知って それ以来利用している。
 小学生の時から今日まで 日記は何度も何度も書いたが いずれも三日坊主に終わった。
 しかし パソコンを始めてこの方 この日誌だけは続いている。1行だから重圧もないので
 続いているのだろうと思う。
 ホームページを始めた当初は このような日誌の形は想定外であった。
 この日誌は毎日更新するが作業記録として淡々と記す。雑記帳はその時々の話題や
 自分の思いを書く。これを週に一回程度更新するつもりでいた。が いつの間にやら
 どっちつかずのスパイスの効かない内容になってしまった。
 本当は もっと洒落た文章のひとつも書きたいのだが どうやらその才能が私には
 ないようだ。 ザンネン〜〜・・(BYギター侍)

 

2/6(日)晴れ

 第2圃場 畑の整理
 3〜4mにも成長したモチノキを昨年末に伐採した。
 残念で勿体ない事なのだが 背に腹は代えられないということで やむを得ないのだが
 何か釈然としないものがある。 お金にならなかったと言う無念さより 木に対して
 申し訳ないような感情がどうしても払拭できない。
 最近はこうしたことが結構多くなった。 もう正気ではやれないので その時は一時的に
 自分と言う人間をやめてしまうことにする。 ここに自分という感情を持たない人間が
 存在する奇妙な事になる。 割り切るとか 涙を呑んでとか そう言う事ではなく
 感情を持たないという現象は あっけらかんとして 変にクリアな精神状態である。
 何も感じないという恐ろしさと無機質な居心地の良さが交錯する。
 最前線の兵士たちはどのような精神状態で毎日を戦うのだろうか。
 バックホーを使ってその切り株を掘り起こす作業をしていると よくノビタキが遊びに
 やってくる。 野鳥の名前はよく分からないが ジョウビタキの仲間だろうか。
 人懐こい鳥である。人間のすぐ傍までやってくる。地中から掘り起こされた虫を狙いに
 やってくるのだが 賢い鳥である。獲物を発見するとパッと舞い降りてサッと咥えて
 飛び去ってゆく。
 お茶など飲んでいると バックホーの上で遊んだり 立ててあるスコップに止まったり
 お茶目な性格である。
 以前 餌付けをしたことがあった。 畑を耕転していると 例によってすぐ近くの木の枝に
 止まって こちらを窺っている。 掘り起こされて出てきたコガネムシの幼虫などを
 ノビタキのいる方向に投げてやると すぐに飛びついてくる。
 何度も繰り返していると こちらの顔を覚えたらしく 私が畑に行くと くっついて離れない。
 餌は自分で捕るものだ。 人間に貰うものじゃあないよと 言って聞かせても解らない。
 しょうがないから こちらも植木掘り半分 虫探し半分となってしまった。
 半年も付き合っていると きゃつも大分大きく育ってきた。 もうそろそろいいかな。
 色艶も良くなったし (食べ頃かな)・・・ と思っていると あいつめ 急にいなくなっちゃった。
 食い逃げだぁ・・・と怒っても後の祭りとなっちまった。
 もう少し早くとっ捕まえておけばと 後悔先にたたずの今日この頃を実感している。

 

2/5(土)晴れ

 第1圃場 マツの根回し
 今日も終日よく晴れた。 午前中風が強かったが午後からは気温は低めながら穏やかな
 日和となって 畑の砂土の表面も白く乾いていて気持ちが良い。 春の暖かい日も良いが
 冬のこんな日の方が私は好みである。何故って・・春は忙し過ぎるから。
 植木屋の春は戦争だ と以前も書いたが 体はひとつなので忙しいと言っても一日の
 仕事量が多くなる訳ではない。 気持ちの余裕がなくなってしまうのが寂しいところだ。
 頼まれたツバキを少量掘った後は アカマツとクロマツの根回し作業をした。
 以前に移植したり根回しをしてから5年以上経過したものを対象としている。 これは
 目的としては第1に 販売時にお客さんの元に行ってから枯れたり植え傷みがないように
 すること。 第2に 葉が長く伸び過ぎて形崩れしないように。 これは木を「虐める」ことによって
 引き締まった枝葉を維持するということになる。
 第3に こうすることによって木が若返ることに繋がります。 そうするとマツを枯らしてしまう
 害虫(マツノザイセンチュウ)に対しても抵抗力が増大します。 良いことだらけです。
 庭にマツがある方は是非5年に一度くらいは根回しを掛けてください。 木の大きさや古さ状態
 経過年数によっても根回しの方法が異なりますから 植木屋さんに依頼するのがベスト。
 ものによっては 数年掛けて少しずつ根を切っていかなければならない事もありますから。

 

2/4(金)晴れ

 AM ヤナギのポット植え PM マツの根回し
 午前中はギンドロとウンリュウの各ヤナギを23cmの地中ポットに入れ込む作業をする。
 ヤナギ類は育つスピードが驚異的なだけに根の荒れ方も半端ではない。畑に挿し木して
 ちょうど一年になるが、大きい物は2mの高さに育っている。掘り取ると根は鶏の足状態で
 小根がほとんどない。土も付いてこない。これで移植してもほぼ100%枯れる事はないほど
 丈夫な樹木である。花を見るネコヤナギはポットに直接挿し木して1年で販売してしまうが
 今日のは葉や幹を観賞するヤナギなのでポットに植え替えてもう1年育てるのである。
 早く大きくなる木は価格もそれなりで、その年によって当り外れがある。
 去年は売れたのに何で今年は、といったことも多いのが特徴だ。今年が高値であったら
 来年は生産量が急激に増えて価格は反比例して暴落するのが常である。
 野菜と似たような需給形態をとるのがこの栽培期間が短い樹種の宿命でもある。
 そこそこの値段で売れてくれればこれほど効率の良い生産方法はない。例えばツバキ等は
 挿し木してから販売まで5〜6年掛かるが、それであっても確実な保証はない。
 二匹目のドジョウもヤナギの木の下にいるかどうか、怪しいところである。

 

2/3(木)晴れ

 苗木のポット植え
 今日も昨日と同じような天候。毎日本当に嫌な風だ。
 昨年挿し木した落葉樹の苗木をポットに植え込む作業をする。今日植えた樹種はフサスグリ
 ハクロニシキ キングサリの3種類で、フサスグリは7寸のビニールポットに他は23cmと
 28cmの地中用の不織布ポットに入れ込んだ。
 作業場でこれらの仕事をしていると近所の植木屋さんの奥さんが通りがかりに寄り込んで
 いろいろと尋ねて行った。午後からはまた別の植木屋の奥さんが来てあれこれと話し込んで
 いった。他の植木屋が何をしているのかやはり気になるとみえる。
 こんな時代だから、何をやったら良いか皆暗中模索の手探り状態である。だからこそ余計に
 他の人が何をしているのか興味が湧くところとなる。
 それは生産者であれば、事業の大小や形態を問わず誰でも同じだろうと思う。園芸や植木の
 生産者は消費が伸びない現状の中で何とか販売に結びつく品種や有利な栽培方法を見つけて
 この閉塞状況を打破したいと必死である。
 需要そのものが多様化し、次々と出てくる新しい品種、流通販売経路の変化、等々目まぐるしく
 変わる情勢に対応が追付かないのが現状である。
 この町にも植木屋さんは多いが、一口に植木屋と言っても様々である。畑で植木を栽培する人
 植木の流通を主な仕事とする問屋さん、個人邸の造園や手入れをする人、公共緑化工事や
 ゴルフ場の手入れをする人、小売販売や縁日出店をする人、或いはそれらを複合させた
 形態の人、等である。
 植木生産が専門でも公共用や開発地向けの樹種を専門に作っている人もいれば、個人邸の
 庭木を専門とする者もいる。園芸店向けのいわゆるガーデニング用の樹種を作っている者も
 いて、同じ植木屋でもこうも違うものかと今更ながらに驚くのである。
 一昔前は花市場向けの花木などは植木屋のテリトリー外のものであったが、今は植木生産者
 も少なからずこうした樹種を栽培している。
 一方、花卉生産業者も花木や小潅木の生産を始めたりと、以前は棲み分けが割合はっきりと
 していたのだが 現在はその垣根も入り乱れてボーダレス感覚が根付いてきた。
 それはコニファーが注目を集め始めた頃から顕著になっている。

 

2/2(水)晴れ

 畑の整理
 この冬一番の寒さか、昨日に増して冷え込んだ。季節風も相変わらず強目に吹いている。
 この時期に寒さのピークが来るのは例年の事なのである。寒いと言ってもここ千葉県の
 九十九里海岸に面した地方は気温的には大した事はない。風さえ強くなければこの寒波でも
 特別な防寒は必要はないと言っていい。
 伐採した枝を片付けていると問屋さんから連絡があり、ブルーエンジェルを10本昼までに
 頼むとの事。根巻き材料を積んでいなかったので急いで家に帰り用意して畑に戻った。
 高さ2mもので、昨年根回しを掛けておいたので根はすこぶる良好で掘り取りも楽に出来る。
 土の湿り具合も申し分のない状態であった。この冬は適当に雨もあるので概ね冬越の
 環境としては最善に近い。寒さに因る傷みも最小限で済みそうだ。

 

2/1(火)晴れ後曇り

 AM ハウス内作業 PM 挿し木用土作り他
 かなり厳しい寒さだ。風がそれを助長する。全国的に荒れ模様のようだが、関東地方は
 気温は低くてもよく晴れているだけありがたいと思わねばならない。
 午前中はハウス内の雑作業。風の日はここに逃げ込む。気温が低いだけなら畑で
 重労働すれば何と言う事もないのだが、風が加わると柔な精神は一挙に萎えてしまうから
 始末が悪い。まあこれも今が暇な時期なので許される我儘なのではあります。
 これが直接お客さんの現場仕事であったらそんな甘えも到底許される範疇にはないものと
 理解しているが、農家あるいは自営業者の数少ない役得のようなものと考えている。
 農家の良いところ。1)雨が降ったら休める・2)寒いときは休める・3)暑いときも休める・
 4)気分が乗らない時には休める・5)仕事したくない時に休める・6)疲れた時も休める・
 7)仕事があっても休める・8)曜日に関係なく休める・9)祝祭日に関係なく休める・
 10)一週間でも10日でも一ヶ月でも続けて休める・・・・と、こんなところだろうか。
 農家の悪いところ。1)〜10)それらすべての裏返し。

 

1/31(月)晴れ

 第1圃場黒松の移植利休梅の発芽
 一昨年の今頃に根回しをしておいたクロマツを移植した。
 これは畑の道路縁に苗木を植えて育てたもので、それを
 時々枝抜きして幹に変化を持たせ枝を振り分けて
 枝物の形に養成したものである。大きさは1,5〜2,0m
 ほどの小さいものである。毎年枝を切り詰めて少しずつ
 微調整を繰り返して意図する模様に近づけてゆく。
 気の長い話であり割に合わない仕事でもある。
 今日はお客さんが二組来て、先日掘り上げた寒椿と
 オタフクナンテンを持って行き、もう一組はクロマツの
 商談であった。
 右写真は利休梅の発芽の様子。昨年11月頃種を蒔いたもので、真冬の今頃発芽する。
 春暖かくなってから芽を出せば良いものを何を好き好んでこの寒さの中で芽を出すのだろうか。
 何がそうさせるのだろう。ただ寒さが好きなだけか、それとも単に持って生まれた固有の性質か。
 ビニールハウスの中であるが暖房はしていない。寒さの厳しい朝は霜柱で持ち上がってしまう。
 早いもので一月も終わる。一年の12分の1である。

 

1/30(日)晴れ

 AM 休み PM ハウス作業他
 午前中は所用があって作業は休みとなった。朝から猛烈な北西の季節風が吹きまくり空は
 澄切った青空だが、この冷たい風で畑の吹抜けでの作業には困難なものがある。午後からも
 ハウスの中に身を委ねる結果となった。
 夕方前に風が収まりかけてから圃場にコニファーを掘りに行った。
 雨・風・寒気・そして夏の暑さも含めて、屋外作業には辛い気候条件の日も多い。
 今日のような悪条件の日は外で無理をすれば体にも悪い。こんな日は家でゆっくりしたい。
 自家業の長所短所を上手く調整して時間的にゆとりある生活をおくれたらといつも思うのだが
 現実となると難しい。土日を休むなど元より望むべくもないことだが、休みが雨の日だけだとは
 悲しくも哀れなるかなこの生き物は何を楽しみに日を送る。
 芽が出て葉が出て花が咲く。ただそれだけが感動で、ただそれだけが嬉しくて・・・。
 中学生並みの心情で生きられるのーてんきな私は幸せである。
 以前「清貧の思想」という本が話題になった。内容は忘れた。読んだ次の日には忘れるタイプ
 なのだが、要するにあくせく稼いで物の豊かさに溺れてしまって、心の豊かさを喪失している
 現代人を、過去の生き方上手の達人たちを引き合いに戒める内容であった。
 確かにそんな生き方が出来ればいいなと思った。世間から見れば「変人」の生き方である。
 「変人」なら少しは自信がある。やって見ようかと思ったが、「常識人」でもある私は結局出来ずに
 今日に至った。これを凡人と言う。

 

1/29(土)晴れ後曇り

 畑の整理
 朝のうちの青空も昼前には薄曇に変わった。天気は下り坂のようだがかなり暖かい。
 今日一日の半分はバックホーでの作業であった。根元から切断した木の切り株を抜根したり
 更地にした部分をバックホーで耕起する。普通のトラクターでは地表から30cmくらいしか
 掘り起こせないがバックホーだと50cm位は深く耕せる。時間は掛かるが地中に残っている
 根を排除する事も出来るのでこの方法を採っている。植えた苗木の生育も良い。
 夕方第4圃場にクリスマスホーリーを1本掘りに行った。お客さんに頼まれていたのを思い出して
 慌てて行ったのだが、どうやらキツネがいたらしい。あれ、まさか、そんな、何で、こんな事が、、、
 ない、ない、・・・ 何処を探しても・・・一粒もないのである。
 数日前には、いやというほどびっしりと赤い実が山になっていたのだが、それが・・ない。
 高さ1m横80cmの木が数十本ならんでいるのだが、そのどの木を見ても一粒も残っていない。
 答えは、野鳥の仕業なのだが、それにしても何で今頃の感は拭えない。
 クリスマスホーリーは11月の末には真赤に色づくはずである。鳥が盗るならもっと早くなくなって
 しかるべきである。少しづつなくなるというなら分かるし、鳥が発見し難い場所というならそれも
 わかる。しかしそれもない。
 この木の実は不味いのだろうか。とうとう他に食べ物がなくなったこの時期に仕方がないので
 手をつけずにいたこの実を啄んだという訳か。
 それにしても見事なお手前。たったひと朝の出来事に違いない。何百羽が一斉に舞い降りて
 ここで会ったが百年目、遠慮会釈も情け容赦も義理も人情(?)もなく喰い潰して行った。
 えー、えー、、よくやってくれましたよホント。
 こうなったらこちらもタダでは済まない。アタマにきたから今夜は焼き鳥をたらふく喰ってやろうか。

 

1/28(金)曇り一時晴れ

 畑の整理
 小物植木の出荷後の跡地を整理する。疎らに残った植木を他へ移植したり傷んでいるものを
 処分したりして、この春に植えつける苗木の圃場を作るための作業である。
 野菜栽培では一作が終わるとかなりの面積が一挙に確保できるのだが、植木の場合は
 トラクターで鋤き込む事は当然出来ないので、一枚の畑の中の飛び飛びに新植地をつくらな
 いといけない。
 同じ大きさの苗木を植えても永年作物である植木は個体差が大きいので、どれも同じようには
 育ってくれない。早く大きく育った物から出荷していくので育ちが遅いものは翌年まで待たなければ
 ならない。次の年に育ち遅れているものはまたその翌年の出荷という事になる。
 このように苗を植えてから出荷が終わるまでの1サイクルが非常に長いので、単位面積あたりの
 年間の植木の収益は決して高くはない。
 野菜や他の作物で優秀な農家はかなりの高収入を得ているところもある。植木は販売時に
 金額的にはまとまったものになるのだが年換算の収益では大した事はないのが実体である。
 植木の基本的な特徴としては出荷時期に買い手がいない、あるいは安値状態の時であったら
 そのまま持ち続ける事が出来ると言う事である。
 野菜など単年度の作物では収穫時期即販売時期であるので市況の善悪にかかわらずに
 基本的にはその時点で出荷しなければならない。
 その点では植木は有利だが、しかしそれも長期的に見れば良否の判断は分かれるところだ。
 植木栽培の利点は、誤解を畏れずに言えば、横着が出来るところである。
 野菜栽培は手を抜けない。家庭菜園と違ってプロとなれば毎日が勝負みたいなものである。
 病気や虫、施肥管理、温度や水分等の気候にも注意を払い出荷時期を策定してすべての
 工程をそれに合わせて調整していく。とても細やかな管理生産である。
 植木生産も同じような工程なのだが、「似て非なるもの」とはこの事で、全ては大雑把なので
 ある。少々虫や病気にやられても、来年新芽が出れば回復してしまう。肥料も野菜とは比較
 すべくもなく少量、しかも適当で何とかなってしまう。出荷だっていつでもいいやといった塩梅。
 だから野菜農家の人は植木も生産できるが、植木農家には野菜はとても作れない。
 植木も今ではそんな悠長な時代ではないが、今日までの悪い意識の伝統を色濃く残している。
 植木は横着者のする仕事、などと以前はよく言われた。う〜ん、当らずしも遠からず、か。
 働き者の私でも野菜は作れない。大雑把人間にはやはり植木(屋)が似合う。

 

1/27(木)晴れ後曇り

 午前10時から野栄町植木生産組合の総会があり、それまでハウスの中。
 総会は九十九里海岸を望む国民宿舎のさか望洋荘で開催された。毎年この総会には
 町長始め、町議会議長、産業課長、地元選出の県議会議員、農業委員会長、農協組合長
 県農業振興センター課長他多くの関係機関団体の代表者が来賓として参列する。
 現在この町では大規模な公園建設が始動している。相応の緑化工事も予定されている。
 この工事を植木組合で受注しようと話を進めていて、町当局とも議会関係者とも折衝を計り
 実現を目指して活動している。これについての議論が中心を占めるに至った。
 更に、八日市場市との市町合併が一年後に予定されていて、それに伴う各植木組合の
 関係についての論議も活発に行われた。
 例年だと意見する者もなく、しゃんしゃん総会で終わるのが恒であるが、直接個人の利害に
 関わる事項にはみんな敏感である。
 午後から畑に出てオタフクナンテンを30本ほど掘上げた。野の空気はさわやかだ。

 

1/26(水)雨後晴れ

 AM 雨で休み PM 積込み他
 深夜からのしとしと雨が朝になっても降り止まない。朝の早い段階で止むと高を括って
 いたから予定を急遽変更せざるを得なくなった。
 9時過ぎに街に出て買物や銀行の用を済ます。ホームセンターにも寄って見た。
 植木の販売コーナーにも行ったが、長い期間置かれている苗木の中には傷んで
 しまっているものもあり、周囲もみすぼらしく見えてしまって残念である。
 雨が掛からない場所に置いてある根巻きの苗木の根鉢がからからに乾いてしまって
 いて葉も艶がない。余程水を掛けてやろうかとホースを探してしまった位である。
 午後からは雨も上がって、先日堀上げたドラセナをお客さんが取りに来て積込む。
 3時過ぎに終了して、千葉の名物の殻付き落花生をお土産にこのお客さんは帰ったが
 別のお客さんが来て規格検査樹の確認に立ち会う。その後同業者を訪ねて植木を
 見て歩くなど普段では出来ない事もこんな中途半端な日ゆえ可能となった。

 

1/25(火)晴れ

 親戚の家に手伝いに行く。
 バックホーを使って畑の整理作業をする。大きく育ち過ぎてしまって販売品としては
 適さなくなったものや生理障害など傷みの激しい樹木を掘り起こして撤去する。
 畑を一旦更地にして新規に苗木を植えつける目的のための仕事である。
 処分とは言っても商品として適さなくなっただけで、中にはまだ十分植木としての価値を
 有しているものも多い。公共緑化用の樹木や民間でも大手の需要となるとそれぞれの
 「規格」があり、それに外れた樹木は販売対象外となってしまう。
 木々にも自然に個性が備わり、そこからそれぞれの味わいを醸し出すのだが
 残念ながら人間が決めた「規格」から外れた木は処分される運命にある。
 それでは勿体無いから規格外の木を安く買い上げて都市に緑を・・・と言った考え方が
 一方ではある。正論のようだが現実的ではない。それほど安くならないのである。
 これは野菜についても同じ事が言える。例えば、曲がったキュウリは売り物にならずに
 捨てられてしまうが、それならその分安く販売できないかと誰しもが思う事である。
 しかしそれも中々困難な事。理由は植木にしても野菜にしても、それ自体には金銭的
 価値があまりないからである。
 植木を掘り取る費用、目的地まで運ぶ費用、植え込む費用など、幹の曲がってしまった
 木であれキュウリであれそれらの費用は規格品と同じに掛かるのである。
 それらを差し引いたら、物それ自体の価値はほとんどなくなってしまうのだ。勿論高額な
 樹木であればそれらを差し引いても十分に価値は残るが、それは1本何十万円かの
 価格の植木である。
 植木生産者は毎日の労働の対価をそのまま植木の値段に反映させられるかと言うと
 それは夢物語の状況である。需要と供給のバランスが価格を決定する以上独自で
 しかも強力な販売力を有していない限り時価での販売を余儀なくされるのが普通である。
 一年間働いて、トータルとしての収入を労働日数で割って日当が計算される訳だが
 では一体、私の日当はいかほどになるかというと・・・うぅ〜・・・ それは言えない^^。

 

1/24(月)晴れ後曇り

 黒松掘り他

 黒松の根巻き1 黒松の根巻き2 クレーンでの積込み

 今日は暖かくなった。ニュースでは梅の見頃を告げている。春の訪れが早からんことを
 願うのは多くの人の常だが、これは植木屋にはとても困った問題である。
 早春の花は植木の本格的な需要期を待たずに咲き終わってしまうので、販売サイトには
 深刻な影響となってしまう。冬は寒いほうが、夏は暑いほうが、何かと穏やかに物事は
 流れて行くような気がします。
 クロマツを2本掘り上げる作業がメインの一日。このマツは、どうやら中国に行くらしい。
 経済発展の著しい中国には私有財産制の導入以来、相当数の富裕層が出来たらしい。
 この植木が公共の場所に植えられるのか大金持ちの個人の庭に入るのか分からないが
 現地ではかなり高い値段となるのだろう。
 4〜5年前にイタリアに黒松と五葉松を10本ほど輸出した事があった。その時はせいぜい
 2mの高さのものであったが、こちらで5〜6万円の品物があちらでは25万円とかすると
 言っていたような記憶がある。あの時は虫や病気の検査が厳しかった。出荷まで何度も
 何度も消毒したり、枝を高圧ホースで水洗いしたり大変だった。
 中国への輸出はまだそれほど厳しくはないらしい。こちらへの注意事項もまるでなかった。

 

1/23(日)曇り

 ドラセナ掘り
 この寒さの中でほんとうに大丈夫かいなと・・それでも必要とあらば掘らざぁなるまいて・・
 そんな訳で今日はドラセナの株立ち物を掘った。自転車販売店も少なくなって、この町でも
 2軒を数えるだけとなった。昔は近所だけでも数件はあったのだが、今は車で少し走らないと
 ない。ホームセンター等で安売りの自転車が大量に出回る昨今、個人の自転車店は
 経営が成り立たなくなった。自転車屋に古タイヤのチューブを時々貰いに行く。ドラセナは
 普通の樹木の幹とは違いとても柔らかだ。冬場でもヘタをすると幹を傷めてしまう。
 吊り上げたときにスリングバンドの摩擦で幹の皮を剥いてしまうのである。一般の樹木でも
 5〜7月頃の水揚げの激しい時季は幹が特に柔らかくなっていて、小枝などは人間の手で
 強く引いただけで表皮が剥けてしまうほどである。普段クレーンで植木を吊り上げるときは
 バンドを掛ける位置に緑化テープを何層にも巻き付けたり、厚いカーペット布地などを
 巻いたりして幹を保護するのだが、新緑時季にはそれでは頼りない。厚く巻いたから良い
 というものでもない。ではどうするかというと、そこで自転車のチューブが活躍するのである。
 話は回りくどかったが、このチューブを縦に裂いたものを幹に強くひっぱりながら巻きつける
 のである。幹周4〜50cmのものだと3〜4枚使用して50cmほどの幅に巻きつける。
 ここにバンドを掛けて吊り上げれば滅多な事では皮は剥けない。(一般向け解説でした)
 と言う事で、今日も沢山チューブを用意して堀上げ作業と相成った訳である。
 5〜6本立、高さ5mの結構大きいサイズのものを4株掘った。このクラスだと4tトラックに
 2株しか積めない。それも車の後方に3mも幹をはみ出しての事である。
 荷物を荷台からはみ出して運ぶには制限外積載と言って警察署の許可を得なければ
 ならないのだが、植木屋はまともにこれにひっかかる。これについては昔から悲喜交々の
 話しがあって興味深いのだが、これはまたいつか折をみて書きたい。
 今日は些か疲れた。仕事仲間が手伝いに来てくれたものだから余計張りきってしまった。

 チューブを巻きつけた幹 ドラセナ株立ち

 

1/22(土)晴れ

 挿し木準備 寒椿掘り他
 北西の季節風が冷たい。風にも揺らぎがあれば風情にも通じようが、今日は扇風機を
 回したような味気ない乾いた風が夕方まで吹き抜けた。
 第1圃場にコニファー等を挿し木する床を作った。バックホーで30cmほど掘り下げて
 その中に挿し木用土を入れ込む。これに2,0mのアーチトンネルを作って保温材で覆う。
 これで簡易即席挿し木床の出来上がりと言う訳である。
 ここには比較的発根し易い種類を挿し木する。その他の種類はハウスの中となる。
 H04w04の寒椿を30本掘りあげる。納品はまだ先だが、畑を整理する都合上早めに
 掘り上げる事になった。その他サザンカの傷んでしまったものを処分したり伐採したモチノキの
 根を掘り起こしたりする。これからは畑の雑仕事も多くなる。日脚も伸びた。
 夕方前に花市場の集荷の運転手から携帯にTELがあり、こちらの場所が分からないと言う。
 その都度運転手が変わるので時々あることなのだが、それにしてもご苦労様な事だ。
 集荷はたった1ケースのみである。イチゴノキの紅花の種類で6寸鉢が6ケ入ったもの。
 運賃は例えば東京までで350円ほどである。これだけでもわざわざ集荷に来なければ
 ならない。集荷業者も大変である。発注する方は契約である事をいいことに平気で予定に
 組むからたまらない。いつかは2本だけというのもあった。
 こちらは依頼される方だから別にかまわないのだが、それでも幾分気の毒になる。
 近くの園芸農家にでも集荷があって、そのついでと言うなら良いのだが。
 花市場の注文は細かい。まあそれはそれでいいのだが、やはり気心知れた植木屋さんの
 方がどこか大雑把でやり易い。時にはどんぶり勘定もあってたまにはガッポリ・・・(ないない^^)。

 

1/21(金)晴れ

 マツの仕立て
 北西の風が冷たい。寒気が入ってきているようだ。冬だもの少しはビシッといきたい。
 沢山着込んで気合を入れれば、これ位の寒さは何でもない。ただ懐の寒さは如何ともし難く
 植木が売れる春の到来が一刻も早からんことを願うのみである。
 今日でマツの仕立ても終了した。正月休みや他の仕事を挟みながら、ちょうど一ヶ月間の
 作業であった。一年の十二分の一だが実稼動はその半分ほどであろうか。
 さて、今日はカウンターの話でもしよう。トップページに設置してあるアクセスカウンターだが
 昨年の2月から置いてあるのだが、これが当てにならない。これはプロバイダーOCNの
 既成の物である。OCNは他のCGIカウンターは許可しないので仕方なく使っている。
 このカウンター、同じサイトの中でもページを移動し再度トップページに帰ってくるとカウント
 してしまう。これでは正確な訪問者数は掴めないことになる。
 インターネットで調べてみたら、アクセスカウンターにも色々あるが、必ずしも正確なものは
 ないそうである。それぞれ特徴があって一長一短があるのだそうだ。
 それにしても このカウンターは数値が上がり過ぎるので実数は割引いて見る必要がある。
 それでも毎日覗いていると大よそのところは浮き彫りになってくる。
 ここずっと、このサイトは作業日誌しか更新していないので、常連さんはここだけ見て去って
 行くはずである。するとカウントは1。もしかして作業日誌にブックマークを付けている人も
 いるかもしれない。推定では毎日訪問して下さる方が20〜30人はいらっしゃるようだ。
 新しい方が来られると直に分かる。カウンターの数値がいつもよりぐっと高くなるのである。
 いずれにしても、これほど多くの皆さんが見て下さるとは当初は予想していませんでした。
 このサイトは自己満足のために作ったのであり、皆さんのお役に立つことを想定して内容の
 充実を図っているものではありません。勿論せっかく作ったのですから、一人でも二人でも
 見て下さる方がいれば、それで更新していく価値はあると思っていました。
 20人30人は私にとっては大そうな人数です。責任重大なのですが、まあ皆さん勝手に
 見に来ている訳ですから、こちらも肩の力を抜いてやっていこうと思っています。
 人の良い私はついついサービス精神を発揮して馬鹿な事を書いてしまう癖があります。
 正月に今年は絶対そんな事は止めようと固く心に誓ったのであります。それでもやはり
 馬鹿はバカ。ついついサービスしちゃいます。
 今度から1カウント1円いただこうかしらん・・・。明日からカウント0になったりして・・・^^。

 

1/20(木)晴れ

 マツの仕立て
 早いもので、気がついたら一月も下旬に入る。
 これからの作業予定としては、マツの移植や根回しがある。コニファーの移植も根回しもある。
 春に植える苗木の圃場も作らなければならない。そのために畑の整理もしなければならない。
 挿し木の準備、落葉樹の堀上げ及び移植、その他細々した作業が目白押しである。
 二月中旬をターゲットにそれらを完了させる事を念頭において仕事を進めている。
 今作業しているマツの仕立てが予定より少し長引いてしまったので、これからの他の作業を
 縮小するか検討しなければならない。
 忙しいのだが、極端な事を言えば植木はほっておけばほっておける。一年くらい先延ばししても
 最低限の管理を怠らなければ彼らは待ってくれますから、その点では頼もしいのであるが
 それに甘えていれば効率的には低下する。これだけ働いていても一方でロスしていれば
 何の為の努力か疑問符が付くことになる。そこでまた無理をする。
 強欲な私は一生救われないといった結果に成り果てるのが落ちであろうと思うのである。
 仕事があまり好きではない私。お金もそんなに欲しいとは思わない(?)私。
 皮肉な話ですねぇ。そんな私がますます深みにはまって行くようで・・。一体何なのざましょ。

 

1/19(水)晴れ

 マツの仕立て
 今日も暖かい。昨日に続いて3月の気候だそうだが、このまま順調に春になるとは
 思えない。例年だと今月下旬から2月上旬に掛けてが一番寒さが頂点に達する時期なので
 今後に寒さもピークが来るものと思うが、暖冬基調には変わりはないであろう。
 一週間ほど中断していたマツの仕立てをした。この作業もほぼ終わりに近づいてあと
 一日か二日で終了する目途がついた。
 昼前にお客さんが来て、町内の植木を案内して歩いた。タブノキがメインで後は下草の
 小物植木を数種類下見していった。実際の植栽工事は来月になるようだ。
 この造園業者さんは結構忙しく働いているそうだ。従業員5〜6人で公共工事の下請けが
 主な仕事である。曰く、他の同業者は暇なのが多いが俺のところは順調に仕事がある、と
 自慢気だ。確かにここにきて人により格差が出ているようだ。
 我々植木生産者にもその格差は忍び寄っていて、結局は適地適作で地道にこの地方の
 特産的な樹種を丁寧に作り続けていた人がそれなりの収益を上げているようだ。
 価格の問題も当然あるのだが、お客さんの第一義は必要なものが必要なときに手に入る
 事が重要な要素としてある。
 この地方の特産としては、クスノキ タブノキ マテバシイなどがある。これらの樹種で
 C 0,3m以下のクラスは現在品薄状態にある。これらは、価格低迷の時でも飽きずに
 苗木を植え続けていた人だけしか在庫を持っていない。

 

1/18(火)晴れ

 ゴルフに行き仕事は休み
 近隣の人たちとゴルフを楽しんできた。先日の新年会で話がまとまったのである。
 風も弱くて温かい日和であった。3月の陽気であったそうだから自然の営みの悪戯に
 いつも人は振り回される結果になる。
 ゴルフはその人の性格をよく現わすと言う。猪突猛進型の私は出たとこ勝負のきらいあり。
 緻密な計算も深い思考も慎重で思慮深い行為も苦手である。
 これはゴルフには致命的な欠陥である。私は基本的にゴルフには適さない性格のようだ。
 レンジでは300ヤードの猛者も、コースに出ると借りてきた猫のように大人しくなって
 スコアの呪縛から本来の実力を発揮出来ずに結果として崩れてゆくタイプの人がいる。
 冷静沈着でしかもあの人がと思うほど大胆なゴルフをする者がいる。普段の人柄からは
 到底想像し得ないような人間性が顕著になる。日常では隠し通せたその人の性格も
 ついつい露見してしまうのがゴルフなのである。だからゴルフは恐い。
 相手のミスを喜ぶ者。ルールに大まかな者。スコアを誤魔化す者。それらを非難するの
 ではなく、誰でもが同じ延長線上の人間である事の証明はそれほど困難な作業では
 ないと改めて認識させられるのである。

 

1/17(月)晴れ

 フイリヒイラギ ツバキ掘り冬のエレガンテシマ
 世の中はうまく出来ていて、晴れの日が続いたかと思うと時々
 雨が降る。時には曇り時には風が吹く。晴れと雨と曇りの割合が
 どの位か知らないがこれが、雨の日が普通で時々晴れるといった
 気候だったらどうなるだろうか。世の中まるで違った景色になって
 いたに相違ない。物理的な景色のみならず、人の世の風景も
 深く沈んだものになっていただろうか。
 植木屋と言う種族もこの世に棲息していなかったに違いない。
 万物を例外なく暖かく照らす日の光は本当に有難い。
 この二日間雨に閉じ込められて気分も湿りがちでいたから
 今日の輝きは一入胸に沁みる。
 健康で働ける事の喜びを、命あることの幸せを思う。
 青い空があり、透明な澄んだ寒気と風に応える緑の枝葉
 鳥が空をゆけば、遠くに人々が営む煙も立って
 地下足袋を通して太陽に照らされて温まった大地のエネルギーも伝わる。
 雨は、恵みの雨として時々降るのが良い。晴れる日の割合が多いのも神の配剤か。
 明るい光は生きる勇気を鼓舞し自然が感動的であることを訓えてくれる。
 右写真はコニファーのエレガンテシマの冬の色。これが緑色に変わり始めると
 春になる。5月には黄金色に輝く。

 

1/16(日)雨

 雨で作業は休み
 しかしまあよく降った。昨日の朝から、夜通し、そして今日も夜までずっとずっと降り続いた。
 今日は雨量も多く強風も加わって大荒れの終日となってしまった。
 受験生も大変だったろうし、土日がこれでは消費も伸びなかったのではなかろうか。
 仕事を二日間休めたので体は楽が出来た。日頃おろそかな浮世の義理も少し果たして
 後は家でゆっくり出来た。それは良かったが、しかし、何もしないでいると時間の経過が
 ものすごく早く感じられて充実感は得られないものである。
 会社員さんは毎週土日をどのように過ごしているのでしょうか。もっとも既成の休日なのだから
 計画は立てやすいので何かしら予定はあるのだろう。私のような、その日になってみないと
 予定が立たないと言う事はない訳だからそれなりの事をしているのであろうと思う。
 夕方近くになって友人が訪ねてきてストーブを囲んで皮肉の言い合い非難の応酬となった。
 同病相哀れむと申しますか本当に可哀想な二人でございます。頭の程度が同じようなもの
 だからよく絡まるのかもしれない。そう言えば「ああ言えば交遊録」というのがあった。「ああ
 言えば上佑」というのもあったが、これはいただけなかった。軽口の方便もいろいろである。
 さて明日はどうなるであろう。これだけ降ったから畑は水分過多であろうから植木を掘る事が
 出来るかどうか。水捌けのよい土質であるから何とかなるとは思う。2月の中旬から植木の
 市場出荷が始まるので、それまでにそれなりの作業は終了させておきたい。出荷が始まれば
 その他の作業は中々進まない事になってしまうのである。考えるだけでも忙しい。

 

1/15(土)雨

 雨で休み
 久々に今日はゆっくり休もうかと思いきや、無情のベルが鳴ったのだった。
 コルムナリスのH1,5を7本昼までに頼むと来た。
 昨日の夕方前の話であった。お客さんから連絡があって、在庫の有無を尋ねられた。
 在庫はあるが、明日は雨になりそうなので今日の内なら堀上出来ると回答したのだ。
 先方は発注元に紹介し折り返し電話で正式に注文すると言っていたのだが、夜になっても
 連絡が来なかったので話しが流れたのかと考えていた。それが今朝になってからこれである。
 八時前からぽつぽつ降出していた。こんな小さな注文などわけないのだが、それでも降られれば
 億劫である。雨合羽を持参して家を飛び出したのだった。
 幸い雨はほんの小降りで合羽を着用するまでにはならなかった。1時間ほどで作業は終了し
 その足でお客さんの家まで届けてから帰宅した。9時半を過ぎていたが、それ以後雨脚が
 強くなり夜まで降り続いた。この雨は畑が乾いていたこともあり恵みの雨となった。
 それにしても、どうしてこう急なのだろう。植木は他の商品のように倉庫に積んで保管して
 ある訳ではない。畑で根を張っているものを掘り取るのである。命あるものを扱っているので
 あって、植木にしてみれば外科手術を受けるようなものである。急かされて良い手術が
 出来ようはずもない。
 植物関係の仕事をしているとは言っても、本当に植物を理解している人は少ない。
 ほとんどが素人のようなものである。自分も他人のことは言えないが・・難しいのである。
 植物を人工的に育てることは難しい。もしも植物に自己生存本能のようなものが備わって
 いなかったなら、一体何人の人がこの仕事を出来るのだろう。
 植物は多少粗雑に扱っても基本的な要件さえ満たしていれば育ってくれますから、誰にでも
 それなりには関わる事ができます。それが逆に植物にかかわる人間を甘えさせてしまって
 いるのだろうと思う。
 植物を観賞する立場の人は良いとして、それを商売にしているのであればもう少し何とか
 ならないかと思うこの頃です。確かに仕事となれば無理もしなければならない時もある事は
 十分理解しますが、最低限の事だけはやらなければいけない。
 植木は枯れない。滅多な事では枯れない。それが枯れるには相当の事が考えられるが
 せめて、最低でも、根を乾かすような事だけは止めましょう。プロでしょうから・・・。

 

1/14(金)晴れ後曇り

 斑入りヒイラギ掘り
 毎日のようにお天気に文句ばかり言っているワタクシですが、今日は文句のつけどころが
 ないほどの天気だった。太陽が天心に近づくにつれ上着を一枚ずつ剥いでいった。
 昨日と今日では天国と地獄ほどの違いがあって、これはデスクワークの方々には実感し
 難い感覚であろうか。
 昨日に続いてのフイリヒイラギ堀だが、昨日よりサイズを一段階落としての掘り取りである。
 全部で3段階で各100本ずつの合計300本の予定である。今日は中間のサイズの物を
 100本とそれより更に小さいサイズの物を20本掘った。
 昨日の日誌に、今の時季に何でと書いたが、今日分かったのだが、この柊をプラ鉢に入れて
 ビニールハウスの中で暖かくなるまで養生するのだそうである。
 実はこれは、今年のクリスマスの需要を見込んでの仕込みらしいのだ。クリスマスツリーと
 して使うのか? だとすれば、白い斑は雪をイメージする演出となるのか。うう〜ん、どうだ
 ろうか。上手く考えたような、安直なような・・・。勿論これに赤い実でも付けば絵になり過ぎる
 ほど(銭湯の富士山)になるが、世の中というのはそこまでは上手くいかない。
 この柊は一般的な斑入り種で、白い外斑が美しいシマヒイラギと呼ばれ実が付かないもの
 である。デコレーションとしてこれに造花の赤い実を付ければどうかと言うのもある。
 これも人それぞれで考えようではあるが、私などはどうかと思う。勿論これは売る側の立場
 からであって、家で楽しむお客さんがどうしようとそれは結構なことではある。
 小売店はいろいろ付加価値を付けて少しでも優位に売ろうとするのも理解できるが、私たち
 素材屋はやはり個々の樹木の個性を美しさを愛でて欲しいと思うのだが・・・ 。

 

1/13(木)晴れ

 フイリヒイラギ掘り
 雲ひとつない真青な空が一日中続いた。これで風さえ吹かなければ穏やかな冬日和
 なのだが、昨日に続き今日も強い西風が吹き荒れた。
 斑入り柊を掘り上げる作業をした。問屋さんからの依頼なのだが、今頃の時期に何故に
 植栽の需要があるのだろう。柊は寒さに極めて強い。真冬でも移植に耐えるが、同じ柊でも
 斑入りとなると事情は変わってくる。この種類は比較的弱いのである。
 柊は近年いろんな種類が出ていて性質もまちまちである。寒い地方に適するものから
 温暖な地方でしか栽培出来ないものまでさまざまなのだ。
 それでも必要とあらば応えざるを得まい。どんな地方に植えられるかは生産者の感知
 できる範囲の事ではない。(おかねになるならそんなことはどおでもいい・・とはいわない)
 このところ雨が少ないので畑は乾き気味だ。3年前に移植したのだが、根が幾分荒れて
 きているので注意深く掘る。少し太い根は用心して剪定鋏で切る。土が乾き気味だから
 乱暴にスコップをふるうと根鉢が崩れてしまうので気を使うのである。
 H1,2mW0,4のものを100本堀上げたら午後4時になっていた。そのままお客さんのところに
 届けに行って一日が終わった。

 

1/12(水)晴れ後曇り

 鶏糞の施肥
 冷え冷えとした一日。西がらみの嫌味な風も強く吹き、仕事が木造りや手入れの
 手先だけのものであったら、とても耐えられない程厳しい条件の気候である。
 そんな中でも各地の植木屋さんは辛抱強く黙々と働いている事だろう。屋外で働く者の
 宿命とは言え強固な信念がなければ続かなかろう。軟弱な私はついつい家に逃げ帰って
 しまう事度々だが、今日の作業は動き回る仕事なので比較的凌ぎ易いのである。
 ビニール袋に入った15kgの鶏糞を脇に抱えて木の根元に少しづつおとしてゆく。
 農作業と言うのは腰を屈めて作業するのがほとんどであるが、これは立ち作業に
 近いので、その点では楽なのだ。今日のような寒い日でも単純な仕事でもあり、そんなに
 苦にはならない作業である。
 潤いのある心とはどんなものを言うのだろう。
 よく聞く話だが、雪国の地方の方が千葉に来るとずいぶん寒く感じるらしい。
 今日のような空っ風が吹く日は、南国千葉のイメージも形無しである。赤城おろしや
 筑波おろしと呼ばれる乾燥した強風が吹き抜けるので本当に嫌味な寒さなのである。
 雪のある土地のように湿度が保たれていれば多少は柔らかく感じられるのだろうが
 無味乾燥、容赦ないいたぶりなのだ。
 人の気持ちが分る心を教養と言うのだそうだが 乾いた心に他人を思いやる優しさは
 育つまい。 夜は一層深々と冷え込んできた。

 

1/11(火)晴れ後曇り

 AM マツの仕立て PM 鶏糞施肥
 正月前の暖かさを体が覚えているせいか、年が明けてからの寒さは心身に応える。
 これが例年並みの気温だろうが暖冬との思い入れがあるものだから寒さが厳しく感じ
 られるのだろう。
 午後から前もって注文しておいた鶏糞が用意できたと連絡が入り町内の養鶏場に
 引き取りに行った。15kg入りで一袋120円であった。鶏糞は廃棄物扱いとしても
 この価格は安いものだなあと気の毒になるくらいである。
 鶏糞を掻き集め一ヶ月もかかって乾燥させて袋に詰め込む。それのトータルが120円
 ではやりきれまい。鶏糞自体はタダにしても労賃だってこれでは赤字のはずである。
 もちろん使う人がいなければ逆に費用を出して何らかの形で処分しなければならないの
 だから赤字は経費と見ることも出来るが、それにしてもの感ありなのだ。
 買う人によっては、ここの養鶏場の鶏糞は乾燥があまくて水分が多いとぼやく者が
 いる。つまり同じ15kgだから水分が多い分、量が少ないと言っている訳だが
 高い買物ならそれも的を得た指摘であるが、高々120円では論外と言うものであろう。
 今日も東南アジア系の外人が働いていた。顔を見ただけでは30代か40代か分からない。
 まだ日本に来たばかりだろうか、日本語も英語も分からない。フィリピンかタイかなどと
 訊いたのだがまったく通じない。ただ「ツナミ」と言ったら大いに反応を示したから
 そちらの方面の人であることは間違いなさそうだ。被害はなかったのかと訊いても
 要を得ない。日本語の数字も理解しなかったから、本当に日本に来たばかりなのだろう。
 それでも愛想は良かった。笑顔も似合っていた。仕事もきっちりしていたから悪人では
 なさそうだ。ウンと稼いでお帰りと右手の親指と人差し指で○を作って見せたら
 彼も同じポーズを作ってニタッと笑った。

 

1/10(月)晴れ

 マツの仕立て
 1/8のシュロナワの写真について説明がなかったので今日はそれを一席。

     

     

 要するに、棕櫚縄の作り方なのですが、こうして作ったものを腰ベルトの腹部あたりに括り付けて
 使用します。写真を見れば一目瞭然ですが敢て解説を試みますると、右利きの人は、左手小指の
 付根にシュロの端を一回巻いて固定します。そして手の甲にバッテンを書くようにして親指と小指を
 支点にして巻きつけてゆきます。ある程度になったらそれを手から外して内側に二つに折り曲げて
 小指から外したシュロの先端を折り曲げた中央から少し伸ばしておきます。(これがリードになる)
 このリードを中心にして外側を形を整えながら巻いてゆきます。3〜4回巻いたら少しずらして
 渦巻き状になるように丸く巻きつけます。適当な大きさになったら玉の中央をヒョウタンのくびれの
 ようにして2回巻き斜めに下りてきた線に掛けて固定します。この紐を30cmほど残して切ります。
 これがバンドに止める紐になります。ヒョウタンのくびれの所の止め方は、あくまでも結ばない事。
 唯、引っ掛けておきます。これは、シュロを引き出して使ってゆくうちに内部が空洞になって緩みが
 出て来た時に簡単に絞る事が出来るようにしておく為です。
 注意 あまりきつく(固く)巻き上げない事。中で詰まってしまって引き出せなくなってしまいます。
 途中途中うまく形を整えながら丸く仕上げる事。以上です。お後がよろしいようで!

 

1/9(日)晴れ

 AM マツの仕立て PM 新年会で休み
 朝方、第1圃場の近くにある竹山に篠竹を採りに行った。直径1〜1,5cm高さ3mほどの
 小さなものである。このクラスは最近は販売されていないので、自分で採取しなければ
 ならない。植木を仕立てる時に小枝を誘引するためにはどうしても必要な竹である。
 この竹山は自然発生的に出来たもので、元は近所の植木農家の畑であった。
 これが長い間手入れされずに放置されて、何処からともなく竹が生えて自然に増殖して
 現在はこの篠竹が密生する竹山になってしまったのだった。
 この竹は結構重宝している。材質は柔らかいので剪定鋏で切ることが出来、素性が良い
 ので根元から先端まで太さの比率が小さいので使い易いのである。それにタダで自由に
 採ってこられるので都合が良い。
 ただ困った事もひとつあり、この竹山は第1圃場の南側の畑一枚おいて立地しているの
 だが、この中間にある畑も現在は耕作しておらず荒れてしまっている。野芝が全面に
 生い茂り南側のこの竹山から進入した地下茎から竹が疎らに生えてきているのである。
 この竹が私のところの畑の近くまで来ているので、後は時間の問題で我が畑に到達する
 のは必至である。
 一度竹が生えると厄介になる。地下深く逞しい根を伸ばして殖えるので除去するには
 大変な手間隙が掛かる。取り払ってもすぐまた伸びてくるので始末に終えないのだ。
 これを予防するには深さ60cm位の溝を掘って地下茎の伸張を妨げるしかない。
 最近はこのような耕作されないで荒れてしまう農地が少なくない。農民が高齢者で
 後継者もいない。更にそれらを借り受けて耕作する農民もいない。
 畑作物は何を作っても採算が合わないので誰もやろうとしないのである。賃貸料は
 1000uで年間15000円程度でタダみたいなものだが、それでもやるものはいない。
 水田であれば管理も簡単なので借り手はいるのだが、畑は処置ナシの状態である。
 今後も農家は減ってゆくし荒れた農地は増えるばかりだ。法律により、純農地帯では
 転用も認められない。
 あと20年もしたら農家は数えるほどしか残っていないだろうと予想される。
 荒れた農地をどうするか。都会からの新規就農者がこれをカバーしきれるとは到底
 思えない。趣味的な農業では穴埋めできない規模の面積と悪条件が存在する。
 規模拡大しての株式会社化も一部では可能だろうが、今の農家が受け持っている
 景観保持や水利機能、地域集落の平安秩序維持の役割まで肩代わりできようとは
 考え難い。

 

1/8(土)晴れたり曇ったり

 マツの仕立て
 赤松黒松の手入れが終わると春先の出荷時期までは幾分ヒマになる。シュロ縄
 勿論やるべき仕事は色々あるのだが、精神的には楽になる。
 植木の芽も伸びないし害虫もいないし草も少ない。おまけに注文も
 あまり無いので畑で夕方まで遊んでいればいい。
 そんな訳でマツを仕立てているのである。本当のところを言うと
 あまりやりたくはない。将来的に売れる見込みがたたないからだ。
 それと、同業者もみんな同じような小さいサイズの松を作っていて
 数年後にはこのクラスのものが供給過剰になってしまうことが
 予測されるからだ。これは大径木の動きが鈍いので生産者が
 競って小形の造形樹を作り始めたからに他ならない。
 それでも今あるものを捨ててもおけない。これまで何年もそれなりの
 手間を掛けてきてしまっているので捨てるには抵抗がある。
 売れる見込みが一切ないというのであればそれもやむを得ないのだがそこまでは
 まだいっていない。判断に迷うところである。
 がからつまり、ヒマがあるから一応作っているという訳なのだ。
 これが数年後には裏目に出るかもしれない。その確率が高いのも何となく感じる。
 現在の木は早くお金にするためにインスタントに育ててきた。つまり安物である。
 自分で仕立てていて何のときめきもない。自分がそうであれば、お客さんの方は
 より一層そのように感じるであろうから購買意欲は湧かない事となる。
 売れない今だからこそ、じっくりと年数と手間隙を掛けてより良い物を作るべき
 なのかもしれない。それとも早く枝物に見切りをつけて他の植木を生産した方が
 得策かどうか。
 なまじっか自分で仕立てが出来るものだからいけないのかもしれない。職人頼みで
 あったなら、とっくの昔に採算割れしているので今頃は跡形もなかったに違いない。
 これが商売でなかったら、枝物作りは本当に面白い楽しい仕事である。
 小さい苗木の時から何十年も先を睨んで、こんな形にしよう、こんな枝ぶりにしよう
 と想像力と創造力、知識と勘と腕を振るって目的の形に仕上げてゆく。中には
 盆栽のように自分一代では間に合わず二代三代と託してゆく。そんな物語も
 楽しい。

 

1/7(金)晴れ

 マツの仕立て
 朝は寒かったが時間の経過と共に暖かくなって、風も弱く絶好の作業日和となった。
 仕立てたマツの写真を今日も撮りましたが、結局良いものが撮れず残念でしたが
 昨日撮ったものと合わせて別のページを作って載せましたので後ほどご覧下さい。
 カメラが古い(5〜6年)のとHP用に画素数を小さくしているので余計に見づらいのかも
 しれませんが、やはり奥行きがでない写真では無理があるようです。
 小さい木なので作っていても面白味はあまりありません。簡単なので集中力に欠けて
 気が入りません。他所のお宅でお金を貰って仕事をするのならやる気も出ますが自分の家の
 仕事となると甘えが入ってしまいます。まあこれも自家業の良いところでもありますから
 それが出来る内は余裕がある証拠でしょうから幸せである事に感謝しようと思います。
 大きな木になると心構えも違ってきます。7mも8mもある木ですと神経を使います。
 枝配りのバランスをとるのにも苦労しますし、枝も太くて硬いので力も使います。仕上がりの
 良否は直接価格に反映されますから大きな失敗も許されなくなります。それに落ちたら死ぬ
 かもしれない(^^)訳ですから真剣になります。今作っているものはほんの遊びのようなもので
 仕上がりも良くありません。(腕の悪さの証明!)
 写真の木の形は、この地方の伝統的なもので古くからの作り方ですが、現在ではこの形が
 最近の住宅様式にマッチしないため消費が減少しています。そこで職人の間では作り方も
 大幅に変更して、もっと自然風に「柔らかく」仕上げるようになってきています。
 それでは、私の「駄作」を見てやろうと言う方はここをクリックして下さい。(恥ずかしい^^;)

 

1/6(木)晴れ後曇り夕方雨

 マツの仕立て
 今朝はかなりの冷え込みだった。霜柱が沢山できている。
 空も薄く晴れているだけで大地を暖めるだけの力はないようだ。
 久しぶりにカメラを畑に持って行き、マツ造りの経過なども撮ったが光量不足で思うような
 写真が撮れない。良い写真と言うのは中々撮れないものですが、特に造形樹というのは
 平面画像では実体が判然としない。たとえ大木を写しても、その迫力もスケールも息吹も
 伝わり難いです。風景写真とて同じであろうが立体感の表現は写真の平面描写と言う制約上
 致し方のないところだろう。デジタルはそのところが特に貧弱であると思う。
 このホームページにも枝物植木の写真を載せたいと思っても、これぞと言うものがない。
 何のインパクトも伝わらない写り様なのだ。それでもマツなどは透かし手入れをしてあれば
 多少の立体感は出るのだが、刈り込み物の迫力は実物に遠く及ばないものである。
 今日写した物も一見何だか訳が分からない。小さいマツなので余計にスケール感が出ないの
 だが明日もう一度撮って見て、この場に載せたいと思っています。

 

1/5(水)晴れ

 マツの仕立て
 気温は低かったがよく晴れた。久しぶりの畑は何かよそよそしくて少し気恥ずかしい。
 みんなが俺を懐かしそうに見ている。彼らも少し戸惑った表情からやがて笑顔に変わる。
 仕事を始めてしまえばいつもの家族に返って空気のような存在となる。
 コニファーは夏と冬では劇的にその葉の色を変えるものがある。見た目はあまり変わらない
 種類でも微妙に変化して、それなりの主張がある。
 寒い日があっても今年は暖冬基調で、猫柳はまだ葉を落としきっていない。これも珍しい。
 芽吹きが始まった落葉樹もあって、何が何だかもう大変。こうなると人間の方も忙しなく感じて
 すぐにでも春が来そうで、植木の出荷始めから逆算してそれまでの作業日程を確認したり
 肥料や資材の発注を急いだりと、既に正月も遠く感じられて 時間の儚さを今更ながらに
 思い知らされている。正月は初春と言ふ。春ならば夏はもうすぐだ。やがて秋になりモミジが
 散ればもう師走。正月はすぐそこだ。明日は懐かしいあのひとに年賀状を書こうと思う。

 

1/4(火)晴れ

 ハウス内作業
 朝から暖かい。夕方までカッターシャツ一枚で十分な陽気だった。
 尤も、終日ハウスの中だったので余計に暖かく感じたのかもしれない。草をとったりポット植木を
 間引き移動したりする。正月も本当に形だけのものになった。今日から事実上の平日で、通常の
 仕事を始める。 まだ休んでいてもよろしいのだが、唯ダラダラしているだけで何も手に付かない。
 無意味に休んでいると何かご先祖様に申し訳ないような気がしましてねえ。
 遊び呆けている後ろめたさと貧乏性が重なって、小心者の私は家の中でじっとしていられない
 気持ちになるのです。決して仕事中毒ではないのです。否、むしろ本来は横着な性格なのだが
 どーゆう訳か動いていないと気が晴れない。不安なんでしょうね、休んでいると。
 何か上手い言い訳でもあればずっと休んでいたいのですが、・・・運命と言うやつなのでしょうね。
 真面目な働き者の私ですが、世の中にはもっとエライ人がいて、二日の日にトラクターに乗って
 田圃を耕していた人がいましたから感心を通り越して唖然としてしまいました。私はそれでも
 常識人ぶって今日まで大人しくしていましたから・・・田舎は周囲の目がきつくて、私みたいに
 上品な人間にゃあ住みづらくていけやせん。世が世なら、宮様と呼ばれてもいい私なの・・・・^^

 

1/3(月)晴れ後曇り

 今年の正月三が日は結局天候に恵まれた形となった。
 今日もよく晴れて暖かい。10時過ぎよりハウスに入ったり水を掛けたりする。
 少し体を動かすと気分も良い。心身のバイオリズムが活発化し妙に大地とも植物とも
 一体感が生まれる。
 喰っちゃ寝、喰っちゃ寝の毎日は精神も肉体も衰退の一途を辿るのだろうか、ボケッと
 してしまって何も手に付かない。忙しいときは暇があったら、あれもしたいこれもしたいと
 思っているのだが、いざ休みができると有効に活用できないでいる。
 これは要するに、時間のあるなしではなく、時間を何にどう使うかの問題であって
 やる気云々の問題でもない。強欲だからあれもこれもとなるが、自分の気の向かないものは
 意欲も湧かないこととなる。それはつまりそれがどうでもいいことの証明のようなものである。
 人間の時間は限られている。ひとつの事を成すもたやすくないからボケッてもいられない。
 昼前には私と何処となく顔が似ている人達が何処からともなく集まって宴会が始まった。

 

1/2(日)晴れ

 結構な氷も張って、今朝は外の水道は完全に凍ってしまった。
 暮れから急に本来の冬らしくなったが、それも朝晩が主体で、昼は晴れてさえいれば
 暖冬であることは疑いようがないくらい暖かい。
 10時を過ぎると凍っていた水道も蛇口を捻ればトロトロと流れ出す。しばらくすると
 一気にMaxパワーで噴出する。
 鉢物の水掛をしようと思ったが億劫になってやめてしまった。鉢の正面は乾いていても
 真冬の事だから一日くらい先延ばししても何と言うこともない。植木屋は呑気な商売である。
 これが家畜であったら、こうはいかない。盆も正月もなく1年365日手を休めることはない。
 植木は何一つ文句を言わない。暑かろうが寒かろうが、肥料が欲しいとも水が飲みたいとも
 言わない。言わないからこそ気になるのだ。
 植木屋は道楽者のする仕事だと昔の人は言ったが、今はそうでもないのですが・・・いや
 半分くらい当っているような、そんな気もします。若い皆さん、道楽がしたかったら植木屋に
 なんなさい。
 午後から甥子が遊びに来た。夕方近くになって街に買物に出た。人は少なめだった。

 

1/1(土)曇り後晴れ

 明けまして、おめでとうございます。
 ここ千葉県野栄町(のさかまち)の元旦の朝は曇り空で一時小雨も降る生憎の天候で
 初日の出も見られませんでした。しかし9時過ぎには晴れて穏やかな日和となりました。
 今日は一日ゆっくりしました。来客もなく出かけるでもなし。
 初詣で全国的に有名な成田山へも30分の距離ですが、不信心の私はほとんど行かない。
 正月の一週間は身動き出来ないほどの混雑で成田周辺はうっかり近付けないくらいです。
 三社参りというのがあります。神奈川県の川崎大師と浅草の浅草寺と成田山の新勝寺の
 寺々を元旦に巡ってくるのですが、この地方の人達もよく行きます。
 夕方、それに出かけてきた友人が来て、土産に川崎大師の名物の葛餅を持って来てくれた。
 今日は天候の影響か、何れの仏閣も人出がかなり少なかったそうだ。

 下の写真は我町の航空写真ですが、上方が九十九里海岸で、白砂青松の美しい海岸線が
 続きます。ここから日が昇り日が沈む。どちらも見事です。
 緑色が水田で、その中に点々と濃い緑が植木畑です。
 海辺の町ですが、ここ何年も海に行ったことがありません。子供の頃から見慣れた風景なので
 面白くも可笑しくもないので行かないのですが、海のない県の方は海を見ると喜ぶようだ。
 私は山の風景の方が好きだが、山国の方は山を見てもあまり感動がないのだろうか。
 平坦地の海は海岸まで行かなければ見えない。わざわざ出かけなければ見えないのだが
 山は普段の生活の中で広範囲の場所から望む事が出来るのだから少し意味合いが違うかも
 しれない。もっとも、秀麗な山を望める地域と言うのはそう多くはないとは思いますが。

 野栄町上空から九十九里海岸を望む

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